もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

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「物」の寄付について

★こちらの記事は2014年1月末まで冒頭に掲載されるようにしています。
最新記事は、この記事の下をご覧ください。左欄の「最新記事」メニューからもどうぞ。★

皆様、私は本館とこの別館2つのブログを持っていますが、実はアクセス数に雲泥の差があります。本館はせいぜい数百/1日ですが、この別館は数千/1日です。フィギュアスケートのオフシーズンであっても、別館についてはアクセスが1000を切ることは滅多にありません。

こんなにたくさんの皆様に来て頂けて、私は幸せ者です。本当にありがとうございます。

で!
内容からすれば本来は本館にアップすべきなのですが、できるだけ多くの皆様にご検討頂きたいので、今回、この記事を別館にアップさせて頂きます。

皆様、年末年始は、家の整理をして新しい物を買ったり、頂き物も多い季節。つまりは家の内外に「物」があふれる季節。中には新品あるいは綺麗な中古品なんだけど、自分は使わない・・・でも手近にお譲りできる方もいらっしゃらず・・・ということってありませんか。

そういう方には、是非!
その「物」自体をご寄付することを、ご検討頂けないでしょうか。

もちろん、寄付に対する考え方や感覚は人それぞれであり、強制するつもりは一切ありません。ただ、私自身、以前こういう形で寄付できることを知らなくて、せっかくの品物なのに持て余していた過去があるものですから・・・。そんな物たちが本当に必要な人の手に渡れば、皆が少しずつハッピーだなと。

物品の寄付先って以外に沢山あるのですが、例えば・・・

(1)病気の子供とその家族が利用できる施設の1つ、ドナルド・マクドナルド・ハウス

サイト上で、寄付を希望する物品のウィッシュリストが掲載されています(こちら)。
ウィッシュリストは時折更新されますので、今はなくとも、手持ちの物と合致する項目が出てくることもあると思います。私も過去、今のリストにはないけれど、当時掲載されていたマグカップをお送りしたことがあります。

(2)盲導犬の育成をしている東日本盲導犬協会

こちらもサイト上で、希望物品の例示があります(こちら)。
掲載されている通り、書き損じハガキも寄付できます。年賀状の余りなど、まとめていかがでしょうか。


(3)児童養護施設から巣立つ子供達への支援を行っているブリッジ・フォー・スマイル

私が最もご検討をお願いしたいのが、こちらです。

皆様、親から虐待を受ける子供達が増えていることはご存知かと思います。虐待されて保護された子供達の多くは、児童養護施設に入ります。全国には600近い児童養護施設があります(全国児童養護施設協議会のサイトに掲載されているPDFリストに施設名や住所などの詳細が書かれています)。

この児童養護施設の子供達に対し、全国で「タイガーマスク」を名乗る匿名の方々からランドセル等の物品が寄付されていることも、ご存知の通りです。

ですが、児童養護施設は法律で18歳(高校3年生)までしか入所できません。高校卒業後は、施設を出て自立を余儀なくされます。当然、虐待していた親に頼ることなど、出来ません。たった一人、この殺伐とした世の中に放り出されるんです。

皆様、思い出してみて。自分が18歳だった頃。まだまだ子供で、何もできなくて、何かあったら親や周りの大人に助言を求めていたでしょう?その年齢で、経済的にも独り立ちして、一人で部屋を借りて、人生の全てを切り盛りしないといけないんですよ。あまり報道されませんが、児童養護施設を出た人の自殺は、実はとても多いんです。親から虐待され、あげく自ら命を絶たざるを得ない厳しい状況に追い込まれるなんて・・・本当に人の人生というのは不公平で不平等です。

ブリッジ・フォー・スマイルは、児童養護施設を出て独り立ちを始める子供達を、支援する組織です。サイトのこちらのページに書かれてあるとおり、施設を出て独り立ちをする子供達の、生活必需品となる物品を寄付することができます。

また、不要となった本の寄付で、独り立ちをサポートすることもできます(こちら)。他の中古本屋さんに販売しても、たいした金額にはならないので、こういう形で寄付を検討するのもアリではないかと。

私が初めてこの組織の「新古品の寄付」の箇所を読んだとき、グッときた例示があるのです。それは、フォーマルウェア。生活必需品としては、盲点ですよね。これは実際に巣立った子供達のその後の生活を知らないと、出てこない項目だと思いました。

女性の場合、同じフォーマルウェアを着るのはせいぜい1~2回。リトル・ブラック・ドレスやシンプルなデザインの膝丈ワンピースなどは、若い方が着用しても映えるもの。合わせて買った(そしてそれ以来出番なしの)ショールやビーズバッグ等もあれば、この際、セットにして寄付してみてはいかがでしょう。

多くの女性のフォーマルウェア・デビューは、母親など周りの大人の女性(そのほとんどが血がつながっている方でしょう)からのアドバイスに満たされたものでしょう。そうやって女性は、大人の階段を上っていくものだから。でも、児童養護施設に入っている子供達には、そもそもそういうアドバイスをくれる血の繋がった女性が存在しないと思われます。そんな女の子に、素敵なウェアを年上女性からのアドバイスと愛をこめて贈って頂けたら、と思います。

もちろん、ご提供の打診をしても、受け取り希望とマッチングしない場合もあるそうです。
ただ、私は、過去には、シーツ・掛け布団カバー・枕カバーのセット、タオルセット(私は自宅のタオルは白一色と決めているので、頂き物のタオルは包装を取らずに保管しておいて寄付します)、キッチン道具セット、通勤バッグ、フォーマルウェアセットなどを提供しましたが、全てマッチングしておりますので、マッチングしない場合はレアだと思います。ちなみに今年も、フォーマルウェアセット、タオルセット、クレジットカードのポイント交換品(電気ケトル、ドライヤー、オーブントースター)などを寄付する予定です。

「子供の虐待」はよく取り上げられますが、虐待された子供達の「その後」はあまり知られていません。保護された後も、彼らの苦難の道は続いていることを知って頂けたら、そして時間的・気持ち的に余裕があればで結構ですので、サポートをご検討して頂けたらと思います。

あ、ちなみになんですが、私は上記(1)~(3)は全て「寄付したことがあるだけ」の繋がりです。なので、組織の事は、各サイトに書かれている以上のことは全く存じ上げません。なんか無責任ですみません。

あと、(3)ブリッジ・フォー・スマイルは、現在のところサポート対象は東京周辺のみのようです。
なので、それ以外にお住まいの方が、地元の子供達を支援したいとのことであれば、最寄りの児童養護施設を調べて、直接寄付なさった方が良いと思います(児童養護施設の中にはホームページや地方公共団体のサイト中にページを持っている施設があって、その中で保護している子供達の年齢構成や人数を出しているところもあります)。最寄りの児童養護施設は、上記の全国児童養護施設協議会のサイトに掲載されているPDFリストをご参照ください。トップページから跳べます。
マザーテレサは、インドにボランティア志願にやってきた日本人シスターに、「まずは自分の住んでいる所にいる貧しく気の毒な人達を助けなさい」とおっしゃっていたそうです。何事も、地元から、というのは正しい選択だと思います。
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by Koharu-annex | 2014-01-31 23:59 | その他

踊る女達の柔らかい身体

酒場にて。都知事選の選挙費用に50億もかかるのに、あんな候補達がわらわら出てくるだけなら、別に猪瀬で良かったじゃないか、俺の税金返してくれ~!と話しているオヤジが。皆、オヤジに直接反応することはなかったけど、店内には妙に納得した雰囲気があったのでした。確かにトホホな点はあります、都知事選。

とか言いながら、今朝、選挙公報読んでたらドクター中松が「50トンの筋トレ、骨密度20才」って書いてて、爆笑してしまったわ。地下鉄コンコースでも「トン…」って思い出し笑い。あぁ不覚。

さて、先日「踊る男達」の時代に登場した「踊らない女」の話をしましたが、本日は「踊る女達」の話を。今回の主役は、ユリア・リプニツカヤちゃんです。

身体表現においては、柔軟性があるに越したことはありませんが、柔軟性があればそれで万事OKかといえば、そうは問屋がおろさない・・・というか、その先にまた新たな世界へのステップがあるのが、表現の世界の面白いところ。

GPF女子雑感(こちら)で以下のように書きました。
キャンドル・スピンに象徴される彼女の180度(以上)開脚を含む動作、なかんずくラスト前に脚を前から上げて靴先を身体の方に向けた上で、上半身の軸を脚の方に傾ける姿勢に対する、私の正直な印象は、少なくとも今の段階ではちょっと曲芸寄りだってこと。

その理由はおそらく2つ。1つは、ストレッチした筋肉で支えられたポジショニングではなく、かつ「型」が身体に染みついた上で行うポジショニングではなく、極度に高い柔軟性という資質だけで身体を曲げているから。これは、彼女がまだ子供の身体である点に負うところが大きい。

もう1つは抒情性に欠ける点。彼女は今季から表現にも重点を置いていますが(こちら参照。コメント欄もできれば)、おそらくこの180度(以上)開脚は技術的な注意が必要なのでしょう、これをやるときには殆ど素なの(笑)。その場合、彼女の少し無愛想な表情に重点を置くと、まるで極秘で開発された柔軟な骨と筋肉を、人工的なプログラムで動かしているかのような、ちょっとした無機質さを感じる。

今回はこれらの点について、ちょっとだけ掘り下げてみようかなと。

極めて高い柔軟性による造形に「曲芸」臭を感じるかどうかの最も大きな分岐点は、そこに「洗練」があるかどうかだと思う。

身体表現において「洗練」さを出すキーは、究極的には「型」かもしれない。
舞踊には、古典的ものでも現代的なものでも(ストリートダンスなんかでもよ!)、「型」ってものがある。「型」という堅苦しい言葉を使うとイメージが掴み難いかもしれないけれど、「静的」なものと「動的」なものに分けることが出来て、前者はざっくり言えば基本的なポーズで、後者は基本的な動き・・・と言えば想像し易いんじゃないかな。

「型」の自由度は舞踊のタイプで異なるけれど、いずれも目的は「舞踊」にあるので、単に柔軟性のあることを見せるための雑技団系の曲芸に比べると、足先・手先・首・目線などの身体の末端部分まで、方向やら力の入れ具合など、結構細かい部分にまで気を使ったものが多いと思う(舞踊においては、細部まで理想形であることが全てではないけれど、神が細部に宿ることもまた事実)。

ちなみに、特にストリートダンスなんかでは、静的な型よりも動的な型の方がずっと重視されてて、熱心に研究され種類も豊富、という印象を持っています。古典バレエでは静的な型も超重要であることと比較すると、ダンスの潮流の変化を感じるわ。今のダンスは、ムービン、ムービン、ムービン!だわね(gの発音省略)。

話がそれました。
それで「型」を基礎からきっちり身につけて、理想的な「型」通りにしようと思うと、必然的に筋肉は鍛えられ、伸ばすべきところはストレッチされ、また必要な柔軟性を獲得もし、「型」により適した、踊る身体になっていくわけです。身体が「型」に適したものになるに従い「型」が身体に馴染み、無駄なく、力みなく、美しく、淀みなく、しかも決めるべきところはきっちりと決めた「型」で踊ることができるんですわ。そうなるとともに、踊りが洗練されてくる。

その過程において、特にある程度の柔軟性があれば、形だけは「型」に近いものができるようになる。極端な例だけど、柔軟性がとても高くて勘所も良い人などは、バレエのお教室に通い始めたばかりであっても、アラベスクのポーズ(もどき)ができたりするの。だけど、こういう柔軟性だけで取られた「型」は、それ用に訓練してきた筋肉や腱など様々なフィジカルな要素に支えられた「型」とは、洗練さのレベル、ひいては美しさのレベルが違う。

柔軟性だけの「型」は理想的な形とは若干異なることに加えて、そこに「踊るために訓練された何か」が足りないことを感覚が捉えるんだと思うのね。そこに見られる形は、むしろ、踊るために訓練された柔軟性ではない「中国雑技団」系の形と、共通項がより多く感じられるというか。だから、ちょっと泥臭く感じることもある。

この泥臭いという感覚、アメリカのジェイソン・ブラウン君の踊りを思い出してもらえれば、分かり易いかもしれない。基本的に人って柔軟な身体を見ると快感を覚えるから、彼の柔らかい踊りって見てて気持ちいいし、私も好きです。ですが、ちと、この泥臭さを感じます(断じて彼のヘアスタイルのせいではない!…はず)。彼は男子だから女子よりも筋肉量は多いはずだけど、でも今は、柔軟性という資質で踊りを乗り切っている部分が多いと思う。

ユリアちゃんは、バレエのレッスンをちゃんとしているからでしょうが、「泥臭い」という感覚を明確に覚えるほどではなく、むしろ年齢の割に型がしっかりしてる方だと思います(同年齢のラジオノワちゃんと比較すると明らか)。それでもやはり曲芸臭さをうっすら感じるのは、やはりあのキャンドルスピンが尋常じゃないからでしょうか(笑)。

ですが、この点については上述したように、時を経るごとに訓練された身体に支えられた「型」になり、そこに洗練さが出てくると思います。でも、もしかすると訓練が行きとどいた頃には、ここまでの柔軟性は消えているかもしれませんね。あそこまでの柔軟性は子供の体型でしか発揮できない可能性があるからです。

次に抒情性について。
既述の通り、ユリアちゃんは180度(以上)開脚をやる時に「素」なんだけど、元々の彼女がちょっと無表情で淡々としているところがあるため、動作が人工的で無機質、イコール抒情性が欠如しているように感じてしまう。踊りとしての抒情性が欠如しているように感じると、踊りなどの身体表現よりもむしろ、踊りではない「曲芸」に親和性があると感じてしまうという、という感覚の流れはあると思うのね。

ただ、そのほかにも「慣れ」の問題もあると思っています。
この点に関しては、バレエダンサー、ギエムにまつわる有名な話があるのです。
シルヴィ・ギエムが颯爽と現れてバレエ界に旋風を起こした頃、彼女のやった「6時のポーズ」ってのがあったの。あれはロレックスの広告にも使われたから、バレエの舞台を見ない人でも知っている人は多いと思う。

あのポーズに象徴されるように、ギエムは、脚をそれまでのダンサーよりもぐーんと高く上げたんですよ。以降、脚を高く上げるバレエダンサーが増えて、今じゃ昔レベルの脚の上げ方をされた日にゃ、逆に「脚がその程度の高さに保たれていることによってしか醸し出せないエレガントさ」ってものが感じられない限り、鑑賞者サイドとしては物足りなくなってたりする。少なくとも今のトップダンサーは、脚を敢えて上げない場合や身体的制限から脚があまり高く上がらない場合、そのポジショニングによりエレガントさを追求しないと、見栄えの点でちょっと損をすると思う。

実は、ギエムが脚を高く上げ始めた当時、評論家も含めたバレエ界においては「まるで曲芸」「全く優雅じゃない」として批判的な声もかなり多かったそうなのです。オペラ座でギエムを指導したヌレエフは、彼女が脚をグンと上げる度、バシッと叩いて低い位置まで下ろさせたそうですよ(笑)。でも、直後にギエムは再び脚を高く上げるんですって!(なんちゅう頑固さ(笑))。オペラ座から移ったロイヤルでも、彼女の脚の上げ方は同様に批判されています。

でも、彼女の踊りは脚の上げ方も含めて確固たる地位を確立し、上述したように多くのダンサーがそれまでよりも脚を高く上げるようになった結果、今は「こんなの曲芸」と批判的に見る方がマイノリティだと思います。もちろん「昔のバレエの方が品があって良かった」という人は結構います。が、現実問題として、多くのダンサーがギエムに追従した(その理由が「素敵!」だったのか「私だってできる!」だったのかは、このさい関係ない)結果、ギエムのような開脚にバレエ界は「慣れた」。これらの点を捉えて、ギエム以前、ギエム以後、なーんて言われることもある。

ギエムが世界を変えたように、ユリアちゃんに刺激された他のスケーター達が「素敵!」あるいは「私にだってできる!」と思ってトライすればするほど、柔軟性を見せつける動作はよりスタンダードになる。そういう状況に進みだすと当然「曲芸臭」は霧散する。一方で、そういう状況になればなるほど、柔軟性を基礎にした造形美を持たない女子選手(代表格はヨナちゃんでしょう)の演技は、バレエ界とパラレルに考えると、「柔軟性のない造形であるが故の特別なエレガントさ(あるいは特殊な別の魅力)」を新たに獲得しない限り、一層目に劣ることになる。

ただ、スケートがバレエと圧倒的に違うのは採点競技であること。
現在の採点では、そもそもスパイラル、イーグル、バレエジャンプなど美しい姿勢かどうかが露骨に分かる要素においてすら、「純粋な造形美」というものに殆ど重きを置いていない。180度(以上)開脚についてはスピンで得点の上積みができるものの(回転速度やポジションの変化等々で)、「純粋な造形美」を殆ど汲み取ろうとしない今の採点の現実を考えると、例えば新体操のように点数のために当然のように180度(以上)開脚が必要になったり、イーグル等でターンアウトを基礎にした造形美が必須になるよう、採点基準が一足飛びに変更されるような事態は考え難い。

となると、柔軟性&造形美旋風が巻き起こると、今よりますます鑑賞者が感じる見た目と、採点との間に齟齬が生じることになるわね。

柔軟性のある「純粋な造形美」を持つ選手に(しか)魅力を感じない人は、今よりもずっと採点に不満を持つと思う(「多くの選手が出来ている造形を、あの選手はできていないのに、点数が同じなのはおかしい」とか)。

他方、そうじゃない人は、高得点が出る選手の魅力を理解しろ、その前に採点を理解しろと躍起になって吠えるでしょう。(ちなみに私は今でも吠えられたことがある。前回のヨナちゃんの記事でも韓国籍と思しき人から、ルール等について嫌味なご説明を書かれたあげく「ソチ五輪で鼻をあかしてやるのが楽しみ」 とコメントが入りました。ま、そもそも私は美しいものにしか興味がないので、メダルや点数なんかであかされる鼻は持ってませんが。)

吠えられた経験のある人間からすれば、うっとーしさ倍増(笑)。もちろんヨナちゃんほど柔軟性&造形美を無視しながら高得点をゲットし続ける選手ってのは、当分出てきそうにないので(そういう意味ではヨナちゃんはレア物、韓国が冬季五輪のために国力かけて生み出した時代の徒花スターかもしれません)、杞憂に終わるでしょうが。

という次第で(?)、実はワタクシ、若手ロシア勢が出て来たスケート界の選手側(採点を決める運営サイドには期待してない)が、ソチ後にどのような演技に向かって行くのか、その方向性に今から興味があります。




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by Koharu-annex | 2014-01-30 15:26 | フィギュアスケート女子

GPF 女子雑感

GPFの記事の冒頭になんですが・・・四大陸の男女SPを拝見しています。

小塚君と未来ちゃんを見る時は実に切なかった。特に未来ちゃんはあのつらい決定から日が浅いので、まだ涙が浮かんでいるように見えます。インタビューに日本語で対応した際の「今シーズン最後の試合だから…」という言葉、聞いてる方も胸が詰まります。

ロココな衣装*が素で似合うという点で、他をぶっちぎる美しさを有する遥ちゃんが、全日本に引き続いて快調な滑り出しを見せてくれたのは嬉しい限り。
*ロココ時代の衣装という意味ではなく、夢見るようなパステルカラーの、繊細で薄く重なる生地に、曲線を多用した繊細で優雅な装飾が比較的過剰にしてある衣装、な程度の意味です。
さて、GPF。こんなに遅くなってしまって大変申し訳ありませんでした。


●総合1位 浅田真央(23歳)/日本/SP=ショパン ノクターン(振付:ローリー・ニコル)、FS=ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番(振付:タチアナ・タラソワ)、EX=Smile/What a Wonderful World(振付:ローリー・ニコル)

SPノクターンの真央ちゃんは、女性の身体表現者が目指す理想形(これは複数存在する)の1つに到達していると思います。淡く白い光に溢れて、どうかすると白昼夢のように消えてしまいそうな、幻のように儚い、でもそこに確かに舞っている美しい女性。

このノクターンでの彼女は、一言で言うと、飛天。天上界に住む人はきっとそうであろうと思わせるような、この世の汚れとは無縁な「人でない」雰囲気は尋常じゃなく、彼女がふわりと腕を動かすたび、霞がたなびき、このままスケート靴が氷を離れて天に飛んでいくか、指先から霞の中に消えていってしまいそうです。

私は以前、「私の好み的には手首~指先にもっと緊張感があって欲しい」と書きましたし、それは今でもバレエ見的な感覚からすると「やっぱそうだよね」とは思っています。しかし、彼女のノクターンがこの領域に達した以上、それはイチャモンというか、こういう小手先の変更をするとむしろせっかくの完成形から遠ざかるんじゃないかという気がします。

この演技では、手のひらを柔らかく上に向けることが何度かありますが、いつも使っている「手のひら」という言葉じゃなくて、「掌(たなごころ)」と呼びたくなる感じ。この「たなごころ」を含め、ある種東洋的な天人を思い起こさせる、俗世と異なる結界の中にあるような雰囲気を醸し出す「飛天の舞」は、バレエとは異なる世界に置いておいた方が良い。

だけどさ、こういうレベルに到達したノクターンに、あの新しい衣装はどうなんだろう。デザインも色も「悪い」とは言い難いですが、何かが違うような気がする。

SPの3Aでまさかの回転不足を取られたせいで、FSは力みが出てしまいました。ブログ運営のスタンスが違うので、天野~!とは申しません…(苦笑)。が、SPの採点がFSの演技に影響したことは必定。私はとにかくFSの完成形が見られなかったことが至極残念です。


●総合2位 ユリア・リプニツカヤ(15歳)/ロシア/SP=愛はまごころ(振付:イリヤ・アベルブフ)、FS=映画『シンドラーのリスト』より(振付:イリヤ・アベルブフ)

おおう、SPの衣装は前の薄い色の方が好きだわ。薄い色の方が、少女期の移ろい易い儚い気持ちの揺れが、より感じられると思うのよ。

ユリアちゃんとえいばキャンドルスピン。テレビの実況がまちまちなので、キャンドルスピンが特定のスピンを指すのか、それとも脚を上げるスピン全般を指すのか、私には理解できませんが、それはおいといて。

キャンドル・スピンに象徴される彼女の180度(以上)開脚を含む動作、なかんずくラスト前に脚を前から上げて靴先を身体の方に向けた上で、上半身の軸を脚の方に傾ける姿勢に対する、私の正直な印象は、少なくとも今の段階ではちょっと曲芸寄りだってこと。

その理由はおそらく2つ。1つは、ストレッチした筋肉で支えられたポジショニングではなく、かつ「型」が身体に染みついた上で行うポジショニングではなく、極度に高い柔軟性という資質だけで身体を曲げているから。これは、彼女がまだ子供の身体である点に負うところが大きい。

もう1つは抒情性に欠ける点。彼女は今季から表現にも重点を置いていますが(こちら参照。コメント欄もできれば)、おそらくこの180度(以上)開脚は技術的な注意が必要なのでしょう、これをやるときには殆ど素なの(笑)。その場合、彼女の少し無愛想な表情に重点を置くと、まるで極秘で開発された柔軟な骨と筋肉を、人工的なプログラムで動かしているかのような、ちょっとした無機質さを感じる。

これらの点について詳しく書いてると長くなっちゃったので、今、別記事にまとめています(途中ですが)。その中で男子のジェイソン・ブラウン君にも言及できれば良いなと思っています(どうなるかな…)。


●総合3位 アシュリー・ワグナー(22歳)/米国/SP=クレイジー・ダイアモンド(振付:シェイ=リーン・ボーン)、FS=プロコフィエフ ロメオとジュリエット(振付:デビッド・ウィルソン)

全米選手権4位に沈んだそうですが、GPSの成績等から3位の未来ちゃんではなくワグナーさんが五輪出場権を射止めたそうですね。未来ちゃんは残念ですが(本当に…)、ワグナーさんには祝福を送りたいと思います。

ワグナーさんって偉いなあと思うことがあるのです。
彼女の身体の特質である「力み」は、どうしても表現の幅を狭くするんですが、そういう制約がある中でも、毎シーズン、選んだ演目ごとに似つかわしい表現を見つける努力を行っているところ。

その努力、私からすると「あ、いや、そっちじゃまずいだろ」ってこともあるし、トライした表現が結局のところ空回りで終わった演目もあるけれども。「柔らか」や「優雅」等いわゆる「女性特有の」と枕詞がつくようなムーブメントと縁遠い彼女が、諦めずに自分のできる表現を模索する姿は、端的に素敵です。

ま、こういう私が素敵だなと思うところって、真央ちゃんの理想形の点もそうなんだけど、点数に結びつかないのだけどね(苦笑)。


●総合4位 エレーナ・ラジオノワ(14歳)/ロシア/SP=映画『アンナ・カレーニナ』より/Two Steps From Hell、FS=映画『フリーダ』より(振付:イリヤ・アベルブフ)、EX=Zombi Dance

「可愛い!」と叫ぶのは前回でお終いにしますが(笑)・・・関節と関節を糸で繋げただけの操り人形のように、どうにでも動きそうな、でもふとした瞬間に瓦解してしまいそうな肢体。この独特な身体が、ものの見事に動いていく様を見ることができるのは、とても楽しい。ここまでの独特な動きは期間限定かもしれませんが、そうであるなら尚更、これからの成長過程にも興味が出ますね。

ファイナルでは唯一五輪出場資格がない彼女にアドバンテージがあるかもと思っていたのです。五輪出場を狙うお姉さん方より気楽に臨めるかな、と。ですが、さすがに緊張したようで・・・これまでは、若さとシニアで滑る喜び、そしてデビュー年故の怖いもの知らずな、憂いのない溌剌さに溢れていたのに、今回はほんの少し影が差したように感じました。ただそうはいっても、わずか14歳。この年齢でここまでの出来はまさに上々でしょう。

EXのゾンビダンス、衣装替え!うわ~、可愛い(あ、言ってしもた)
以前の記事のコメント欄で、ファイナルでのこの衣装が「ゴスロリ」みたいで可愛いって書いてた方がいらっしゃったのだけど、確かに~。私は、また、映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」に出てくる少女のまま吸血鬼になったクローディアを思い出したりしたわ~。

さて、ロシアの2人の少女について、複数の記事にわたって同じ方から鍵コメで教えて頂いたことが沢山あるので、ここでちょっと皆様にもご紹介を。情報を下さったY様(←とりあえずイニシャルにしてみた)、いつもありがとうございます。多方面から情報を集めることは物理的にも気力的にも不可能なので、本当に感謝しています。

ユリアちゃんとラジオノワちゃんって同じコーチについていらっしゃるんですって。振付師が担当していらっしゃいますが(←Y様からご指摘頂きまして、修正いたします。ご迷惑をおかけしました~)、2人は正反対の性格なので(ユリアちゃんが内向的、ラジオノワちゃんが外交的)、双方の長所・短所を考慮したプログラムを用意されているのだそうです。

ラジオノワちゃんは、もともと表現することがとってもお好きで、音楽も踊りも演技も全て大好きなんですって。対してユリアちゃんは、昨年までは技術オンリーだったけれど、今季から表現することにトライしているのだとか。そういう意味でも、この2人は対照的ですよね。

鍵コメのY様は、対象的な選手が同じ国に同じような年齢(1歳違い)で生まれて、今後競い合って行くであろうことに、ちょっとした運命的なものを感じるとのことですが、まさにおっしゃる通りだと思いました。


●総合5位 アデリナ・ソトニコワ(17歳)/ロシア/SP=カルメン(振付:ピーター・チェルニシェフ)、FS=序奏とロンド・カプリチオーソ(振付:ピーター・チェルニシェフ)、EX=オブリビオン

ファイナルでは実力発揮できませんでしたが、その後のロシア選手権では2連覇優勝(←すみません。コメント欄でご指摘頂いたので訂正します。情報ありがとうございました)したそうですね。シニアに上がってから成長する身体に苦労し、なかなか安定して成績を残せなかった彼女。そうこうしているうちに若い自分よりも更に若い選手が次々に名乗りを上げてきて、ホントに大変そうです。暫くはシングル女子は、ロシア選手が中心になるかもしれませんね。今の日本男子のように国内選抜がもっとも過酷になりそうです。

それにしても、FSの振付の独創性は見事。また、ソトニコワちゃんのこなし方がね、素敵なのよ。真央ちゃんとは異なる類型ですが、確かな造形美がそこに。時々スムーズにいかずに、ちょっとワタワタしてることもあるけれど。

この演目には、エッジの利いたコンテンポラリーダンスを見ている快感があります。フィギュアスケートを見ているけれども、ダンスは見たことないという方から、「コンテンポラリーダンスってどんなの?」と訊かれたら、手っ取り早い例示としてこの演目を教えて差し上げるってのもアリかな、なんて(笑)。


●総合6位 アンナ・ポゴリラヤ(15歳)/ロシア/SP=エル・チョクロ、FS=映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』より「マーメイド」

今季のグランプリシリーズ台風の目の一人でしたが、ここにきてこんな形で若さが出ましたか。彼女の欠点と言っていいのかな、アクセルジャンプに対する苦手意識と、脚のムーブメントの乱暴さの両方が、前面に出ちゃってましたね。

FS、髪型がより原作を彷彿とさせるものになり期待感高まったのですが、後半激しく疲れてしまったようで遅れに遅れて惨めなフィニッシュ。本来は腕の動きも美しく、ポテンシャルの高い方なので、この悔しさを糧に頑張って欲しい。






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by Koharu-annex | 2014-01-24 03:05 | 2013-2014 フィギュアスケート
今、ようやくGPFの女子雑感が「あとちょっと」ってとこまで来ているんですが。
その記事の中で<おまけ>として、B級大会の安藤さんとヨナちゃんのことを書いてたんです。

それを知らせたら、例の友が別記事で先にアップしろとぎゃーぎゃーうるっさい。彼女曰く、概要「ヨナはバレエの素養がある」(またかよ・・・)、「いや、ヨナのはバレエというより舞踊」(は?バレエは舞踊の一類型ですが?)というやりとりをネット上で見つけて、憤懣やるかたないらしい。

もうほっとけよ、そんなアホな記述・・・と呆れたけれど、新年早々、別件で彼女にちょっと冷たくしてしまったワタクシは、その罪滅ぼしにこの記事をアップします。(標題がやる気なくて申し訳ない)


<おまけ>
●ヨナちゃん
ほ~、これが噂の「沢庵」衣装ですか。ネットのニュース報道によると、この衣装をデザインした韓国人デザイナーさんに批判が殺到しブログ閉鎖に至るなど、営業妨害レベルのひどい迷惑を被っているとか。

韓国にも沢庵があるんだ~ってのが第一印象ですが、それはおいといて(笑)。
フィギュアの衣装としては珍しい辛子色ですが、デザイン自体は彼女のスタイルの良さを引き出しているし、色もそこまでひどいとは思わないけどなあ。黄色系ってくくりなら、例えばフラットさんや(カナリアイエロー)、キーラさんも何枚か(いずれもレモンイエローな記憶)着ていたし。カナリアやレモン等は鮮やか過ぎて黄色人種には難しいかもだけど、こういう辛子色って、韓国のチマチョゴリでも見たことがあるし(←韓国の大統領夫人が、薄くて張りのある一目で高品質と分かる辛子色のシルクを何枚も重ねたものを着てたの。凄く綺麗だった)、そこまで非難すべき色じゃないと思いますが。

ヨナちゃんは雰囲気も独特な人だし、韓国人としては唯一の有名スケーターだから、これくらいユニークな色使いで目立っても良いと思うけど、何かが韓国人の癪に障ったのかしらね。それにしたって、最終的にOK出して着用しているのはヨナちゃんなのに(←騒動後のナショナルでもこの衣装を着ている)、デザイナーさんを攻撃するって、そりゃひどい八つ当たりってものよ。それも八つ当たりの元になっている感情が、「私、この衣装の色、沢庵みたいでイヤっ!」って自分の好き嫌いオンリーって、なんだそりゃ。井戸端会議やせいぜいブログやSNS等で、「あの色、変だわ~」って友達と笑い合うくらいに留めておくべきイシューだわよ。

演技については、テレビ放映ではSPの一部しか放映されなかったので、一応動画でも確認しました。
私は、以前、性格を下敷きにして彼女の個性を生かし切る演目を考えたことがあるんですが(こちら)、結局のところ引退シーズンに至っても、彼女自身の本質を全く掘り下げていない演目しか選択していないので、正直、ちと残念。最後に、陰鬱だけど人を引き付ける香気芬々たるオーラをまとった悪者っぷりが際立つ演目、やって欲しかったけどな。

ぶっちゃけて言うと、今シーズンの演目は、今までで最もつまらないと思います。
SP(悲しみのクラウン)は、彼女のシニア歴代の演目の中では、あり得ないくらい知名度とインパクトに欠けます。これまでは「まるで印象操作だわね!」というほどに天晴れなレベルで(←褒めてます)、インパクトのある演目と音楽選択、それに見合った(あるいは真逆に見合わないがゆえに耳目を引く)衣装に、大いに背中を押してもらっていたのですが、今回はほぼ期待できません。背中を押してもらうものが無くなると、魔法が解けたように、欠点が・・・(後述)。

FSは、アディオス・ノニーノ。編集された音楽のテンポ感はヨナちゃんの身体がもともと持ってるテンポ感と大きくズレていないし、彼女の最大の魅力である硬質なセクシーさを生かせる演目だとは思うのです。しかし・・・いかんせん彼女、動けないんです。タンゴのキレのある動き、タメを利かせたペーソスのある動きはもちろん、緩急を利かせた高速ステップに至っては、まず絶対的に無理!あう~、なんで分からないの~。ってか、もともとタンゴを踊る気なんか、全くなしだわよね・・・。でも、それなら他の曲選んで欲しいわ。

いずれにしても、他に目を向ける事象(演目へのスペシャルな興味)が無ければ、彼女の演技を見ることは「ほぼこれまでの焼き直し」であることを確認する「だけ」の作業になるわけで・・・つまらんです。彼女の表現手段や表現の幅の狭さは承知しておりますが、同じように制約のあるワグナーさんがあそこまで努力していることを知っている鑑賞者サイドとしては(この点についてはGPFの雑感で書いてますので、しばしお待ちを)、白けてしまうのですわ。

さて、このB級大会でのパフォーマンスですが、昨季ワールドのSPについて褒めた点(こちら)が影を潜めてしまい、むしろ彼女の欠点の方が目立っていました。怪我明けのB級大会なので、あくまで調整としか捉えておらず流していたのかもしれません。先日のナショナルの動画でもほぼ同様の印象ですが、これも全力出す必要ありませんものね。特にFSの「だしがら」さ加減がひどかったですが、FSはいつもそうだからな(苦笑)。

演技中に目立っていた彼女の欠点ですが、柔軟性のなさとか、腕の表現手段の乏しさとかは、もう既に記事にしているので繰り返しません(興味ある方は、こちらとか、こちらをご覧ください。)

実は、彼女の欠点として、これまで書かなかったことがあるのです。それは下半身について。お尻を含めるから下半身なんだけど、以下では上品に「脚&足」って書きます(笑)。

何故書かなかったかと言うと、私はあくまで舞踊的な観点から見た表現という観点でブログを書いているわけだけれども、そうは言ってもフィギュアスケートは「滑る」競技。なので、脚&足に関してあまりに舞踊的な観点から物を言うのは筋違いではないか、フィギュアスケートについて脚&足についてまで舞踊的なものを求めるべきではないのではないかと、遠慮というか自制してきたからです(一応、これでも良識を持とうと努力しているのデス)。

でも、今季ますます踊るスケーターが増えてきて、一般的に女子より柔軟性が劣る男子選手と比べてすら、ヨナちゃんの脚&足の「まずさ」が際立ってきたので、解禁を決断した次第。(友も何かとうるさいしね・・・)

ヨナちゃんの脚。そもそもの形は、長くて真っ直ぐな、極めて綺麗な脚です。アジア人の中では「超」がつくほど綺麗と言っても良い。しかし、姿勢とポジショニング、ムーブメント、全てが汚い。残念感、常に満載。

なぜ、汚いのか。
綺麗にしなくても点数が出ているし、頑張って綺麗にしてもこれ以上の上乗せはないだろうから、放置しているんでしょうけれども(絶対当たっていると思うのでアンダーライン引いてみた。苦笑)、そういう「意識の姿勢」は置いておいて、客観的な舞踊面から見た物理的な理由ね。

それは、①股関節に柔軟性がない上に、膝の緩みが甚だしい、②加えて足の甲が全く伸ばせてないから。

①を端的に言うと、「オヤジのガニマタ」です。オヤジ=おっさん、です。まずは一般論として、オヤジ=おっさんのガニマタと、バレエダンサーのガニマタの違いについてご説明。

オヤジのガニマタは、バレエダンサーの「ガニマタ」とは、全く種類が異なります。
バレエのガニマタはね、アンドゥオールと言います。英語では「ターンアウト」。私は口頭ではフランス語のアンドゥオールを使うのですが、PCで打つのが簡単なのでこれまでコメント欄では「ターンアウト」という言葉を使ってきました。以下でもアンドゥオールの代わりに、「ターンアウト」を使います。

ターンアウトは、簡単にいえば足の付け根である股関節から、脚を外側に開くことです(皆さんが思っているよりももっと外側。身体の真横って感じ)。その際、膝もつま先も外側に開きます。バレエには足のポジションが様々あるので、一概には言えないのだけれど、最も基本的なポジションにおいて股関節からきちんとターンアウト出来ていると、両膝がきちんと裏合わせになって、両ふくらはぎの裏側がくっつくの。もちろん、意図的なプリエ(=膝を曲げる動作)の場合を除いて、きちんと膝は伸ばされています。

ターンアウトはバレエやダンスの基礎中の基礎でして、簡単にいえば、ターンアウトすることにより、脚を美しい形で横や後ろに高く上げることができるようになります。逆にいえば、ターンアウトができていないと、理想的な形でのアチチュードやアラベスク(これらは一例ね)をすることはできないってわけです。

これに対してオヤジのガニマタはね、脚の付け根の開き具合は適当で、膝が緩んで外向きになってるだけなの。膝が外側に緩んでいるので、膝の間が意図せず空いてて間抜けで不格好です。

余談ですが、まだ10代の頃、なんでオヤジにはガニマタが多いんだろうと考えたことがあって。得た結論は、股間に物理的に余計なもの、しかも高温になったり蒸れてはいけないものがあるからってこと。20歳の頃、宝塚の舞台で男役が踊るのを初めて見た時、「股間にものがないだけで、こんなに綺麗なんだ!」って感動したことがあるんです。脚のラインや脚さばきの美しさという観点から見た場合、宝塚の男役は、股間にものがある生身の男性と比べて圧倒的に美しい。

話をヨナちゃんに戻すと、この人ね、股間にモノがないはずなのに、「オヤジのガニマタ」を放置しているんですよ!男性スケーターでも、ここまで「オヤジのガニマタ」度が高い人って、なかなかいないですよ。

はっきり分かるのは、イーグル。
ヨナちゃんのイーグルは、股関節が開いておらず、膝が緩み、お尻が後ろに突き出てる。これは、ターンアウトが全くできていない(=オヤジのガニマタでやり過ごしている)何よりの証拠です。あのイーグルの不格好さは、男子を加えてもぶっちぎりでワースト1位だと思う。

具体的に言うと、股関節の柔軟性がないのにターンアウトの訓練をしない、そういう身体で、膝とつま先を外側に向けようとすると(イーグルでは必須)、股関節が硬くて開かないから膝に無理がかかってくる。そうすると、膝を痛めないために、膝を緩めざるを得ない。つまり、股関節が開かないまま両膝が微妙に曲がって、「オヤジのガニマタ」になるって流れよ。そして、ターンアウトできない人が無理に膝&つま先を外向きにしようとすると、骨盤が傾いて反り腰になってお尻が後ろに突きだしちゃうの。ちなみにこのお尻ポッコリは、バレエやダンスのバーレッスンでは、すごーく注意されるの(笑)。

素人ダンス教室に通っている一般人ならいざ知らず(ターンアウトは身体への負担が大きいので、特に成人を対象とした素人教室では無理させないところも多いと思う)、五輪に出ようって人が、こういう姿で恥ずかしくないのかしらって、単純にそう思う。

私が「ヨナちゃんがダンサー?ボケかましてんじゃねーっ!」って本気で怒り狂った理由の1つは、このターンアウトにあったわけです。だって、イーグルもイナバウアーも、バレエの足のポジションのまま滑っているようなものなんだけど、ひどく不細工だもの。イーグルやイナバウアーの後、次の動作へ移る際に「よっこらしょ」的な老人臭さ(?)が出るのも、股関節が硬いから。女子のスパイラルは、バレエのアラベスクの進化系ポーズで滑っているようなものだけど、ヨナちゃんのはターンアウトが出来てないから理想形とは程遠い醜い形状なんだもの!・・・ようやく書けてスッキリしたわ、ふん!

②次に、足の甲。
神は細部に宿るとよく言われますが、足の甲は紛れもなく神が宿る部分です。多くの舞踊において、伸ばした脚の先にある足の甲が更に伸びて「弓なり」になっていると、印象は格段に良くなります。あ、でも「こうかな?」と思って、いきなり伸ばさないでね。普通の人間がいきなり甲を「弓なり」に伸ばすと、つりますから!(笑)

最も美しく、バレエ漫画でこれでもか!と描かれている造形は、脚と足の両方で「弧」を描いている形ね。あれ、漫画特有の造形じゃないんですよ。膝が引っ込んでいて、足の甲がちゃんと出ている人が、何年も何年も訓練した後でしかできない形なので、誰しもが出来る造形ではありませんが。あの造形は、一つの芸術作品と言ってよく、同じ人間のものとは思えないほど美しいです。私がバレエを見続ける理由の1つは、あれを見たいからかも(笑)。

フィギュアスケートでは、大きく重いスケート靴を履いているので、足の甲が「弓なり」になる造形はできません。ですが、例えばスパイラルの時などに、足の甲をちっとも伸ばさず、足首との角度を90度くらいに放置したままの、フレックスでございます~的な形は不細工だと思う(ジュニアの選手に多いように見える)。

限界はあっても、靴の中でできるだけ足の甲を伸ばした形の方が、ずっと綺麗。脚を上げている場合、足の甲をできるだけ伸ばす方が、膝も綺麗に伸ばし易いと思いますし。実際、トップ選手の多くはそうしているように見えます。フリーレッグの膝が綺麗に伸びている人は、靴先も伸びている(=足の甲を伸ばしている)ことがとても多い。

ヨナちゃん、例えばスパイラルの時だけでも、フリーレッグの足の甲を靴の中でもう少し伸ばして、膝を締めてあげるだけで、見栄え的にはちょっと改善されると思うのだけどなあ。点数に即座に反映される部分じゃないので興味は無いでしょうが、でも、トップ選手の中であの下半身は、恥ずかしいと思うぞ。

あんな綺麗な形と長さの脚を持っているのに、本当にもったいないことです。ここから分かることは、彼女は、美しさを追求する人ではないってことですわね。人それぞれの人生だけれども、宝の持ち腐れってこのことよね。
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by Koharu-annex | 2014-01-16 00:24 | フィギュアスケート女子

いよいよ2014年!

皆様、ごきげんよう!

わたくし、喪中につき、新年のご挨拶を控えておりました。
2014年がすっかり始動してからのご挨拶になりましたこと、お許し下さいませ。

ワタクシの実家の方では、松の内は15日までなんですが(少なくとも私が子供の時代はそうだった)、世知辛い東京砂漠な都心では、昨日の七草粥にて松の内も終わって、またまた慌ただしい日々でございます。

ソチ五輪まで1ヶ月を切りましたので、速く全日本の記事までアップしなくては・・・と少々焦っております。実はGPFの女子雑感から始めなくてはならないのです。あはははは・・・。

それよりもとても心苦しいのが、コメントのお返事が滞っていることです。誠に申し訳ありません。
承認が遅くなることも多々ありますが、全て目を通させて頂いております。
皆様からのコメントは、とても楽しく、また元気づけられるので、本当に嬉しく拝読しています。ありがとうございます。

それにしても、寒い日が続きますね。積雪地帯では、かなりの豪雪になっているとも聞きます。
皆様、ソチ五輪をテレビの前あるいは現地で楽しく応援するためにも、この冬は例年よりも特に身体に気をつけて、元気にお過ごし下さいませね。
ちなみに、私の今月の目標は、「新年会は1次会で帰る」(←遅くなると寒いので)、です!

それでは皆様、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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by Koharu-annex | 2014-01-08 15:25 | ごあいさつ