カナダ杯 雑感 その2
2010年 11月 06日
男子 ショート&フリー その2
●アルツール・ガチンスキー(17才) ロシア
ミーシン門下ということが大きいのでしょうけど、動きがプルシェンコさんに似ていますね。
その影響もあるのかもしれませんが、妙に貫禄を感じてしまいました。
FPの音楽は、ショスタコビッチのバレエ音楽「ボルト」。
私の記憶の限りですが(調べてもいんだけど今は時間なし。後日調べて間違えてたら訂正入れます。)、「ボルト」は、旧ソ連時代のボリショイ・バレエ団の演目です。
あの時代のボリショイらしく、労働者たちが主役の演目で、機械工場内でのボルト(ネジに似たやつ)をキーに話が進行していき、そこに恋愛が絡んでいたと思います。
ま、ザ・ソ連、というような作品ですね(私はあまり好きではない)。
ほとんど西側諸国では上演されていなかった演目で、ソ連内でも特に崩壊後は上演されなくなっていたものを、21世紀になってボリショイの芸術監督を当時務めていたラトマンスキー(今はABTの常任振付家(だったかな))が、新たに振り付け・演出しなおして上演しています。
以前、NHKが芸術劇場でその舞台を放送しました(繰り返し再放送されたかもしれないけど、私の持ってる録画は2008年頃だと思います)。
という次第で、超マイナー演目と言えると思います。
こんなマイナーな演目の音楽を選んでくるあたり、すごい自信があるんだな~と思いましたね。
17才なら、もっと観衆の皆さんが知っているノリのよい楽曲を使用して、観衆のノリを後押しに利用する、というのもアリだと思うのですけど、そんな気一切ないんでしょうね。。。
衣装が演目とは合いませんし、ムーブメントも荒い。
でも、音楽性があって、表現の地力を感じさせる。
私の中ではダンサー候補でもあります。
今の最大の懸念は、体力ですかね。
●アダム・リッポン(20才) USA
ムーブメントが洗練されて優雅で、姿勢もよい。
上のガチンスキーさんとはタイプが違いますが、音楽性も高いし、表現力の地力も感じさせる。
ただ、SP(チャイコのロミジュリ)と、FP(ラフマのピアノコンチェルト2番)は、楽曲としてはタイプが全く異なるけれども、ロシア作曲家特有のメローなメロディー旋律、しかも不協和音なし、というものすごく大雑把なイメージでは一致しているわけで。
こういう楽曲って、確かにリッポンさんの優雅系の動きにとても合っている。
だけど、そんなやつばっかりやるのは自ら表現の幅を狭くしているようで、少しもったいないと思います。
まだ若いのだから、得意分野ばかりで勝負せずに、果敢に他の分野にもチャレンジして欲しいと、欲張りな私は思ってしまうのでした。
残りは、大問題のチャンさんと信ちゃんです。
今日中に書けるかは疑問ですが。