もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

<   2011年 07月 ( 9 )   > この月の画像一覧

ニュース映像、見ました。

真央ちゃんのジュピター、良いですね。
衣装も音楽も、そして雰囲気も。
早く、BS日テレでのテレビ放送(こちら)が見たいです。

このEXでは、「女神」、「女王」という雰囲気がありましたので、SPについては女王ではなくキュートさが前に出たタイプの「姫」ものでも良いかな、と思いました。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-29 22:18 | 2011-2012 フィギュアスケート
アメリカン・バレエ・シアター ジャパン・ツアー2011
「スペシャル・ドン・キホーテ」
2011年7月22日(金)午後6時30分~ @東京文化会館

私の好きなダンサー、エルマン・コルネホさんがケガのために来日できなくなって、キャスト変更がありました。
また、この日は出てくれたんだけど、アンヘル・コレーラさんが体調を崩されたようで、翌々日(24日)のバジル役を降板されるそうです。妙に涼しいので、お風邪でもひかれたのかしら。早く快復されることを祈っております。前回もアンヘルさんはケガで来日できなかったので(前回の記事はこちら)、日本のアンヘルファンの方は悲しんでらっしゃるでしょうね。

原振付: マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂: ケヴィン・マッケンジー、スーザン・ジョーンズ
音楽: ルートヴィヒ・ミンクス
編曲: ジャック・エヴァリー
原作: ミゲル・デ・セルバンテス

指揮: チャールズ・バーカー
管弦楽: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

出演: キトリ、バジル
【第1幕】 パロマ・ヘレーラ、ホセ・カレーニョ
【第2幕】 シオマラ・レイエス、アンヘル・コレーラ
【第3幕】 加治屋百合子、 ダニール・シムキン

【各幕共通】
メルセデス: ヴェロニカ・パールト   
エスパーダ: コリー・スターンズ
ジプシーのカップル: シモーン・メスマー、ジョセフ・フィリップス
森の精の女王: ヴェロニカ・パールト
キューピッド: サラ・レイン

ドン・キホーテ: ヴィクター・バービー
サンチョ・パンサ: アロン・スコット
ガマーシュ: クレイグ・サルステイン
ロレンツォ: アイザック・スタッパス

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、アメリカでの少々鬱々とした駐妻時代をABTに救ってもらったと思っているので、アメリカに住む前と180度変わって、このカンパニーのことはとても好きです。スター軍団と言われながら、いくつもの短所がすぐに思い浮かぶカンパニーですが、ABTに限っては、私は、その短所を全て受け入れる包容力さえ持ち合わせるに至っています。また、特にあの頃からいらっしゃるダンサーの方々には、非常に大きな愛着を持っています。

でも、感想は正直に書きます、ええ。

まず1幕。
パロマ・ヘレーラさん、前から仕草が少々がさつだったんですが、それは相変わらず(笑)。キトリでぎりぎりですよね。。。あと、昔から体が重いんですけど、更に重くなってた(笑)。技術も総じて高くなく、演技面においても単純な明るさと勝気さしか出せないタイプで、私に言わせれば、なんで評価が高いのか理解に苦しむダンサーの筆頭です。

彼女が出てくるなり、「あら~、さらに重くなってるねえ・・・ホセ君は片手リフトできるかしら~?」と心配になったのですが、案の定、リフトは2回とも失敗。特に1回目はひどかった。2回目もホセ君の努力むなしく上がりきらず。でも、これは両方とも、思い切り良く飛び上がりきれず、かつ体重を殆ど消せてないヘレーラさんの方の問題が大きいと思う。だけど、リフトできなかったとして、男性側が悪く思われがちなのがつらいところ。特にホセ君は、今季でABTを引退する(NYCでは既に引退公演を終えている)キャリアの長いダンサーであるため、要するに「年とった」と思われちゃうんだろうなあ~と気の毒に思う次第。

ホセ君は、所作・立ち居振る舞いを含め体の動きがとても上品な方なので、バジルよりも王子役が似合う方ですけれど、ヘレーラさんのハスッパと紙一重の「ちょっとしたがさつさ」を中和する役割を果たしていました。

メルセデスのナイフの踊りのABTバージョン、私は好きですね。小物に至るまでABTらしく派手で華やか。が、メルセデス役(2幕の森の精も)のヴェロニカさんが、相変わらずどこか「あとひと伸び欲しい」と思わせる中途半端な程度にとどまっていたことは残念でした。ただ、今回が初見であれば、そうは思わなかったとも思いますが(特にメルセデスに関しては)。

ガマーシュとロレンツォが素晴らしいですね。思いっきりアホやってくれてて、こういうのはABTは本当にもう世界一うまい!それにしても、アイザックさんがロレンツォとは。なんか年月の経過を感じました。

1幕のラスト、バジルとキトリが親父さんから逃げ出してわ~っと街が混乱する場面で終わるのですが、思いがけず、オケも一緒になって、大音響の中かなり混乱しちゃってました。あれは・・・楽器のいくつかが完全にずれたよね?

指揮者がシーンとダンサーによってかなりテンポを変える方でしたし、そもそもABTのドンキの音楽は、普通のドンキとかなり違っているので、演奏がかなり難しかったのだと思います。(普通のドンキの音楽とは異なることについては、東京フィルのブログにもその旨書かれていました。こちら

でもね、実はMetのABTの座付きのオケもひどいので(笑)、私はむしろ「ABTの舞台らしい!」とちょっと嬉しくなったのでした。ちょうど舞台上も混乱のシーンで、なんだか妙に合っていたし。

次に2幕。
シオマラちゃん、小柄だけど技術の高さは相変わらず。
アンヘルは、エルマンに代わって2幕のバジル役になったのですが(こちら)、アンヘル君はそもそも1幕だったのですよね。。。1幕のアンヘル君が見たかったなあ。

キューピッド役は、映画「ブラックスワン」の代役を務めたサラ・レーン(ジャパン・アーツの表示は「レイン」)さんですが、なーんと、シオマラちゃんの隣に並んだら・・・シオマラちゃんより小さい!?小柄だとは思っていましたが、シオマラちゃんよりも小さいくらいの小柄だったとは!ちょっとびっくり。

群舞?もちろん、ABTに「そろう」ってことを求めてはいけません!(笑)

ジプシーのカップルを踊ったジョセフ・フィリップスさんには、今後注目したい。

最後に3幕。
加治屋お嬢、細さは相変わらず。技術が一定レベル以上にそこそこ安定しているイメージだったのですが、この日はフェッテがあきませんでした。ほかの回転技でも軸のブレが目に付き、自立性も少し足りない。シムキン君に臨機応変にサポートしてもらえて随分助かったのではないでしょうか。

シムキン君は、男性に珍しいほどの柔軟性、高い技術、少年と見まごうようなキュートなお顔で、大人気のダンサーです。今回も柔らかい背中が気持ちよく、ジャンプも美しく、また回転も速く安定していて、盛んに拍手をもらっていました。

ただ、彼は体が小柄すぎるので、役柄とパートナーがかなり限定されてしまうところが気の毒なところですね。キャラクター・ダンサーの道でいくにしても、それでもソロ以外は同じ問題が出てきますからね・・・。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-24 01:24 | バレエ(ABT)
《マニュエル・ルグリの新しき世界Ⅱ》 Bプロ
2011年7月18日(月)午後2時~ @ゆうぽうとホール

Aプロと同じプログラムがあるなど予定が随分変更されたけど、それでもルグリさんが頑張ってくれたのだと思うと、やはり嬉しく感じるのでした。

この日は「なでしこ」が優勝した日で、激しく睡眠不足だったため、結構きついものがありました。夏の睡眠不足は身体にこたえますね。

●「ビフォア・ナイトフォール」
振付: ニル・クリスト 
音楽: ボフスラフ・マルティヌー
出演: ニーナ・ポラコワ、ミハイル・ソスノフスキー
    高村順子-宮本祐宜、佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-長瀬直義

ここでもソスノフスキーさんの不敵な存在感が感じられましたが、Aプロと違いPDDだったためかパートナリングを気にしていたようで、若干弱まっていた気もする。

●「ドン・キホーテ」
振付: マリウス・プティパ/ルドルフ・ヌレエフ 
音楽: レオン・ミンクス
出演: リュドミラ・コノヴァロワ、デニス・チェリェヴィチコ

デニスさんが、あらゆる意味で「若い」ですね。ちょっと力みすぎてる感じがします。

●「モペイ」
振付: マルコ・ゲッケ 
音楽: C.P.E.バッハ
出演: 木本全優

昨年のルグリの仲間たちのとき、フリーデマンさんが踊って強烈な印象を残した作品です(当時の記事はこちら)。

フリーデマンさんのキレキレの踊りに比べたら・・・という点はもちろんありますが、木本君、善戦してましたよ!!! いや~、「こんなに踊れる人だったんだ!!」、と驚きました。

また、木本さんは、身体が非常にきれいです。日本人男性の中ではトップクラスではないでしょうか。
高い身長、長い手足、まっすぐな脚、適度な太さと長さの首、厚すぎず平ら過ぎない胸板、肩幅とウェストの太さのバランスも良いし、筋肉の質がしなやかで強靭、肩甲骨を含め関節の稼動域が広い・・・これだけの要素を持ってる人って、ダンサーとはいえ、日本人男性の中ではとても珍しい。

モペイは照明がシンプルで、そのせいか腕の動きの残像がすごく美しく残るんです。木本さんの腕の動きは一級品ですよ。手首、肘、肩、肩甲骨、これらの動きの全てが、観てる者に快感を与えます。

上に向いて立っちゃう硬い髪質とちょっと猿顔の傾向があることで、古典の王子役などでは好みが分かれかもしれません。が、少なくともコンテンポラリーの踊り手としては、数年後には突出してくるのでは?頑張れ~
ちなみに、ウィーン国立バレエ団サイト内の木本さんのバイオグラフィーはこちら(動画もあります)。

●「椿姫」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
振付: ジョン・ノイマイヤー 
音楽: フレデリック・ショパン
出演: マリア・アイシュヴァルト、フリーデマン・フォーゲル
ピアノ: 三原淳子

フリーデマンさんは、甘い雰囲気を出すのが本当に上手ですよね。加えて、ガラのPDDですら、「この女性ダンサーと実生活でもできてるんじゃあ・・・」と思わせる演技力もアッパレ。カーテンコールでも何度もキスを繰り返す彼に、ぼーっとなっちゃう女性ダンサーもいらっしゃるのでは?

アイシュヴァルトさんも完全に女優さんタイプの演技派。リフトの際、フリーデマンさんの顔に何度もかかってしまうスカートを、さりげなく除けてあげる余裕もあります(この日の衣装の布地はふわふわし過ぎてて男性側からみると非常に扱いが難しそうだった)。素敵な椿姫でした。

●「クリアチュア」
振付: パトリック・ド・バナ 
音楽: デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ
出演: 上野水香、パトリック・ド・バナ

前回はフルでしたが、今回はPDDのみ。
バナさん、カーテンコールで正座してご挨拶してくださるなど、日本への敬意と愛情を感じました。

●「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付: ケネス・マクミラン 
音楽: ジュール・マスネ
出演: ニーナ・ポラコワ、マニュエル・ルグリ

ルグリさんの演技が「どっこらしょ」という感じで、あー、ルグリさんも年とったか、と思ったのですが。。。これはパートナーにも責任の一端があるかもしれません。ラ・シルフィードのときも思ったのだけど、ポラコワさんは「自立」に少々欠けるのです。自立性の高いダンサーに比べて男性の負担が大きくなりますし、加えてポラコワさんは華奢とはいえない身体で、物理的に重そうでしたし・・・。

●「サイレント・クライ」
振付: パトリック・ド・バナ 
音楽: J.S. バッハ
出演: パトリック・ド・バナ

バナさんの衣装は、真っ赤な袴。
バナさん、ソロで踊ると、体がいかに大きいか良く分かりますね。スケールが大きい、大きい。
ちなみに、バナさん、このときも正座してご挨拶くしてださいました。

●「グラン・パ・クラシック」
振付: ヴィクトール・グゾフスキー 
音楽: フランソワ・オーベール
出演: リュドミラ・コノヴァロワ、ドミトリー・グダノフ

●「カノン」
振付: イリ・ブベニチェク 
音楽: オットー・ブベニチェク、ヨハン・パッヘルベル
振付: デニス・チェリェヴィチコ、ミハイル・ソスノフスキー、木本全優

若手3人で踊ったパッヘルベルのカノン。なじみのある音楽に、若さがさわやかで、素敵でした。
木本さんは、位的には一番下なんですけど、体のタイプがこの振付には最もあっていました。それに、3人の中で、おそらく音楽性が最も高い。逸材ですね。

●「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付: ジョージ・バランシン 
音楽: P.I. チャイコフスキー
出演: バルボラ・コホウトコヴァ、フリーデマン・フォーゲル

この作品では時折見られるこですが、バルボラさんが途中で息切れしましたね。

●「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付: ジョン・クランコ 
音楽: P.I. チャイコフスキー
出演: マリア・アイシュヴァルト、マニュエル・ルグリ

Aプロに引き続き、ルグリさんはもちろんですが、アイシュヴァルトさんの女優っぷりが素晴らしいですね。

More
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-22 16:21 | バレエ(座長公演)

DOI雑感2

BSで録画したものを拝見したので、以前の雑感(こちら)にプラスしてDOIの雑感を。

●木原龍一さん ヴァイオリン・コンチェルト
超有名曲に負けないように、身体を大きく使ってダイナミックな演技を目指しているようにお見受けいたしました。
後半、ジャンプではなく身体のバランスを崩したがゆえの転倒をはじめ若干スタミナ不足に感じましたが、改善ポイントを明白にするタイプの良い方向の失敗ではないでしょうかね。

●西野友毬さん Time to Say Goodbye
演技に安定感がありました。股関節を含め下半身の柔軟性が高いので、特に脚のポジジョンが美しいですね。

●中村健人さん Fugata(今季SP)
バンドネオンの響きが似合うタイプの方ですよね。
今はまだ覚えたてで、気難しいような生真面目な雰囲気が前に出ちゃっていますが、滑り込んで余裕が出てきた頃、ちょっと色気を加味することできるとすごく素敵なのでは?と思いました。

●大庭雅さん Shall We Dance?
可愛いシャルウィダンスですね。いつか男性と踊ることを夢見る少女が、一人で鏡の前で練習しているようです。
もう少し、身体に柔軟性があると良いですね。

●田中刑事さん The Untouchables(今季FPをEXバージョンで)
まず、名前の「刑事」さんが印象的です。いや~、いろんな人から言われ続けているだろうけど、お父さんが刑事さんなの(それとも憧れ?)??

アンタッチャブル、面白い映画でしたよね~。ショーン・コネリーケヴィン・コスナー(すんません。ショーン・コネリーは確かにこの作品でアカデミー賞助演男優賞をゲットしているんですけど、私が言いたかったのはケヴィン・コスナーの方)の大出世作。友達と何度も観に行って大興奮だったのを覚えてるなあ(当時私は女子高生)。数年後、兄から「Koharuに面白い映画借りてきた」と差し出されたアンタッチャブルのビデオタイトルを一瞥するや、「えー、何回も観た」とのたまってショックを与えてしまったなあ。。。

この楽曲、試合の緊張感と重なるとすごくスリリングで、素敵になるんじゃないかしら。
田中さんの腕は直線的な動きですけども、この緊張感ある楽曲には良く合ってるし、肩甲骨が良く動いてるように見えました。顔の表情の固さも、この楽曲にはOkでしょうし、素晴らしい選曲ではないでしょうか。

●庄司理沙さん 塔の上のラプンツェル
前回書いているので、今回は1点だけ。いろんな人の後に観ると、スピードが全く違うのだなあ、と思いました。これが逸材たるゆえんなのでしょうか。

それにしても、インタビューを見ると・・・昭和の大女優のような、正統派の見事な美貌ですねえ。

●村上大介さん 奇跡のはじまり(今季SP)
「その男ゾルバ」で有名なギリシャの文豪カザンザキス原作の映画「最後の誘惑」(マーティン・スコセッシ監督)のサントラ「パッション」(byピーター・ガブリエル)の中の楽曲。先日カザンザキスの作品を調べなきゃいけないことがあって、そのときの記憶がまだうっすら残っているので、ちょっと嬉しい。

ダヴィンチ・コードですっかり有名になったマグダラのマリアとキリストの結婚を扱ったもので、映画はお決まりの上映拒否に遭いました。カザンザキスもこの原作を含めた一連の新たなキリスト像作品のおかげで、ノーベル賞は受賞できなかったわ、死後、教会での埋葬を拒否されるわ、散々な目に。故郷クレタ島が彼の遺体を迎え入れてくれ、丘の上で眠っているそうです。

さて、村上さんの演技は映画とは特に関係なさそうでしたが、ちょっとエキゾチックな雰囲気の楽曲によくあった振付だったと思います。

●今井遥さん I'm into Something Good
まぶたのキラキラのメイクが夏らしいですね。前も書いたような気がするけど、ちょっと夢二の描く女性のような雰囲気がある方で、陽にあたりすぎると溶けちゃいそうです(笑)。
夏の感じのプログラムでしたが、「できれば日陰で」あるいは「誰かパラソルを!」と言って差し上げたいような気持ちがふっとわいてきました。柔軟性が見てて気持ちよかったです。

●無良崇人さん アランフェス(今季SP)
おひげって・・・若い方の間で流行ってますよねえ。。。私はかなり苦手なんですけど。

無良さんにはどうしようもないことですが、振付で惜しいなあ、と思うのは、カスタネットの音を反映させている動きがないことです。後半にちょっとだけアクセント的に使うだけでも、リズム感が出て違う印象がぱっと出せると思うので、その点を出さないのは惜しいなあと思いました。

●村主章枝さん Air、Girls on the Dance Floor
楽曲名を「Air」だけしか書かないって、ひどくない?
G線上のアリアの原曲(バッハ管弦楽組曲第3番第2曲)の方だから、「Air on the G string」って書きにくかったのかもしれないけど、たぶん「G線上のアリア」という呼称は原曲の方の通称って言ってもよいくらいだから、単に「Air」よりかは良いと思うけど・・・。

さて、村主お姉さん、よく踊ってらっしゃったのではないでしょうか!
「滑ってない」という批判はあるのかもしれないですが、じっと一箇所に突っ立ったまま踊っていたわけではないですし、かなりの運動量でしたし、何よりよく踊っていました。私は好きな演技でした。

●神宮アイスメッセンジャーズ グレース  Footprints in Sand
バレエでいうと群舞ですかね。
近づいてもスピードが落ちなくて正確、すごいことですよね。よ一人一人の体型はまるで違うのに、そろって見える。美しかったです。

●あっ子姉さん
前回書いたので一言だけ。
ずっと続けてみてくると、彼女の身体のコントロール力のすごさは他のスケーターとレベルが全く違ってて、圧巻ですね。

●タチアナ・ボロンジャル、マキシム・トランコフ  L'amore Sei tu
この声は・・・キャサリン・ジェンキンス?
確かに、この2人には、ホイットニー・ヒューストンよりクラシック歌手の方が似合いますね。
スケールの大きなムーブメント、これぞカップルダンスの醍醐味といわんばかりの艶、見てて気持ちいです。

●ステファン・ランビエール  ラフマニノフ前奏曲第5番
テレビの画面表示には楽曲について「Bring Me to Life」って書いてあったけど、アナウンサーが言ってた「ラフマニノフ前奏曲第5番」でしょ、これ?
Bring・・・って、エヴァネッセンスの? この楽曲のEXバージョンもあったのかな、安藤さんのブラックスワンみたいに。

しかし、ランビエールさんが滑ると、クラシックの楽曲を滑ってるっていう気がしないですね(笑)。なんというんでしょう、ランビエールさんの世界にクラシック楽曲を添えてみました、という感じになる。すごいよなあ・・・よく「その人の世界」などと簡単にアナウンサーや解説者の人が言うけど、「その人の世界に楽曲も何もかも持ってこれる」表現者って本当に少ない。ランビエールさんは、まさにそういう人だと思う。もちろん、もともと優れた音楽性を持っていて、かつムーブメントの際にもその音楽性を無視しない、という鉄壁の音楽へのシンクロがあるからこそですが(その点がプルシェンコさんとちと違う。プルさんの場合は、時に音楽を無視することがあるんだけど、強烈なカリスマと身体能力で力ずくでまとめて、氷上の自分の世界を完結させる感じ)。

あっ子姉さんのコントロール能力もすごいけど、ランビエールさんの身体のコントロール力もすごいですね。軸のしっかりした変形(?)の回転、見ごたえありました。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-16 18:12 | 2011-2012 フィギュアスケート
《マニュエル・ルグリの新しき世界Ⅱ》 Aプロ
2011年7月13日(水)午後6時30分~ @ゆうぽうとホール

震災のために来日するか否かをダンサー個人が個々独立に判断した結果、当初予定されていたメンバーとプログラムが、大幅に変更となりました。残念な気持ちが全くないといえば嘘になりますが、なによりルグリさんがこの公演を予定通り行ってくれたことに感謝感激です。
(ちなみに8月に予定されていたニコラ・ル・リッシュの座長公演は、ニコラさんの判断で中止になっています。)

●ホワイト・シャドウ
音楽: アルマン・アマー
照明: 高沢立生
装置: 野村真紀
衣装: 高井秀樹
出演: マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ
    吉岡美佳、上野水香、西村真由美、ほか

昨年のルグリの座長公演の際に、世界初演された作品(そのときの感想はこちら)。今回は前から3列目だったため舞台全体を見渡すことが難しく、前ほど全体像が分からなかったし、作品そのものの迫力というものは前ほど感じなかったのですが、至近距離で観るのも一興。

ルグリさんとバナさんの衣装が変わりましたね。以前はちょっと腰周りにデザインを施したズボンだったのですけど、今回は袴でした。もちろん完全な袴ではなくズボン化した簡易バージョンになってますが、腰板があって、バナさんの方には紐もついてて、前で例の蝶ネクタイもどきの結び目まで作ってありました。

バナさん、呼吸するように踊ります。一般的にも、自ら振付けた作品を踊るとき、ダンサーのムーブメントが呼吸や鼓動と一体化することがありますが、これは他のダンサーでは不可能な領域だと思います。その意味で、振付家が生きてて且つ現役ダンサーとしてやっている間に、観に行くことができた鑑賞者のみに許される贅沢ですよね。

上野さん、恵まれた肢体と鍛錬を怠っていない身体から繰り出されるムーブメントとフォルムの造形美は、やはり群を抜いていると思います。音とりの微妙さは相変わらずですが、今回は特にバナと一緒にベアで踊るシーンでは、バナによく引っ張ってもらった印象です。

吉岡さんは、今回は髪で耳を隠していました。前回耳のことに触れたので、ちょっと後ろめたい気持ちになったりして・・・。

●海賊
音楽: リッカルド・ドリゴ
振付: マリウス・プティパ
出演: リュドミラ・コノヴァロワ(ウイーン国立バレエ団プリンシパル)
     デニス・チェリェヴィチコ( 〃 ソリスト)

アリとのPDDだったのですが、やはりコンラッドも入ったパ・ド・トロワが好きだな。なんか今回はメンバーが少な過ぎて実現できなかった雰囲気で残念。

アリを踊ったデニス君は、まだ若いダンサーで少年の面影すらあります。カーテンコールのタイミングを間違えるところも、初々しい。

リュドミラさんは、途中のステップの1歩が大きくて迫力あるなあ、と思ったのもつかの間、あっという間にしぼんだ印象です。ブラックスワンが控えていたので、セーブしたんですかね・・・。

●「マノン」第1幕のPDD
音楽: ジュール・マスネ
振付: ケネス・マクミラン
出演: バルボラ・コホウトコヴァ(ウイーン国立バレエ団ゲストソリスト)
     フリーデマン・フォーゲル(シュツットガルトバレエ団プリンシパル)

マノンの音楽って切なくなるほどメランコリックで叙情的なのに、生オケじゃなくて録音で聴くと、妙に薄っぺらく聴こえるのね。不思議。チャイコなど他の有名バレエ音楽では、ここまで落差を感じないんですけどね。うーん、考えたことなかったけど、マノンの音楽って、メロドラマ調というか、大衆受けするような安っぽさがあって、そこが録音だと前面に出てきちゃうんだろうか。

バルボラさんとフリーデマンさんの息がぴったりで、すごく素敵でした。
フリーデマンさんのデグリュー、良いですね!元神学生が、愛に溺れている様子がとてもよく出ていて、すごく良かった!

●アレポ
音楽: ユーグ・ル・バル
振付: モーリス・ベジャール
出演: ミハイル・ソスノフスキー(ウイーン国立バレエ団ソリスト)

ベジャールらしい作品と衣装ですが、抜粋のためとっても短かったのがちと残念。

特筆すべきはミハイルさん。存在感が圧倒的!
ソリストで、ここまで存在感があるダンサーがいるなんて、ウイーン、侮りがたし。


●「ラ・シルフィード」第2幕より
音楽: ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファー
振付: ピエール・ラコット(タリオーニ版に基づく)
出演: ニーナ・ポラコワ(ウイーン国立バレエ団プリンシパル)
     木本全優( 〃 準ソリスト)、東京バレエ団

木本さんはウイーンにいる若い日本人ダンサーで、色でたとえるならまさに萌黄色。
もちろん、まだまだ感はあるけれど、頑張っていましたよ!

●「白鳥の湖」より“黒鳥のPDD”
音楽: P.I.チャイコフスキー
振付: マリウス・プティパ、ルドルフ・ヌレエフ
出演: リュドミラ・コノヴァロワ(ウイーン国立バレエ団プリンシパル)
     ドミトリー・グダノフ(ボリショイ・バレエ団プリンシパル)
     ミハイル・ソスノフスキー(ウイーン国立バレエ団ソリスト)

ミハイルさんのロットバルトの存在感がすごい。不敵な笑みとニヒルな態度。
素敵すぎ。もう既にそれしか覚えてない(笑)。

●ファンシー・グッズ
音楽: サラ・ヴォーン
振付: マルコ・ゲッケ
出演: フリーデマン・フォーゲル、東京バレエ団

可愛い!!!
Jazzyで軽妙な音楽と、フレクシア・ピンクの大きな羽飾りのついた巨大扇(ミュージカル「シカゴ」に出てくるようなやつ)が楽しい。
フリーデマンさんは、古典のロマンチックな役柄やドラマチックな役柄も合うけれど、こういう少しエスプリのある現代作品も良く似合いますよね。

パンフレットによると、シュツットガルトの常任振付家のゲッケが、フリーデマンさんのために振付けた作品で、音楽はジャズ・ボーカルの女王サラ・ヴォーンの「ハイ・フライ」と「ウェイヴ」だそうです。・・・ただ、若干、長いと思いました。もう少しコンパクトにまとめて、「もう少し見たい」くらいの方がいんじゃないかな。

●「オネーギン」より第3幕のPDD
音楽: P.I.チャイコフスキー
振付: ジョン・クランコ
出演: マリア・アイシュヴァルト(シュツットガルト・バレエ団プリンシパル)
    マニュエル・ルグリ

圧巻ですな。何もいうことはありません。ルグリはもちろん、アイシュヴァルトさんも素晴らしかったです。
タチアナは、やっぱりシュツットガルトの女優ダンサーが上手だなあ、と思う次第。

More
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-16 10:58 | バレエ(座長公演)
マクミランの「ロミオとジュリエット」(全3幕)
2011年6月26日(日曜)午後2時~ @新国立劇場

振付: ケネス・マクミラン
作曲: セルゲイ・プロコフィエフ

指揮: 大井剛史
管弦楽: 東京フィルハーモニー管弦楽団

【出演】
ジュリエット: リアン・ベンジャミン(英国ロイヤルバレエ)
ロミオ: セザール・モラレス(英国バーミンガムロイヤルバレエ)
マキューシオ: 福田圭吾
ティボルト: 輪島拓也
ベンヴォーリオ: 菅野英男
パリス: 厚地康雄
キャピレット卿: 森田健太郎
キャピレット夫人: 湯川麻美子
乳母: 遠藤睦子
ロザライン: 川村真樹
大公: 内藤博
ロレンス神父: 石井四郎
モンタギュー卿: 小笠原一真
モンタギュー夫人: 千歳美香子
マンドリン・ソリスト: グレゴリー・バリノフ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうでもいいことですが、私達夫婦の席の近くにビントレー氏(新国立劇場のバレエの芸術監督)発見。そういえば、ビントレー氏のトークショー(?)みたいなのがあったよなあ、今日だったのかなあ、とか思いつつたまに拍手の様子を盗み見。

指揮者が、若く活躍が期待されている日本人の大井さんだったからか、いつもより指揮者に対する拍手が大きかったような気がする。踊りに合った良い指揮だったと思うので、今後も頑張って欲しいです。

劇場側に文句垂れたいのは、配布物。配役表は日本語・英語で併記してあるんだけど、幕と場面の説明(それぞれ簡単に荒筋が書いてある)は英文しかない。なんなの、この意味不明のアンバランスさ。用意するならどっちもちゃんと用意すればいいのに。

さて、この舞台、舞台美術と衣装について疑問符がつくところが何点か。
まず、第1幕第1場の市場のシーン。なんであんなに空中にも地面にも鳥かごが大量に置かれているの?市場だったらもっといろんな物売りとかお店があってもよいのに。なに、鳥かごって!?
第2幕での市場のシーンでは、鳥かごは全部消えてたけど、物売りやお店は全くないの。これはつまらないわね。既存の知識がないと、「ここは市場」とは思えないと思うわよ。は~
ちなみに、第1幕第1場の冒頭、あまりに暗くて「節電!?」と思っちゃいました。

次に衣装。この舞台、バーミンガム・ロイヤルから衣装を借りてるんだけど、本当にちゃんと一式そろえて貸して頂けたのかしらん?
モンタギュー卿のマントは足首まである長さなのに、キャピレット卿だけでなくヴェローナ大公のマントが膝丈というのは、明らかにアンバランス。マント3枚のうち2枚が膝丈、残り1枚が足首までの丈なら、足首までの長さのものが大公用じゃない???威厳に欠ける大公の衣装でした。

第2幕のマンドリンダンスの方々の衣装は一体なに?! 色の入ったビーズ(?)でできた無数の紐のようなものがぶら下がった着ぐるみなんだけど、「猿の惑星」かと思ったよ! 回転するとビーズ紐が地面と平行に浮き上がるので、そろうと一瞬キレイなんだけど、終わると「虹色の毛をもつ猿の集団」にしか見えない・・・。

ジュリエットを踊ったリアン・ベンジャミンさんは、小柄で華奢ながら、細く長い手足と均整のとれたスタイルをもったダンサーです。旦那は好みじゃなかったようですが、細部はがさつなところがありつつも、おてんばで好奇心旺盛なジュリエットを好演していたと思います。特に可愛いなあ、と思ったのは、第1幕で大人達がダンスしているボールルームに入ってきたときのジュリエット。大人の仲間入りをするときの、おもはゆいような高揚感がすごく出ていました。
ただ、このとき残念だったのは、マンドリンの音に遅れてしまったことです。ジュリエットが弾いてるはずのマンドリンの音が、オケで鳴り始めてから椅子に向かってしまい、明らかにタイミングが遅れてしまいました(もちろん、そんなことおくびにも出さずに優雅に移動していましたが。さすがベテラン!)。

ロミオ役のモラレスさんは、この役が良く似合っていました。技術も高いです。キャピレット家の前で、ロミオ、マキューシオ、ベンヴォリオの3人がそろって連続したステップを踏んで踊る場面は、とっても難しくて、多くの場合、中央のロミオが姿勢も含めて一番上手で(当然ですが、ここでは残酷なほど浮き彫りになります)、マキューシオとベンヴォリオのどちらかが遅れちゃう、というのが世の常ですが、今回もそうでした。見ながら、本当にモラレスさんは上手だなあ~と思いましたことよ。超絶技巧のある舞台も見たいですねえ。

ティボルトの輪島さんは、意地悪でねちっこい嫌な野郎を好演。キャピレット卿の森田さんは相変わらずちょっとギャグっちく、キャピレット夫人の湯川さんは「極妻」な雰囲気でようございました。彼女にどなたか「極妻」系の踊りを振付けて下さらないかしらね。とても似合うと思います。

娼婦の踊りは、猥雑さがちょっと足りないかなと思いました。日本人はこういうところが実はちょっと苦手ですよね。お行儀悪い感じがあまり出ないというか(いんだか悪いんだか)。

舞台によっては存在感の薄いパリスですが、今回の舞台では、キャピレット家のパーティーで玄関前でお出迎えをする場面にも、お開きでお客様をお送りする場面にも出てきて、ちょこちょこと存在をアピールしていました。こういう細かい演出があるとちょっと嬉しいです。

ジュリエットのショールの色は水色に灰色が加わったような色で、3回忌の法事に来ていく色無地にちょうどよいような色味。この少女の悲劇にあうのは、薄い中にもこのような少し「陰」のイメージがある色だと思います。

ジュリエットが寝室を抜け出しロレンスのところに急いでいくとき、舞台の奥に設置したカーテンの向こう側を下手から上手に走らせていました。ショールをなびかせて走っていくジュリエットのシルエットが、カーテンにくっきりと浮かび上がり、不幸に向かって歯車が動き出したにもかかわらず、それに気付かず、まっしぐらに「救い」と思うところに走っていく悲劇が示されているようで、印象的でした。

第3幕第4場のキャピレット家のfamily crypt(一族の墓地というか地下の埋葬のためのお堂みたいなところ)には、3つの遺体が並んでいて、ジュリエットは中央に寝かされています。ロミオは葬儀の列にまぎれて入ってきて、下手側の安置台の影に隠れています。
通常はジュリエットだけが安置されていて、しかもロミオはどうやったんだか葬儀の後にスムーズに走り込んでくる、という流れが多いと思います。それに比べると、ジュリエット以外の遺体があることも、安置台の影に隠れることも、リアリティがあるとは思います。けど、微妙に怖かったのでした・・・。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-15 22:42 | バレエ(新国立劇場)
韓流って、私は全く興味が無くてデスネ、スターもアイドルも殆ど知らないのですが。

韓流アイドルの「少女時代」とか「SHINee」とかいうグループの振付を、NYC在住の日本人振付師が行っているとのニュースがmsnで掲載されたのですが(下のURL)、その中にその振付師さん自身のダンスが動画でアップされています!
http://topics.jp.msn.com/otoko_blog/other/article.aspx?articleid=635319

これがねえ、ニュースの標題どおり、文字通りキレキレ。

ダンスって、振付どおり正確に体を動かすだけじゃ足りない。
技術に裏打ちされた正確なムーブメントに、緩急とかアクセントを、適切に、そしてかっこよく付けて初めて、完成度が高くなるということが良く分かります。
そして、上手な方になればなるほど、身体に無駄な力が全く入っていない、ということも。

よいもの見せて頂きました。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-12 11:32
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2011年日本公演
2011年5月29日(日)午後3時~ @東京文化会館

●「ダフニスとクロエ」
音楽: ラヴェル
振付: アシュトン

指揮: フィリップ・エリス
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

【出演】
クロエ(羊飼い): ナターシャ・オートレッド
ダフニス(山羊飼い): ジェイミー・ボンド
リュカイオン(都会から来た人妻): アンブラ・ヴァッロ
ドルコン(牧夫): マシュー・ローレンス
ブリュアクシス(海賊の首領): アレクサンダー・キャンベル
パンの神: トム・ロジャース
ニンフたち: ヴィクトリア・マール、ジェンナ・ロバーツ、アンドレア・トレディニック

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは好き嫌いが分かれる演目だと思いました。アシュトンの振付が苦手でなくとも、この振付は好みじゃないと思われる方もいらっしゃるだろうし、特定の時代設定を嫌ったためか(?)人間達の衣装のみ中途半端に都会的・現代的になってるところも、違和感を感じる人がいらっしゃるのではないかと。ギリシャ時代の衣装にしろとは言いませんが、衣装を都会的・現代風にしたのならば「羊飼い」「山羊飼い」等の設定もいっそ変えた方が、しっくり行くような気が・・・

全くこの作品とは関係ないけど、私は、昨年このブログのコメント欄で、「牧神の午後」を端緒として、下半身のモコモコを始めとした「パン」(牧神)の話題で盛り上がって以降、パン=面白い(ギャグ的側面がある)、というのが頭に刷り込まれてしまっているのですよね。
そのため、パンが出てくると、なんか笑っちゃうんですわ。この演目では、パンが恋人達を救うのだけど、「わー、パンなんかに救われてるよ、あの人達」などと思わず感じてしまうのでした。あらら~。

●「真夏の夜の夢」
音楽: メンデルスゾーン
振付: アシュトン

指揮: ポール・マーフィー
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

【出演】
オベロン: セザール・モラレス
タイターニア: 吉田都
インドからさらってきた男の子: 小林巧(東京バレエ団)
パック: アレクサンダー・キャンベル
ボトム: ロバート・パーカー
ハーミア: アンドレア・トレディニック
ライサンダー: トム・ロジャース
ヘレナ: キャロル=アン・ミラー
デミトリアス: マシュー・ローレンス

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この演目についても、佐久間さんではなく、都さんがゲスト出演する日を選んでしまいました。。。本当に佐久間さんには申し訳ないというか・・・彼女の舞台も観たかっただけに残念な気持ちはあるんですけど、やっぱり都さんには代えられなかったわ~

都さんのタイターニアは、理想的な軸と端正な姿勢が美しかったです。が、私が観たこれまでのタイターニアと比較すると、もう少し華やかさとコミカルなところが欲しいとも思いました。ただ、都さんの舞台というだけで、実は満足だったりします。

モラレスさんは、チリ出身のラテン系のダンサーで私は好きなタイプです。が、この舞台の翌月(6月)の新国立の「ロミオとジュリエット」のロミオ役で拝見しているから余計にそう思うのかもしれませんが、オベロン役よりも、激情型とまでいかなくとも、感情の上下がある役柄の方がぐっと魅力が引き立つ方だろうな、と思う次第です。

ところで、シェイクスピアの戯曲「真夏の夜の夢」のために作曲された、メンデルスゾーンの管弦楽「真夏の夜の夢」に対し、最初にバレエを振付けたのはプティパで、初演はサンプトブルグで1877年。フォーキン版が1906年、NYCバレエ初演のバランシン版が1962年で、いずれもアシュトン版よりも古いけど、少なくとも日本では、アシュトン版(英語での表記はThe Dream)が一番有名だし、上演回数も多いと思う。

アシュトン版の「真夏の世の夢」の初演(1964年)はもちろん英国ロイヤルバレエだし、そもそもシェイクスピアってことでイギリス色が強い。だから、「真夏の夜の夢」といえばイギリスのカンパニーこそが本家本元という印象なんですけど。でも、翻って考えてみれば、「真夏の世の夢」って基本的にコメディなんですよね。このコメディの部分を上手にやれるのは、アメリカのカンパニーだと思う。

たとえば、DVDでしか観てないけど、ABTの公演では、イーサン・スティーフェルのオベロン役は怪演といってよいし、パックは最高の技術とエンターテイメント性をもったザ・キャラクターダンサーのエルマン様で、これ以上のパックは見たことがない。また、バランシン版だったけど、ペンシルベニアバレエ団の舞台を観に行ったときは、その「笑いを取ろうとする姿勢」に舌を巻きました(こちら)。

ほかの国では、「そこまでやったら恥ずかしい」というところまで、アメリカのカンパニーはやってくれるから見てる側は本当に嬉しくなっちゃう。もちろん、この点を捉えて、下品とまではいかなくても「けれん味があり過ぎる」と感じるバレエファンもいらっしゃるでしょうけど・・・。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-06 11:55 | バレエ(英国ロイヤル)
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 2011年日本公演
「眠れる森の美女」(プロローグ付全3幕)
2011年5月22日(日)午後1時30分~ @東京文化会館

音楽: チャイコフスキー
振付: プティパ
演出: ピーター・ライト

指揮: ポール・マーフィー
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

【出演】
オーロラ姫: タマラ・ロホ
フロリムンド王子: イアン・マッケイ
カラボス: マリオン・テイト
リラの精: アンドレア・トレディニック

美しさの精: ナターシャ・オートレッド
誇らしさの精: アランチャ・バゼルカ
謙虚さの精: レティシア・ロ・サルド
歌の精: ジャオ・レイ
激しさの精: キャロル=アン・ミラー
喜びの精: セリーヌ・ギッテンス

長靴をはいた猫と白い猫: ロバート・グラヴノー、カリー・ロバーツ
青い鳥とフロリナ王女: ジョセウ・ケイリー、ナターシャ・オートレッド
赤ずきんと狼: ジャオ・レイ、ヴァレンティン・オロヴィヤンニコフ

協力:東京バレエ団

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「眠れる森の美女」って、あらゆる意味で、てんこ盛り(過ぎる)演目だけど、たまに見ると楽しいですよね。

ロホさんのオーロラの舞台を観るのは、2008年の英国ロイヤル(記事はこちら)に続いて2回目ですが、前回のときの方がさらに調子が良かったような印象ですね。いや、もちろん今回も調子が悪いわけではなく、回転なんか目にも止まらぬ速さでかつ正確にくるくる・くるくる・くるくる回ってらっしゃいましたが。回転については、今、右に出る者はいないのではなかろうか、恐るべし。

ロホさんが、当初想像していたよりもオーロラが似合うという事実は、前回も思い至ったことなんですが、鑑賞者ってどんどん欲深くなるんですねえ。オーロラ以外のロホさんが見たい(笑)。昨年ロンドンのロイヤルが来日したときは、日程上、ロホさんの舞台は一度も観られなかったので・・・。特に、悪女を観たいなあ。

観たいといえば、今回、バーミンガムを代表するカップルである、佐久間奈緒さんとツァオ・チーさんの公演についても、本当はとっても観たかった。ロホさんはあくまでゲストですから、ザ・バーミンガム!は佐久間さんの舞台だと思うんですよね。。。仮にロホさんの舞台よりもグレードが下がったとしても(←もちろん、そうなるかどうかは不明だけど!)、やはり観てみたかった。しかし、日程の都合がついたとしても、2日連続で眠り・・・はお腹いっぱいできついなあ。

カラボスとリラの精が、いずれもロングドレスでした。カラボスが黒を、リラの精が薄紫をそれぞれ基調とした色使いで、微妙なデザイン違い。年齢の設定も、ほぼ同様に見えます(カラボスがおばあさん、というわけではなく、むしろ女盛りで、しかも美女)。これが面白かったですね。分かり易い善と悪というか、表裏というか、陰陽というか。私はこういう類の、本当は2つで1つなんだけど半分に分かれて出てきちゃいました、的なものが何故だかとても好きです。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-04 18:31 | バレエ(英国ロイヤル)