もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

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ロシア杯 男子FS

スケジュール管理が悪くてサロンに行けないため、爪が伸びすぎててタッチミスが多いことと、PCの調子が悪いために、複数回、記事を消してしまう憂き目を見てしまったこの記事。

ようやくアップです。

●コンスタンティン・メンショフ(28歳)ロシア//ザ・レース 作曲:イエローバトル・ウィズアウト・オナー・オア・ヒューマニティー(映画キル・ビル サウンドトラックより)作曲:布袋寅泰、ベルガマスク組曲より「月の光」ドビュッシー

冒頭、4回転を2つ決めたものの(しかもともにGOE1.29)、最後のコンビネーションジャンプが無効ですか。。。うーん、切ない。

私はメンショフさんのこの走り屋物語が好きなので、完成版とはいえないかもしれないけど、観られて満足でしたよ。
しかし、NHK杯と同様、実況・解説ともに、メンショフさんの走り屋物語に触れず(苦笑)。

●セルゲイ・ボロノフ(24歳)ロシア/オペラ「道化師」より
衣装が道化師の主人公の心を表しているのですね。道化師の衣装の前身ごろが引き裂かれているようなデザインで、破れた胸のところから血の涙を流すハートが。

パフォーマンスとしては、割とドラマチックで大げさな面もある音楽に負けまいと大きく身体を動かそうとしているのは分かりました。しかし、全体としてみると、要素をこなして振付を追うだけでいっぱいいっぱいになってしまった印象が。

●アンドレイ・ロゴジーン(18歳)カナダ/ポエタほか
カナダ杯では以下のような感想を書いたのだけど
男性フラメンコの魅力あふれる楽曲で、これが表現できたら素敵ですよね。フィギュアスケートは男女ともフラメンコ系の楽曲は良く使用されるけど、男性でここまで真正面からフラメンコに挑むのは案外少ないのではないでしょうか。

やりたいことはすごーく良く分かるんだけど、いかんせん体力が・・・(苦笑)。
なので多くを望めないのは承知の上で、もっと色気と力強さとキレが欲しい(←贅沢過ぎ)。
やはり最後にステップシークエンスを2つ連続して行うところがきつそうでしたが、カナダ杯よりは出来がよかったように思いました。

●ブランドン・ムロズ(20歳)US/カルメン
NHK杯のときと同じく、冒頭はすごく素敵なのにジャンプの失敗でぐだぐだになってしまい・・・
今季は新しい技術の確立にむけて、辛抱のシーズンなのでしょうね。

●アルツール・ガチンスキー(18歳)ロシア/インタヴュー・ウィズ・バンパイヤほか
GPSは結局不発に終わってしまいましたが、耽美なところのある楽曲と振付は、ガチンスキー君によく似合っていますよね。こういう楽曲が似合うということ自体、ガチンスキー君が不機嫌なだけの10代でないことを如実に物語っております。たたずまい、姿勢、ムーブメント、手首から指先にかけての動きなどなどに、味わいのある美しさがあるのですよね。

ガチンスキー君に何を求めるかによって、人により、演目の中で彼が演じている役柄の想定が違うかもしれませんね。私はトム・クルーズがやってた役ですが、本当はエドガー@ポーの一族がいいです(笑)。

●ハビエル・フェルナンデス(20歳)スペイン/オペラ「リゴレット」より
ラストのポーズからするとタイトルロールを演じているのでしょうが、その他大部分ではそのにおいが全くなく・・・(苦笑)。最後のステップで何か演じたそうに見えたのですが、明らかにスピードが落ちて何もできなくなってしまったのは残念でした。まあ、この役柄は、今のフェルナンデスさんの「ちょっと楽しくなさげ」な雰囲気に合ってるのかもしれません。

タラレバはなしってことは分かってますが、この演目、モロゾフさんの振付だったら、全く別の印象になったでしょうね。

PCSが高いですが、フェルナンデスさんのはチャンさんと同じタイプ、すなわち下半身特化型という感じがします。下半身が安定していて、脚が無駄に動かない感じ?
また、オーサーさんの弟子って、臀部の筋肉が立派な感じがする(キムヨナさんも同じく立派な臀部をお持ちだったと記憶しています)。
実際の機能的なことは知らないけど、こちらから見える感じとしては、臀部で脚(&足)を引き上げてコントロールしているように見えるというか、脚・足だけで動いてるように見えないというか。そのおかげで、安定感があって無駄な動きが無いように見えるのかなあ、と思ったり。

●ブレジナさん(21歳)/映画「アンタッチャブル」より(モリコーネ作曲)
アメリカ杯、フランス杯、そしてロシア杯と、この演目を拝見するのも3回目。
SPに引き続き、体力的にぎりぎりっぽいですね。

アメリカ・フランスでは若干苦手感が漂っていた中盤のスローパート、良くなったように思いました。
ファイナルが楽しみです。

●羽生ゆづる(16歳)日本/映画「ロミオとジュリエット」より
今回のFS合戦において、ガチンスキーさんの耽美に対抗できるのは、われらが羽生くんの悲愴美しかないでしょう、ずばり。転倒した方が美しさがいや増すという、悲愴美の典型的な一類型であります。

2回の転倒(4回転ジャンプとサーキュラーステップの冒頭)で2点減点があったにもかかわらず、技術点はSPに引き続いてトップ。SPのときに書いたからここでは理由は省略するけど、ビバ!であります。

ところで、テレビ放送で、演技途中に無意味に羽生くんのアップの顔が映された瞬間があったけど、ロシアでも彼はハンサムボーイということになっているんでしょうか?

●ジェレミー・アボット(26歳)US/エクソジェネシス交響曲第3部
アボット君は見栄えのするスタイルを持っているし、滑りが流麗なので、シンプルでストイック過ぎると思われる衣装もよく似合いますよね。というか、むしろそれが滑りをより美しく見せている面もあると思う。自信と実績のある人じゃないと着てはいけない衣装のような気がします。

でも、アボット君、この演目ではミスが多い上に、あまり良い成績をもらえていないのですよね。ファイナルに期待しましょう。

いつ手を切ったのでしょうね。あまり深い傷じゃなければ良いですが。
私は実際の血を見るのがすごい苦手で、手を切ったりすると大騒ぎするんですよね。動揺を自分の中で抑えておけないので、見て見て、血が出た!みたいになっちゃうのです。
アボット君が切った手をいろんなところで見せているのを見て、もしかして同類項?と思いました(笑)。
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by koharu-annex | 2011-11-30 22:18 | 2011-2012 フィギュアスケート

ロシア杯 男子SP

●セルゲイ・ボロノフ(24歳)ロシア/映画「プリティ・リーグ」より
わー、面白い衣装、サッカー模様!
でも、実況も突っ込んでいたけど、この映画、野球だよね・・・。
靴には何かカバーをかけているのかしら?スパイクのような模様になってて楽しいです。

コーチはモロゾフさんですが、モロゾフさんらしいマイムも組み込んだ楽しいステップでしたが、いかんせんスピードがなかったですね・・・。

●ブランドン・ムロズ(20歳)US/ミュージカル「ザ・スリーペニー・オペラ」よりマック・ザ・ナイフ 作曲:クルト・ワイ
やっぱり、この衣装、私には風呂上りのおっさんの手ぬぐいに見えてしまうなあ。
NHK杯の時のほうが、ジャンプだけでなく動きにもキレがあって良かったと思います。

それにしても、ムロズさんって表情が読みにくい人ですね(苦笑)。あ、でも、私としては、表情が読みやすい人に変貌されるよりも、ずっと読みにくいまま、たとえばニヒル路線で貫徹するとか、あるいはハードボイルド路線でゴルゴ13もどきになってくれる方が楽しいです、ええ。

●コンスタンティン・メンショフ(28歳)ロシア/映画「デッドサイレンス」より 作曲:チャーリー・クロウザー ワームス・ラウンジ ワームス・ブラック、映画「メン・イン・ブラック2」サウンドトラックより 作曲:ダニー・エルフマン

ムロズさんに続き、NHK杯の方が良かったですね。
不安定でスピード感がなかったです。お疲れですかね・・・。

●アンドレイ・ロゴジーン(18歳)カナダ/ブロークン・ソローほか
冒頭から不安げな雰囲気が漂っていたのですが、乗り切れないまま終わってしまった感じでしょうか。
最後のシットスピン、残念でした。(その他のスピンはレベル3まで上げてきているだけに)
今年シニア初参戦ということで、まだ手探り状態のような気がします。

●ハビエル・フェルナンデス(20歳)スペイン/I love Parisほか
うーん、カナダ杯のときはそつない感じがしたのですけどね、今回は若干不安定というか、キレのある動きとそうでないところの差があったように見受けられました。

あと、カナダ杯のときも気になったんですけど、フェルナンデスさん、なんかちょっとテンション低いというか楽しそうじゃないんだよね。理由は分からんが、そこは大丈夫か?
それとも単にそういう人?(去年は演目の楽しさでごまかされていたのかしらん?)

そういえば。
ABTにアンヘル・コレーラさんっていうスペイン出身の花形ダンサー(ずっと長いことプリンシパルでUSでも日本でもすっごく人気がある)も、舞台では明るいキャラが前に出てるんだけど、インタビューとか暗いんだよね。
「サッカー大国スペインでは、バレエを選ぶ少年の人生は悲劇的だ。」とか、くらーい顔とくらーい声で言ってるのを見たことがある。
もしかして、フェルナンデスさんも同じタイプかなあ。

●羽生ゆづる(16歳)日本/エチュード・イン・D・シャープマイナー(スクリャービン「12の練習曲作品8 悲愴」)
中国杯のときの感想は、
この衣装が似合ってるだけで、日本男児としては表彰ものでしょ。
この人は指先まで覆っている衣装が多いですが、それが良いですよね。腕の動きも手先の動きもとても綺麗なので、それを強調できるgoodな選択。

うねるように、しなるように身体が動きます。これまでの選手とスピード感も全く違う。素晴らしいです。
また、この人はね、高いバイオリンの音とか、ピアノの音とか、抒情的な響きが良く似合いますね。日本男児としては極めて貴重な存在です。

テン君ほどじゃないですが、この人も若いですからね、これまでは、音楽的に「静」な部分であっても、内なる思いから勢いを出し過ぎちゃうことがありました(そしてそれは後半の体力不足につながる)。しかし、今回は緩急をちゃんと意識して「静」なところは落ち着いて、「動」なときは思い切って動いていました。私の好み的にはもっとついてた方が良いけど(笑)。最後の渾身の3つの動きは、気持ちも入ってて、強い印象を残しました。
というものでしたが、この後半に書いた静と動の切り替え、今回は、より美しく演目の完成度を高くする方向でレベルアップしていました。

ずっと書き続けていることだけど、彼は憑依系の表現者のタイプだと思います。このタイプは、自分の身体が壊れても全力で表現したいことを出し切っちゃう傾向がある。ただでさえフィギュアスケートは怪我の多い過酷なスポーツなので、パフォーマンスの際には、この表現欲求と現実の自分の身体とのバランスを見極めて欲しいと願っています。今回、羽生君がそういう見極めができてきているように見えたので、嬉しかったなあ。

それにしても、技術点(45.20、スピンとステップは全てレベル4!)だけ見れば、ダントツでトップですか(しかも4回転失敗しているのに)。
私はこれが素晴らしいと思う。

羽生くんのように、生来のオーラとか雰囲気とか舞台上の華がある人って、時折、その資質を全面かつ前面に出す表現をしたいという欲求に駆られるときがあって、そういう場合に技術は後回しになっちゃうことがある。
羽生君が、自分のオーラ・雰囲気・華という天性の素質に見向きもせずに(この見向きもしないところが、また別の魅力を引き出しているんだけど、そこはとりあえず置いておく)、真っ直ぐに技術に目を向けていて、真摯に技術面での加点を狙えるよう努力しているのは、本当に素晴らしいことです。
多くのバレエダンサーも言っていることですが、表現の土台は技術ですから。

私には理由が分からないけど、若手は同じことやってもPCSが低く抑えられる傾向があるそうですね(タクタミちゃんの、「今年はジャッジの評価を上げるための年」との発言の趣旨もそういうことでしょうか)。
羽生君のPCSの評価は、今は高いとはいえないところに抑えられていますが、彼の表現の地力からすれば、技術点と同様に高いPCSを取れる潜在能力は明らかですから、今後が楽しみですね。

そのために、振付やつなぎの部分の更なる洗練を望みたい。特に前半部分のつなぎは、比較すると、ちょっとおざなりで荒い感じがしますので。ただ、ジャンプが多いので気もそぞろになるのだとは思うし、あと全体を通す体力とかスタミナの問題もありますので、やみくもに詰込むだけってのはもちろん駄目でしょうが。
あと、コメント頂いているのですが、PCSを抜本的に上げるためには、SSの指導を別のコーチに仰ぐとか、振付を別の方に頼んでみるとか、そういうことも必要なのかもしれません。後者については、私は今の振付も好きだけれども、表現の幅を広げるためには、別の振付師による振付は今後必須だと思いますね。

とかなんとか色んなこと書いちゃいましたが。
正直、16歳にこれ以上望むのは、要求し過ぎですよね。
ポテンシャル高い人への感想は、ついつい「あれもこれも」になっちゃって、申し訳ないわ~

(なお、震災の影響については敢えて触れないことにしております。悪しからずご了承ください。)

●ジェレミー・アボット(26歳)US/ベニー・グッドマン「素敵なあなた」、映画『Swing Kids』より
スタートでアボット君の左顔を映していてたのですが、左耳の上部にあるリングピアスと、少し影になっ静かな顔の対比が印象的でした。

中国杯よりずっとこなれていました。中国杯の時も完成度が高い演目だと思ってはいましたが、こなれるとずっと作品としての完成度を感じられますね。
つなぎもてんこ盛りで、本人はがっつりやってるんでしょうけど、鑑賞者にはそう感じさせず、むしろ余裕や貫禄を感じさせるところなど、見せる技術の高さとベテランの味わい深さを感じます。

●アルツール・ガチンスキー(18歳)ロシア/St. James Infirmary Blues
観客席から、ジャージ姿でちょっと行儀悪い座り方して見ているプルシェンコさんが怖い(笑)。
コンビネーションジャンプが抜けてしまったことで技術点が伸びなかったことは残念でしたね。あとでプル様に締められるんでしょうか・・・。

演目については中国杯のときに書いたので、省略。
あー、今回はキスクラでぬいぐるみを手にする姿とかなかったね。やはり、中国杯ほかでのあのキュートな姿は演出に違いない(笑)。

●ミハル・ブレジナ(21歳)チェコ/ベスト・オブ・鼓動
やはり、このSP、体力使うんでしょうね。
今年のGPSには3回出場されたので、拝見するのは3回目なんですが、いつも終盤息切れしている印象です。
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by koharu-annex | 2011-11-27 22:44 | 2011-2012 フィギュアスケート

ロシア杯 女子SP

11月も残すところ数日。そろそろ暮れに向かって行事ラッシュが始まっております。
そんな中、ちゃぶ台ひっくり返したいくらい大変なことになってる仕事が何件かあるんですが、終わったときの「ざまーみろ感」(なにそれ?)が大きいと信じてやるしかありませんな。

今回はテレ朝地上波放送を見た感想です。
カメラアングルが高い位置からかなり引きで映されている部分が長いのと、低いところからのアングルでも客席がカラフル過ぎることもあって、演技がちょっと見難いのが残念。

●ソフィア・ビリュコワ(17歳)ロシア/映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」より
黒のシースルー部分が多くてセクシーなんですけど、色気に転び過ぎていなくて似合ってますよね。ロシアの10代の女の子達には、こういうタイプ(とっても美しいのに、ある種のストイックさ・暗さ・硬さ・ツンとしたところの方が前に出てて、色気過多の方向に行かない)が案外多くて、民族性ってあるんだな~と思ったりします。

よくしなる身体の動きは見てて気持ちが良いのですが、音楽が少し弱いかなあ。音楽と、振付・動作とが、少し乖離している気がします。

●アデリナ・ソトニコワ(15歳)ロシア/ボレロ
あらら、衣装を変えてきたのですね。あのヒレ衣装、好きだったのに。

中国杯のときよりも、ずっと、ご本人が不安を感じられている気がしました。
タクタミちゃんの快進撃が気になっているのかもしれませんね。また、ちょっとだけしか拝見していませんが、昨年のジュニアの時よりも身体が大人っぽくなってきていますよね?身体の変化にまだ慣れていなくて調整しきれず、思うように調子が出ないのかなあと思ったり。

中国杯の時に見られた、動作やポジションの美しさや正確性は、若干ながら影を潜めてしまっていました。

実は、彼女、バレエ見から言わせてもらうと、少ーしだけ、素の姿勢が悪いんですよね(もちろん彼女はバレエのレッスンは積んでいると思うんだけど、そこはそれ)。
猫背ってわけじゃないけど、首がちゃんとまっすぐにはなってなくて、顔が前に出ちゃうのね。だから、首が短く見えるし、肩も適正位置からは少々上がってる感じになっちゃう。中国杯のときに頂いたコメントの中に、彼女について「首が太い」というものがあったんですが、この姿勢が原因でそう見えちゃうのかもしれません。

こういう首や顔の位置(顎が上がりがちになることもある)は、エレガントな姿勢ではなく、若干、泥臭さが出てくるんですよね。
ただ、フィギュアスケートでバレエ的なエレガントさまでも要求する必要はないと思うので、通常であればこれを問題にする必要はないと思うの。もちろん、それがゆえに「いかにも不恰好」になるのであれば直した方が良いと書くところだけど、彼女は決してそうじゃないし、中国杯のときは鮮やかな衣装も手伝ってか今回ほど目立たなかったから。

人間って、気持ちの中に不安が多いと、不思議と通常よりも肩が上がったり猫背がちになるじゃないですか。だいたいそういうときって、パフォーマンスも小さくなっちゃう。今回の彼女は、中国杯のときよりも不安が大きくて、姿勢が悪くなっちゃったのかもしれません。実際、パフォーマンスも小ぢんまりしていたというか、中国杯のときに感じた、身体能力の高さが迫ってくるような感じもなかったし・・・。

いずれにしても、まだ彼女の本領発揮には程遠い感じですので、また次回を楽しみにしています。

●アグネス・ザワツキー(17歳)US/ハーレム・ノクターンほか
こちらは、ロシア少女と違って、色気の方向に転んでいるかな、と(苦笑)。

●今井遥(18歳)日本/無言歌 ニ長調 作品109(遺作) byメンデルスゾーン
演目と基本的な演技の印象は、アメリカ杯のときに書いたとおり(こちら)。

どんどん自信をつけているようで、安定した精神状態を感じます。これって本当に大事ですよね…。
スピンがとても綺麗で、「シズニーさんのそばで練習しているので自分でもスピンが上達しているのが分かるのだそうです」旨の実況を聞いて、納得。

●浅田真央(21歳)日本/シェヘラザード
NHK杯の結果に随分安心し、また自信になったのでしょうね。皆様も感じられたと思いますが、嬉しさと喜びをほんの少し含んだ安定した精神状態を映した波動みたいなものが、スタートのときからありました。
それを感じて、「ああ、今回も大丈夫」と思ったのは、私だけじゃないはず。

見るからに振付がてんこ盛りで複雑なストレートラインステップ、NHK杯のときはレベル3だったのが今回はレベル4!その代わり(?)、スピンはNHK杯では全てレベル4だったのが、今回は後半の2つがレベル3になってるけど、そこはそれ。

3Aを期待する声もあるし(実際私の友も希望しておりました)、ご本人もその目標を見据えていることはよく存じ上げておりますが、 私は(ご存知のとおりジャンプにあまり重きを置いてないので)、このまま全体のパフォーマンスの完全性を高めていってもよいのでは?と思ってしまいます。3Aを失敗した時(最悪、転倒なんかも含め)、体力的・精神的なダメージはあると思いますので、そのリスクを負わず、スピン・ステップ・つなぎでのスピード感やテンポ感のある迫力を常に出せるような状態にしておく方が、作品としての完成度はいやますかな、と。

ただ、私はそうは言いながら、真央ちゃんが3Aを決めて、嬉しくてノリノリであのステップやつなぎをこなすのも見てみたいと思ったりします。真央ちゃんに限らず、フィギュアスケーターって、ジャンプ決めたときが一番ノリノリになれそうな感じがするので(笑)。

さて!
ここにきて初めて、わたくし、この真央ちゃんのシェヘラザードの表現について書きたいと思います。
結論!
「相手の男」はいないね(笑)。

どこまでも「セクシュアル」なところがないシェヘラザードです。いいとこの姫で、元気で(ちょっとじゃじゃ馬なところあり)、かしこくて知的なところがあって、明るくて、ウィットに富んだおしゃべりも上手で、みんなの人気者。そういう誰からも好感が持たれるお姫様ですが、明らかに「嫁入り前」です(笑)。つか、嫁ぎ先もまだ決まってない感じです。

いかにも真央ちゃんらしい(笑)。
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by koharu-annex | 2011-11-27 00:40 | 2011-2012 フィギュアスケート
羽生君っ


おめでとう~~~!!!



まだ映像見てないけど、減点2点をくらってもFS2位、そして金メダルゲットは素晴らし過ぎる。

あなたの真っ直ぐな強い気持ちが、GPF出場を引き寄せましたね。

玉の汗をかいても、汗臭さなんか絶対ない!と思わせる、あなたの汗が好きです。


カナダでも頑張れ。
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by koharu-annex | 2011-11-27 00:05 | 2011-2012 フィギュアスケート
真央ちゃんっ
おめでとう~!!



まだFSの映像見てないんだけどね、さっき、出先からの帰りのタクシーの中で携帯チェックしたので。(当然、友からもメール入ってた。笑)

SP・FSとも1位の完全V。
なでしこ以来の嬉しいニュースでした。

さーて、これから録画チェックです!




・・・ところで、女子SPの録画のなかにトヨタのCMが入ってて。
ジャン・レノ/ドラえもんを、自分の中でどう処理したらよいか分からず、ちょっと困ってる(苦笑)。
まあ、ジャン・レノがOK出したんだから、いんだけどね・・・。
でも、「のびたくん、ひさしぶり~」って。。。
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by koharu-annex | 2011-11-26 23:42 | 2011-2012 フィギュアスケート
●レナ・マロッコ(16歳)フランス/SP:No Hay Problema、FS:ノートルダム・ド・パリ
SP・FSとも衣装の色合わせが個性的です。SPは私には謎でしたが、FSの衣装はエスメラルダの雰囲気が出ていたので、理解可能。

SP、ラストの音楽が唐突に終わってしまって、なんだかな~。
あと、無駄な色気を入れ過ぎで下品に転びそうなキライを感じます(昨シーズンはSP・FS双方にこの懸念があったと記憶しています)。

FSは演劇的な演目で、やりようによっては表現力を底上げしてくれると思うのですが、いかんせん技術的・体力的な問題があるようで、振付こなしきる前に息切れしてましたね・・・。

●イリサ・シリテ(17歳)フランス/SP:映画「ブラックスワン」より、FS:エキゾチカ
フランスの黒人スケーターという一致点はありますが、メイテさんと比べると、衣装の色・デザインは良いのではないでしょうか。FSでは、首飾りのように動く飾りが面白いですね(ちょっと邪魔そうですが)。
マロッコさんと同様、ラストで音楽がぶつ切りになってて唐突感が否めないのは残念。

メイテさん陣営よりマシとはいえ、アフリカン向けの振付として良いとはいえないと思います。が、シリテさんも、楽曲に合わせて、もう少し躍動感があるスピーディーな動きが出来ればなあ、と。

●ソニア・ラフエンテ(19歳)スペイン/SP:クライ・ミー・ア・リバー、FS:アランフェス協奏曲
FSについては、感情を表に出さなさ過ぎというか、淡々とし過ぎているという感じがします。
もともと達観したような顔つきで情熱的なイメージは無い方ですが、SPのときは、衣装の華やかさも手伝ってかそこまで感じなかったのですけど。

●マエ・ベレニス・メイテ(17歳)フランス/SP:Derniere lettre du Prince、FS:フィーバーほか
衣装と振付がアフリカン向けでなく残念なことは、NHK杯のSPのところで書いたとおり。
SP・FSともに難しい楽曲だと思います。振付がよくないと負のスパイラルですが、ただ、演技自体はNHK杯のときより良かったのではないでしょうか。

●ビクトリア・ヘルゲソン(23歳)スウェーデン/SP:マイ・ファニー・バレンタイン、FS:サンセット大通り
SP・FSともに、アメリカ大会のときよりも季節が進んで、衣装が似合ってきましたね。

SPのマイ・ファニー・ヴァレンタイン。
いろんな方が歌われている曲ですけど、私、歌詞の内容を知らなかったんですよ。で、今回、ヘルゲソンさんの感想を書くために調べたの。ここでは紹介しませんけど(検索かけたらすぐに出てくるのでご興味あればどうぞ)、こんな歌詞だったんですね~。良い歌詞じゃないですか。
私、曲としては男性歌手が歌っているのが好きだったけど、歌詞を知ってからは女性シンガーのが好きになりましたわ。でも、歌詞を知ると、ヘルゲソンさんの演技が物足りないですね(苦笑)。もっと上から目線というか、はやりの「ツンデレ」というか、そういう女性上位の恋愛模様を見せられる部分があると良いかな、と。

FSのサンセット大通りは、アメリカ杯のときにも書いたけど(こちら)、「ラストで発狂する老女優」が主人公。これを演じたといえるためには、もう少し分かり易く悲哀が欲しいところ。

●かなこちゃん(17歳)日本/バイオリン協奏曲(メンデルスゾーン)
かなこちゃんはねえ、踊っているときでなく、普通の素の動きの時にも既に跳ねるように動くんですよね。で、彼女の踊りって、本来もってる素の動きを抑制・矯正した上でのものではなく、素の動きの延長上にあるんですよね。だから、ナチュラルに弾けるような動きが何より特徴で、静かに動かそうとしていても、どこかに小さな反動がついているように見える(笑)。だから、やはり静的な印象ではなく、元気とまで言わないムーブメントのときでも動的な印象がある。

こういう「弾ける」タイプの動きって、弓で演奏される弦楽器と相性があまり良くないような気がする。弓で演奏するときに特徴的に出る音の伸びと調和しないというか、真逆のムーブメントなので。
逆に、羽生君のように「しなる」タイプの動きは、弓で演奏される弦の音にとっても良く似合う。

かなこちゃんのFSは、SPよりかはテンポが彼女に合ってたと思う。だけど、やはりバイオリンの音がメインで出てくる楽曲であるだけに、彼女のムーブメントとちょっと違和感が出ることは否めないかなあと。

●アリッサ・シズニー(24歳)US/悲しきワルツ(シベリウス)
元来、悲しきワルツの曲想には死の香りがあるので、シズニーさんが狙っているものを確認するため、いつか完成版が見たいとアメリカ杯の感想に書いたのですが(あのときはジャンプの調子と流れが悪くて全体像を把握できず)。

今回、冒頭で、忍び寄ってくる何かに対する緊迫感とか恐怖感のようなものを演じているように見受けられたので、一瞬瞠目したのですが、冒頭だけで終わってしまいました・・・。この印象で作品をまとめることができたら新境地だったのになあ、とちょっと残念。

●カロリーナ・コストナー(24歳)/モーツァルト「ピアノ協奏曲第23番」
振付がかなり細かく複雑ですよね。音の1つ1つに動きがついてる部分もあるほど。これをこなせる身体能力と、多少ミスっても追いつける落ち着きと経験値の高さは、コストナーさんの妙味といえましょうか。

ただ、何度も書いて申し訳ないのですが、やっぱり私は、彼女のいろんな意味でのスケール感に照らすと、この曲は若干軽いと感じてしまうなあ・・・。申し訳ないけどコストナーさんの演技を見てると、「この手のモーツァルトの音楽って小柄な人が軽やかに、がベストマッチだよな~」と思ってしまうのです。

●エリザベータ・トクゥクタミシェワ(14歳)ロシア/ラテンセレクション
あら。カナダ杯のときにつけていた頭の大きな薔薇、取っちゃったんですね。可愛かったのに残念。
FSをラストで滑るという緊張もあったのでしょうし、FSは体力が必要だからSPほど自信が無かったのかもしれませんが、SPのときの堂々さとはレベルが全然違いました(笑)。

また、特に、FS楽曲の一部にある明るい強さやエネルギッシュな曲調の部分については、まだ追いつけていないことが顕著でした。この点については、カナダ杯と大きく変化は無かったですね。そういう意味で、SPの方が成長が感じられました(もちろん、SPのタンゴについても、ザ・タンゴといえるほどの演技ではなかったといえばそうなんですが、カナダ杯よりずっと良くなっている)。

ただ、こういう演技の完成度については、求め過ぎというのも良く分かっています。そもそもSP・FSの楽曲ともローティーンの少女(=子供)が完成させられる演目ではなく、彼女の華奢な身体ではまだ到底無理です。せめて、体が通常の16歳くらいしっかりしてこないと、ね。
もし、彼女が「普通」の14歳にちょっと毛が生えた程度の方なら、「まあ、可愛い!よく頑張ってて素敵でした。」と褒めるだけで充分な出来だったと思うんです。しかし、彼女のポテンシャルが見るからに高いせいで、ついつい要求度が高くなってしまうのでした。
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by koharu-annex | 2011-11-25 22:40 | 2011-2012 フィギュアスケート

フランス杯 男子FS

皆様、そういや昨年も、東京ワールドのために選手の皆様が日本を意識した演目を選んでいる、というお話を頂いていたのでした。すっかり失念していました。大変申し訳ありません。言い訳としては、東京ワールドが実現していたら私の記憶にも定着していたのかもしれないと。はっはっは。
・・・すみません。

ホントここ数年で一気に記憶力が落ちて・・・ぼろぼろと落ちていくんですわ、いろんな記憶が(苦笑)。嫌なこともいっぱい忘れているようで、そういう意味では楽になっているとも言えるんですけど、こういうとき申し訳なくて悲しいですわ。は~。

●ロマン・ポンサール フランス/バレエ「ロミオとジュリエットより」
音楽の編集が面白い。
冒頭は、バレエではラストの墓場のシーンの音楽。ここから始めるか!と注意をひかれて、音楽ばっかり聴いてました(すまん、ポンサールさん…)。

中盤は、ジュリエットが毒をあおるシーンの音楽から始まる。
後半は、ティボルトが殺されてキャピレット夫人が転げまわって嘆き悲しむシーンの音楽。
ラストは、ミルヒーのテーマ(笑)(モンタギュー家とキャピュレット家)のアレンジ。

●マヨロフさん(20歳)スウェーデン/フラメンコ・ボレロ
パパがコーチで、ママが振付師。両親そろって息子に高いハードル設定し過ぎじゃあないだろか。しかもSP、FS2本とも。息子がつぶれちゃ元も子もないと思うが。
カメラアングルが悪くて、最初のポーズ(バレエとそっくり)が全身で見えなかったのが残念。あとはカナダ杯のときの感想と同じ。
ボレロのこのアレンジ、私は好きだな~。声が邪魔だけど。
黒のシースルーの衣装に、シルバーやゴールドのアクセサリーを利かせているのも個性的ですね(嫌いな人も多いだろうケド)。

振付に、バレエの振付家である故モーリス・ベジャール氏の「ボレロ」を彷彿とさせる動きが随所に盛り込まれていました。これは知ってる人にしか妙味が感じられないもので、バレエ「ボレロ」を観たことない人は「変な動き」としか思えないと思います(苦笑)。

体力が最後まで持たなくて、振付を十分にこなせていなかったのは残念ですが、これは仕方ないですよね。ハードル高過ぎです。

●信ちゃん(24歳)日本/シェルブールの雨傘ジャズアレンジ
中国杯のときと衣装を変えてきましたね。アイスブルーでまとめられた大きな薔薇は「フランスの花売り男」(こちらのネット報道参照)をイメージしているのでしょうが、これは好き嫌いが分かれるかな。ついでにいうと、ジャケット仕立の必要はあるんだろうか・・・。
ただ、意外なことに、右の肩と袖口に施された模様のおかげで、右腕が長く見えます。両腕につけるとtoo much だけど、腕が長くない信ちゃんタイプには、ポイントをこの2箇所に置くのは思いのほか良いのかもしれないですね。

中国杯のときに詳しく書いたんだけど(こちら)、「シェルブールの雨傘」は、ジャズアレンジしなければ、信ちゃんに合ってる気がします。原曲をそのまま使用している冒頭部分は、雰囲気もテンポも彼にあっていました。特に今回の信ちゃん、冒頭から素で悲しげでしたからね…。

シェルブールの雨傘って、切ない映画じゃないですか。男にとっても女にとっても切ない(女にとっての方がより切ないかなあ)。
信ちゃんってそれなりに山あり谷ありなせいもあるのでしょうが、不安定さや揺らぎのような雰囲気、周囲に少し翻弄されるような雰囲気、そしてそれらゆえの哀愁を持っていますよね。それがこの映画音楽の切なさに共鳴するところがあるのだと思います。

それにしても、いかにも身体がおかしくなった滑りでした。佐野のおっちゃんは、ジャンプを上でまとめることに狂いが生じたくらいの程度にゆうたはりましたけど、ここは実況アナウンサーの「身体に何かがあった・・・心配」という、確かな目があってよかった。アナまで気づかなかったら、完全、KYの実況だったよ・・・

薔薇の周りに施されたきらきらのストーン達(これらもアイスブルー)が、途中から信ちゃんの涙のように見えてきて、切なかったですわ。ボロボロの状態を見せながらも痛みをこらえて滑りきったこと、そしてその滑りのどこにも投げやりさが見られなかったことには、「頑張りました」マークを押して差し上げたい。

男なら泣くなよ~とおっしゃる方が沢山いらっしゃるのは百も承知ですが。あの感情過多の信ちゃんがですよ。号泣しなかったんですよ!!すごい成長じゃないですか。・・・あ、これ、墓穴?

とにかく、ですよ。信ちゃんはあせらずにちゃんと怪我を治して欲しいです、はい。

●レイノルズ君
コメント下さった方から、急性胃腸炎で棄権、というお話を伺いました。
何かにあたったのでしょうか、それとも・・・昨日のSPの成績が今ひとつ伸びなかったのがボディーブローのように響いたのでしょうか。
どうぞお大事になさって下さい。一日でも早いご快復を祈念しております。

●アモディオ君(21歳)フランス/ベサメ・ムーチョほか
冒頭、気合の入った表情をしてましたね~。野性的な目力の彼がこの衣装をまとうと、ネコ科の動物の化身みたいに見えますね。衣装はトラ柄ですが、私のイメージは南米のジャガーかな。音楽も南米系だしアマゾンを象徴するかのような鳥の声も入っていたし。

さて、アモディオ君のダンス、元気良くて色気もあってキレもあって、決して嫌いじゃないんですが、どうも物足りないんですよねえ。

根本的な原因は体力不足なんですけど、そこから派生する個別の理由、すなわち、全体の構成に偏りがありすぎること(ステップに命かけすぎ)、静止する箇所で流れをぶつ切りにしてしまうことが多いこと、上半身だけあるいは下半身だけが激しく動く場合が多く、全身で踊る場面が案外少ないこと等々もあるわけで。

そのあたりをおくとしても、アメリカ大会よりかは少し良くなったとはいえ、まだまだ感がありますね。
フランスでの世界選手権が最終目標だそうなので、楽しみに待っていましょう。

●リッポンさん(21歳)US/G線上のアリア、トッカータとフーガ
カナダ杯では、後半、体力が持たなかったようで、彼には珍しく動作が荒くなったところが見受けられました。が、今回はずいぶん良くなった印象です。もちろん、彼は本来はもっと美しく多彩な動きが出来る人なので、まだ発展途上なのだとは思いますが。ただ、完成系に近づくためには、ジャンプの精度を上げないと難しいかも、ですね。

衣装が少々太って見えてしまうので、ムーブメントの美しさを少々減殺しているかもしれません。そこはちょっと損かな。

それにしても、佐野のおっちゃん。
以前から感じてたんですが、この方、少し放言癖がありますよね。
リッポン君がジャンプの構成を演技途中で急遽変更して得点を稼いだことを捉えて、「ちゃんと演技中でも計算が出来ているってことです。これは見習わないといけない人もいるかもしれませんね。」ですって(苦笑)。

●ブレジナさん(21歳)/映画「アンタッチャブル」より(モリコーネ作曲)
やっぱりアンタッチャブルの音楽って良いよなあ。
ブレジナさんは、今季、アンタッチャブルを選択している方の中でも、音楽の緊張感によく合った動きをなさっていると思います。

ただ、中盤のスローパート、アメリカ大会のときもそうだったのですが、このゆったりとしたテンポの振付は、少し不得手なのかも。一気に動きが悪くなるというか(テンポがゆったりしている理由によるものではない)、どうしたらいいか分からないから、とりあえず振付どおりに動かしておくか~みたいな、間が持たない苦手意識が前に出てる感じが。

後半のアップテンポの中で、最後の2つのスピンの失速がちょっと目立ってしまったのは残念でした。

●ソウ・ナン(21歳)中国/フランツ・リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」
衣装については中国杯で書いたから省略。

前半のスローなテンポの部分では、SP(=全力でラジオ体操)では見られなかった柔らかい動きをしていました。が、彼の身体能力の高さに照らすと、ムーブメントとそもそもの振付がつまんな過ぎると思う。

ソウさんは、肩甲骨の稼動域が狭いようで、肩はほぼ固定されているし、多くの場合腕も身体の前の狭い範囲でしか動かしていない。また、何代目かのぶんぶん丸よろしく、ほぼ直線に伸ばした形状で腕を動かすので、どうしてもムーブメントが味気ない。
ただ、男性の場合、この程度の稼動域でやっている人や、腕の形状もほぼこんな感じという人は、案外いらっしゃると思うのですよ。そういうタイプでありながら「踊りが上手だな」と思わせる人って、体からリズム感が溢れるように見える人ってのがその1つのタイプとしてあるんだけど、ソウさんにはこれはないね。

リズム感はどうしようもないので動作を改良するしかないわけですが、その箇所は、肩甲骨・腕というよりも、首と胴体でしょうかねぇ、と思ってます。ソウさん、見るからに胴体部分(背中、体側、胸、お腹)が硬くて、殆ど伸びないし、使ってないんだもん。高橋さんほどとは決して言いませんが、ムーブメントの時に胴体から動けるように、そしてそれに首の動きをつけられるように、まずは胴体部分のストレッチからやったらどうかと(って失礼過ぎ?)。

あと、何度も指摘して申し訳ないけど、振付の問題は大きいと思う。
ソウさんの振付ってね、最初にジャンプなどの技術的要素の順番と足(ステップ)をがーっと決めて、がーっと練習して、その後、「そこ余裕ありそうだから、腕動かせ」って後付けしたみたいな感じなんですよ。
後付けした振付って、多くの場合、一貫した思想(っていうと大げさだけど、ある種のタイプみたいなものといえばいいかな)がなく、バラバラ感がある。ソウさんのはまさにそうで、身体全体の一体感もないし、演目全体の統一感もない。

結果、中国ペアの素晴らしさは捨て置いて、「やっぱ中国ってちょっとダサい」と思わせる圧倒的な負のパワーがある。
ソウさんの身体能力って見るからに高くて、踊り心が無くてもある程度まで持っていける動きの良さがあるので、非常に気の毒だと思う次第。

●チャンさん(20歳)/アランフェス協奏曲
カナダ杯のときに悪い意味で度肝を抜かれた、この謎のおズボン(なぜかパンツと呼びたくない)。
目が慣れてきたのか、今季の謎衣装をある程度見た後だからか、「ま、このままでもいいんじゃん?」と思えてしまった・・・

カナダ杯のときよりも調子が悪かったようですし顔の表情も何だか暗い。
ただ、ソウさんの後で見たから余計そう感じたのだと思いますが、チャンさん、上半身の動きが昨シーズンと比べてずっとよくなってますよね。無駄な力が入ってないのに、伸びがあって音楽にも乗れている。前は社交ダンスのホールドのような姿勢が崩れなくて変な硬さもあったのですが、今シーズンは良い意味で「緩み」が見られます。

また、振付も、あからさまじゃないんだけど、そこはかとないスペイン風で統一されていて、自然で無理のない流れで動作が連続しています。
ま、転倒があったりしたので、流れが切れることもありましたが、そこはそれ。
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by koharu-annex | 2011-11-23 18:29 | 2011-2012 フィギュアスケート
皆様、私、分かったわ~
信ちゃんの報道記事の中に、「来春ニースで開かれる世界選手権に合わせて選んだ、フランス映画シェルブールの雨傘の音楽が流れる中・・・」(←うろ覚え)ってのがあったので。

だから今季はピアフの「バラ色の人生」が多いのね~。いやーん、皆様、私ようやく分かりました~。世界選手権の開催国にゆかりの音楽を選ぶことがあるってこと、まるっきり想像外だったから、私、これまで何度も「今季はやたらバラ色の人生が多いな~」って書いちゃったわのよさ。は~。なるほどね~。

で。 そういうの点数になんか影響あるの?

●ケビン・レイノルズ(21歳)カナダ/パロヴ・ステラー 「チャンバーメイド・スイング」
中国杯よりかは良かったと思いますし、シーズンベストを出しているんですが採点にとっても不満そうな表情をしてらっしゃいましたよね。

うーん、私、レイノルズさんの踊り心が感じられる軽妙な動きとか、音楽性が良いところが好きなので、もう少し舞踊的な表現や音楽表現を追求する方向へ転換して欲しいなあと思ったりします。もちろん彼がジャンプ(特に四回転)にこだわりがあることは見てるだけで明らかなので、ジャンプで思った点数が出ない時期に全く異なる方向に目を向けることは難しいってのは分かっているんですが。

ただ、ムーブメントがいつも荒いのは、ちょっと損なのでは・・・。細部までとは言わないので、振付を丁寧にこなすだけでも、PCSが多少良くなったりしないかしら・・・(違う?)

●アレクサンドル・マヨロフ(20歳)スウェーデン/オースティンパワーズ
カナダ杯のときの感想がそのまま当てはまるので転記。
わー、面白いプリント!と思ったら、オースティンパワーズか。
この曲は難しいですよ。本当に難しい。
厳しいことをそのまま言わせてもらうけど、一刻も早く違う曲に変えた方がいいと思う。
●フローラン・アモディオ(21歳)フランス/サマータイム、ジャンピング・ジャックほか
衣装が、前半のサマータイムより後半のジャンピング・ジャックに合わせたものだと思うのですけど、アモディオ君のこの演目については、私は夏にあったTHE ICEのときの衣装が忘れ難い。
パーティーの後、蝶ネクタイをほどいてひと息ついてるような衣装だったのですが、白いシャツに黒いネクタイだったので、ムロズさんのような「銭湯でひとっぷろ浴びて帰ってきたオヤジ」(こちら参照)にならず、とても似合っていました。

彼自身に、「今はまだ爽やかさを感じさせる青りんごな色気だけど、後にぐーんと濃くなるであろう色気」があるので、蝶ネクタイを外したくだけ具合が妙に様になる。有無を言わせず「もてるだろうな~」と思わせる(笑)。ついでにいうと、女だけでなく男にも好かれるだろうなあ~と思わせる愛嬌も兼ね備えてますよね。
あのTHE ICEって夏じゃないですか。暑くてけだるい夏(しかも節電だったし)だと、サマータイムって体の芯に沁み入るんだよねぇ。もう一度あの快感を味わいたいけど、それはもう果たせない夢ですわね。

ジャンプにミスがあったアメリカ大会と比べて出来が良かったと思います。ただ、アメリカ大会のときはステップ後半からいかにも体力不足と思われたし、今回も最後のスピンができなかったことはその現れといえるのかもしれない(私は、佐野のおっちゃんが言うスピンが疲れるとか静的筋肉云々については良く分かりませんが)。

そういう意味で気になったのは・・・おそらく体力保持のためなんでしょうが、ステップ以外のところでは、踊りも音楽表現も控え気味だしスピードもあまり出さないんですよね。そのため、全体のバランスが少々悪いか・・・と思ったり。
ということで、やはり体力アップが課題ですかね、といういつもの話で終わるのでした。

●アダム・リッポン(21歳)US/Korobushka by Bond
両手を挙げるリッポン・ルッツ健在ですね。同じようなジャンプをする方は性別を超えて複数いらっしゃるけど、私はリッポン君の両手の挙げ方が一番好きだな。

カナダ杯の時も書きましたが、コサックダンス風の衣装と振付とはいえ、泥臭さ(どの地域のフォークロアにも存在するけどコサック系は割合が大きいと思う)を拭い去り、リッポン君らしく上品に仕上がっています。終盤、楽曲のテンポが上がるところでは、ぎりぎり追いつけるかどうかという程度でしたが、私は正直「そこまで上げんでも」と思いました。

コメント下さった方から正しい呼称を教えて頂いたのでどうでもいいのだけど、何度聞いても佐野のおっちゃんのは、ウォーレイではなく「ウォーレン」に聞こえる・・・。

●ソウ・ナン(21歳)中国/映画「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」より 
中国杯はまぐれじゃありませんでしたわね~。その時の彼の演技の感想としては… 
衣装は謎過ぎますが、よく身体は動いてたのではないでしょうか。音楽に合わせようという意識はあると思うのですが、振付を追っかけてる印象の方が強い。まだこれからですかね。

あと、振付そのものがもう少し洗練されてくるとよいかも。本人のポテンシャルの高さを考えると、ちょっと損してるかな、と。
前半部分については、中国杯と比べると振付を追っかけている印象は、確かに殆どなくなってたと思う。
だけど、なんというんでしょう、硬い。硬いよね。FSではムーブメントを柔らかくしようとする意識が見られたので、このSPは強い曲調を表すために敢えて力強さで押しているんだと思うんだけど。それでも、硬過ぎるように思います。もともと柔軟性があるタイプでない上、スウィング感、リズム感を感じさせるような踊り心は見受けられない。そういうタイプがこれやっちゃうと、「一生懸命動いてます!評価よろしく!」という熱意は伝わってきても、客観的には「無駄に力いっぱいやってるラジオ体操」にしか見えない。

これは振付やコーチの問題もあるんでしょうね。
でも、あの野暮ったく仏頂面かつ無駄に厳しい表情のコーチを見ると、舞踊面は期待できない気がする…。
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by Koharu-annex | 2011-11-22 10:02 | 2011-2012 フィギュアスケート
(追記) 皆様、ごきげんよう~ 師走に向けて忙しさに加速度がつく今日この頃ですが(NHK杯までフィギュアスケートの記事アップが最優先だったので仕事がたまりまくってるし・・・苦笑)、いかがお過ごしでしょうか。
下の記事は映像を見ないまま速報だけ見てアップしたのですが。その後、漸次、報道がなされ、未だFSの演技そのものの映像を確認できなまま、新たな情報を得ることになりました。
信ちゃんが10月頃から膝に痛みが生じていたこと、それをおしてGPSに出場したこと、フランス杯FSの演技途中のトゥーループ(?)ジャンプでトゥを突いた際に膝に何らかの故障が生じたこと、それ以降膝に激痛が走っていたこと、転倒から起き上がる時でさえ膝が使えなかったこと、リンクから戻ってきたときは気丈に笑顔を見せていたもののキスクラで一筋涙を流したこと、全日本にも欠場する可能性があること・・・等々。

人生というのは、山あり谷あり、ですね。
信ちゃんのこれまでのドジっぷりから厳しい意見もあるようですが、スポーツ選手の怪我って多くの場合、判断がとても難しそうですよね。現段階から遡って考えれば、GPSには欠場した方が良かったかもしれませんが、それを事前に決断するのはほぼ不可能では?と思ったり。まあ、出場すべきではなかったという結果が、FSの演技中に突如として下される、というあたりに、本人ではどうしようもない「信ちゃんらしさ」が出てしまった感があることは否めませんが(苦笑)。そこは、ある意味「持ってる人」ってことで、私はむしろ肯定的に見てあげたい。

とにかく怪我をケアして、目標(ソチ五輪に出て引退)に向かって前進されることを祈っております。(追記終わり)






信ちゃん・・・








私は危機に陥ったクライアントに必ず言うことがある。

どんな時でも、ちゃんと食べて、ちゃんと寝ること。


フランスで、美味しいものをちゃんと食べて、帰っておいで。
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by koharu-annex | 2011-11-20 02:00 | 2011-2012 フィギュアスケート

フランス杯 女子SP

●エリザベータ・トクタミシェワ(14歳)ロシア/タンゴ
おそろしい・・・ローティーンの成長のスピードって本当に恐ろしい・・・
まず、カナダ杯のときの感想を見返してみると・・・
随分大人っぽいけど、素敵な衣装で似合ってます。この年齢でありながら、着せられた感が感じられないのは、彼女の個性でしょうね。

COIの時(記事はこちら)の方が、出来そのものは良かったように感じました。単に初見だから印象が強烈だっただけかもしれませんが。。。
COIの時に彼女のパフォーマンスから感じた「孤独」とか「哀しさ」は、今回のパフォーマンスでは若干薄まっていました。試合だからでしょうかね。順調に演技が運んでいる嬉しさみたいなものが、特に後半になるにつけ表に出てました(笑)。

身体が華奢でまだ出来上がっていませんから、誰をもうならせるような表現という意味では、まだまだだと思いますが、なんといっても身体能力が高いので表現手段が豊富であることは明らか。誰が観ても感じるであろう大きなポテンシャルを持ってらっしゃるので、これからが楽しみです。

色気が出てくる年齢になってから、音を遅取りして、メリハリと緩急を大げさなほどつけると、そりゃもう素敵になるでしょうねえ。
カナダ杯で優勝したことが大きな自信になったのでしょうね。
カナダ杯のときは「まだ上げ初めし前髪の」(by藤村「初恋」)って感じが強かったのに、こりゃまたどうしたことでしょう。もう堂々としています。

その堂々さを支えている気持ちの余裕とか精神の安定が、パフォーマンスの充実を生み、COIのときにあった「孤独」「哀しさ」が戻ってきていました。しかーも、メリハリ・緩急が進化してて、そのため一部かっこよく音が遅取りになりつつある。もちろん、完璧ではなく場面場面で差がありますが。

でも。
皆さまが、おそろしや、おそろしや、おっしゃるのがよく分かりますわ。
まさに、「恐ろしい子…!」(by月影先生「ガラスの仮面」)。

●村上かなこ(17歳)日本/バイオリン・ミューズ
中国杯のときよりは、ずっと良いですけど・・・うーん、やっぱり音楽の表層に合わせるくらいで、限界ですかね・・・。
彼女はもともと踊り心があって、非常に踊りが上手ですから、苦手な楽曲でもちゃんと踊れていましたよ。正直、あれだけの動きができる人ってなかなかいないと思います。
でも・・・なんですよね。あまりに個性が違いすぎて、音楽の中に入りこんだ表現ができず、上滑りで終わってしまっている印象です。

かなこちゃん(陣営というべき?)は、今季の演目の目指すところを「大人っぽい」と言ってるけど、これらは「大人っぽい」演目の中の、とある一類型でしかない。しかも、それがベタ過ぎるだけでなく、同じく山田コーチの門下生である伊藤みどりさんが選手時代に「表現力が課題」とか言われて個性に逆行して「させられていた」(と当時の私には見えた)しっとり系の演目の方向性と一致しているように見えて、なんだんかな~な印象を持っています。

「大人っぽい」類型には様々あるので、その中で、もっと本人の個性の延長線上にある「大人っぽい」演目を吟味すれば良いのでは・・・と思ってしまう次第。
だいたい去年の演目との対比で考えれば、かなこちゃんの今季のSPやFPほど抒情性や哀愁がたっぷり含まれなくても、メロディアスな楽曲を使用するだけで(それが明るい曲調であったとしても)、充分「大人っぽい」と思ってもらえると思いますが?

私が最も惜しいな~と思うのは、彼女の「今限定の魅力」を生かそうとしていないことです。
かなこちゃんって、「瑞々しいはつらつさ」とか、「弾ける若さ」とか、「健康優良児的な元気印」とか、「野性的なほどの明るさ」とか、そういうものがテンコ盛りの乙女でしょ?
これらは、若いからってティーンネイジャーが全員持ってるものじゃなく、圧倒的な個性というべきものですよ。しかも、かなこちゃんが今の年代にあるからこそ、光り輝いている個性です。あと何年もつかは分からないけど、彼女が年齢を重ねるとカラーが少し変わってくると思います。そういう意味では、彼女の上記の個性はここ数シーズンしか存在しない「今限定の魅力」ということになります。

それを全くピックアップしないで、SP・FPの両者とも前述したような意味不明の「大人っぽさ」を追求させて、本人を課題に押しつぶされそうなほどパニクらせたり、アップアップさせるだけなんて、なんてモッタイナイ。
羽生君の「今限定」の鈴の音シャランと同じく、かなこちゃんの「今限定」の水玉ヨーヨーとスーパーボールを足して2で割ったような弾け具合も、同じように大切に扱われて欲しい、と思うワタクシであります。

●アリッサ・シズニー(24歳)US/バラ色の人生
ええっと、採点表(こちら)みてびびったんですけど。
Transition / Linking Footwork(つなぎ、ですかね?)に、4.00つけてるジャッジが1人。
4.00って、出場選手中最も低くて。これ、あり得ない数字じゃないですかね。これ、ジャッジのケアレスミスで、本当は「8.00」とかつけるつもりっだったんじゃあ・・・。

今季は「バラ色の人生」を使う人が多いけど、シズニーさんのパフォーマンスは、この音楽の誕生秘話やピアフさんの人生をもう一度振り返りたくなるような、不思議なパワーがあります。
ムーンリバーのときも感じたのですが、彼女は、楽曲の精が抜け出してきたような音楽表現を行う才能がありますね。このような音楽表現を行うためには、自分の個性を後ろに抑えて、むしろ音楽を前に立てる必要があると思うのですが、そういうことができる人がフィギュアスケーターの中には割と少ないだけに、逆にそこが個性になっています。

●カロリーナ・コストナー(24歳)イタリア/ピアノ三重奏曲第2番byショスタコーヴィチ
まさに「見せ場!」のストレートラインステップで、まさかの転倒。
NHK杯の町田さんやベルネルさんも、思いがけないところで転倒がありましたが・・・リンクには、時々小さないたずら悪魔が現れますね。
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by Koharu-annex | 2011-11-19 23:01 | 2011-2012 フィギュアスケート