もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

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カナダ大会 女子SP

●エイドリアナ・デサンクティス(23歳)カナダ/Street Scene by Alfred Neuman
以前、頂いたコメントの中で、カナダの女性スケーターはなぜか皆様身体が立派な方が多くて、筋肉のイメージだとの記載があったのですけど、デサンクティスさんを見て思わずその記載を思い出してしまいました・・・。

音楽のテンポは身体のタイプに合っていたと思うのですけど、完成度という観点からはまだまだ感が。

●エリザベータ・トクタミシェワ(14歳)ロシア/タンゴ
随分大人っぽいけど、素敵な衣装で似合ってます。この年齢でありながら、着せられた感が感じられないのは、彼女の個性でしょうね。

COIの時(記事はこちら)の方が、出来そのものは良かったように感じました。単に初見だから印象が強烈だっただけかもしれませんが。。。
COIの時に彼女のパフォーマンスから感じた「孤独」とか「哀しさ」は、今回のパフォーマンスでは若干薄まっていました。試合だからでしょうかね。順調に演技が運んでいる嬉しさみたいなものが、特に後半になるにつけ表に出てました(笑)。

身体が華奢でまだ出来上がっていませんから、誰をもうならせるような表現という意味では、まだまだだと思いますが、なんといっても身体能力が高いので表現手段が豊富であることは明らか。誰が観ても感じるであろう大きなポテンシャルを持ってらっしゃるので、これからが楽しみです。

色気が出てくる年齢になってから、音を遅取りして、メリハリと緩急を大げさなほどつけると、そりゃもう素敵になるでしょうねえ。

●サラ・ヘッセン(18歳)ドイツ/マラゲーニャ
やりたいことはこちらからも分かるんですけどね、全般的に中途半端に終わってしまったので、ご本人も残念なのではないでしょうか。

●アシュリー・ワグナー(20歳)US/映画『ポロック 2人だけのアトリエ』より
衣装や顔の表情の影響もあって、良くも悪くもアメリカのいわゆる「ブロンド娘」のイメージです(地毛がどういう色かの問題ではなく)。

そして、良くも悪くも表現の志向にも表現そのものにも深さがなく、本人の明るい美貌や存在感に比べてパフォーマンスの印象がなぜだか薄く終わってしまうことも、いかにも「ブロンド娘」かもしれません。
いっそのこと、カウガールとかディズニーの姫系をやってくれた方が、ど真ん中で印象深いのではないでしょうか。

●アメリー・ラコステ(22歳)カナダ/Satin Doll by Duke Ellington
思い切りのよい動きをする方ですが、昨年は、それが時折裏目に出てガサツな印象を与えることが多々ありました。今回は、その欠点が随分改善された印象でした。

パフォーマンスが音楽に合っているかどうかは、振付の好き嫌いで評価が分かれるような気がします。
私は、もう少し繊細さのある振付が好きなので、音楽の捉え方が大雑把な気がしないでもないですが・・・。

●シンシア・ファヌーフ(23歳)カナダ/スパニッシュギターほか(Bordado en Oro、Afternoon at Satie's)
もともとムーブメントの特徴としては、何をさておいても力強さが挙げられる人です。
今回も滑りにスピードを感じることが多く、力強さを感じる箇所もあったのですが、本来の動きからは遠いというか、とにかく動きが重かったですね。いかにも調子が悪そうでした。

●レイチェル・フラット(19歳)US/エデンの東
楽曲は昨シーズンと同じですかね。
昨シーズンも書いたと思いますが、楽曲自体はばっちり彼女に合っていると思います。キャラの面でも、ムーブメントの素のテンポの面でも。

ええっと、もともとふっくらタイプですが、昨シーズンよりも少々ふくよかになられましたか。
本来の動きから比較すると、ちょっと重くて若干硬いですよね。もちろん、昨シーズンまでのフラットさんと比べてどうか、という視点です。初見だったら、重さは感じても、硬さは感じなかったかもしれません。

それと気になったのは、動きの重さと硬さによるものなのか、昨シーズンに比べて柔軟性にちょっと陰りが見えることです。柔軟性って、トレーニングを少し怠ると露骨に出てくるものですが、怪我につながる可能性もあるし、少々心配しています。まあ、シーズン初めだから、ということなのかもしれませんが。。。

●長洲未来(18歳)US/Danzarin(タンゴ)
こちらも少々ふっくらされましたかね。
腕を上に挙げる動作のところで、肩甲骨の動きに「どっこらしょ」という感じがします。本来不要なはずの障壁を超えて挙げなくちゃいけない感じです。「障壁」って端的に言えば、肉ですが。
本来的にちょっと太りそうな体質であることと、年齢的にもどうしてもふっくらする頃ですから、なかなかコントロールが難しいのかもしれません。このあたりは、ご本人もつらいでしょうね。。。

ただ、その状態でもこれだけ動けるということは、彼女の体型が安定して、またその身体に彼女自身が慣れれば、パフォーマンスの質が飛躍的に向上することも意味していると思います。
今後に期待です。

●アリーナ・レオノワ(20歳)ロシア/映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』より
新しいコーチがモロゾフさんということで、この楽曲は、昨シーズンの男子のフェルナンデスさんの演技を思い起こさせます。が、この映画における美人でキップが良くて強い「女海賊」のイメージは、彼女のムーブメントにも合致すると思いました。FPとの対比もよいですよね。

ただ、モロゾフさんの特徴かもしれませんが、ステップを止まって行う箇所がそこここに挟まれるので、それはもったいないと思いました。流れがそこでどうしても中断されてしまうので、乗ってきた気持ちが分断されて肩すかしをくらったような印象になることがある。
フェルナンデスさんは、もっと滑りながらのステップだった印象でしたから、スケーターの体力等を考慮して変えているのだとは思うのですが・・・。
彼女の調子が悪すぎたことも流れが悪くなった原因でしょうから、今のままの振付での完成形を見たいなあと思います。

●鈴木明子(26歳)日本/ハンガリアン・ラプソディ
カナダの方々の声援が嬉しかったな。ここまで踊れる方なので、人気があるのもむべなるかな、ではありますが。

本来の乗りの良い動きからは程遠かったですが、これ、完成させれば味のある演目になりそうです。今後に期待して、次回を楽しみに待ちたいと思います。

ところで、既に結果を知っているから言ってしまうけど、ジャンプがいけてたらもしかしたら優勝でしたか?(私は個々の技術が稼げるポイントについて全然知らないので、自分で計算できないのですが)
もしそうなら、普段、ジャンプの出来には殆ど興味のないワタクシですが、残念過ぎて卒倒しそうです。
彼女に金メダルをあげたかったなあ。。。
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by koharu-annex | 2011-10-31 22:20 | 2011-2012 フィギュアスケート

カナダ大会 男子SP

●エラジ・バルデ(20歳)カナダ/マラゲーニャ、フューチャー・フラメンコほか
フラメンコ系の音楽が似合う風貌ですよね。
男性を抜群にかっこ良く見せるフラメンコを想像させる素敵な振付がたくさん入っていました。
スピード感とか、動きのキレが伴えば、もっとカッコよく仕上がるでしょうね。

●ロス・マイナー(20歳)US/Para Ti by Jorge Gomez
ブラジル系の音楽(と言っていいのかな?)だけど、激しさは控えめで上品に仕上がっているのが、マイナーさんに似合っていると思いました。
逆に言えば、技術で失敗した場合に、もう少し「踊り」を感じさせる何かがないと、ちょっと地味になっちゃうかなあ。

●デニス・テン(18歳)カザフスタン/エレジー(ラフマニノフ)
アメリカ大会のときは、BS朝日がテン君のSPを放映してくれなかったので、私は初見です。
昨年に比べて、音楽をよく聴いて、ちゃんと呼吸しているなあと思いました(アメリカ大会のときと同じ感想で申し訳ないが)。

エレジーのようなクラシックのゆったりした曲調で、自分の呼吸と動きを音楽に合わせることを覚えたら、テン君に似合う楽曲に移っていけるのではないでしょうか。

●アンドレイ・ロゴジーン(18歳)カナダ/ブロークン・ソローほか
衣装がちょっと理解できなかったけど、音楽によく合った振付を、大きく外すことなくよく動いてました。

●ハミュエル・フェルナンデス(20歳)スペイン/I love Parisほか
あらら、モロゾフさんのところから離れてオーサーさんのところに行かれたのですね。
私は昨年のフェルナンデスさんの演目が好きで、頂いたコメントの中に「モロゾフらしい」との記載があったので、何だか少し残念だわ。

元々コメディタッチの動きは、ひっじょーに上手な方ですからね、それ系の動きにはもちろん全くそつがないです。
点数は問題なくOKというか満足いくものだったのでしょうが、私ねえ、彼があんまり楽しそうに見えなかったの。それがちょっと気になったな。

少し緊張もあったのかなあ、4回転ジャンプが成功したにもかかわらず、のりのりになってなかったように見えたんですよね。
もっともっと彼の身体は、伸びがあるし、楽しそうに動くんですよ。
今回は顔の表情も身体の動きも硬い気がしました。もちろん、それでもあれだけそつない動きができるところは「ビバ」と言ってもよいでのしょうが。

●アレクサンドル・マヨロフ(20歳)スウェーデン/オースティンパワーズ
わー、面白いプリント!と思ったら、オースティンパワーズか。
この曲は難しいですよ。本当に難しい。
厳しいことをそのまま言わせてもらうけど、一刻も早く違う曲に変えた方がいいと思う。

●アダム・リッポン(21歳)US/Korobushka by Bond
あら、赤毛に染めたんですか。

コサックダンス風の衣装と振付ですが、泥臭さは完全に拭い去られていました。
本来のコサックダンスが大好きな人(例えばうちの旦那とかだが。笑)にとっては物足りないことこの上なし、というか、「こんな風にほぼ無色に近いまでにコサック色なくすんなら、コサック風にする意味、全くないでしょ」と突っ込みいれたくなるでしょうけどね。

が、私は、リッポン君らしいリリカルだけど上品な仕上がりで、これはこれで価値があると思います。

●バンデルペレン(29歳)ベルギー/シルク・ド・ソレイユより「キダム」
2週続けての出場は、さすがにつらいですよね。
テン君も連続出場ですけど、やはりここは年齢的な問題が出てきてしまうのでしょうか。

じわ~っとゆっくり確実に数えながら回転するスピンが、何度見ても、私には衝撃です。というか、一種感動的ですらありますね。
やっぱり競技ですから、決められた回転数は何としてもこなす、という姿勢は、若いスケーターも学ぶべき姿なんだと思います。

●パトリック・チャン(20歳)カナダ/テイク・ファイブ
ジャンプの調子は悪かったみたいですが、身体に無駄な力が全く入っていないんですよね。なのに体幹は外から見ても分かるほどすごくしっかりしてる。飛び抜けて、高いレベルで、そう感じさせます。
こういう身体のコンディションである限り、パフォーマンス自体は安定してると思いますよ。

楽曲の少し都会的でスノッブな雰囲気が、今年さらに自信と余裕が出てきたチャンさん自身の雰囲気(でも相変わらず男爵くらいの下級貴族って一応言っておく。笑)に、よく似合っていました。

さらにいえば、男爵が高級バーでくだけた雰囲気なんだけど行儀よくショートカクテルを飲んでるってイメージを感じさせる演目なので、チャンさんの社交ダンスのホールドを連想させる姿勢が、これまたひっじょーに合っています。

私はこれまで観てきたチャンさんの演目の中で一番好きですね。

●高橋大輔(25歳)日本/In The Garden of Souls
難しい楽曲で、高橋さんでないとこなしきれないでしょうね。

それにしても、彼は、音楽の把握の仕方が他とレベルが違います。
また、動きに本来のキレもスピードもない中で、ここまで踊れることが、表現の地力の圧倒的な大きさを物語っています。
本当に表現という意味では、他に比類ない人です。

いや~、アナウンサーは「完璧」なんてほざいていましたが、あほかいと思いますよ。
これが完璧なわけないじゃないですか。もっとずっと高みに行くにきまってるじゃないですか。今はせいぜい五合目。
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by koharu-annex | 2011-10-30 22:18 | 2011-2012 フィギュアスケート

アメリカ大会女子FP

●ゲデバニシビリさん グルジア/オペラ座の怪人
ぱっと見、衣装が妙にラブリーなドール調だと思ったのですが、オペラ座の怪人でしたか。
その目で改めて見てみると、映画のクリスティーヌの衣装をイメージしているのかなあ、と思わせるところがありますね。

終始、緊張した硬い表情で、この楽曲の世界観を表現するところまでまだ余裕がない感じがしました。

●マルケイさん イタリア/ジャンピング・ジャックほか
衣装のキラキラ具合がtoo muchかなあ。特に、失敗してしまうと衣装が悪目立ちしちゃう感じです。
うまくいったときは、派手な曲調に合って相乗効果になるでしょうから、諸刃の剣でしょうか。

●妹ヘルゲソンさん スウェーデン/ロミオとジュリエット
FP滑走3人目の妹ヘルゲソンさんを見て、「今回のフリーの衣装は皆さん妙に派手だなあ~」と思ってしまいました。

使用曲が変わってて、いろんな「ロミオとジュリエット」から様々な部分をピックアップしているようです。後半にプロコフィエフの「モンタギュー家とキャピレット家」が一瞬入っていましたが、女性スケーターでこれは珍しいのではないでしょうか。彼女のダイナミックさを意識したものかもしれません。

ダイナミックさを失わないで、ムーブメントを洗練させていけたら良いなあ、と思いながら見ていました。なかなか難しいことかもしれませんが・・・。

●マカロワさん ロシア/映画「お熱いのがお好き」より
ショッキングピンクとは!本当に今回のフリーは・・・以下略。

I wanna be loved by you just you, nobody else but you.
I wanna be loved by you alone. ププッピドゥ~♪  
・・・10代の時に覚えた歌詞って、いつまでも覚えてるなあ。

ライオンががお~ってやってるところが脳裏に浮かぶ、例のサウンドロゴまで入れているのには恐れ入りました。ただ、凝り過ぎたというか、唐突ともいえる終わり方には、「詰め込み過ぎて収拾つかなくなった」印象をぬぐえませんでした。

マカロワさんが、マイムで一生懸命モンローの雰囲気作りをしようとしているのは分かりました。しかし、マリリンの雰囲気は、本当に難しいですよ。単なる色気だけじゃないですから、あの人。
SPに引き続き、また壁が高過ぎるような気が・・・

●ジョエル・フォルテさん US/映画「13ウォーリアーズ」より
髪型についてはSPで書いたとおり。
この映画について私は何も知らないのですが、ドラマチックな音楽もあり、大河系の映画によくある華やかなサントラなのかな。

演技については、細部が荒いところが散見され(これは身体の硬さも原因かもしれません)、それはどうしても洗練さに欠ける印象を与えますから、このあたりは修正ポイントでしょうか。

●姉ヘルゲソンさん/ミュージカル「サンセット大通り」より
SPの時に引き続き、冬になると好感度がぐっと上がりそうな衣装ですね。
楽曲の内容に合わせた、大人っぽい夜会巻きも素敵です。

サンセット大通り、私はミュージカルは未見で、古い白黒映画の中途半端な知識しかなく、老いた女優の怖さ、みたいなイメージしかありません。が、アカデミー賞でこの映画を出し抜いたのが、当時無名のマリリン・モンローが新人女優役で出ていた「イヴの総て」(分かり易い野心を抱いてお辞儀するマリリンの姿を、何枚もの鏡の中に映しこんで、「歴史は繰り返す」を印象付けるラストシーンが妙に心に残る映画でした)。

という前知識があった上でのことですが、マカロワさんがマリリンを演じた後に、ヘルゲソンさんが発狂する老女優を演じるのは、なんだかちょっと切ない感じだったぞ。
ヘルゲソンさんのナチュラルなプラチナブロンドは、マカロワさんよりもマリリンに近いけど(ただ、マリリンは本来はブルネットでプラチナに染めているんですけどね)、キャラクターはマリリン向きじゃないからなあ。。。とか、関係ないことをいろいろ考えてしまいました。

パフォーマンスはまだ発展途上の様子ですが、ミュージカルの内容を演じるのではなく、雰囲気を借りてるだけだと信じたい(ラストの姉ヘルゲソンさんの表情からは、そう取れなかったけど・・・)。

●今井さん/マイ・フェア・レディー
ジャズバージョンにしない方が彼女には似合っているんじゃないですかね~
しかも、このジャズアレンジ、ちょっと難しいですよ。「踊り明かそう」のところなんか、メロディと伴奏に少し距離があるので、音楽をどう捉えるのかちょっと悩むんじゃないかな。

もしかしてジャンプの乱れも、この音楽が原因じゃないですか?
彼女が持つ素のリズムってジャズに乗りにくそうですし(多くの日本人はそうだけど)、使用されている楽曲のテンポも少し早過ぎるものが多い上に、いろんな曲をブツ切りにしてつなぎ合わせた結果、リズム、テンポとも変化が激し過ぎると思います。
これじゃあ、音楽に合わせようと思うと、ジャンプなどの技術的な要素のタイミングがずれてくるのは、当然じゃないかなあ。SPがとっても良かっただけに、非常に気の毒な気がします。

前から一般論として何度も書いていますが、ジャズって案外難しいと思いますよ。
今井さんの今回のFPの楽曲を決めたのが本人なのか周囲なのか知りませんが、クラシックじゃないやつ、という安易な気持ちでジャズに手を出す前に、もっと乗りやすい分野の曲を選択した方が良かったのでは?
ダンスミュージックとか、ロックとか、ユーロビートなんかも、ジャズに比べたらずっと乗りやすく踊りやすいのでは?
音楽って、強い味方になる反面、強敵にもなるわけで、「ジャズに挑戦しないといけない」必然性がないのであれば、最初から選択肢から外しても良いと思うのですけど。
特に今井さんには他に似合う曲がたんまりあるわけですから、短い競技フィギュアスケーター人生の中で、無駄に挑戦する必要はないのではないでしょうか。今井さんがかわいそうです。

観客席に村上さんと未来ちゃんが客席にいらっしゃった様子がずっとテレビに映っていましたが、アナウンサー・解説者ともに一言も触れなかったのが何ともはや(苦笑)。

●キャロライン・ザンさん/ドボルザーク「チェロ協奏曲」
SPの時に比べて、びっくりするくらいジャンプの調子が悪かったですね。
彼女の不調の原因は分かりませんが、好発進していただけに、本当に残念です。

●コストナーさん/モーツアルト「ピアノ協奏曲第23番」
衣装が素敵ですね~。
派手だけど洗練されたデザインなのでtoo muchに感じさせず、上品さとバランスがとれている感じです。

SPの時と同様、振付がかなり複雑なのに、動きにスピード感と安定感がありました。
また、この手のモーツアルトの音楽って、小柄な人が軽やかに舞うってイメージですが、コストナーさんは大きな動きをしながらも音楽に合わせて非常によく動いていました。

ただ、彼女のスケール感からすると、若干、音楽が軽すぎるような・・・。
使用楽曲のイメージが重ならないようにしたのだと思いますが、どちらが彼女の個性により合っているかといえば、SPのショスタコーヴィチの方だと思います。

●シズニーさん/シベリウス「悲しきワルツ」
シズニーさんも、コストナーさんと同じく紺を地色にした衣装ですが、こちらの衣装も素敵ですね~
シベリウスの楽曲には少しひんやりした温度感があるので、彼女には一般的に合うと思います。彼女は、存在にあまり熱さを感じないというか、初春に感じられるひんやりとした中に微かなぬくもりが漂うような、そういう繊細な印象の方なので。

元来、悲しきワルツの曲想には死の香りがするので、その点を表現する予定であるのかどうか確認したいところでしたが、今回はジャンプの調子が悪く、転倒しないまでも滑りがアサッテの方向に行ってしまって、流れが不明確になり、全体像を把握できなかったです。
ただ、静謐さや静けさのようなものを狙っているように見えたので、完成版をいつか見てみたいです。
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by koharu-annex | 2011-10-26 14:44 | 2011-2012 フィギュアスケート

アメリカ大会女子SP

●ジョエル・フォートさん(25歳)US/シルク・ド・ソレイユより「オー」
柔軟性に欠けるために表現手段に乏しく、魅力を半減させているような気が。
あと、髪型はもう少し「魅せる」ことも狙ったが良いのでは?見栄えは点数には反映されないのかもしれないけど、いろんな意味で損してる気がする。

●キャロライン・ジャンさん(18歳)US/夜明けの翼
スピード感のあるしっかりとした滑りの中で、柔軟性を生かした多彩な動きが次々と、かつ易々と繰り出されていて、とても魅力的です。
が、肉感的であるがゆえに、動きが「もっさり」見えることがあります。
まあ、彼女の肉感さにはお母さん的な柔らかさもあって、優しさを印象付けてもいるから、マイナスばかりではないかもしれませんが・・・。

昨シーズンから極端に丸くなったわけですが、そうならざるを得ない事情があるのかもしれず(体力的な問題とか、何かしらのご病気があるとか・・・)、怪我につながらなければ今のままでも良い、というのが結論なのかもしれません。
ただ、音楽性も身体能力も高くて、めったにない柔軟性もあって表現手段も豊富とくれば、痩せれば更に表現の幅が広がるのでは?という思いが、どうしても湧いてきちゃいますね。

●ヨシ・ヘルゲソンさん(18歳)スウェーデン/映画「黄金の腕」より
音楽、曲調もそうだけど、なんといってもテンポが彼女の動きの特徴を生かす、絶妙なものだと思いました。テンポって、彼女くらい大柄になると、とっても大事だと思う。
また、大柄の彼女の身体を生かすそうとする振付(しかもこれが曲に合ってる)が、随所に見られました。

彼女のパフォーマンス自体はかな~り発展途上ですが、振付が目指す方向に正確に向かっているように感じました。完成されれば、ダイナミックでスケール感のある演目に仕上がるのではないでしょうか。

●今井さん(18歳)日本/メンデルスゾーン無言歌ニ長調作品109番
初めて「彼女にピッタリ!」と断言できる演目を見た気がします。
昨年のジプシー・ダンスと韃靼人の踊りは、彼女に対する周囲の期待の大きさはひしひしと伝わってくるものでしたが、彼女の個性に合っているとはとても思えなかった。

今井さんは、どこかに少し陰があって、くぐもった何かを持つ印象があるので、ピアノではなくチェロの響きが前に出るこの楽曲は、ピッタリです。
また、曲調も彼女のムーブメントの特徴にとっても合っていました。
ムーブメントといえば、今井さんは、腕の動きに特徴的な美しさがありますね。バストトップの衣装は、彼女のこの美しさを存分に見せつけていました。

西洋人には殆ど見られない、たおやかな中にウェットな色気のある人です。
今回の振付に多用されていた、ひらひらと動くひじから先の動きにも、なんというか「水分」を感じました。
加えて、木村多江さんとまでは言いませんが薄幸美人なイメージも無きにしも非ずなので、バレエ「オンディーヌ」(水の精)や、ツェムリンスキーの人魚姫(交響詩)なんかも似合うかもしれませんね。

●バレンティーナ・マルケイさん(25歳)イタリア/マンボ・メドレー
日焼けしたイメージにしたかったのかもしれませんが、チークを入れる場所や濃さが微妙に・・・
それともあれは本当の日焼けなのかしらん?
いずれにしても、美人さんなのにもったいない。
パフォーマンスも、ジャンプの失敗で乗りきれなかった印象です。

●ビクトリア・ヘルゲソン(23歳)スウェーデン/マイ・ファニー・バレンタイン
プラチナブロンドに、バレンタインを意識した真っ赤な衣装が素敵ですね。特に背中の、いくつものキラキラハートをキラキラ網目に配置したデザイン可愛い。
ジャストな時期に見ると、この衣装の素敵度は上がるでしょうねえ。

パフォーマンスは、スピード感があってよく動いているんですけど、なんか一味足りない印象でした。

●エレーネ・ゲデバニシビリ(21歳)グルジア/タンゴ・ジェラシー
身体も絞って髪の色も変えて・・・やってくれそうな雰囲気が出ていたのですが。

超有名曲なので、本人も乗って踊れば観客も味方につけられる楽曲だと思うんですよ。
そういう意味では、ジャンプの失敗が・・・という話になるのでしょうが、でも、私は、そもそもの振付が音楽を生かしたものとは思えなかったんですよね(昨年のあっこ姉さんの振付と比べると、その差は明らか)。
振付の良し悪しはご本人の責任ではないでしょうから、その点はちょっと気の毒ですね。

●クセニア・マカロワ(18歳)ロシア/ヤン・ティルセンの曲(←曲名聞きとれず)
アメリで有名なヤン・ティルセンさんの楽曲って、執拗に主題(と言っちゃっていいのかしら?)が繰り返される一見単調な作りのくせに、妙に胸の表層のちょっと下をわさわささせるじゃないですか。
こういう楽曲って曲者で、表現者が「情感ダダ漏れタイプ」じゃないと、多くの場合こなしきれないと思います。

クセニアさんは、本来は「ダダ漏れタイプ」じゃないと思いますけど、この楽曲において情感を表に出す必要性は十二分に分かっているようで、そっちに向けて頑張っていました。なので、やりたいことは本当によく分かるんですが、いかんせん結果が伴わない感じです。

クセニアさんは、昨シーズンも後半あり得ない早さまでテンポが加速する楽曲をもってきていたので、私の中では、「そりゃ高過ぎだろ」と思わせる壁を敢えてこしらえて向かって行くファイター、というイメージです。

●アリッサ・シズニー(24歳)US/エディット・ピアフ「バラ色の人生」
バックスタイルが美しい衣装ですね。またピンクがよく似合いますねえ~

コンテスティさんと同じ「バラ色の人生」でも、随分イメージが違いますね(笑)。
いつも思うんですけど、フィギュアスケートの使用曲って、どうしてこう重なるんでしょうね~?

よく知られているように、エディット・ピアフさんの「バラ色の人生」は、昔の恋人のポートレートを見ながら、彼と、彼との幸せだった日々を回想している歌です。
私の勝手なイメージは、年齢を重ねて、目尻の皺とホウレイ線、頭に幾ばくかの白髪を蓄えたフランス人マダムが、大きな宝石がついた指輪をはめた指でタバコをふかしながら、「私も若かったわ」と思いながらセピア色の写真を眺めている・・・というもの。
(べた過ぎですわね~。でも、デジタル写真隆盛になって、そんな風景はあと20年もすれば現実感が全くなくなるんでしょうね。)

シズニーさんって、とっても良い意味で「存在が半透明」なので、彼女の演技は、マダムが紫煙の向こう側に(2割増しで美化して)見ている、無知なんだけど若くて美しくて幸せいっぱいの自分のようでした。
重量感なく見事にくるくると回る彼女は、まさに回想シーンの幻。
何度も見返したほど、美しかったです。

●カロリーナ・コストナー(24歳)イタリア/ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第2番」
非常に動きにキレがありました。
しかも動きがいつもより大きい(特に上半身)。関節の稼働域をめいいっぱい使ってる感じで、いつもが7~8割くらいの使用だとすると、ぐっと9割以上にまで持っていって決めてる感じです。すごく肩甲骨の稼働を感じました(笑)。
これらのムーブメント、このショスタコーヴィチの音楽にとても合っていましたよね。

また、特にシズニーさんの後だと個性の対比が際立ちますが、他の人が着たら浮いちゃいそうなほどビビッドなピスタチオグリーンの衣装もまた、コストナーさんの個性を強調していました。
そして、その強調されていつもより強めに感じられた個性が、この楽曲にマッチしているようにも思えました。

コストナーさんは大柄で、どうしても身体に一定のイメージを伴いますから、表現の幅という意味では一見狭めに思えます。が、昨年滑ったドビュッシーの牧神~を思い起こすと、コストナーさんの表現の幅が思いのほか広いことを感じるのでした。
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by koharu-annex | 2011-10-25 02:37 | 2011-2012 フィギュアスケート

アメリカ大会男子FP

今回もBS朝日で放映されたものを録画で視聴。

●コンテスティさん(28歳)/ラ・ヴィ・アン・ローズほか
この人の個性にぴったりな、大道芸人のような雰囲気がとても良く出ていました。昨シーズンよりも今シーズンの方が、SP・FPの演目とも彼の個性により合致していると思いました。

SPの時と比べてジャンプの調子も信じられないくらい良くて、何よりご本人が晴れやかな表情で終われて何よりでした。私がこれまで観たコンテスティさんの演技の中でも、ぴか一だったような気がします。

●ダグラス・ラザノさん(23歳)/アディオス・ノニーノほか
自分で二番手グループと決めてしまっているような控えめなアピールで演技を終えていましたが(=キスクラでの態度や表情も含めて端的に言うと「奇妙に地味」)、とてもポテンシャルのある方では?

荒削りですが(これは場数を踏んでいないことも原因かも)、舞踊という観点で見た場合、身体のポジショニングとかムーブメントとかむしろ良い方だと思うので、ちょっと意識を変えるだけですごく素敵になると思います。「人に伝える」ということを殆ど意識していないように見えるので、まず、その意識を持つだけで違うのでは~?

●アモディオ君(21歳)/ラテン・メドレー(ベサメ・ムーチョほか)
うーーーーーーん。ジャンプの調子が悪かったせいか、本人も乗りきれなかったですよねえ。乗りきれないと勢いがつかないから、最後に体力不足も重なっていろんな意味で失速しちゃっているのが見受けられて、少々切ない感じでしたね。ただ、乗りきれなくて身体の動きも固い中、あのステップをこなしたのは立派といえるかもしれません。

フランス杯を楽しみにしましょう。

●アーミン・マーバヌーザデー(20歳)/キル・ビル
キル・ビルの黄色いジャージを間逆にしたような衣装でしたが、キル・ビルの世界観を表すような趣向は元々考えていないのでしょうね(まあ、キル・ビルの世界観ってなに?という根本的な問題もあるしね。笑)。

昨シーズンの記憶の限りではアーミン君はもっと動ける人なので、今回はジャンプの失敗が響いていて、全体的に動きも小さく沈んでしまったのが残念でした。

●テン君(18歳)/アディオス・ノニーノ
昨シーズン見られた勢いでぐあーっと突っ走っちゃうところが抑えられていました。また、昨シーズンは音楽を無視しているかのような面も見受けられたのですが、今回は音楽をいつでもちゃんと聴いているようにみえました。彼の不断の努力が感じられます。若いのに異国の地で頑張っているのね。ほろろ(←涙)。

若い人に良く見られる音の早取りが時折見られましたが、欲を言えば、この曲調では音の遅取りの方が圧倒的にカッコいいと思います。ただ、反面、テン君の年齢で音を遅取りし過ぎると、背伸びに映る可能性があるというか、場合によってはちょっと嫌味な感じすらするかもしれず、そこはバランスが難しいところでしょうか。

●ドーンブッシュさん(20歳)/いずれもモリコーネの楽曲で、A Fistful of Dollars(荒野の用心棒)、Ecstasy of Gold(続・夕陽のガンマン)
モリコーネさんの西部劇用音楽に合わせて衣装もウェスタンを意識していて、こういうストレートさが私は好きです。ベージュとか茶色とかいかにもな色もいいですが、黒も洗練されてるというか西部劇の泥臭いイメージを相殺する感じで悪くないですね。

少し姿勢が悪いことがあって(ジャンプの前ではなく通常のときに若干前傾することがある)、バレエ見の私は気にならなくもないですが、マイムが上手で楽しいです。踊りという面ではまだまだ感はありますが。

●バンデルペレンさん(29歳)/The Man in the Iron Mask(映画「仮面の男」より)
SPのときよりもスピンの回転速度が若干上がってた気がする・・・。SPのときは、音楽を完全に無視して(?)、定まった回転だけは回るという目的(だけ)でゆっくりじわ~っと回っているスピンを見て、ある種の衝撃を受けましたが。

「舞踊」という観点からは特に見るべきところがない方なので(ご本人もそこは意識されていないでしょう)、そういう瑣末なところに目が行ってしまいます。

●村上さん(20歳)/映画「グラディエーター」より
村上さんの個性の面からも、勢いがあって背中を押してくれるという面からも、SPの時の楽曲よりもFPの楽曲の方が良いと思いました。衣装なんですが、村上さんは腰にポイントがあるものが多いですけど、これは村上さんの身長・足の長さ・全体的なルックスの観点からプラスなんでしょうか、それともマイナスなんでしょうか。私はどうも後者のような気がするのですが、ご本人がお好きでこのタイプの衣装を着るとやる気が出るっていうのなら、このままでいく方が良いですわね。

テン君とコーチが同じということですが、似たような仕上がりを目指しているように見受けられます(体型も似ているし、スケーターとしてのタイプとしても類似点があるのかもしれませんが)。舞踊的な仕上がりについては、後回しになってる感じで、正直、あまり楽しくないです。

●小塚君(22歳)/ナウシカ
この音楽が好きで、音楽が身体に入っているのが分かります。外だけでなく身体の内に響いている音楽に合わせて動いているから(しかも緩急をつけている!)、とても自然で美しいです。音楽の伸びに合わせて、彼が腕を伸ばし、その伸ばした腕をしならせる。ぴったりと音楽に合ってます。

小塚君の演技の感想でこんなことを書く日が来るとは!

涙が出そうだよ。フィギュアスケートファンの方々って、こうやって毎年選手の成長も一緒に見ているんですねえ。皆さま、毎年それぞれに喜怒哀楽の感情の起伏があって大変じゃないですか?

このFP、振付の音楽との親和性も非常に高いのでしょうが、本人のこの楽曲が好きという気持ちがまさに土台となってこの高さまで彼を引き上げてくれたのだと思います。音楽の持つ力って本当に大きい。音楽をいかに大事にするかで、フィギュアスケーターって成長が違って来ると思うなあ。

もちろん彼の姿勢やムーブメントにおいて「舞踊」の面から改善できるポイントがまだいくつかあるのは確かなんですが、ここまで音楽と一体化すると、これらの欠点は凌駕されます。いいもの見せてもらいました。ジャンプの不調?私にはそんなこと全く問題ではありません。

●ブレジナさん(21歳)/映画「アンタッチャブル」より(モリコーネ作曲)
おお、田中刑事さんと同じアンタッチャブルなんだね。DOIのときにも書いたけど、これは私が高校生のときの映画で、友達と何度も見に行ったからよく覚えてる。エレベーターの「タッチャブル」のシーンは辛かったな。。。ショーン・コネリーが撃たれた後ケヴィン・コスナーに必死に最後に情報提供するとこも、何度見ても泣けたな。そういえば、あのエスキモーのキスは、本当なんだろうか?(あ、これって見てない人にはネタばれになっちゃう?ごめんなさい)

さて、手に汗握るような緊張感のある音楽の中、よく動いていました。特に序盤は、動きが大きく、キレも力強さもありました。後半からは余裕がなくなって、若干の体力不足も感じられましたが、これはジャンプの出来に影響されたのかもしれません。中盤のスローパートのとき、もっと身体に歌わせられたら良いですね(少し苦手にしている感じがします)。
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by koharu-annex | 2011-10-23 22:02 | 2011-2012 フィギュアスケート

アメリカ大会男子SP

BS朝日で拝見したのですが、アーミン君(7位)、テン君(6位)、ラザノさん(9位)の演技が放映されませんでした。10人中7人が放映されたわけですが、選択の基準が分かりません。3人だけ省くのなら、順位ですっぱり切ってくれた方が、あきらめもつくってものです。

●村上さん(20歳)日本/The feeling begins(奇跡の始まり)
冒頭、いかにも緊張してる様子でこっちまで息苦しくなりかけたけど、上に頭を振る時に大きく口をあける癖(?)を見て、緊張しててもこれは出るんだ、と思わず微笑んでしまいました。楽曲については、DOIの雑感に書いたことを自分の備忘録として転記。

「その男ゾルバ」で有名なギリシャの文豪カザンザキス原作の映画「最後の誘惑」(マーティン・スコセッシ監督)のサントラ「パッション」(byピーター・ガブリエル)の中の楽曲。先日カザンザキスの作品を調べなきゃいけないことがあって、そのときの記憶がまだうっすら残っているので、ちょっと嬉しい。

ダヴィンチ・コードですっかり有名になったマグダラのマリアとキリストの結婚を扱ったもので、映画はお決まりの上映拒否に遭いました。カザンザキスもこの原作を含めた一連の新たなキリスト像作品のおかげで、ノーベル賞は受賞できなかったわ、死後、教会での埋葬を拒否されるわ、散々な目に。故郷クレタ島が彼の遺体を迎え入れてくれ、丘の上で眠っているそうです。

さて、村上さんの演技は映画とは特に関係なさそうでしたが、ちょっとエキゾチックな雰囲気の楽曲によくあった振付だったと思います。


緊張も手伝っているのでしょうが、もう少しこなれてくると良いなあと思いました。信ちゃんと同じタイプなのかな、なんというか「踊り」ってものに対する感度が高いタイプではなくて、緊張すると振り付け通りに身体を動かすだけで精いっぱいになっちゃう印象ですね。背中を押してくれる乗りの良い楽曲の方が、もっと楽に演技できるのはではないかな、と思ってしまいました。

●ドーンブッシュさん(20歳)US/運命
こちらも緊張されていましたが、村上さんに比べて明らかに乗りのよい楽曲に助けられた印象を受けました。ベートーベンの第5番をアレンジした楽曲で、メロディを良く知っているから観客も迷わず乗れる。もちろん本人も音楽に乗ることによって、スピーディーで快活な動きになっていた印象です。

原曲に比べてよりテンポをよくした音楽に合わせて、アクセントをつけた振付が随所に仕込まれていました。が、シーズン序盤だからということもあるのでしょうが、曲に乗って快活に動き過ぎた結果、自分でうまく制御できない状態に陥り、身体のコントロール力が少し足りない部分が前に出てきちゃって、結局、元の振付をこなしきれなかったと思われる部分が見受けられたのが残念でした。

●アモディオ君(21歳)フランス/サマータイムほか
暑くてけだるい夏に聴くのと、秋になって聴くのとでは、サマータイムって身体への沁み入り具合が全然違いますよねえ。夏にあったTHE ICEのときは、一瞬で音楽が骨髄に入ってきた感じ。また、THE ICEの時の方が、くだけた色気のある衣装で良かったと思いますが、試合では難しいのかな。

ジャンプのミスがあって成績は残念でしたが、ステップは素敵に踊れていたし、問題点はやはりステップ終盤からの体力かなあ、と相変わらずの感想で終わるのでした。

●バンデルペレンさん(29歳)ベルギー/シルク・ド・ソレイユより「キダム」
この年齢でこのジャンプはすごいですよね。
ループのしばらく後の蜘蛛のような決めポーズが好きです。

が、ジャンプが続く前半は、頭にはもうジャンプのことしかない、という感じが全身から出ていました。とはいえ、ジャンプが得意で、最大(かつ唯一?←実況の森下さんと解説の佐野さんの掛け合いから推察)の得点源で失敗したくないのであれば、それは仕方ないのかなとも思います。

●コンテスティさん(28歳)イタリア/ハンガリー行進曲(ベルリオーズ)、泥棒カササギ(ロッシーニ)、序曲1812年(チャイコ)
コンテスティさんの楽曲って楽しげで演者の背中を押してくれそうなものが多いですが、ご本人の技術が不安定で、たいていパフォーマンスとして完成されずに終わってしまうのが残念ですね。

●ブレジナさん(21歳)チェコ/鼓童
BS朝日で放映されたスケーターの中では、ブレジナさんと小塚さんの2人が抜きんでてよく動いていたように感じました。

もう少しスピード感とかテンポ感があれば、楽曲との相乗効果で演目としてはさらに盛り上がるのに、と思うところがありました。が、ステップやスピンでもリズムを外さなかったのは立派ではないでしょうか。

●小塚さん(22歳)/Inner Urge
4回転の前の動き、ちょっとかっこ良い!と思ったら、「ウォーレンウォーレイ(ジャンプ)」っていう技なのですね。解説の佐野さんの説明で知りました。←名称についてコメント欄でご指摘頂いたので、修正しました。ありがとうございます!後ほど個別にお返事させて頂きますね~

身体の動きが多彩になっていて驚き。冒頭の身体のひねりも今までの小塚さんに見られない身体の動かし方で良かったですよね。いずれも「表現手段」とまでは現段階ではまだ言えないのかもしれませんが、徐々にこなれていって身体のムーブメントとして沁みついていけば、飛躍的に表現力の向上が見られるのでは?と嬉しくなりました。
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by koharu-annex | 2011-10-22 23:31 | 2011-2012 フィギュアスケート

HOPE JAPAN

東日本大震災復興支援チャリティ・ガラ<HOPE JAPAN>
シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2011
10月19日(水)午後6時30分~ @東京文化会館

この公演の入場料収入・グッズ販売での収入は、経費を差し引いた全額を東日本大震災・津波の「遺児たち」への支援金としてあしなが育英会に寄付されるのだそうです。経費に何が含まれるか、というところですが、出演者・スタッフの皆様は全員が無報酬だそうです。世界に名だたるダンサーや歌手の皆様が・・・本当にありがたいことです。

最後のスタンディング・オベーションで、私の前列の男性がブラボーの代わりに「ありがとう!」と叫ばれていたのですが、その気持ちはよく分かります(続く方がいらっしゃらなかったのが残念でした。このような声掛けは女性よりも男性の方が声が通るしサマにもなるので、是非男性の観客の皆さまには続けて頂きたかったなあ)。

第一部
●「現代のためのミサ」より“シャーク”(バレエ「ダンス・イン・ザ・ミラー」より)
音楽:ピエール・アンリ
振付:モーリス・ベジャール
出演:東京バレエ団

音楽は1960年代に流行したダンス音楽シャークを取り入れた電子音楽(by配布された演目解説)。群舞で、ダンサーは全員、Tシャツとジーパンをはいています。腹筋と太ももの筋力を使う振付が続けざまに繰り返しでてきて、きついだろうなあ~と思いながら見ていました。

●ニネット・ド・ヴァロワによる詩「満ち足りた幽霊」「子供の言うには・・・」
朗読:アンソニー・ダウエル

あのダウエルさんが、詩を朗読して下さいました。
私の英語力では全てを聞きとることができず情けなさマックスでしたが、ダウエルさんの心を感じるために字幕は見ないでダウエルさんを見ながら聞くことに集中しました。配布された冊子に長野由紀さんの全訳が掲載されていたのでありがたかったです。

●「ルナ」
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ
振付:モーリス・ベジャール
出演:シルヴィ・ギエム

この日、私は前から片手以内の席だったので、シルヴィさんの肉体を間近で見たのですが、彼女の肉体は年齢を超越してますね。筋肉も、腱も、神経も、何もかも、理想的な完全さとコンディションで、在るべき場所に在るように見えました(実は右足に何かしらの違和感があるのでは?と思った瞬間もあったのですが、それすら凌駕する身体の質の高さというか存在の確かさでした)。

こんな完璧な肉体でのパフォーマンスってある意味現実感がないんですけど、完璧に表現されて「ルナ」も(それを創った故ベジャール氏も)本望だろうて、という感じでした。

●「アルルの女」より
音楽:ジョルジュ・ビゼー
振付:ローラン・プティ
出演:マッシモ・ムッル

ムッルさんを生で見るのは久しぶりだったのですが、かなり疲れているように見えました。もともと細身の体ですが、このアルルの女では上半身が裸なので、肌に張りとつやが欠けているのがダイレクトに見て取れて・・・もちろんあの繊細ながらも均整のとれた美しい筋肉は健在でしたが(でもやっぱり思い出すと筋肉の良い意味での張りがなかったような気がする・・・)

また、もともとジャンプ等に迫力がある人ではなかったのですが、今日のは中途半端で勢いがないというか、このアルルの女のひりひりとした狂気に至る土台が作れなかった感じです。

割と直前になるまで演目も決まらなかったですし、この舞台に出演するためにいろいろと無理したのでは・・・と少々心配になりました。

●「火の道」
横笛:藤舎名生
太鼓:林英哲
舞踊:花柳壽輔

いつも思うのですけど、日本の笛って、あらゆる楽器の中でマイク向きじゃない楽器の最右翼ですよね。笛から発せられる音波のごく一部しかマイクに拾えてない気がする。その上、拾えた部分だけマイクによって変に増幅されて会場に響かされるから、客席で聞いてると、平ら過ぎる安っぽい響きになるというか・・・。能楽堂ならな~と残念感でいっぱいになる。

今回も藤舎さんの笛は、マイクがなければもっと美しかったと思います。でも、そうすると東京文化会館の広さで、観客全員に聴かせるのは無理ですよね。歯がゆいことでありました。

第二部
●「ダンス組曲」より
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ
振付:ジェローム・ロビンズ
演奏(チェロ):遠藤真理
出演:マニュエル・ルグリ

チェロ奏者1人とダンサー1人が舞台上に。互いに軽い会話をし、気楽に遊んでいるかのように、チェロの伴奏でダンサーが踊ります。こういう楽器奏者とダンサーが1対1の関係で舞台に上がる場合、悲劇が起こることがあります。それは、奏者とダンサーのレベルに一定以上の差があると、下手な方が単体で鑑賞するよりもとんでもなく下手くそに感じられることがあることです。下手さや欠点が増幅されて強調されるというか。何でもバランスですなあ。

さて、今回のチェロの遠藤さん、ルグリさんを相手に善戦していたと思います。ただ、もう少しこなれてたら良かったかな~。まあ、ルグリさんが舞台慣れし過ぎてますからね。普段立たないバレエの舞台に上げられた上、あのレベルの方を相手にすると、常より緊張するのも無理はない話です。

●日本歌曲「十五夜お月さん」「五木の子守唄」「赤とんぼ」「さくらさくら」
歌:藤村実穂子

私はオペラ聴きとはとても言えませんが(オペラを観始めて20分くらいで「歌はもういいから踊れや」と思ってしまう)、私レベルでも藤村さんの名前は聞いたことがあるので、この方があの有名な藤村さんかあ~と見惚れてしまいました。いい意味で男らしいというか、武士道のようなストイックで研ぎ澄まされた香りのする方です。

素晴らしい声量と声の響きでしたが、特にさ行とざ行の発音が明らかに通常の日本語のものとは違っていました。オペラ歌手の方が童謡を歌うと、通常こうなるのでしょうか。それとも藤村さんが外国暮らしが長いからでしょうか。

●「ボレロ」
音楽:モーリス・ラヴェル
振付:モーリス・ベジャール
指揮:アレクサンダー・イングラム
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
出演:シルヴィ・ギエム、東京バレエ団

ことバレエに関しては、日本の観客の方々が、パフォーマンスの「直後」にスタンディング・オベーションをすることはありません。後ろの席の方が舞台上で挨拶をするダンサー達を見ることができるよう、遠慮するからです。スタンディング・オベーションがなされる場合、そのタイミングとしては、カーテンコールを何度か繰り返され帰る人がちらほら出てくるようになってから、というのが一番多いと思います。

例外は、ギエムのボレロです。

ギエムさんは、2005年にボレロを日本で踊ることを封印されたんですが、その封印公演よりも前から「ギエムのボレロ」のときにはパフォーマンスの直後からスタンディング・オベーションが始まっていたように記憶しています。何もかもが別格ですから。今回は、2009年のベジャールさんの追悼公演に続いて特別に封印を解き、復興のために再びボレロを踊って下さるということで、もちろん直後からスタオベが始まりました。毎回ギエムのボレロの時はこう書いていますが、やはり「感想を書くのは野暮」でしょう。

ただ、最後にこれは指摘しておきたい。
ギエムのボレロをあそこまで魅力的にしている大きな要因の一つに、なぜかギエムのボレロの「リズム」になったときだけ強烈に「隠微な色気」を醸し出す、東京バレエ団の男性ダンサー達の存在があります。今回も、その事実を再確認できた舞台でした。
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by koharu-annex | 2011-10-22 02:02 | バレエ(座長公演)
●ガチンスキーさん/インタビュー・ウィズ・バンパイヤ
楽曲の雰囲気が彼の個性に合っていると思いました。
本質的に不機嫌さを持っている印象が強いので(実像の彼と合致するかどうかはさておき)、振付の中で優しい仕草をされても、敢えて嘘をやっているように見えます。素敵すぎ(笑)。

●あっこ姉さん
COIは、リストのハンガリー・ラプソディ。
ここ2年のイメージとはかぶらない選曲でgoodなのではないでしょうか。新境地を開いて欲しいです。

JOは、こうもり序曲
冒頭、衣装を見て「こうもりらしくないなあ」と残念に思った後、アナウンサーの言葉を聞いて、私、驚愕。曰く、あっこ姉さん、昨シーズンまでとは異なり、ストーリー性のない音楽を表現できるように「こうもり」を選んだそうで。
それで「こうもり」ってあり得なくないですか?オペレッタなんですけど?序曲には中で出てくる主題の多くが盛り込まれてたりするから、序曲だからストーリー性ないってのも無理があると思うんだけどなあ。。。

また、パフォーマンスとしても音楽を表現できているかは疑問。ステップの一部はその感じがわからなくもなかったけど・・・。これからの滑り込みで良い方向に向かうことを祈念しております。

●高橋君
COIは、The Crisis、おまけはマンボメドレー。
音と一体化して情感を音に乗せることが、彼は本当に上手ですね。
この楽曲の中で執拗に繰り返される装飾音符、音楽だけ聞くと耳触りに感じそうなほどなんですけど、彼の表現とミクスチャされると、あら不思議、装飾音符がないと物足りない感じ。得難い人です。

表現の手段的なことをいうと、彼はどういうときでも(単純な「腕を上に上げる」という振付のときでも)、必ず「胴から動く」のね。これが全身のムーブメントを一体化させていて、誰の目から見ても明らかな踊りの「うまさ」につながっていると思う。

JOは、Blues For Klook。
本人が求める完成度からはまだまだでしょうが、彼の身体の中に、既に音楽がちゃんと入っていると感じました。ご本人は結構冒険みたいなことをおっしゃっていたようですが、私は、高橋さんにこの楽曲は合っていると思いました。しかも、この楽曲の音の間隙みたいなものは、高橋さんでないと「もたない」と思います。

後半、疲れが出たのは、ジャンプなど技術的なミスが響いたのでしょうかね。
昨シーズンも身体を原因とする技術面の不安定さの克服に苦労があったように記憶していますが、今年もボルトを抜いたりして新たな克服課題が出てきたと聞いています。今年もか~と気の毒ですが、頑張ってほしいです。

●小塚君
COIは、チェロソング。
言いたいことは一つだけ、「風になれ」ってことかな(今もその片鱗はありますが)。

JOは、風の谷のナウシカより。
ご本人が自ら選んだ曲だからかもしれませんが・・・なんだか緊張していましたよね(笑)。私はこの映画を何度も見ているので(しかも記憶力の良い10代のときに)、それぞれの音楽を聞くたび映画のシーンがいくつも浮かんで楽しかったですが。
まだ振付を頭で追いかけているのが見てて分かるほどなので、まさに発展途上なのでしょうね。

ところで、この演目、両腕を同時に頭上に上げる振付が多いので(小塚さんにはこの振付多いよねえ)、この振りの時の腕の動かし方を、高橋さんかバトルさんから学ぶといいのでは?
高橋君は、上で書いたように胴から動かします。バトルさんは、胴の中でも特に胸部から動かします(彼はぐーんと胸が開いているタイプなので)。小塚君も腕を肩からだけ動かすのではなく、その根っこがある胴とか胸から動かすと、彼の欠点である「時にマシーンのように無機質に見える」ことが少なくなるし、何より「うまさ」の印象が違ってくると思うのだけど。

●ロシェットさん/火の鳥
中間部の音楽(木管が主体になっているところ)の選択が珍しいと思いました。
演技自体は細部が荒く完成度が高いとはいえないけれど、色彩豊かな音楽の中で彼女の強い個性と存在感が感じられました。

●チャンさん
COIは、ムーンダンス。
身体が強く大きくなっている印象を受けました。昨シーズンの自信からか、肩の力が抜けてて、さらにそこがこなれた感につながっていました。

JOは、アランフェス協奏曲。
こりゃまたメジャー曲ですね。
しかし、振り付けと音楽との親和性が高いとは感じられず、そういうい意味で、こんなメジャー曲を敢えて選択する必然性が感じられませんでした。ただ、私は相変わらずスケーティング技術に関してはど素人以前なので、やっぱり下半身特化型とすれば、その部分で音楽の親和性が高いのかもしれず、そうなると私はお手上げ。

今年、ルール改正で音楽との調和がより重要になったとのことですが(by「フィギュアスケート2011‐2012シーズンオフィシャルガイドブック」朝日新聞出版社p74)、この点について全身のムーブメントではなく下半身のスケーティングとの「調和」に高得点を出されてしまうと、今年もジャッジングが理解できない状況に陥りそうです。

●安藤さん
COIは、ブラックスワン。
ふっきれてない印象です。もちろん後で見たJOよりかは良いかもしれませんが、それはあくまでJOと比較して初めて出てくる話ですわね。これ単発で見るとうーんな出来です。
もちろん、ベテランらしく、自分の身体にキレがない中でも、動きに恰好がつくポイントといえばいいですかね、そういう箇所はきちんと押さえてて、全体をまとめて作品として仕上げていたのは立派だと思います。

JOは、パッション(川井郁子)。
気持ちも不安定、音楽も身体に入っていなくて、解説者の「練習不足」の指摘もむべなるかな。もちろん急遽用意したプログラムである等、彼女の諸事情は私レベルでも把握していますが、とりあえずパフォーマンスの評価は客観的にってことで。

昨シーズンとは別人で、以前の「気持ちがそのまま出る」というか、演技にむらっ気のある安藤さんに戻ったかのようです。まあ、昨シーズンがあまりにも別格に素晴らしかったので、私の安藤さんの演技の平均値というか期待値が上がってしまったことも原因だと思いますが。

分かりやすく悩む人なのですね。悩みがあると、身体もふっくら、気持ちもふらふら。これはパフォーマーとしては失格の部類に入り、プロのショースケーターの魅力を語る彼女に若干の不安を覚えなくもないですが、人としては理解しやすく極めてラバブルな方だと思います。

●アリョーナ・レオノワ/弦楽のためのアダージョ
こりゃまた雰囲気を随分変えてきましたね。私は大好きな楽曲ですが、新たにコーチに就任したモロゾフさんの仕業かな。レオノワさんのこれまでのイメージを一気に払しょくするナイスなチョイス。

この演目が彼女の本質とドンピシャかどうかは、現時点では分かりません。が、少なくとも昨シーズンの楽曲・演目の選択については、彼女の本質とズレがあるような違和感を感じていたので、嬉しい方向転換でした。

ただ、パフォーマンスについては、最初から飛ばし過ぎな印象です。あれじゃ体力が持たない。弦楽のためのアダージョはクライマックスに向かって徐々に盛り上がっていくことも特徴の1つなので、最初は抑えめでいんじゃないですかね。
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by koharu-annex | 2011-10-20 14:06 | 2011-2012 フィギュアスケート
皆様、ごきげんよう!

カーニバル・オン・アイスの録画はもう10日くらい前に見て感想もメモっていたのだけど、今日やっとジャパン・オープンの録画を見たので、徐々にアップしておきます。

お能のアップもたまっていて、バレエも少々たまりはじめててキツイなあ。いっそ仕事やめるか、わたし?(笑)

●羽生君/ロミジュリ
怪我しそうでひやひやするなあ。もちろんいろんな心情あってこそなんだろうけど、少し「強い気持ち」で押し過ぎだな。

まあ、彼のこの感情のほとばしりは、分かりやすく人に訴えかける10代のキラメキなので、そういう意味では捨てがたいのだけど、でも、これじゃ身体がもたんて。
身体のことを考えると、「シャリンと音をたてる小さなたくさんの鈴」(←去年の感想参照)は、今年はもう封印してもいいよ(笑)。もったいないけど(←言っちゃうんだな。これが)。

10代特有の一過性の美ではなく、表現の完成度という一般論的な見地からは、パフォーマンス全体のバランスを考えると、ふっと息を抜く部分があることも大事だし、情感の表出という意味でも、感情を一旦内に取り込むことも大事です。ええ。

●庄司さん/ザハチャチャチャ
シーズン直前で、まだちょっと身体が重いですかね。後半音楽のテンポが速くなったころから、明らかにつらくなった感じがあったな。
ただ、そもそも比較的おっとりした曲調の方が身体のタイプに合うような気もしますが。

●エリザベータ・トクタムショワ(←今回はこういう表記になっていた)
まず、COIのタンゴ。
年齢にそぐわない堂々さで、タンゴとマッチする感情すなわち「孤独」とか「哀しさ」というようなものまで出ていた。
タンゴはそもそもペアダンスなので、シングルで踊る場合には、「パートナーのいない奇妙さ」が存在し、それが「孤独」「哀しさ」につながる可能性は本来的にある。だけど、この年齢で、「孤独」や「哀しさ」が出ているのは珍しいと思う。
ただし、手首から先の動きは、タンゴというよりフラメンコだったね。綺麗だったので気にしませんが(笑)。

JOはベサメ・ムーチョ。
COIのときは音をジャストで取っていたのですけど、ベサメ・ムーチョはかなり早取りしていましたね。
音の早取りって若い人に多いので、これだけで「若さ」を感じてしまいました。タンゴの堂々さに比べると、信じられないくらいの青リンゴさ加減であります。

音楽性が極めて高い人の「早取り」は、時に、その人のムーブメントが音楽をぐいぐいと引っ張っていくように見えることがあるんですけど、少なくともトクタムショワさんのこの演技からは、そうした感じは受けませんでした。
が、タンゴとの音取りの違いが「わざと」であるならば、彼女は極めて高い音楽性を持っているのかもしれません。
単にJOは試合だから緊張してて早取りしちゃっただけかもしれませんが。

●アモディオ君/ベサメ・ムーチョ
やりたいことは分かるのだけど、体力と身体のキレが足りなくて、少々重い。
あとね、これ系の音楽は、去年の高橋君の印象が強すぎて損なんじゃない?
アモディオ君に踊り心があるのは認めるけど、高橋君ほどの突出したものは持ってないか、あるいは遜色ないほどのものを持っていたとしても、まだ表出できるだけの基礎(体力含めて)がないのだもの。

今晩はここまで。
おやすみなさーい。
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by koharu-annex | 2011-10-20 01:26 | 2011-2012 フィギュアスケート
前回(こちら)に引き続き、真央ちゃんのシェヘラザードの音楽について。

10月1日、毎年お誕生日に写真集をお送りしている方へのプレゼントを選びに本屋さんの写真集コーナーに行ったら、思いがけずこんな本が平積みになっていたので、さっそく購入(ところで写真集売り場でいいの?→有楽町の三省堂さん)。

フィギュアスケート2011-2012シーズン オフィシャルガイドブック (アサヒオリジナル)

朝日新聞出版


この中で、真央ちゃんが今季のSPについて、「すごく変わった『シェヘラザード』ですよ。曲がすごく変わっていて、すごいかわいらしい『シェヘラザード』でもあり、すごくアジアンチックな『シェヘラザード』でもあり、力強い『シェヘラザード』でもあるので、いろんな曲の変化を見ている方にもわかってもらえたらな、と思います。」(p34)とおっしゃっていました。(10月2日の夜にTV報道された、NHK杯向けの記者会見でも一部同趣旨のことをおっしゃってましたね。)

いや~、本当に、「曲がすごく変わって」ますよね~。コメント下さった方の中に「シェヘラザードのどの部分か分からない」というご意見があったので、あらためて聴いてみたところ・・・アレンジが強い上に、公開された動画の音が荒いので、ホントにどこか分かりにくい!!(笑) 旦那に嫌がられたけど、ボリューム最大限にして聴いてみました。

以下はあくまで私の印象なので、間違っていたらご指摘下さいませ。

少なくとも前半部分(25秒くらいまで)、大きく響いている旋律は、原曲にはそのままの形では存在しないと思います。どこかの部分のアレンジかもしれませんが、私には分かりません。ただ、その大きく響いている旋律の向こう側に、低くゆっくり流れている旋律があります。この低い旋律は、おそらく第3楽章「若き王子と王女」で奏でられる主題だと思います。

続く後半部分は、大きく響いている旋律(リズムがチャッチャチャー♪みたいな。←分かりにくい。笑)は、おそらく、第2楽章「カランダール王子の話」の中盤あたりで演奏される、不機嫌な王の旋律のアレンジではないかと思います。その向こう側にも低い旋律が流れているように感じるのだけど、私のPCではちょっと聴き取れません。

不機嫌な王(スルタン)の旋律は、原曲よりもテンポを早くリズムも軽やかにしていて、原曲にはない鍵盤楽器の響きが加わっていて、原曲よりも格段に可愛いです。随所でトライアングルの響きを利かせているところも、軽やかさと可愛らしさを強調しているようです。

・・・あまりにも変わったアレンジなので、これもコメント下さった方から類似(あるいは同一)の可能性が指摘されていると教えて頂いたロシアのソトニコワ選手の「シェヘラザード」の動画を見てみました。

真央ちゃんの音楽は一部公開に過ぎませんから全体は分かりませんが、確かに少なくとも一部はソトニコワ選手の音楽に類似しているように思いました。私は、他の選手と音楽が同一でも類似でもいんでない?と思いますので、同一性・類似性については特に気になりませんが、このソトニコワ選手の音楽そのものにちょっとした衝撃を受けました。

ソトニコワ選手の「シェヘラザード」の音楽、一歩間違えれば「めちゃくちゃ」の域に陥りそうなほど、強烈なアレンジではないでしょうか~。2つの全く異なる旋律が同時に鳴らされる部分が随所に現れるという極めて高度なアレンジで、鑑賞者が「乗る」のが難しいのはもちろん、表現者が音楽を把握するのも難しいと思います。

あれは、中途半端な表現者だとつぶされるレベルだと思います。

私が見た動画ではソトニコワ選手はぎりぎりでしたが、彼女の年齢や経験を考えると「健闘した!」と称えるべきかもしれません。タラソワさんも、また難しいことをさせるものですわ~。もう、びっくり。かなこちゃんのシニアデビューSPがあのジャンピング・ジャックだったことに比較すると、その差にびびりまくるわたくしめでございます(いや、どっちが正しいとかいう話ではなく)。

真央ちゃんの音楽がソトニコワ選手と同一・類似(あるいはもっと高度?)になるとすると、真央ちゃんの年齢・経験をもってしても噛み応えのある演目となりそうですね。
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by koharu-annex | 2011-10-02 23:04 | フィギュアスケート女子