シェヘラザードでしたか
2011年 09月 21日
コメント下さった方から、真央ちゃんの新SPがシェヘラザードであったことを知らせて頂きました。
返信が滞っててすみませんが、こちらの記事を先にアップさせて頂きます。コメントを下さっている皆様、ごめんなさい。許してちょ(←もしかして時代を共有した人にしか分からない言い回し?こりゃまた失礼)。
さて、シェヘラザード。
ロシア5人組の1人、リムスキー・コルサコフの交響組曲で、以下の楽章から成っております。
(演奏時間は、私の持ってる小沢さん指揮シカゴ響のCDによります)
第1楽章 海とシンドバッドの船(9’33”)
第2楽章 カランダール王子の話(11’47”)
第3楽章 若き王子と王女(9’40”)
第4楽章 バグダッドの祭り(11’54”)
コルサコフが「千一夜物語」に触発されて作曲したもので、そういや、シェヘラザードは王妃になるのですよね。すっかり失念!
というのも、バレエ「シェヘラザード」では、シェヘラザードが出てくる本体の物語ではなく、物語の冒頭にあるシャリアール王が女性不信に陥ってしまうエピソードだけに特化しているのですわ。
バレエにおける物語の概要は、以下のとおり(なお、ルジマトフのガラ公演におけるシェヘラザードの感想はこちら)。
シャルアール王の留守中、彼のハーレムにいる愛妾ゾベイダを含むオダリスク達は、看守ユーマクに賄賂を渡し、男奴隷と逢瀬するために奴隷部屋の鍵を手に入れ、彼らを解放する。解放された男奴隷たちは、オダリスクと酒池肉林。ゾベイダもお気に入りの「金の奴隷」と悦楽にふけります。そこへシャリアールが帰還し(もともとゾベイダの不貞を疑っており確かめるために不意打ちで帰ってきた)、男奴隷を全員殺害。ゾベイダの命乞いにもかかわらず「金の奴隷」も殺害。ゾベイダは悲嘆にくれて自害。シャリアール王、どん底へ落ち込む。 おしまい。
ディアギレフ率いるロシア・バレエの栄えある創作第1作目がシェヘラザードで、振付はフォーキンです。強烈なオリエンタリズムと、色濃いエロティシズムで大変な人気をはくしたのだとか。
金の奴隷を踊ったのは、ニジンスキーです。この写真は非常に有名なのでご記憶のある方も多いと思います。確か、山岸さんのニジンスキー関連の作品の中でも元ネタとして借用されていたはず。
現在「シェヘラザード」といえばマリインスキー・バレエ団、日本においては同団出身のルジマトフが思い浮かびます。もちろんゾベイダも捨て置けない役柄ですが、なんといってもニジンスキー以来、金の奴隷が注目される演目です。
ということで、バレエ「シェヘラザード」は、あらゆる意味で真央ちゃんのイメージとは一ミリも重なりませんが、元の「千一夜物語」のシェヘラザード王妃は、真央ちゃんのイメージにぴったりではないでしょうか。
シェヘラザードは、極度の女性不信に陥り毎夜夜伽に来た処女たちを翌朝殺し続けていたシャリアール王のもとに自ら覚悟をもって嫁していき、王を苦境から救った上に仁徳ある統治者に導いていく伝説の王妃で、美と知性だけでなく、深い慈愛を持った徳の高い人物であります。
まあ、遠い昔に原作を読破しようとして挫折し、結局、イギリスかどっかのドラマ仕立てのもので「千一夜物語」を知った私が偉そうに言うことではありませんが。
興味深いのは、音楽をどのように編集するかですね~。