もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

<   2013年 12月 ( 8 )   > この月の画像一覧

フライング 全日本

<12月27日、末尾の赤字部分を追記しました。>

いろいろあり過ぎて。
フライングを書こうにも、思いが複雑に交錯して、こんなに時間がかかってしまったわ~

●引退される選手
まず、信ちゃん。
本当にお疲れ様でした。

引退を決めたというをニュースで知り、「ああ、やっぱり、五輪のために体力・気力もギリギリでやってきたんだな…」と思いました。だからこそ、五輪に出られないなら、引退。そうでしょうとも、と思いました。

鳴かぬなら 泣きに泣きます ホトトギス

って最後まで笑いを取っていたけど、どんなに泣いても、最後までホトトギスは鳴いてくれなかったね、と思うと私も涙がにじんだよ。

地元に帰ってゆっくりして下さい。
近所の商店街の皆様、コロッケおまけしてあげて下さい。肉なしの一番安いやつじゃなくて、一番高い牛肉入りうのやつ、お願いします。

まずは大学院を無事ご卒業なさることを優先されるようですが、論文がきちんと仕上がりますように。
その後、新しい道でのご多幸を、心からお祈りしております。

次に安藤さん。
ご出産後、短い期間であそこまで戻してきた事は、素晴らしいことです。
最後のフリーは、会心の出来とはいかなかったかもしれませんが、稀代のジャンパーと言われた安藤さんの意地を感じましたよ。

高須クリニックの後援でスケートスクールを開校という報道があったけど、これが安藤さんサイドが起業するという趣旨なら、よくよく考えて下さいね。他者が運営するスクールの一社員となるのとは異なり、起業というのは大変さのレベルが違いますから。

一般論として働く母親は増えていますし、母親なんだから仕事をせずに子育てに専念しろなんて言うつもりは毛頭ありません。でも、乳飲み子の子育てや、これからのご結婚のご予定等、バランスを考えないと、今掴んでいる幸せが指の間からすり抜けていく可能性もあります。新しい道は、無理のない範囲でアイスショーに出演したり既存のスクールでコーチをしながら、よくよく考えてからでも遅くはないと思いますよ。

●男子3人目の選出
事前に発表されていた、五輪代表の選出方法は以下のとおり。
*全日本への出場が前提*
(1)1人目は全日本選手権優勝者を選考する。
(2)2人目は、全日本2位、3位の選手とグランプリ・ファイナルの日本人表彰台最上位者の中から選考を行う。
(3)3人目は、(2)の選考から漏れた選手と、全日本選手権終了時点でのワールド・ランキング日本人上位3名、ISUシーズンベストスコアの日本人上位3名選手の中から選考を行う。

これに、選手名(男子:青字、女子:赤字、太字が最終結果)を入れると以下のとおり。
(1)1人目は全日本選手権優勝者(羽生 鈴木)を選考する。 
  → 羽生 鈴木

(2)2人目は、全日本2位(町田 村上)、3位(小塚 浅田)の選手とグランプリ・ファイナルの日本人表彰台最上位者(羽生 浅田)の中から選考を行う。
  → 町田 浅田
(3)3人目は、(2)の選考から漏れた選手(小塚 村上)と、全日本選手権終了時点でのワールド・ランキング日本人上位3名(羽生・高橋・町田 浅田・鈴木・村上)、ISUシーズンベストスコアの日本人上位3名選手(羽生・高橋・町田 浅田・鈴木・宮原)の中から選考を行う。
  → 高橋 村上


全日本の順位が決まった時点で、(もちろん最終結果は除きますが)カッコ内に書いた青字・赤字の選手名が私は頭に入っていたので、当然、3人目は高橋さんになると思いました。

しかし、高橋さんのあの絶望っぷり。そしてコーチもそれが当然というように涙を流し・・・。
更には、小塚君のあの内心の自信をにじませた「吉報を待ちたい」とのコメントと、最終結果が出た後の泣きっぷり。加えてインタビューでの「悔しい」連発と、あげくの「思う所はいろいろあるが、選手は連盟に従うだけ」との恨み節。

高橋さんについてはいつも自己評価が低いから仕方ないけど、長光コーチも連動していることと、何と言っても小塚君の対応に、ものすごい違和感。
この違和感は、声を大にして言いたいんだが、小塚君の性格の問題じゃない!!

これはね、私達にオープンにされている上記選考基準とは別の基準が、選手サイドには伝わっているってことですよ。だって、上記の選考基準だけだったら、高橋さんでほぼ決まりで、小塚君の可能性はとても低い。だから、小塚君があんなに自信を持って期待できるはずないんですよ。期待できても万が一・・・っていつものように謙虚な態度になると思う。

高橋さんの怪我が、実は、報道以上に大きくて五輪に間に合わないという場合も、こういう反応になるかもなあと思ったんだけど、その場合は、小塚君があんなに嬉しそうにしないと思う。彼の性格からすると、喜べなくて、むしろ申し訳なさそうにしていると思うのよ。

非常に高い蓋然性を持って、小塚君ら選手に対して、「選考基準はああだけど、実際の選考においては、全日本の結果が最優先に考えられる」って、大ボラ伝えた馬鹿がいる。ほぼ確実だと思う。そして、それは選手サイドが心底信用してしまうほどの「人物」(以下「大ボラ吹き」)からの情報だったんだと思う。

蓋を開けて見れば、全員一致で高橋さん。その結果自体は当然よ。だって選考基準を素直に適用すればそうなるもの。全日本を盛り上げるためだか何だか、ウソの理由は分からないけど(もしかして誰かに致命的な怪我でもして欲しかったの?)、この大ボラ吹きが吹き込んだウソ情報の罪は大きいと思う。選手の身体も心も大いに傷つけたわよ。しかも、無駄に!!

この大ボラ吹き、中枢に非常に近いところにいる奴なんだと思う。(もし選考に携わる人物で、しれっと高橋さんに挙手したのなら、ホント罪深いヤツだわよ)

小塚君(または佐藤コーチ)、言ってしまえ!!
誰から聞いたのか、言ってしまえ!!!
それが正義のためだわよ!!!



<追記>
ごめん、ごめん。興奮していたので、言葉足らずでご心配を生んでしまったわ。
小塚君&佐藤コーチが、世間に対して「大ボラ吹きにこう言われました!」って、発表する必要はないから。
組織の中の、しかるべき部署(人?)に、しかるべきタイミングで、しかるべき手段を以て、伝えればいいのよ。

いずれにしてもね、今回のことは、連盟の中で議論されるとは思うのよ。少なくとも、次回の選出方法を検討する際には、過去の選出方法の問題点が必ず議論されるはず(それをやらないのであれば、組織として終わってる)。

でも、「議論」が「きちんと」なされるためには、まずはどういう問題と混乱が起こったのかという事実を、議論する側がきちんと把握する必要があるんですよ。

議論すべき人達が事実を把握するためにも、きちんと情報提供することが必要ですわ。
大ボラ吹きがどんな手段を使って、どんなふうに選手サイドに情報をもたらしたのか、その情報を選手サイドはどういう風に解釈したのか、そういう基本的な情報提供をすべし、と私は思うのよ。

そして、それは、小塚君サイド(具体的には佐藤コーチが順当だわね)がやるべきだと、私は思う。後の五輪選出の際に、不要な混乱と問題を再び巻き起こさないために。



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by Koharu-annex | 2013-12-26 17:09 | 2013-2014 フィギュアスケート

GPF 男子雑感

<一旦アップしていた今回の記事、推敲のため一度下げさせて頂いのたですが、思いがけず深く発展してしまいました。そのため、羽生君に関する考察の多くは、別途、考察記事(仮題「勝負師、表現者、そして地獄の釜」)として改めてアップすることにしました。なので、今回は短く修正しました。>

ようやくファイナルの雑感までたどり着けました・・・。
男子シングルの出場者は日本3人、中国1人、ロシア1人、カナダ1人ですが、中味を見ればアジア系が5人ですね。わお。


●総合1位 羽生君(18歳)/日本/SP=パリの散歩道(振付:ジェフリー・バトル)、FS=ニーノ・ロータ 映画『ロミオとジュリエット』より(振付:デビッド・ウィルソン)

19歳直前の羽生君、やったわね。
彼はインタビューでもいろいろお話されますけれど、彼が語ろうとしない(敢えて、ではなくご自分で気付いてないか、気付いてても表現できないのかもしれない)、彼の中にある、一部の勝負師のみが持っている「鋭い刺」が、今回ほど顕著になった演技は無かったと思います。(羽生君がシニアデビューした年に、羽生君のことを評して「日本人には珍しく牙を持ってる選手」とコメント下さった方がいらっしゃったのだけど、ホント言い得て妙だと思うわ!)

もう鬼籍に入られた有名な棋士さん(お名前失念)が概要、「何十年もこの世界で勝負をしてきた相手に対し、わずか数年の経歴であっても、自分は絶対に勝てると思えなくては駄目だ。」と発言されていました。こういうことが出来る人って、ぬるい一般社会に生きてる人間からすれば不敵で生意気な奴と思われがちですが、一種、不思議な「偉さ」も持ってる。例えばサッカー日本代表の本田選手なんかそういう類の人だと思う。

羽生君は、GPS2戦では王者チャンさんを前にして、若気と血気に逸った頃の宮本武蔵っていうか、「ちょっと落ち着きなさい」って言いたくなる感じだった。そういう感覚もあって、中国杯の時に彼に「男になれや!」と書いたのですが(こちら)、彼は短期間かつドラスティックに「勝負の世界」の狭い階段を駆け上がっていきました。

羽生君は、今、これまでよりも圧倒的に研ぎ澄まされた「勝負の世界」にいる。これは、彼の資質(鋭い刺を持つ勝負師)を考えると、成長過程で必ず通るものだと思いますし、特にこの五輪シーズンにおいては、まさしく正しいことであり応援すべきことだと思います。


●総合2位 チャンさん(22歳)/カナダ/SP=エレジー(振付:ジェフリー・バトル)、FS=ビバルディ 「四季」より(振付:デヴィッド・ウィルソン)

あれ、チャンさんって町田さんよりも年下なんだ?と、今更ながら思ってしまいました。存在感でかいな、チャンさん。存在感を感じると自動的に「年上」に分類しようとする私の脳みそもどうかと思うが。

SP、冒頭なんだか顔色が悪いわ~と思ったら、今季初めての精彩を欠いた演技。羽生君の世界最高得点にも影響されたのかもしれませんが、そんな中、高得点を望める4-3はちゃんと降りてくるあたり、立派だと思う(ちょっとつまり気味にも感じたけどGOEは2.29だった…で結局16.69)。

FSでも身体が重そうでしたが、全てのジャンプをまとめてきました。最終的には点数を争うので、こういう勝負強さを持ってるとホント強い。ただ、チャンさんの存在感って、ここのところ一種圧倒的な大きさになっていたので、まだほんの幽けきものではあるけど、そこはかとない諸行無常の響きを感じました。

チャンさんって、演技の時に社交ダンスのホールドをしているような姿勢を取るでしょう?しかも今季、ちょっと身体が逞しくなって、筋肉がついている気がするんです。そんなこんなで反射的にアイスダンスを思い浮かべてしまうのでしょうか。私の脳みそはパートナーの踊りや動きを求めてしまうようで、チャンさんだけが演技しているのが(いや、それが当然なんですけど)、例年よりも更に物足りなく思えてしまうんですよ。ああ、私の脳みそ・・・。


●総合3位 信ちゃん(26歳)/日本/SP=コットンクラブ(振付:デビッド・ウィルソン)、FS=ウィリアム・テル序曲(振付:ローリー・ニコル)、EX=映画『ラストサムライ』より

今回出場した男子シングルの中では最年長。それでもSPの演技前には緊張で脚が震えたとか。大きな国際大会の大変さを物語ってます。

SP、緊張のせいだと思いますが、動きが小さくまとまり過ぎた印象です。冒頭の4-3予定で転倒したことも影響したかも。NHK杯で(完璧で加点もかなりもらえると本田さんが太鼓判を押したにも拘わらず)、回転不足を取られたことに照らしても、ここが決まるとその後の演技も随分ノビノビ出来たんじゃないかと、ちょっと残念。NHK杯の時より、少し視線が下がっていることも多いように感じられて、尚更そう思う。

FS、終盤少し「脚にきてるかな」と思ったんですが、キスクラまで脚を軽く引きずっていたような・・・。大丈夫でしょうかね?

SPでもFSでも4回転で転倒してしまったけれども、ジャンプ着氷時の膝と足首の顕著な柔らかさは、いつ見ても気持ちが良い。これが錆び付いてないのに引退とは・・・少しもったいない気もしますね。


●総合4位 町田君(23歳)/日本/SP=エデンの東(振付:フィリップ・ミルズ)、FS=火の鳥(振付:フィリップ・ミルズ)、EX=ドラマ『白夜行』より(振付:町田樹)

SP、まさかまさかの最下位スタート。
彼、GPSだけでなく西日本大会(?)にも出場していたそうで、実はとても過密スケジュールなのですってね。直前のロシア大会にも出ていますし、そりゃ疲労もたまるわ。加えて、直前に羽生君が99.84という世界最高点を出したことも影響しましたか。

それにしても点数が低い(TES20点台!)・・・と思ったら(点数が出た時の会場のざわめきも大きかった)、後半の3‐2の後ろのジャンプが2Tと認定されて(ご本人は1回転だと思ったそう)、冒頭の2T(4回転の予定だったもの)とダブったということで、3‐2そのものが無効要素(Invalid element)にされてしまったのですね。恐ろしや。

昨季もGPFから失速が始まったので、ちょっとこの流れは心配。あの「ティムシェル」って言葉が、町田君の心の中で揺らいでなければいいのだけどね。

町田君は、ちょっと昔の信ちゃんと似てて、「全ての人間は幸せになることができる。『全て』には自分も含まれる」っていう真理を信じることができていない部分が確実にある、って外から分かるもの。いや、もちろん難しいのよ、この真理を自分のこととして信じるのは・・・私も無理だもの(でも理論的に考えると、これって文字通り真理なんだよね。苦笑)。だから、ここでの問題は、「外から分かる」くらいに、信じることができてないってことよ。「僕はダメだと思う」が漂っちゃうのは、何が理由であろうが、まずい。

全日本では、「僕は…」が漂わないレベルまで気持ちを引き上げて、町田君特有の、未だ荒削りとも言える動作の中に確実に感じられる詩人の神経と、陰にずっと籠めていたものを解き放つような卓抜した爆発力(?)を両立した演技を見せられることを祈っています。

FSは、体と心の疲労を乗り越え、涙、涙の見事な飛翔。酔っぱらい解説の佐野さんも泣かせた演技は、胸を打つものがありました。今季のSPとFSの組み合わせは、ご本人の言う通り最高の組み合わせかもしれません。


●総合5位 コフトン君(18歳)/ロシア/SP=フラメンコ、FS=チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

今季大躍進の彼ですが、こういう大会ではやはり若さが出てしまったということでしょうか。SPでもFSでも、気合いは感じるんだけど空回り。特にSPは、直前のロシア大会で高得点を出したばかりだったので、変に気負っちゃった部分もあるのかな。

歯車が狂ったせいか、SPでもFSでも、ステップやつなぎなどでオフバランスがあまり見られなかったように感じました(あっても小さく時間が短い)。トップ選手のステップやつなぎではオフバランスが多用されるので、コフトンさんのように棒立ちのようになってしまうと、短所として目立ってしまった印象。

GPSではスピンやジャンプの細い軸を基礎にした速い回転が印象的だったのに、それも影を潜めていました。こういうときって長所を長所として出すのも難しくなりますね。でも、今回の空回りが彼の血肉になるはず。


●総合6位 ハンヤン君(17歳)/中国/SP=マイナーワルツ/ヴァイパーズ・ドラッグ(振付:ローリー・ニコル)、FS=グルメ・ワルツ・タルタール/美しき青きドナウ(振付:ローリー・ニコル)

今回の6人の中で最も若い彼。さすがに雰囲気にのまれてしまったよう。動きが小さく、ちょっとオドオドしているとすら感じるほど。

SP,この演目の大きな魅力は、冒頭から時折ポイント的に入る小芝居的な仕草・動作。まるで刑事ドラマの殺人現場の白いチョークで書かれた人型のような、ちょっと硬い不器用な形状で行われるのよね。でも、俊敏かつ軽快に動くの(笑)。もちろん、イメージ的には拳銃かくし持ってます(笑)。これがノリノリで見られると楽しいのですけどね。

FSは、どこかで書いたけど、やはりワルツの向こう側に血溜りが見えると言うか、不気味でブラックなイメージがある。あの衣装の赤は絶対に血の色だね!と、一人、確信しながら見ていました。(外れててもご愛嬌ってことで夜露死苦!←ヨロシク。念のため。)

丸く背中をかがめる動作に哀愁が漂うハードボイルドなイメージの彼ですが、実は繊細な詩人の魂も持っているように見えます。最下位でご本人はショックかもしれませんが、今後のご活躍を本当に楽しみにしています。
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by Koharu-annex | 2013-12-21 02:02 | 2013-2014 フィギュアスケート

ロシア杯 男子雑感

今日のランチはお蕎麦。江戸のソバ食いは蕎麦をほとんど噛まずに飲み込んで、喉ごしで味わう・・・なんて言われているので、私も若い頃から何となくそうやってしまってたんだけど。

今日、蕎麦が喉(というか食道?)に詰まって死にそうになったわ。
お店の人や他のお客さんに不審がられないよう、苦労して悶絶しながら、「年取ったら、餅よりも蕎麦で死ぬわ」と確信しました。。。

幼稚園の時に言われた「良く噛んで食べましょう。」は真実だな。
喉ごし・・・もうやめます。


●総合1位 町田君(23歳)/日本/SP=エデンの東(振付:フィリップ・ミルズ)、FS=火の鳥(振付:フィリップ・ミルズ)、EX=ドラマ『白夜行』より(振付:町田樹)

SP、頭でっかちでも、やはりこのSPには心を打つものがあります。すっかり有名になった「ティムシェル」という言葉が、彼を貫いているのが良く分かります。既にGPFの結果を知っている私は、この時から疲労が溜まってて…と切ないですが。

FS、作曲家ストラヴィンスキーの故郷であるロシアでこの演目を披露することを楽しみにしていたという町田さん。衣装替えですが、私は前の方が好きだな。ラストの観客へのあいさつの仕方や、リンクサイドに引き上げてくるところ、バレエダンサーのような動作で(どっちかっていうと女性の仕草なんだが。笑)、町田さんの気持ちを感じました。


●総合2位 コフトン君(18歳)/ロシア/SP=フラメンコ、FS=チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

4回転に5度チャレンジして4回成功という、鮮烈デビューを果たした中国杯(こちら)に引き続き秀逸な成績を残されました。

SP、終了後に何度も映されたタラソワさんの歓喜の様子も印象的でしたが(笑)、世界歴代4位の好成績(92.53)は立派。フィギュアスケートでは男女ともフラメンコの曲を使用することが結構ありますが、このコフトンさんのSPは、男性の中ではフラメンコ的動作が十二分に入った振付と言えましょうか。(ただ相変わらず氷をトゥで削る動作が多くて、「あれ、他の選手は気分悪いんちゃうん?」(←何故か関西弁)と、ちょっとヒヤヒヤする。)

若いコフトンさんに高望みは酷ですが、演技自体としては、まだこの演目の魅力を最大限に引き出すところまでは至ってない。主な理由は体力不足でしょうか。ステップから遅れがちになり最後のスピンでは限界(へろへろ)になっていることが見受けられます。

FSは、楽曲も衣装も王道クラシック。目指すべきは、バレエで言うところの正統派ダンスール・ノーブル(≒簡単に言えば王子様)でしょう。今回はジャンプミスが散見され(4回転5回成功は今回もお預け)、乗りきれない印象で終わってしまいました。しかし、スタイルの良さと、バレエの王子役に通じる繊細な雰囲気は、この人の魅力的な個性だと思います。


●総合3位 フェルナンデス君(22歳)/スペイン/SP=Satan Takes a Holiday(振付:デビッド・ウィルソン)、FS=ドラマ『ピーター・ガン』より/ハーレム・ノクターン

昨シーズンは史上3人目の「4回転を4度」跳び、一気にトップにのし上がった彼。
NHK杯と異なり今回は台乗りしているんだけど、彼としては可もなく不可もなく・・・という状況が続いてますね。五輪出場はほぼ手中にしているためか、今は好調でなくともある種の余裕を感じますけれど、あのキレのある4回転と気分の乗ったパフォーマンスを知っているだけに、ちょっと残念。


●総合4位 メンショフさん(30歳)/ロシア/SP=コウルターガイスト、FS=アレグロ

プルシェンコさんが左膝を痛めて棄権したため、今大会に出場したメンショフさん。今年4月東京で行われた国別対抗で転倒(その後棄権)、強打した右肩のサポーターが未だ取れておらず万全の状態でなかったことが判明(実況&解説より)。

SPは、NHK杯で書いたとおり(こちら)、ミケランジェロのアダム創造をモチーフにした衣装が印象的なメンショフ劇場。若手の台頭著しいロシアですが、彼のこの独自の世界はやはり魅力的です。

FS、冒頭の4回転は素晴らしかったけれど、後半少し疲れましたかね。それでもこの年齢で自己ベスト更新は立派だと思う。


●総合5位 ドーンブッシュさん(22歳)/US/SP=Sons of Italy(振付:マーク・ピレイ)、FS=ビートルズメドレー(振付:マーク・ピレイ)

中国杯と同じ5位。
SP、全てのジャンプをミスしてしまったからか、乗りきれないまま終わってしまいました。見せ場のステップも良く言えば軽やかという部類に入るのでしょうが、この人の絶好調の時の「軽やかさ」とは別次元で、どちらかというと流してしまった印象。

FS、後半から疲れてしまったかな。頑張ったけど、動作を最後までやりつくせず、とりあえず音楽に遅れないよう次の動作に移っていく・・・の繰り返し。こういうことってドーンブッシュさんに限らず多いですけど、やはり今一つの印象で終わってしまいますよね。


●総合6位 ガチ君(20歳)/ロシア/SP=フラメンコ(振付:ジェフリー・バトル)、FS=映画『アンナ・カレーニナ』より

同じロシアのコフトンさんと同様、SPはフラメンコ。こちらもフラメンコ的振付が比較的多く入っていますが、全くイメージの異なる演目(ガチ君の方は氷を削らないから、私は安心よ。笑)。とはいえ、コフトンさんの直後という滑走順は、ちょっとした不運だったかも。ジャンプの失敗もあった上、思いがけないところで転倒もあり、かなりやる気が削がれた模様。タラソワさんの表情と、ミーシンさんの表情の違いもなかなか切ない。

FS、冒頭からジャンプが決まらず、悩みの深さが見て取れます。ただ、苦悩し苦悶する彼は、この演目には向いてます。とはいえ、それだけではパフォーマンスが成り立たないのがツライところ。ラストのスピンのバックに汽車の音(アンナが自殺するところを象徴)が鳴り響き、がっくりとくずおれるポーズでフィニッシュするのは劇的ですが、そこに至る道程が今のパフォーマンスからは殆ど感じられないのがとても残念。


●総合7位 リーバースさん(25歳)/ドイツ/SP=クロックス(演奏:2CELLOS feat.ラン・ラン)、FS=リヴ・フォーエヴァー スメルズ・ライク・ティーン・スピリット 演奏:デイヴィッド・ギャレット

あまりシングル選手の活躍が見られないドイツ。五輪出場は、この方でほぼ確定のようですね。
中国杯に引き続き今回も「いずれも抒情的なものに少々欠け、失敗を最小限に収めようと慎重にこなして終わった印象です。」の通り。


●総合8位 ジー君(22歳)/ウズベキスタン/SP=I Still Got Blues, Still Got Rock、FS=ワールドダンスコレクション、ネオタンゴ、ルンバ、リベラ・スウィング、トゥッティ・フルッティ

今季初見。ただ1人4回転をプログラムに入れておらず、且つジャンプミスも相次いだので点数は伸びませんでしたが、なかなか楽しい演技をする選手ですよね。

SP、エアギターの振付も入っているなど面白いステップでした。FSも、髪を赤く染めファンキーなステップ(ここにもエアギターが。笑)を表情豊かにこなしました。が、最終的に印象に残るのが、コロコロと変わる顔の表情や、踊りというよりかは音楽に乗せて身体を揺らす動き、という辺りは、身体表現というよりもエンターテインメントと呼ぶべきかな。

五輪出場はほぼ確定と言っていいのかしらね。両親がコーチで北京を拠点に活動されている関係で、ご本人も北京在住とか。今季も厳冬で大気汚染が心配されるので、PM2.5で体調を崩されませんように。
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by Koharu-annex | 2013-12-18 19:07 | 2013-2014 フィギュアスケート

ロシア杯 女子雑感

下書きが突如クラッシュするという、やる気を大いに削ぐ事態が発生し、捨て鉢な気分になりながら書き直してます・・・。あぁ~


●総合1位 ユリアちゃん(15歳)/ロシア/SP=愛はまごころ(振付:イリヤ・アベルブフ)、FS=映画『シンドラーのリスト』より(振付:イリヤ・アベルブフ)

SP、衣装替えですが、前の薄い色の衣装の方が、思春期の少女のうつろう心というこの演目独特の叙情性にマッチしていると思います(カナダ杯のこちら参照)。今の濃い色だと、この人の勝気さが前面に出てきてしまうような・・・。

FS、カナダ杯よりも作品としての演技に磨きがかかってる・・・恐るべし。冒頭、こちらを振り返るシーンから、モノクロの背景に赤い衣装が浮き立つように見えて、ドキリとするわ。いやいや、天晴れであります。ジャンプミスが続いたものの、カナダ杯に続いて金メダルを取って、GPF出場が決定。やはり今季の台風の目といえましょうか。


●総合2位 コストナーさん(26歳)/イタリア/SP=ユーモレスク(振付:ローリー・ニコル)、FS=シェヘラザード(振付:ローリー・ニコル)

SP、プリマヴェーラ劇場(中国杯のこちら参照)が、更に完成に近付いている。さすがの域ですわ。

FS、手持ちの衣装で間に合わせた中国杯とは異なり、この演目のために用意した衣装を着用。なんて煌びやかなんでしょう。コストナーさんのような大人な女性の雰囲気とスタイルの良さが無いと、演技する前から土俵下まで落っこちる黒星(要するに衣装負け)となるであろうほどの、ド迫力衣装です。賛否両論あるでしょうが、私はアリだと思います。

中国杯に比べて明らかに調子が上がってますが、私は昨シーズンのFSボレロが強烈だったので、あれで天下を取らせてあげたかった。昨季ワールド、鼻血が無けりゃコストナーさんが2回目の金を手にしていたはず!と私は信じています。うぅっ、言っても詮無いことですが。


●総合3位 未来ちゃん(20歳)/米国/SP=The man I love(振付:シンディ・スチュワート)、FS=007メドレー(振付:シンディ・スチュワート)

不運なNHK杯から躍進です。
柔軟性を基礎にしたスピンのポジショニングや、ステップやスパイラルその他でも見られる高く上がる脚は美しいですが、もう一段の洗練を望むなら、やはり痩せて欲しいと思う。


●総合4位 タクタミちゃん(16歳)/ロシア/SP=Latin Medley(振付:タチアナ・プロコフィエワ)、FS=マラゲーニャ(振付:ジェフリー・バトル)

この年齢で肝っ玉マダムのようなステージまで到達してしまったタクタミちゃん。時々動きが思いっきり重いけど、それも妙な迫力と貫禄に無理なく変換できちゃってて、得なんだか(選手としては)損なんだか(少女としては)。ただね、表現の幅や身体のキレを考えると、やっぱりもう少し痩せるべきです。


●総合5位 宮原さん(15歳)/日本/SP=映画『戦場のメリークリスマス』より(振付:カタリーナ・リンドグレン)、FS=ポエタ(振付:トム・ディクソン)

NHK杯と同順位。
ミスを最小限に、曲に乗って緩急をつけて、技術要素のレベル取りができる要所を押さえて等々と考えてこなしているのが、鑑賞している側にも分かります。職人的というか修行僧のようというか・・・ということは表現としてはまだまだということです。(まあ、まだ幼さの残る身体の宮原さんには、以前書いたようにSP・FSの曲とも表現しきることは極めて難しいですが)

宮原さん、将来的に身長が伸びるといいですね。ここまでのポテンシャルと内面世界を持っているので、身体的な表現で更なるバリエーションと、各表現の見た目のボリュームを獲得して欲しく、そのためにはやはり身体の成長が必要だと思います。


●総合6位 ザワツキーさん(19歳)/米国/SP=映画『Sex and the City 2』より(振付:デビッド・ウィルソン)、FS=ラ・クンパルシータ/ジェラシー(振付:デビッド・ウィルソン)

過去に「洗練されないダイナミック・エロ」と書いたザワツキーさんですが、動きがもっさりしているところも含め、もう少し垢抜けて欲しいというのが正直なところ。特にFSは、誰しもが切れのある美しさを求めてしまうタンゴなので、動きにキレと洗練さが無いと難しい。


●総合7位 かなこちゃん(19歳)/日本/SP=スウィング・メドレー(振付:シェイ=リーン・ボーン)、FS=映画『愛のイエントル』より(振付:パスカーレ・カメレンゴ)

SP、衣装替えですが、これもどうかと…と思っていたらザワツキーさんの曲がかかってしまうというアクシデント。これに動揺したとの報道がありましたが、その動揺っぷりが今のかなこちゃんのメンタル面を象徴しているかのようです。

パッションが天岩戸(あまのいわど)に隠れてしまった今の状態では、どうしても演技に精彩を欠いてしまいますよね。もともと調子が良いと、本当に太陽のように全方位に光が拡散する人なので、それが無くなると、仮に各エレメンツの客観的な出来そのものは悪くなかったとしても、他の選手よりも印象が悪くなってしまうような、気の毒なスパイラルに陥ってる気がします(このスパイラルに落ちる手伝いをしたのがここ数シーズンの楽曲選択だな)。

FS単独では4位。ようやく安心したでしょうか。全日本での活躍を期待したい。


●総合8位 ニコール・ゴスビアーニ(17歳)/ロシア/SP=テンペスト(ピアノソナタ第17番byベトベン)、FS=前奏曲ト短調byラフマニノフ

SP、テンペストは中学生の甥っ子ちゃんが今年ピアノ発表会で弾くので、ついつい耳が追っかけちゃうんだけど、もう少し綺麗な音源を使って欲しいなあと思う(ドラムが入ってるバージョンだと思うんだけど、スピーカーの雑音に聴こえちゃう)。

この方、ジャンプの滞空時にものすご~く両肩が上がっちゃうのね。もちろん他の多くの選手も空中で肩は上がるけれど、ここまで上がってる人って少ないと思う。ぶっちゃけ美しくなくて、ちょっと気になる。

荒川さんがFSの時に「柔らかい曲調と強い曲調を腕で表現するのが非常に上手」って言ってたけど・・・ホントげんなり。この程度でそうなら、もっと別に褒める選手がたくさんいるでしょうよ。取りたてて言うこと(褒めること)がないからって、適当に言ったらあかんでしょ。テレビでの発言って盲目的に信じちゃう人が多いんだからさ。ゴスビアーニさんはまだまだ修行が必要です。


●総合9位 はるかちゃん(20歳)/日本/SP=メンデルスゾーン 無言歌集 作品19(振付:佐藤有香)、FS= サン=プルー ピアノ協奏曲「恋人達の夢」(振付:パスカーレ・カメレンゴ)

SPだけでなくFSも、はるかちゃんのリリカルな雰囲気によく合った楽曲だと思います。衣装も素敵でとても似合っていると思います。

それにしても、この方にはなかなか(体調面も含め)幸運の女神が微笑んでくれませんね。
散らす選択をした盲腸や、お怪我が良い方向に向かいますように。
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by Koharu-annex | 2013-12-18 02:36 | 2013-2014 フィギュアスケート

フランス杯 女子雑感

フランス杯の女子は上位のみ簡潔に。


●総合1位 アシュリーさん(22歳)/米国/SP=クレイジー・ダイアモンド(振付:シェイ=リーン・ボーン)、FS=プロコフィエフ ロメオとジュリエット(振付:デビッド・ウィルソン)

SP、アメリカ大会で「ピンク・フロイドのこの曲(に限らず他の曲にもそういうの結構あるんだけど)って、エネルギーをぐーーっと下に押し込んで、ため込んで沸々させるようなところがある。いつも力んでいるワグナーさんに良く似合うなあ。彼女のようなタイプは、エネルギーを外にがーっと出すか、ぐーっと内に(イメージ的には身体を通り抜けて地下のマグマあたりに)押し込めて重さを出すか、そのどっちかを選択するのが常道でしょうが、あんがい後者の方が似合っているかも。」って書いたんだけど・・・こういうマグマ溜まりまで押し込んでしまう演技って、自己完結してしまうのね(笑)。エネルギーを外に発散することがないから仕方ないかもしれないけど、鑑賞者サイドとしてはなんとなく引いて見て終わってしまうかも。

FSは、JOや(こちら)アメリカ大会(こちら)で書いたとおり、アシュリーさんのジュリエットは「争いと死」の音楽で構成された極めて特殊なジュリエット。

バレエでは、パリスと結婚させられそうになり追い詰められたジュリエットが、ショールをはおって闇に紛れて僧ロレンスのところへ駆け込んでいく場面で、わざとジュリエットにショールをはためかせるの。ショールは死神のマントのように空(くう)をたなびいて、その後の悲劇を連想させるように構成されているんです。

何が言いたいかと言うと、アシュリーさんのジュリエットが、このショールが見えるようなジュリエットであれば、この音楽群と親和性が出てくると思うんです。アシュリーさんにも、そういう方向でやろうとしている部分は見て取れる。でも、やっぱりまだ、ちょっと無理して想像しないといけない感じ。ただ、そうはいっても、冒頭からラストまで徹頭徹尾そういうジュリエットで通すというのは、設定として無理があるような気もします。やっぱり、愛を知った幸せと、悲劇とのコントラストがあった方が、(特に長いFSは)構成し易いような。


●総合2位 ソトニコワちゃん(17歳)/ロシア/SP=カルメン(振付:ピーター・チェルニシェフ)、FS=序奏とロンド・カプリチオーソ(振付:ピーター・チェルニシェフ)、EX=オブリビオン

SPの楽曲、普通のオーケストラバージョンじゃなくて、ピアノの音が印象的な演奏を使用していますよね?そんな音楽も手伝って、シザリオさんのカルメンと比べるとアーティスティックなカルメンと言えるでしょうか。中国杯の時と同様、迫力は感じられるのですが、ミスがあったため、期待した「カリスマ性のある中、悪の香りのするカルメン」とまでは残念ながら到達せず・・・。

FSは、コンテンポラリーダンスのようなとても素敵な作品で、私は大好き。衣装は賛否両論あるだろうけど(否定派からは、破れてるとかボロとか卑猥とか言われそうだ、笑)、私はこの演目のコンテンポラリー的要素と親和性を感じていて、結構好きです。それにしても、この五輪シーズンにこんな実験的な作品で挑んでくるなんて、彼女への期待の大きさが分かろうってものです。

難しい振付を独特のカリスマ性を持ってこなしているのは、さすがです。一歩一歩この演目の完成へと近づいていて、本当に楽しみです。


●総合3位 アンナ・ポゴリラヤ(15歳)/ロシア/SP=エル・チョクロ、FS=映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』より「マーメイド」、EX=キャッツ

度肝を抜かれた中国杯(こちら)ほどの衝撃は無かったものの、上々の出来だったのではないでしょうか。

アクセルジャンプが中国杯の時から苦手っぽかったのが、この大会で顕著になりました(そしてGPFでは決定的になるという・・・)。これは彼女にとり早急に克服せねばならない課題なのでしょうね。また、ウィンドミルのグリングリンの速さにビビりつつ、もう少し丁寧な方が美しいと思ったり。ただ、脚を乱暴に動かすことって、ロシア系のダンサーにも結構いるよなあと思ったり(脚が長いので余計目立つ)。

EXのキャッツ、私、結構好きです。もう少し中味が濃ければ、とは思いますが。


●総合4位 サマンサ・シザリオ(20歳)/米国/SP=Fever(振付:Inese Buciveca)、FS=カルメン(振付:Inese Buciveca)

レディースの特攻服が似合いそうな、ヤンキーの香りぷんぷんなシザリオさんです(あ、ヤンキーって元来はアメリカ野郎って意味ですけれど、ここで使ったのは映画「下妻物語」に出てくるヤンキーです)。特にFS、彼女のヤンキー香がハスッパな下町のカルメンとピタリと合ってて、フィギュアスケートにおける歴代のカルメンの中では、原作キャラとの合致具合がピカ一ではないでしょうか。もちろん、身体表現的にはまだまだやるべきことがありそうですが。

荒川さんが彼女のことを、リズム感が良いとか、曲調や曲の緩急に良く合った踊り、よく音を捉えてるなんて褒めてたけど、私はちっともそう感じなかったわ。少なくとも今回の演技では、レベルはいずれも低く、雰囲気だけでやってる感じよ。
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by Koharu-annex | 2013-12-16 23:15 | 2013-2014 フィギュアスケート

フランス杯 男子雑感

旦那がこの前文だけしか読んでいないことが、先般、判明しました。

日曜も仕事してる旦那~、お疲れ様~!
帰りに牛乳買ってきて~!!


●総合1位 チャンさん(22歳)/カナダ/SP=エレジー(振付:ジェフリー・バトル)、FS=ビバルディ 「四季」より

強い。
強すぎるな、チャンさん。
既にGPFの演技を見ているので、この大会でのチャンさんの身体のキレが良く分かるなあ。

FSの「四季」は超メジャー曲なのでご存知の方も多いと思いますが、この楽曲にはソネット(詩)がついています。チャンさんのFS終盤(3F+2Tコンビジャンプ終了後のスピン辺りから)には「冬」第1楽章が使用されていますが、そこのソネット中には概要、「雪で辺り一面銀世界、冷たい風の中で小走りになっちゃうんだけど、あまりに寒くて歯がガチガチ鳴る」という趣旨の記載があります(←本物はもっと詩的です。念のため)。

このソネットを音で表現するために(=聴いてそれを体感できるように)いろんな工夫がなされています。バス(通奏低音)に積み重なるように、ビオラ、第二バイオリン、第一バイオリン、そしてソロバイオリンへと、ジャ・ジャ・ジャ・ジャ♪(←分かりにくい表現だな。すみません)という音の連続が付け加えられていく部分で、雪がどんどん降り積もっていく様子が表されている。いかにも足を踏みしめて小走りになってるフレーズももちろんあるし、高音のバイオリンで16分音符の同じ音が連続で弾かれるフレーズでは歯がガチガチ鳴っていることが表されている。

足を踏みしめている・・・を表現している音のところで、チャンさんが複数回軽いジャンプ(画面では良く見えないんだけど両脚を相互に打ち付ける仕草が含まれているような気がする)をするところは、とても好きです。


●総合2位 羽生君(18歳)/日本/SP=パリの散歩道(振付:ジェフリー・バトル)、FS=ニーノ・ロータ 映画『ロミオとジュリエット』より(振付:デビッド・ウィルソン)

SPは良かったですが(PB更新)、FSが・・・。不運も重なりましたね、あの冒頭の4回転は既にできてしまっていた氷の溝だか穴だかに足を取られてしまった感じ。瞬間的に真央ちゃんのバンクーバーを思い出してしまいました。

数あるロミジュリの音楽の中でも、私はこのニーノ・ロータのものが1番、野暮チンだと思ってる。メロドラマっぽいというか。羽生君にはもっさりし過ぎてて、羽生君の鋭いパッションと共鳴できない印象。この曲、敢えて誰に似合うかと言えば、ジェイソン・ブラウン君だと思う(理由はジェイソンさんのところを読んでもらえば分かって頂けるかと)。

また、このFSの振付ね、ウィルソンさんの創造性にちょいと疑問を持っちゃうんですよ。振付師として羽生君の魅力を引き出したい、と思っているのは分かるんですけれど、羽生君独特の熱い香りを引き出すことに成功していないばかりか、全て空回りした挙句、観客と羽生君の間に薄い膜まで作ってしまった感じ。もったいないこと、この上なし。


●総合3位 ジェイソン・ブラウン(18歳)/米国/SP=The Question of U(振付:ローヒーン・ワード)、FS=リバーダンスより『Reel Around the Sun』(振付:ローヒーン・ワード)

SPはアメリカ大会でも2位につけているので、得意にしている演目と言っていいかな。今回も自信をもって臨んでいる様子が見て取れました。FSは、アメリカ大会でジャンプミスが複数あって順位を落としたこともあって、SPよりも慎重で「課題を克服しよう」という意識が見て取れました。結果、見事ミスを最小限に抑えて台乗り。気持ちの強さが感じられます。

シニア1年目というのに、身体を大きく使い、動きに勢いとスピードがあり、それでいて所作とムーブメントがとても丁寧で綺麗(この綺麗さは男子選手の中ではトップクラスだと思う)。スピンの回転軸がしっかりしていて、スピード感がある上、柔軟性があるのでポジショニングが極めて美しい。しかも筋肉がしなやか。フリーで入っているバレエジャンプの滞空時間の長さは、バレエで言う上体の引き上げが上手にできている証左。

SPは、特に音楽との調和にも優れている。(FSはアメリカ大会の時も書いたけど、あの音楽では、もっとリズミカルな高速ステップが欲しいと思う。ただ、アメリカ大会の時よりかはそれを感じる場面もあったので、元の振付はかなり意識がされているのかもしれない)。

4回転を回避することもあり、フィギュアスケートの選手としてはトップクラスとは言い難いかもしれませんが、舞踊的な面からみれば現段階でも確実にトップクラスに入る人だと思います。今は柔軟性ばかりが印象に残りますが(実際、高い柔軟性という資質だけで踊っている部分も多いと思う)、今後筋力がもっとついて更にストレッチや引き上げのレベルが高くなってくると、今よりももっと踊りが上手になると思います。

と、ここまで書いておきながら、なんですが。
この方がここまでポテンシャルがありながら損しているところは、全般的に「野暮ったい」ってことです。髪型や衣装が「ちょっとダサめ」は既にアメリカ大会でも書いたけど、ムーブメントそのものも保守的というか前時代的というか・・・なので、髪型や衣装との相乗効果として最終的に「野暮ったい」という印象に落ちついてしまうのかな。

衣装・髪型・動き等の「外見」も含めた表現面での感性も上がってくると期待したいけど、ただ、「野暮ったさ」ってある種の安心感も生むので、敢えてそっち系で渋く攻めてみる(あ、守っているのかも)ってのもアリかもしれない。表現の幅は狭くなるけどね(例えばカントリー系とか、ヒストリカル系とかね)。いずれにしても、今後、彼がどういう方向に向かうか楽しみです。


●総合4位 閻涵(17歳)/中国/SP=マイナーワルツ/ヴァイパーズ・ドラッグ(振付:ローリー・ニコル)、FS=グルメ・ワルツ・タルタール/美しき青きドナウ(振付:ローリー・ニコル)

SP、圧巻だった中国杯(こちら)に比べると小さなミスがありましたが、演目の楽しさと、この人らしいちょっと斜に構えた雰囲気で上から目線で軽く流すようにこなすパフォーマンスは、とても魅力的です。

FS、青きドナウをバックにしてすら漂うこのアナーキーな雰囲気(笑)。ローリーさんが楽しんで振付けた様子が目に浮かぶようです。ミスがあって気持ちも途切れたようで、後半は動きが殆ど止まってしまったように見えたけど、彼は紛れもなく「踊る男達」の1人(いわゆるダンサブルな踊りではないけれどね)。今後が楽しみな選手です。


●総合5位 ブレジナ君(23歳)/チェコ/SP=山の魔王の宮殿にて byエピカ(振付:パスカーレ・カメレンゴ)、FS=映画『シャーロック・ホームズ』より(振付:パスカーレ・カメレンゴ)

チェコは、男子シングルの五輪出場枠が2枠だから、彼はほぼ確定なのでしょうね。なのである程度、調整に余裕はあるのかもしれませんが・・・今季は、ジャンプを跳ぶ前に微妙な躊躇や不安によると思われる、妙な空白時間を感じることが多いような気がする。

カナダ杯の時に、「ブレジナさんは、演目の体力的なハードルを全体的に少し下げた方がいんじゃないかな。ここ数シーズンずっと、4回転を失敗しても失敗しなくても、体力的にかなり手前で限界がきてしまう印象です。」って書いたんだけど、今回は更にそう思いました。最初から体力オーバーのプログラム、つまり絶好調じゃないと完遂が無理なプログラムを組んでいる印象。ジャンプを失敗して体力を削がれるとその後の破綻がお約束になってしまってる。これって、プログラムそのものが彼を追い詰めるという、悪循環になってるんじゃないかと思う。ありていに言うと、もう少し余裕が欲しい。


●総合6位 宋楠/中国/SP=ギターコンチェルト(振付:ローリー・ニコル)、FS=映画『ミッション』より(振付:ローリー・ニコル)

中国杯に続いて2戦目もハンヤン君と同じ大会。ちとこれは不利に出たような。

終始、沈んだようなお顔。ジャンプの調子が悪いのは、この若手の活躍が心理的影響を及ぼしているのも一因ではないかと。エース交代の雰囲気って人を興奮させるものがあり、いやがおうにも世間が勝手に盛り上がるもので。だからこそ、それが確定であっても、未来予想であっても、単なる期待であっても、当事者にとっては残酷。

ところで、SP・FSの双方で、テレ朝実況の阿呆アナが「178センチの長身です。」って文章を一言も違えず複数回繰り出したのには、心底、辟易(私ほとんど実況って無視してるけど、気付いただけで4回あった)。なんであんなに無能なの?それしか手持ちの情報がないのなら黙っとくべき。それとも「何かしゃべっとかないと不安で心が潰れちゃう病」?それなら悪いこと言わないから事務方に転部すべし。

サッカーや野球ってアナ自身が異常に詳しいってことがよくあるけど、フィギュアってたいていダメね。もう中継にアナウンサーって不要なんじゃないの?元スケート選手の解説者2人男女ペアとかでやってはどうかしらね?


●総合7位 アモディオ君(23歳)/フランス/SP=ラ・クンパルシータ、FS=Under The Moon/Happy/バラ色の人生

モロゾフさんから離れて臨む今シーズン。中国杯に引き続き結果が出ないのは、ご本人が一番悔しいでしょうね。どなたか彼のジャンプを改善してくれる良いコーチはいないのかしら。FSではジャンプを複数回転倒したことにより体力が随分奪われてしまったようで、ステップも精彩を欠き・・・このままでは彼の魅力がどんどん減っていくようで、見るのが少々つらい。


●総合8位 マヨロフ君(22歳)/スウェーデン/SP=Khorobushko、FS=Archangel

アメリカ大会に引き続き、低調に終わってしまいました。
彼もジャンプを何とか修正できないものかしらね。
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by Koharu-annex | 2013-12-15 19:46 | 2013-2014 フィギュアスケート
グランプリファイナルも終わって随分経つというのに、未だにNHK杯の雑感をアップしているワタクシ。
関係ないけど、おでん食べ過ぎて苦しい。ちくわが余計だったわ。


●総合1位 真央ちゃん(23歳)/日本/SP=ショパン ノクターン(振付:ローリー・ニコル)、FS=ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番(振付:タチアナ・タラソワ)、EX=Smile/What a Wonderful World(振付:ローリー・ニコル)

ファイナルを含め今季GPSでの各選手の滑りを見ていて、つくづく思うことは、五輪シーズンってナーバスだなってことです。そんな中でクリアに見えてきたのは、真央ちゃんがいかに凄い人かってこと。正直、この凄さは傑出してると思う。

話はバンクーバー後の「修正」の決断から始まります。
ジャンプ矯正・スケーティング技術の向上に向けた「修正」を決断したのは、ソチ五輪の今シーズンのためにあることは頭では分かっていました。が、まさにそのシーズンになって彼女の演技を見て「こうなるためだったか」との実感が伴うと、心底、驚愕しちゃう。

そもそもこの修正は、今まで身に付けた技術をぶち壊さなくてはならない部分があり、そうである以上、ある程度の修正が身に着くまでは不十分な演技しか出来なくなるのは当然で、点数がガタ落ちになるリスクを必然的に背負ってしまう(そうなると選手としてのレピュテーションも当然下がる)。しかも、そもそも修正が完成出来ないかもしれない、というリスクすらあったと聞きます。

それにもかかわらず、バンクーバー五輪後という時点で、即座に修正に踏み出した視線のクリアさ(冷静な自己認識とクレバーな分析と言ってもいい)、覚悟できる強さ、そして着実に修正を成し遂げて来た根気と根性は、いずれも常人には及びもつかないものです。

加えて、修正がほぼ完成に近づきつつある現在であっても、今シーズンの特殊性に鑑みれば、どの試合で崩れてもおかしくないはず。実際、国内勢も外国勢も、男女問わず全員いずれかの試合で崩れてる。しかし、唯一の例外として、真央ちゃんは一度も崩れてない。コンスタントにある一定レベル以上の演技をしています。これは見事ですよ。本当に凄い。

と、ここまでは前置きで、NHK杯の感想を。
SPはアメリカ大会後に手直しが行われて、確か当時の報道では、ローリーさんからテーマ「初恋」に沿った恋愛の紆余曲折なども織り交ぜて、湖や雪山の情景を参考にしたアドバイスがあったとか。アメリカ大会の時に、「あとほんの少しのタメと緩急、あるいはふわふわと真逆のキレや重みみたいなもの(「初恋」つながりで言えば「ほろ苦さ」みたいなもの?実際には無かったかもしれないけど、そこはそれとして)を、要所できかせて行くのはアリなのではないか」と書いたのですが(こちら)、上記の報道を見て、そういう面での変化があれば嬉しいなと思いましたことよ。

でね、拝見したところ、アメリカ大会よりもグンとよくなってました!
ノクターンって劇的な音楽ではないですけれど、あの楽曲の上品さを損なわない範疇での表情の変化は、とても優雅で美しかった(←例えばノクターンで、あっこ姉さんの「バラ色の人生」のような急激な変化を見せるとそれはやり過ぎ)。

あと、ノクターンのテンポや曲調って、真央ちゃんの身体の元々持ってるテンポや動きの特徴(=一言で言うならノーブルだと思う)にとてもよく合致します。ついでに言うと、ショパンの全てがノクターンと同じテンポや曲調ではないけれど、ローリーさんが概要「ショパンは真央のための作曲家という気がする」(11月の日経新聞)とおっしゃるのは深く頷けるところ。ショパンのニュアンスって真央ちゃんの雰囲気とぴったりなんですよね。

ただ、相変わらず、私の好みから言えば、手首~指先にもう少し緊張感がある部分があってもよいかなと(全部においてそうなる必要はない。今のふわりとした手首~指先の部分も半分残しておいていい)。

FS、あの爪は普通にカラー?SPの時は赤くないからジェルやスカルプじゃないよね。試合だと落し物は減点になるから付け爪もあまり考えられないから・・・。カラーだとSPが終わってから塗ってるってこと?それも大変ね。私はジェルなので、カラーが乾くまでのあの面倒さにもう耐えられない(笑)。

衣装は、以前のパワースポットのような衣装では「布地に伸びない部分」があるとのことで、今回から変更(バンクーバー五輪シーズンのJOの時に一回だけ使用した衣装だそうですね)。報道によると、「できれば新しいものを作りたい」とのことだったけどGPFでもこの衣装だったので、次の全日本で変えてくるかな~。楽しみです(NHK杯の衣装は真央ちゃんのスタイルの良さは際立つけれど、ウエストの肌色部分からタイツのゴムが一部透けそうになってて心配になる)。

ショパンは素の「まんま」真央ちゃんだけど、ラフマって真央ちゃんの隠れた部分が表に出てくる感じですね。鬼神のような真央ちゃん。姫じゃなくて女王の真央ちゃん。夢見る少女じゃいられな~い!って部分ね(ああ、思いがけないところでFNS歌謡祭の名残が…)。

ラフマニノフのピアコン2番って超有名曲だし、フィギュアスケートでもアホみたいに使われてきたけど、真央ちゃんほどこの「貴人」で「鬼神」のイメージが出る人っていないわね。ついでに言うと、曲想が大きいから、フィギュアスケートにおいては多くの場合スケーターの方が潰されちゃってるか、途中で破綻してます。真央ちゃんほどガチンコでこの曲を受け止めて、合体してる人っていないと思う。この演目の肝である最後のステップ~コレオシークエンスで、一層そう思う。愚痴になるけど、最後のスパイラル、動きの関係からかいつも背中から映されてしまって、報道写真にあるようなフォトジェニックな前からの映像を見られないのが残念。


●総合2位 ラジオノワちゃん(14歳)/ロシア/SP=映画『アンナ・カレーニナ』より/Two Steps From Hell(振付:イリーナ・タガエワほか)、FS=映画『フリーダ』より(振付:イリヤ・アベルブフ)、EX=ゾンビダンス

皆様、ここにきて白状しちゃっていいでしょうか。
ワタクシね、今季が始まって間もない頃、昨季の記事を読み返したことがあったんですよ。したらばワタクシってば、ジジュンリちゃんのことをやたらと「可愛い可愛い、アドラブル~❤」と繰り返し書いてあって。あまりの書きっぷりに「キショク悪っ!」って思っちゃうほどで。

で、私は次の決心をしたの。
(1) ガキンチョが可愛いのは当たり前(レベル差はあるけど)。当たり前のことは書かない。
(2) ガキンチョは変容が激しいので、しばらく様子を見る慎重さを忘れない。
   ⇒ 手放しで褒めない。

なので、アメリカ大会でのラジオノワちゃんの感想も、極力突き放して書いていたんです。(書きたいのを我慢して我慢して、最終的に文字にしたのが「置物」)。

でもね!もう我慢できない!言わせて!!



ラジオノワちゃん、可愛い~~っ



ド級に可愛いでしょ、この方。

私はねえ、舞台見なので、基本、舞台袖や楽屋裏での出来事はできるだけ見ないようにしているの。変な先入観持ちたくないから。ただ、落語なんかで、上手から出て席に着くまでと、噺が終わって立ちあがり下手へ入る時の噺家さんの様子なんかは、それぞれの性格の厳しさや几帳面さが出て、それも芸に対する姿勢というか芸の一部として面白いこともあるけど・・・は!今気付いたけど、これも舞台を横切っている間なので、舞台上の話だわね!

って何が言いたいかと言うと、キスクラよ!
私、キスクラでの選手の様子などは、取り立てて気に留めないようにしているの。
だけどねえ~、ラジオノワちゃんのキスクラの様子が可愛すぎるの!あと、表彰式での真央ちゃんに対する笑顔や、移動の際に真央ちゃんにくっついてばかりいる所なんか、本当に愛らしいの。これには、私、メロメロにやられてしまったですたい!(何語?)

ってことで、とりあえず落ち着いて。

うーんと、まず、この方の中で一番に褒めるべき点は、極めて良く動けるという点です。
見た目から明らかなとおり、凹凸が全くない非常にか細い体躯なので(あの手足の長さがありながら頭を大きく感じるところが身体自体の細さ&子供体型を物語ってる)、体重はかなり軽いはずだし、多くの関節のソケットが浅く稼働域が広い。なので、子供の中においても、そもそも身体を動かし易い素地があると言えます。だけれども、その素地を持った人が全員、ここまで動けるってことは無い。やはり、特別に良く動ける人なんですよ。

また、演じることや踊ることの才能も持ち合わせています。おそらくご本人も、演じることや踊ることが大好きなのでは?演じるという意味で特筆すべきは、あのEXのゾンビ。恐れ入ったわ、照れや躊躇が全く無いのですもの。

もちろん、今後、成長して身体に凹凸が出てきたら、今のようなチャカチャカした操り人形のような動きは、あまり見られなくなるでしょう。また、今のようなビールマン姿勢は難しくなると思う。成長した身体であれをやると怪我につながるから。

でも、その頃には、もっと美しいものが見られるはずですよ。バレエでも、子供が柔軟性に任せて作り上げる造形よりも、一定以上の訓練を積んだ筋肉やしっかりしたストレッチが基礎にある美しい姿勢から作り上げられる造形とでは、美しさのレベルが違うから。

ラジオノワちゃんがそういう造形美を見せてくれる頃には、おそらく、今の両肩が首を覆ってまるで頭が埋もれているかのように見えることすらある、肩の上がり方も、影を潜めているのではないかと(希望)。

あ、あとね、これは杞憂で終わって欲しいんだけど、膝下がちょっと長すぎるかも。成長すると、脚の長さを持て余すかもしれませんね。日本人選手ではありえないことですが(笑)。
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by Koharu-annex | 2013-12-12 00:42 | 2013-2014 フィギュアスケート
わぁぁぁ~、びっくり、もう12月!
ってか、明日からGPFですって!?
ええっ!!どうしよう!!

ってことで今更ですが、NHK杯女子雑感の第一弾。引っ張るつもりは毛頭ないんですが、1位と2位については書くこと沢山あり過ぎるので後回しにして、書けた部分だけ急ぎアップ。

明日までに・・・明日までに1位と2位もアップ出来たら・・・と思ってるけど・・・
あう~、頑張れ、私!

ってか、こんな夜に限ってFNS歌謡祭とかやってるし。
わ~ん、思わずちょっと見ちゃったよ。何やってんの、私、「馬っ鹿だね~、女って~♪」(I love you, SAYONARA)!


●総合3位 あっこ姉さん(28歳)/日本/SP=愛の賛歌(振付:マッシモ・スカリ)、FS=オペラ座の怪人(振付:パスカーレ・カメレンゴ)、EX=シルク・ド・ソレイユ Love Dance

このSP、2A以降が圧巻ですわね。ガラリと雰囲気が変わって、爆発的に喜びを表現するところ。これが生きてくる重苦しい中盤も表現できる点も、さすが。

FSは、緊張しましたかね。

クリスティーヌって、あっこ姉さんに良く似合うキャラだと思うんですよ。舞台人として大きな才能がある上に、隠れて日々コツコツ努力していて、2人の男性(1人は怪人ね、前半は師匠のようでもある)から愛され求められるのだけど、本人には自信がない部分や(謙虚といえば聞こえはよいけど)押されると流されがちな部分もある。

あっこ姉さんは感性豊かで素晴らしい表現の地力を持っているけど、その反面、繊細で少し弱いところがある。だからそのままでも充分クリスティーヌなんだけれども。演目としてクリスティーヌを完璧に演じるためには、演じるあっこ姉さん自身が「自分の弱い部分」を乗り越えた上で「(クリスティーヌの)弱い部分」を演じる、という構図がないとダメなんだと思う。今回もそうだけど過去の大事な試合でも時折顔をのぞかせてきた、あっこ姉さんのこの繊細さと弱さって、結果論から言えば不必要で、捨てちまっていいものなのよ!

あっこ姉さんには、ある種の鈍感力を培って欲しいと思う。もちろん自信も持って欲しい。自分がクリスティーヌと同じくらい、客観的にエクセレントな才能の持ち主で、そのままのあっこ姉さんの演技で十二分に人を感動させるということを、素直に自分で認めてしまって良いと思う。謙虚なんて表現の世界じゃ「クソ食らえ!!」ってなもんですよ。


●総合4位 ゴールドさん(18歳)/米国/SP=3つの前奏曲(振付:マリーナ・ズエワ)、FS=眠れる森の美女(振付:マリーナ・ズエワ、オレグ・エプスタイン)、EX=オールザットジャズ

昨年シニアデビューしたので、私がゴールドさんの演技を見るのは今年で2季目。
今のところ、彼女には、今季のEX、ミュージカルChicagoの有名ナンバーが最も合っているような気がする。20~30年代のアメリカのちょっと「悪」派の若い女の雰囲気があるのね。ギャングの取り巻きの女、と言うと分かり易いかな(もちマダムじゃなくて、ギャングの深い部分は未だ分かっていない若い女ね)。

アメリカ女子って、良くも悪くも個性がはっきりしていて、分かり易い方が多いですよね。二面性や深いものがなくて単調と言ってしまえばそれまでですが、裏が無いとも言えるわけで。力強さ一本調子のアシュリーさん、古き良きアメリカを感じさせる肝っ玉フラットさん、儚くサマーカラーのように白く翳むシズニーさん、ヤンキーなシザリオさん、洗練されないダイナミック・エロのザワツキーさん・・・後半に行くにしたがって悪口めいて聞こえるかもだけど、全員、褒めてます(笑)。


●総合5位 宮原さん(15歳)/日本/SP=映画『戦場のメリークリスマス』より(振付:カタリーナ・リンドグレン)、FS=ポエタ(振付:トム・ディクソン)、EX=Solace

SP、私はもちろんリアルタイムでこの映画の時代を知っているので(オッドアイというものがこの世に存在することをこの映画で知った友人もいたわね。未見の方は、麻痺の後遺症が残る前のたけしのドアップをラストで充分ご覧あれ)、「なんでこの年齢の知子ちゃんに・・・」と思いますが、まあ、この楽曲が使いたかったのでしょうね。

当時から国内外問わず極めて人気の高いサントラで、確か映画音楽として受賞もあったはず。日本が誇る坂本龍一(以下「教授」)の最初のサントラで、特にメインテーマは、洋の東西を問わず誰しもの胸の奥底にある、大切な何かに響く楽曲。ピアノの独奏楽譜も出ていて、そりゃあ泣けるわ。

冒頭、高音のピアノを背景に滑るステップでは、小柄な知子ちゃんが慎重ながらも軽やかで、小さな音の粒の精になったようです。ですが、以後の音楽はやはり今の彼女にはまだ重い。背負い切れないと思う。むしろ同じサントラを使うなら、Ride Ride Ride(ボーイソプラノで、Ride, ride through the day, ride through the moonlight, ride through the night~♪と歌われる音楽。これは教授の音楽じゃないけどね)なんか、今の彼女を生かし切れると思うのだけど・・・。

FSはアイスショーやJOの時も書いたけど、SP以上に音楽が背伸びし過ぎ。色んな意味で、音楽と彼女自身の「重さ」に違いがあり過ぎて、結果、彼女の身体の小柄さやそれゆえの動きの限界を際立たせてしまうと思う。ちょっと損なのでは?

以前も書きましたが、彼女にはこの年齢には不釣り合いなほどの知的で哲学的ですらある、独特の雰囲気があります。また知的な女子に時折見られる、創造性豊かな詩的な内面世界の広がりも感じられます。SP・FSのそれぞれの楽曲は、この彼女の雰囲気や内面世界に呼応した選択なのでしょう。私は、この方向性そのものは凄く良いと思っています。

しかし、その一方で、彼女の年齢や体型を顧慮すべきだと強く思う。身体表現という意味では、まだコンパクトな体型(&均整は取れているが手足・首は決して長くない)で、未だ筋力が弱くて身体のコントロール力が十分でない彼女には、おのずと限界があります。その限界を感じさせない楽曲が他に充分ある以上、結果としてこれらの限界を感じさせてしまうような選択は、当然避けるべきだと思う。

五輪シーズンということで敢えての選択なのかもしれませんが(かなこちゃんと同様「大人っぽい」戦略?)、今季の楽曲はいずれも雄大すぎて、(それは彼女の雰囲気や内面には充分比例してはいても)身体表現としてのパフォーマンスを客観的に評価する局面においては、逆効果になってると思います。


●総合6位 マルケイさん(27歳)/イタリア/SP=帰れソレントへ、FS=Nyah

髪型や衣装、メイクだけでなく、パフォーマンスそのものに驚くべき進化が。ムーブメント、身のこなし、視線の向け方・動かし方、全てが数段ソフィスティケイティドされました。

素材は悪くないのに、田舎っぺのような芋っぽさと、到底エレガントとは言い難いガラッパチのようなムーブメント満載の方でしたが、ここまで一気に洗練さが花開くとは。演技終了後の素の彼女は昔のままなので、演技における「全て」を洗練させるよう、指導者側もご本人も地道に努力なさったのでしょう。人間って可能性の動物だってことを、改めて認識させてくれました。明日から私も頑張ろう(笑)。

女子シングル、イタリアの五輪出場枠は2枠。マルケイさんの並々ならぬ意欲と努力が実を結びますように。


●総合7位 レオノワさん(22歳)/ロシア/SP=映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』より(振付:ニコライ・モロゾフ)、FS=カルメン(振付:ニコライ・モロゾフ)

SPは2年前の演目を復活。調子が悪いせいか、この演目の小芝居的な要素に寄り掛かり過ぎていますね。大きな動きの多くがマイムと判断せざるを得ないもので、踊りではなく、もちろん滑りでもない。顔の表情をいくらつけても、これでは身体表現としてはあまりに中途半端。

FSのカルメンでの不敵な女の表情を見て、彼女の成長を感じました。昔は泣きそうな顔もよくしていたのに・・・。FSも演劇的な演目ではありますが、マイムよりも踊りよりの動きであるせいかSPよりずっと見応えがありました。


●総合8位 未来ちゃん(20歳)/米国/SP=The man I love(振付:シンディ・スチュワート)、FS=007メドレー(振付:シンディ・スチュワート)、EX=映画『黄昏』より

うん、痩せようか、未来ちゃん!!
元々のポテンシャルが極めて高い方なので、それだけでかなりの部分は解決すると思う。

FSの20分間のアクシデントは誠に気の毒。未来ちゃんのガジェットに入っている音楽をかけてもらったとのことですが、そんなことでフォローできるようなレベルじゃなかった。笑顔でやり過ごして、彼女は本当に立派でしたわ。観客席にいる信ちゃんが未来ちゃんに大きな声をかけてあげていたのが(演技終了後にも速攻でスタオベしていたことも)、ちょっと嬉しかったな。

それにしても、アクシデントの間に(仕方なく練習していて)何度も決まっていたジャンプが、本番になると決まらないなんて、勝負の世界は厳しいですね。メンタル、なんて簡単な言葉で片付けるのは気の毒なくらいに、厳しい。アメリカ女子シングルは最大の3枠あるので、何とかそこに滑り込んで欲しい。

コメント頂いたんだけど、豊の部屋で披露する日本語、年々上手になっていますね。アクシデントを理由にEX出場が早々に決まったとのことで、久しぶりに彼女のEXを見られて嬉しかったです。


●総合9位 ゲデ子ちゃん(23歳)/グルジア/SP=Snowstorm Romance(振付:イリーナ・ヤロシェンコ=ロマノワ)、FS=ジゼル

SPもFSも衣装がとても素敵。
彼女は五輪確定でしょうから、五輪までに不調を乗り越えて欲しい。随分長い間、彼女の笑顔を見ていないので、五輪の舞台で彼女の笑顔が見たい。

それにしてもFS、すがすがしいほどバレエを無視してるな(笑)。最後の狂乱のシーンの音楽のところ、少しそれを意識した動きがあるのですが、疲れ果ててそれどころじゃないって感じ。なので、もしかするとプログラムが完成に近づくと、もう少し元ネタのバレエを彷彿とさせる動きが増えてくるかもしれません。
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by Koharu-annex | 2013-12-05 01:27 | 2013-2014 フィギュアスケート