もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

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関係ないけど、フジの放送で流れてたカップヌードルのCM、「好きだも~ん♪」と歌うフレディが素敵過ぎます。
往年のQueenファンとしては、新しい技術によって、おちゃらけでもフレディの歌声が聴けるのは、それだけで嬉しい。

女子も2回に分けて書きますが、男子のように完全にSPとFPという分け方ではなく、選手によってはSPとFPをまとめて書いてます。

●安藤さん
SPは映画「ミッション」より「ガブリエルのオーボエ」。ヨーヨーマがチェロで弾いてるやつのようですね。

このSPの安藤さんのパフォーマンスに情感感じられない人がいたら、ずばり、不感症でしょう(笑)。
素晴らしい、の一言です。

またね、この楽曲と衣装が、安藤さんの情感こもったパフォーマンスをより観客に伝える大きな力になってる。
シーズン途中での変更でしたが、完全に良い結果を生みましたね。

私、映画「ミッション」を観ていないことも関係して、この楽曲を聴くと、反射的にサラ・ブライトマンの「ネッラ・ファンタジア」が頭に浮かぶのです。
でね、サラの声って、キラキラしているじゃないですか。音なんだけど、光がちりばめられているような、細かく発光する声でしょ。

安藤さんのSPの新しい衣装、GPFの演技前に見たときは装飾がtoo muchかな、と思ったのです。
しかし、音楽が鳴って滑り出すと、反射的に私の脳裏にサラの声が浮かんできて・・・サラのキラキラ声と安藤さんの衣装のキラキラ具合は、驚くほどぴったりマッチング。いや、もちろんヨーヨーマの音も素晴らしいですが(笑)。
いやいや、こんなこともあるのですね。

とりわけ今回の四大陸でのパフォーマンスは、素晴らしく音楽を自分のものにしていました。パフォーマンスの後ろにあんなにキラキラが見えた安藤さんは初めて見ました。
以前の楽曲(ブロークンソロー)がとても難しかったので、それと比べると音楽の難易度は下がるかもしれませんが、このネッラ・ファンタジアも決して簡単な楽曲じゃないですよね。それを聴きこみ、滑り込み、身体と心になじませているようにお見受けしました。
体調が悪くてどう演技したか覚えてないそうですが、そんな状態であそこまでのパフォーマンスが出来たということは、そのなじみようがとっても高度ってことだと思います。

どんな種類でも踊りを習ったことのある人には経験があると思いますが、傍目から見ると難しく見えないのに、実際に踊るとなるとどうもスムーズに行かない部分とか、動作の連結がうまくいかない部分ってあるじゃないですか。
この安藤さんのSP、かなりそういうところがありそうな気がするんですよ。勝手な想像ですが。
それをあそこまで振付を感じさせず情感を感じさせるところまで持ってきているのは、すごいことです。

長くなっちゃったので、FPについては次回。

●フラットさん
SPの楽曲、衣装、振付、全て変えたのですね。

新しいSP楽曲は「エデンの東」。
彼女には、やっぱり古き良き時代のアメリカが良く似合う(笑)。外さないなあ~

衣装は鮮やかなカナリア・イエロー。
カナリア・イエローって、ヴィンテージのイブニングドレスでいくつか実際に見かけたことがあるんですけど、人を選ぶ色だな~という印象を持ってます。フラットさんには良く似合っていたと思います。

GPFで非常に調子が悪くテレビの前で心配していたのですが、今回の身体の動きの素晴らしさはどうでしょう!
彼女は、知的なせいか、妙にマチュアな雰囲気を感じるのですけど、まだ18歳なのですよね。
初めてフラットさんの若さを真正面から見せられたようなパフォーマンスだと思いました。

●ファヌフさん
SPは、モスグリーンに明るいキラキラピンクに変更。
・・・私にはよく理解できませんでした。

FPもそうなんですけど、ファヌフさんって衣装に恵まれない人だな~という印象です。
確かにフリルが重なったようなボリュームのあるミニは身体とのバランスが悪いと思うのですけど、彼女がいつも着ているような「テニススカート」もどきのミニは、彼女のパフォーマンスにプラスになっているとは思えないぞ。
ボリュームはなくても、少し長めの方がよいのでは?と思いますが、どうなんでしょう???

なんかいつも衣装のことばっかり目に付いて、パフォーマンスの感想がなくなってしまうなあ・・・。

●シズニーさん
彼女の、華がありながらも、はかない柔らかな雰囲気は、得がたいものだと思いますね。
SPもFPも、彼女の雰囲気にぴったりな楽曲と衣装を選んでいます。

私は、とりわけFPの楽曲(winter into spring)とパフォーマンスが好きです。
彼女の向こう側に、北米の早春のmeadow(完全な牧草地ではなく、沼地もあってところどころ木もあるみたいなイメージ。)が見えるようで、彼女がmeadowを優しく吹き抜けながら舞う風のようです。

これは彼女のスピンが極上、というだけではなく、やっぱり彼女の雰囲気のおかげでしょうね。

彼女のあの雰囲気は、花が咲き誇る真っ只中の春ではなく、ましてや照りつける太陽のある夏でもなく、にぎやかな収穫を祝う秋でもなく、きーんと冷えきった冬では決してない。
まさに、冬から春への揺らぎの季節、春の息吹がうっすらと感じらてきたのだけどまだまだ寒くて、でも冬の厳しさは確かになくなってきている、そんな早春の雰囲気。色はもちろんパステル、でももっとpale、みたいな。

ところで、特にSPの衣装の時に目立つのですが、彼女、肩と肩甲骨がそんなに柔らかくなくて稼動域が狭めなのですよね。実は。
でも、それが全く目立たないのは、その他の部分(特に腰や背中)が物理的に硬くないことと、彼女のムーブメントがかもし出す、淡く柔らかで詩的な情感が勝ってるせいだと思いますね。

彼女の長所を存分に生かしきってる彼女自身と、その陣営は、天晴れだと思います。

●未来ちゃん
気合入っていましたね。世界選手権にもれたことが本当に悔しいのですね。
しかし、あれだけ層が厚いUSで、世界選手権の代表が2人とは・・・厳しい。

GPシリーズの後半で、背中か腰かやっちゃったか?と心配した動きがあったのですが、今回はそんな心配はなく、いつもと同じかそれ以上に素晴らしい柔軟性と安定した演技でした。

FPの「勝気」が見えたようなパフォーマンス、実はSAYURIの主人公と合致していると思います(笑)。
あの時代の舞妓・芸妓さんは、絶対に、勝気なところがないとやってけませんて。

私は、やっぱり未来ちゃんのパフォーマンスが好きだし、何よりポテンシャルを感じます。
世界選手権は残念ですが、怪我なく来季を迎えて欲しいです。

●鈴木さん
SPは見てる方も気持ちよかったんですけど、FPはちとつらかったな。
あっこ姉さんの良いところが出てなかった・・・。残念です。

でも、皆さんご存知の通り、私は彼女の踊りが大好きなので、現役を続行してくださることに感謝です。
彼女の踊り心を知っているだけに、来季も彼女のパフォーマンスが見られることが嬉しいです。
どうぞ怪我なく体調良くお過ごしになりますように。

●真央ちゃん
SPの衣装、また変えたのですね。これは賛否両論あるでしょうね(笑)。

今回、私が彼女の演技を見る前に心配していたことは、以前に書いた下半身の不安定さ、ということでした。
あのとき、皆さんからそこんとこもう少し詳しく、と言われながら忘年会で書けなかったのでここで書いちゃいますね。

下半身の不安定さ、という点で最も私が注目していたのは、「ひざの緩み」です。
これは、思春期にレオタードを着るような踊りのお教室に通っていた方は、ご覧になった経験があるかもしれません。
横に太らず急に身長だけが伸びたような人や、急激にダイエットをしたような人について、踊りの際に「ひざの緩み」が気にかかることがあるんですよね。
私自身のことは分かりませんが、少なくとも友人には何人かいました。

この手の「ひざの緩み」って独特なんですよね。
振付には、ピンとひざを伸ばす動作のほか、ひざが緩んでいる動作だって、もちろんある。だけど、ここでいう「ひざの緩み」というのは、振付やそのための動作と関係なく表れるものです。

この「ひざの緩み」、客観的に科学的にどうなっているのかは今もって私も分かりません。
想像するに、筋肉や脂肪のつき方が以前とは急激に変わってしまって、重心の取り方や力の入れ所が変わってしまっているのに、それに本人がついていけていない、ということなのかな~と。
もちろん、脚以外の部分についても同じことは起こっているんでしょうけども、脚が一番身体を支えるので目立つし、中でもひざは最も目立つ部位なんですわ。

で、私、この手の「ひざの緩み」をフランス杯の真央ちゃんの演技途中で感じたんですよ。
さらには、この手のひざの緩みがあるときには誰でもそうなるのですが(おそらく重心がうまく取れないことや、力をちゃんと入れられないことと関係している)、スピードやキレの減少や、動作の微妙な緩慢さ、のようなものも見受けられたのですよ。そしてこれは、性質上、より下半身に顕著に見受けられる。

そのため、真央ちゃんやせたし体調悪いのかな~と思ったりしながらも、それを「下半身の不安定さ」という言葉で表したのでした。

で、今回の四大陸を、この点がどうなっているかな~と思いながら拝見した次第。
SPの衣装が、真央ちゃんの身体の華奢さを強調していたので、「あ、まだこんなに細いんだ」と心配したのですけど・・・・私が感じていたひざの緩みは、ほぼ消失していました!
ゼロじゃないんだけど、全く気にならないです。

コメント下さる方からの情報によると、昨年中、身体をかなり変えていて、やせたけれども筋肉量がすごく増えたこと、重心の取り方を佐藤コーチに言われて改善していたということでしたので、その経過で表れていた事象だったのだと想像しています。

いやいや、ぶっちゃけると、頻度としては「ひざの緩み」は過激なダイエットが引き起こすことが多く、そのダイエットの奥には実は精神的なものがあることから、それを心配していたのでした。
良かったです。。。本当に・・・良かった。

さて、SPのパフォーマンスとしては、どんどん良くなってますね。スピード感や力強さが、倍増している。
もちろんこの楽曲の世界観を表すところまでには至っていませんが、ところどころに置かれているアクセントとなる振付をちゃんと「アクセントとして」こなそうとしている意気込みも感じられる。
全然まだ弱いけれど、彼女のことですから、世界選手権までにはこれらについても磨きをかけてくるでしょう。

FPについては次回。
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by koharu-annex | 2011-02-20 23:56 | 2010-2011 フィギュアスケート

四大陸選手権 男子FP

確定申告の準備が終わりました!

2月に終わったのは、私の生涯において初めて。(税理士さんに頼めよって話なんですけどね・・・。)
実は3月に、仕事では苦手な講演が再び入っており(また落ち込むんだろうな・・・)、プライベートでは、家の引越しと、とある女性社長のお誕生会(喜寿!)のためのコンテンツ制作&事務方を控えてることから、ちょっとやる気を出してみました。

●小塚さん
大きく伸びのある動きをすることや、メリハリをつけて動くよう意識して頑張っているようにお見受けしました。

結果は残念でしたが、私が観てきた彼は、ジャンプの調子が悪かったり失敗が続くと、硬直するのか、表現の部分がすごく小さくなってしまっていたのですが、今回はそれが改善されていたように見えました。
あと、以前、硬いと指摘した肩の動きがね、少し緩みがでてきているような感じがして、そこも良かったな。

●レイノルズさん
ヨハン・シュトラウスはいわずと知れたウインナ・ワルツの作曲家ですから、このシュトラウス・メドレーのキーは、「陽気にくるくる」です。
レイノルズさんにボール・ルームが似合うような貴族的な雰囲気はありませんが、この「陽気にくるくる」は、まさにぴったりです。
が、ジャンプの調子が悪かった部分では、シュトラウスの能天気すぎる音楽が、ちとつらく響くことがありましたね。

●アボット君
今シーズン、彼を観るのも今回が最後なのでしょうか。
今季のアボット君の演目は、どちらも本当に好きだったので寂しいですね。

覚えて下さっていた方もいらっしゃったけど、このFPの演目「ライフ・イズ・ビューティフル」は、今シーズンが始まる前に、私が信ちゃんに推薦していた演目でした。
アボット君のグイド(←ライフ・イズ・ビューティフルの主人公の名前)が、強い印象を残したことから、信ちゃんが近い将来この演目を選択する可能性はゼロになったでしょう。

私は、今でもこの演目は信ちゃんに合うと思っているので、可能性がゼロになったことは、残念な気がしないでもないです、正直。
それでも、アボット君の素晴らしいグイドを見られたことは、鑑賞者として実に嬉しいことでした。

グイドの、根も明るくて社会の中でも道化役を引き受ける人柄という要素は、アボット君にはないし、そこはパフォーマンスでも出していない。
けれども、グイドの、うまくいかないことが多い人生で哀しみを感じることも多いのだけど、決してヤケを起こさず、健気に対策を立て誠実に人生を生きていくという要素は、アボット君も共通してもっていて、そこはパフォーマンスに非常に印象的に出ていました。

大ヒット映画だから多くの人がご覧になったと思いますが、アボット君のパフォーマンスを見ていると、映画を観たときに感じた切なさを思い出します。
そして、ラストでは、「アボット君に多くの幸あれ」と願わずにはいられないのでした。

●アーミン君
SPはフジが放送してくれず、TVで見られなかったのが残念でした。

アバターの不思議な音楽は、エキゾチックな彼のルックスに似合ってますよね。
今回は、以前拝見したときよりも、肩に力が入っていたように感じました。そのせいか、腕の動きも前に比べると、若干悪い感じが・・・。

●羽生さん
今シーズン最期ですか。ジョニーさんデザインのこの衣装を見るのもこれが最後と思うと、これまたちょっと寂しい気がしますね。

綺麗な四回転でしたね~

が、途中いくつかジャンプをミスしてしまい音楽に遅れた箇所があったこと、そのせいか振付が抜けたり、ムーブメントを流さざるを得ない部分があったこと、等々については、パフォーマンスとしては残念でした。
今シーズン、ずっと課題だった体力、SPでは配分することでこなしましたが、FPではもちませんでしたね。
リンクを上がったからおりた途端に発言された、「しんどかった」というコメントはまさに本音でしょう。

・・・でも、最後だから言ってもいいですかね。
これまで心の中で思いながら、敢えて言わなかったことなんですけど。(理由は、絶対に点数に反映されるべきではないから。)
あの体力がもたなくて、ヨロヨロと、破れかぶれっぽくなっていくところ、あれはある種の「美」なんですよ、間違いなく。特に、羽生さんのルックスと年齢においてはね、美しさ倍増です。

●高橋さん
4回転を失敗した際の彼の悔しそうな顔に、「いける!」と確信したワタクシでございました。

堂に入った情感たっぷりのムーブメント、何度も同じこと書いて恐縮ですが、他の追随を許さないレベルだと思います。
彼ほど踊り心がある人が、あそこまで踊ってくれると、本当に気持ち良いですよね。

表現の地力が他と圧倒的に違いますので、彼ほど安心して観ていられるスケーターは、ほかにいないでしょう。
私なんぞが指摘すべきところは何もありません。
黙って観てれば良い、私が知るフィギュアスケーターの中で、唯一、そういう存在です。

●リッポンさん
ジャンプの調子が悪いためか、乗り切れないまま終わってしまった印象です。
彼の雰囲気にとても合う楽曲で、他の楽曲よりも乗りやすいはずだとは思うのですが、ジャンプの調子というのはそういうレベルの話を軽々と乗り越えてしまうほどのことなのでしょうね。
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by koharu-annex | 2011-02-20 01:06 | 2010-2011 フィギュアスケート

四大陸選手権 男子SP

四大陸選手権の男子SP、今夜のフジテレビの放送を観ました。
久しぶりに録画ではないフィギュアスケートを観たので、雑感をば。

●アボット君
若干調子が悪くて、自分の身体をコントロール仕切れなかったのが残念でした。
が、それでも私はこのSPをすべるアボット君、やっぱり好きですね。
アメリカでの評価が今ひとつらしい・・・というコメントも頂いたけれども(これはかなり意外だった!)、それでも私は何度も書くよ。私は好きです。ええ。

今期のアボット君は大化けしたけれども、彼の腕の動きに詩的なものすら感じるのは、このSPの振付があってこそ、という面はあると思う。
ナハロさん、おそるべし。

「ナハロさんがフラメンコダンサーだから、こうなるんだよね~」と思ってたら、久しぶりにフラメンコを観たくなりましたよ。
今週末、オーチャードで、「マリア・パヘス舞踊団」が「ミラーダ」(世界初演)を公演するんだけど、用事が入ってて無理なんですよね。
フラメンコ好きの旦那も、私経由じゃなく(!)この公演のこと嗅ぎ付けて、行きたいとわめいていたんだけど、彼は彼で用事があり・・・結局夫婦そろって行けないのでした。
残念。

●リッポンさん
ヘアスタイルと衣装、変えたんですね。
いろいろ意見は分かれそうだけど、私はどっちも好きですよよ。くりくり頭も好きだったけど、今のも嫌いじゃないっす。
バレエの「ロミオ」よりもゴテゴテとした衣装も好きです。彼には似合ってるしね。

●レイノルズさん
ここまで調子が悪いと、音楽と表現が全く離れちゃうわ、もともとの色の白さが妙に青白く見えるわ、逆にほっぺは真っ赤になってくるわで、なんかかわいそうになってしまいました・・・。
私は彼の身軽さがとても好きですが、その身軽さが災いして失敗が失敗を呼んでいるようで、残念でした。

それはそうと、レイノルズさんって私の中の誰かのイメージだよなあと思っていたのですが、はたと「トムソーヤ」だと気づきました。
いや、もちろん、トムソーヤはもっと陽に焼けててると思いますけどね。
身軽でいたずらっ子で、おっちょこちょいのイメージが、なんとなくちょっと重なるの。
あと、見かけをあんまり気にしてなさそうなところとか。
下級貴族イメージのチャンさんに比べて、庶民のイメージがあるからかしらね。

●高橋さん
素晴らしい身体のコントロール力でしたね。
もちろん、コントロールに重点を置いている感じで、踊り的にはじけ切った感じはなかったけど、今まで若干(お疲れ気味ゆえに?)技術が荒れ気味だったことを考えると、当然のことでしょう。

彼は踊りもうまいけれども、音楽性も図抜けてますよね。
今回は踊りを押さえ気味にしていただけに、この音楽性がむしろ強調された感じでした。

あとねえ、私、彼の楽しそうにすべる表情が好きだな。
この人、スケートや踊りが本当に好きなんだな~、と素直に思えることって、思いのほか観客を幸せにする要素だと思う。
もちろん、演技で表情を作っている部分もあるのでしょうけど、それだけじゃないとちゃんと思わせるところがグレートだな、とも思います。

●小塚さん
ジャンプの調子が悪くて失敗が目立っちゃったけど、身体をぐーんと伸ばそうと意識していることは分かったし、実際、前半では良く伸びていました。

ただ、前も言ったと思うんですけど、このSP、振付と音楽の親和性がところどころ良くないんですよね・・・。
小塚さんの調子が悪くなると、この親和性の良くない部分が、前に出てきちゃう。

あと、「前にうつむいてダダダダダと足踏み」、という部分があるじゃないですか。あれは、調子が良いときは、小休止的なアクセントになるけれども(とはいえ私は個人的には好きじゃない振付だが)、調子が悪いときは、むしろイタイ動きになってしまう。
かわいそうな気すらしてしまいました・・・。

●羽生さん
シーズン前半に比べると、体力の分配がうまくいっているようで、安心してみていられました。
以前は、妙にはらはらして観てたのですけどね。
体力が劇的に増強することは考えられませんから、力の配分を考えてコントロールしているのだと思いますが、この調整能力というか、成長ぶりは頼もしいですね。

何度も書くけど、この羽生さんのSPはとっても羽生さんに合ってる。
川井さんのアレンジも秀逸だけど、今の彼の年齢ゆえのはかない美しさと、音楽が見事に調和してて、素晴らしいと思います。
全ての年長者が知っているように、彼の、いくつもの小さな鈴がしゃりんと音を立てるような、あの美しさは、将来必ず消えてなくなってしまうものです。
彼のあの華奢で細く長い首が、あのラインを描くことは、もうあとわずかです。

「あの年齢」を具現化する美を、テレビを通してすらあそこまで見せ付ける人も珍しいと思います。
ゆえに、ワタクシ、羽生さんには、ケガなく元気に来季もテレビ放送される大会に沢山出て欲しい、と切に願っている次第であります。

蛇足ながら、羽生さんのSPの曲(ホワイトレジェンド)が入ってる川井さんのアルバムを購入しました。
が、続けて聴くと飽きる・・・ということを発見しました。
年をとって、クラシックはやっぱクラシックで、という感覚になってしまったのか・・・という考えが頭をよぎり、一瞬、微妙に落ち込みました。
なので、これはあかん、と思って、「羽生さんの踊りをセットで見るからいいんだな。」という方向に無理矢理結論付けて、心を整理しました。すみません・・・川井さん。。。
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by koharu-annex | 2011-02-19 00:03 | 2010-2011 フィギュアスケート
ベルリン国立バレエ団 2011年日本公演
「シンデレラ」 全2幕  2011年1月16日(日)午後3時 @東京文化会館

振付・演出: ウラジミール・マラーホフ
音楽: プロコフィエフ
装置・衣装: ヨルディ・ロイク
【出演】
シンデレラ: ポリーナ・セミオノワ
ゲスト・ダンサー/王子: ミハイル・カニスキン
甘いモノ好きのバレリーナ: ライナー・クレンシュテッター
アル中のバレリーナ: フェデリコ・スパリッタ
元プリマ/仙女: ベアトリス・クノップ
芸術監督: バーバラ・シュローダー
バレエ・マスター: トマス・カールボルグ
衣装デザイナー: エルフィ・グンプレヒト
そのアシスタント: マルツェナ・ソバンスカ
春の妖精: マリア・ジャンボナ
お付きの騎士: アレクサンドル・コルン
夏の妖精: エリサ・カリッロ・カブレラ
お付きの騎士: アルシャク・ガルミヤン
秋の妖精:  ステファニー・グリーンワルド
お付きの騎士: ウラジスラフ・マリノフ
冬の妖精: セブネム・ギュルゼッカー
お付きの騎士: アルトゥール・リル
舞踏会の人々: ヤーナ・バローヴァ、マリア・ボムポウリ、アニッサ・ブリュレ、ソラヤ・ブルノ、
          エロディー・エステーヴ、ヴェロニカ・フロディマ、針山愛美、ヨアンナ・ヤボロンスカ
          エリナー・ヤゴドニク、アナスタシア・クルコワ、ワレリア・マナコワ、
          ニコレッタ・マンニ、ナターリア・ミュノス、クリスティアーネ・ペガド、巣山葵、
          ヴェレーナ・サーム、クセニア・ウィースト

          マルチン・アロヨス、ゲヴォルク・アソヤン、タラス・ビレンコ、ミハエル・ファトゥラ、
          クリスティアン・クレール、マリアン・ラザール、エイメリック・モッセルアンズ、
          アレクセイ・オルレンコ、ハビエ・ペーニャ・バスケス、アレクサンドル・シュパク、
          ディヴィッド・シミック、ウリアン・タオイル、メフメト・ユマク
指揮: ヴェロ・ペーン
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オケの金管・・・頑張ろうか・・。

このマラーホフ版「シンデレラ」は、シンデレラとしては変わったバージョンなのですが、予習していなかった方もいらっしゃったみたいですね。
幕が上がって、ガランとしたバレエのお稽古場があらわれた途端、小さく戸惑う方々の声が聞かれました。

1幕はこのバレエのお稽古場で展開するのだけど、これがつまらない。
マラーホフがやりたいことは分かるのだけど、起伏に欠け、半分ほどしかこちら側に伝わってこない。甘いもの好きのバレリーナも、アル中のバレリーナも、もっと良い演出ができるはず。
これで退屈するなというのが無理な話。
せっかくプロコフィエフの音楽が、細かく展開していく場面に沿って作られているのに、これを生かしきれないのは、全くもって「もったいない」。

その中で、春の妖精のジャンボナさんと、冬の妖精のギュルゼッカーさんの踊りは良くて、観れて嬉しかったな。

2幕で書き留めておきたい点は、時計。
シンデレラの舞台では珍しいことだと思いますが、パーティー会場の時計が、最初から正面に掲げられています。
パーティー開始の時には、その時計は9時を指しています。
舞踏会のシーンの音楽には、12時の魔法が解ける際の大きな「カッコン、カッコン♪」という音だけでなく、それよりもはるか前に2回、地味~に時計の音が仕込まれています。

その地味な時計の音を、マラーホフは2回とも拾って、踊りに小さく反映させるだけでなく、正面の時計の針も1時間ずつ動かしていきます。
観客は12時で魔法が切れることを当然分かっているので、これはちょっとドキドキする(笑)。
シンデレラの能天気な浮かれ具合が気になってくるわけですわね。

まー、それ以外は、このマラーホフ版「シンデレラ」は特筆すべきところがないというか、ぶっちゃけ、改訂の余地、大有りでしょう。
マラーホフは不世出のダンサーの1人であることは確かですが、どんな世界でも、「良い選手が良い監督とは限らない」のと同様、「良いダンサーが良い振付家とは限らない」ってことですわね。

だいたい、この「シンデレラ」は、マラーホフがポリーナのために作った作品ですが、正直、「もうええっちゅーねん」という感じですよ。
ポリーナのこと特別だと思ってるから!ってことしか伝わってこないんだもん。こんなん全幕で見せられても、鼻白んじゃうだけですわ。
ベルリンのダンサー達も、内心、こつまらないと思ってるんじゃないかしら。

ところで、この日は政財界や芸能界の方々が多く観客席にいらしてて、オーディエンスが華やかでした。
マラーホフも観客席に席を用意なさっていて、招待客の皆様とご挨拶なさってましたね。

私の席の近くで、神田うのさんが観劇してらしたのですが、うのさんがインターミッションで席を立たれた際、うのさんが席に置かれていた毛皮のショールを覗き込む方が! (タグのブランドを確認していたように見えましたが真相は不明)
これは・・・マナー違反と言うか、あまりにも下品でしょ。
ほんと、トホホ。
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by koharu-annex | 2011-02-13 00:37 | バレエ(その他)
新国立劇場バレエ公演 「ラ・バヤデール」(牧阿佐美版)
2011年1月15日(土)午後4時~ @新国立劇場

指揮: アレクセイ・バクラン
管弦楽: 東京交響楽団

【出演】
ニキヤ: 小林ひかる
ソロル: デニス・マトヴィエンコ
ガムザッティ: 厚木三杏
ハイ・ブラーミン: 森田健太郎
マグダヴェヤ: 吉本泰久
黄金の神像(ブロンズ・アイドル): 福岡雄大
トロラグヴァ: 貝川鐵夫
ラジャー(王侯): 逸見智彦
ジャンペの踊り: 井倉真未、大和雅美
つぼの踊り: 湯川麻美子
パ・ダクション ブルーチュチュ: 西川貴子、寺島まゆみ、丸尾孝子、本島美和
パ・ダクション ピンクチュチュ: さいとう美帆、高橋有里、西山裕子、米沢唯
アダジオ: マイレン・トレウバエフ、菅野英男
第1ヴァリエーション: 寺島まゆみ
第2ヴァリエーション: 西川貴子
第3ヴァリエーション: 丸尾孝子

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2008年にザハロワさんが主役だった舞台の印象が強く残っています。
ただ、今回調べてみたら2008年の公演レビューを書くのを失念していることが判明したのですが。まあ、よくやるんですけどね、ははは。

今回もシーズンチケットを購入する時点(昨年2月頭)で、ザハロワさんが踊る日を指定していたのですが、なんと昨年9月、ザハロワさんの降板が発表になりました。
もう騒然ですよ。通常、4ヶ月前に降板が発表されるなんてあり得ませんから。昨年1月の白鳥も直前に降板されていたので、慢性的なご病気なのか、それともご懐妊されたのか・・・等々噂が飛び交いました。

が、最終的には後者で、12月にはご結婚相手がヴァイオリニストのレーピンさんだということが明らかになりました。本当に良かったです。彼女の幸せと安産を心からお祈りしています。
出産後復帰なさるご予定らしく、来季の新国のシーズンチケットの案内で、2012年5月「白鳥の湖」キャスト中にザハロワさんが入っていました。楽しみに待っています。

さて、バヤデールは、振付家や演出によっていろんなバージョンがあります。個々のモチーフはほぼ決まっているんですが、順番とか構成が入れ替わったり削除されたりしますし、ラストも違いますね。誰でも分かり易い違いは、ブロンズアイドルの踊りをどこにもってくるか、ということでしょうか。
(ちなみに、ブロンズアイドルは、ロイヤル時代の熊川さんの十八番のひとつでした。映像でしか見たことないけど、これはすごかった!今でも世界一だと思う。)

私は、牧さんバージョンのバヤデールは、割と好きですね。
無理がない運びで、ビントレーが上演してくれるのも分かる気がする。

以下、ダンサーについて

●小林ひかるさん
ザハロワさんに代わったのは、英国ロイヤルの小林ひかるさんです。
私は初見のダンサーなのですが、登場して踊り始めた瞬間、私が思ったことは、「あぁ、この人のドンキを観たかったな」、ということでした。同時に、「今回、この舞台でのニキヤはつらいなあ」、とも。
もちろん、こういうときに、代役のダンサーと以前のダンサーを比べちゃいかんことは、十分に承知しているのだけど、小林さんのニキヤは、なんというか、やっぱり物足りない。

ザハロワさんは、「でか!」と毎回思っちゃうほど大柄なダンサーですが(私は彼女の広い肩幅が若干苦手)、小林さんはとても小柄で、「ちっちゃ!」と思っちゃいました。(ちなみに、新国はコールドの身長を163センチ以上と定めています。)

ただ、もちろん身長だけじゃないですね。
ザハロワさんのニキヤの登場場面は、非常に印象的なんですよね。人間離れした手足の長さと美貌から、「そりゃ、ハイ・ブラーミンも妄執するわ」、という点を鑑賞者に有無も言わせず納得させてしまう、圧倒的なオーラがある。
これに対して、小林さんは、一瞬で「キトリがぴったり!」と思わせるタイプ。村娘オンリーの庶民派とまでは言わないけれど、元気でお茶目で可愛い!って感じの役柄が合う印象です。

もちろん、ニキヤは踊り子さんだから、お姫様グループではなく庶民グループに入るといえばそうなんですが。
そうはいっても、ニキヤには、僧侶たるハイ・ブラーミンを虜にするある種の色気の要素と、ガムザッティ側に仕込まれた毒蛇に噛まれた際、ハイ・ブラーミンから「私のものになるのであれば解毒剤を飲ませて助けてやる」と言われても、それを断固として拒絶して死んでいく、気高く高潔な要素は欲しいわけで。
それらについては、少なくともこの舞台の小林さんには、ちょっと足りない。

あと、書いておきたいのは、体型のタイプ。
小林さんは、鳩胸で且つ背中のS字がきつく感じられるほどぐーんと胸を開くので、肩と腕をかなり後ろに引くタイプ。そのため、見かけ上、胴体上部に厚みが感じられると同時に、肩と腕がかなり後ろについているように見える。正統派の姿勢だとは思いませんが、小林さんの「首が短い」という欠点が、これで随分フォローされていると感じました。

これが、ガムザッティを演じた厚木さんと好対照。厚木さんは、ちょっとアンバランスなほど首が長い反面、背中のS字が比較的まっすぐ~若干猫背気味で、且つ肩が前に巻いてますから。そのせいで、首のラインはきれいでも、ふとした瞬間に姿勢が一瞬悪くなり「なんか変?」と思わせることが時折ある。

今回、小林さんと厚木さんという、極端に異なる体型のダンサー2人が、舞台上で「もみ合う」場面があったせいで、「私は小林さんのタイプの方がむしろ好きなんだな~」と発見したのでした。

●厚木さん
ガムザッティの高慢ちきなところが、とてもよく出てました。

彼女は、このあいだのシンデレラで「冬の精」を踊っていたのですが、彼女には、妙な気高さと怜悧さがある。
これは上で述べた体型のタイプも手伝っているのだと思いますが(特に首の長さと体の薄さ)、この妙に周りを「しん」とさせる雰囲気が、彼女を実物の何倍も美しく見せるの。不思議。まさに「冬」がぴったり。

この雰囲気は、捨て難いと思いますね。決して技術が高い踊り手じゃないのだけど、時折、主役に抜擢されるのは、この雰囲気なんだろうなあ~と思ったりもします。

●マトヴィエンコ
観客席がイマイチ温まってないのを、敏感に感じ取ってたんでしょうねえ~。えらい張り切りようでした。まさに「ハッスル」という言葉がぴったりなほど。ソロルなのに(笑)。
本当に、笑っちゃうほど嬉しかったな。いい人なんだろうなあ、マトヴィエンコ。

●森田さん
この人って、そんな気全くなくても本来的に「ギャグっちい」というか、真面目にやってても滑稽な雰囲気が出るんですよね。童顔の上に、肉質がちょっとぷにぷにしてるから? なのに、それを生かしきれてなくて、いつも惜しいなあと思う。

平き直って「ギャグ」な自分を自覚して、面白系の演技を勉強すればいいのに。ハイブラーミン、ギャグると超面白いキャラなんだぞ。
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by koharu-annex | 2011-02-10 22:42 | バレエ(新国立劇場)
東京バレエ団「M」
2010年12月19日(日)午後3時~ @東京文化会館

振付/美術・衣装コンセプト: モールス・ベジャール
音楽: 黛敏郎、クロード・ドビュッシー、ヨハン・シュトラウスⅡ世、エリック・サティ、
    リヒャルト・ワーグナー、L.ポトラ/D.オリヴィエリ

ピアニスト: 三原淳子

【出演】
少年: 肥田宏哉
Ⅰ‐イチ: 高岸直樹
Ⅱ‐ニ: 後藤晴雄
Ⅲ‐サン: 木村和夫
Ⅳ‐シ(死): 小林十市
聖セバスチャン: 長瀬直義
射手: 永田雄大
船乗り: 平野玲
女: 上野水香
海上の月: 渡辺理恵
 
 <禁色>
オレンジ: 吉川留衣
ローズ: 奈良春夏
ヴァイオレット: 田中結子
 <鹿鳴館>
円舞曲: 高村順子、乾友子、佐伯知香、氷室友、松下裕次、小笠原亮、梅澤紘貴
貴顕淑女: 高木綾、西村真由美、浦川里紗、松浦真理絵
 
ソファのカップル: 川島麻実子、江本武尊

海: 森志織、村上美香、岸本夏未、阪井麻美、矢島まい、川島麻実子、寺嶋麻衣、河合眞里、
   許山麻有、加茂雅子、森彩子、小川ふみ、二階堂由衣、大塚怜衣、田島由佳、
   三浦菜々美、宮下加瑞、中居歩美、縫谷美沙、波江野彩、石井初美、河谷まりあ、
   伝田陽美、二瓶加奈子、飯田鈴実、政本絵美

男: 高橋竜太、松下裕次、氷室友、小笠原亮、宮本祐宜、梅澤紘貴、江本弾、谷口真幸、
   安田峻介、井上良太、江本武尊、岡崎隼也、杉山優一、永田雄大、中村祐司、野尻龍平、
   森川茉央、佐藤瑶、竹下虎司、宮崎大樹

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ダンサーを2003年に引退していた小林さんが、この「M」のために二日だけダンサーに復帰。
ゆえに、18日は「ダンサー復帰公演」、私が観た19日は「ダンサー引退公演」となっております。

小林さんが復帰して下さったことにより、イチ・ニ・サン・シが全員オリジナルキャストという豪勢な布陣で、初見の私はとても嬉しかったです。

ところが。

連日の忘年会が佳境に入っていた頃で・・・。
ワタクシ、まさかの大眠気に襲われてしまったのです。
もちろん寝てて全く観てない、という場面はありません。
しかし、こうなってしまうと、舞台上の展開は把握できても、有機的なつながりの部分や、徐々に蓄積されていく情感がさわりしか感知できなくなるので、半分しか鑑賞できなかったのと同じ。

暗くなるだけで体をまっすぐに保つのがつらいほどだったので、よほど疲れていたのだと思いますが。。。
初見の舞台で、ここまでの眠気に襲われたのは初めてで、我ながらショック。
あー、もう、猛反省。

さて、「M」は、作家・三島由紀夫の作品とその生涯が絡み合って展開します。
そのため、三島由紀夫について何も知らないとチンプンカンプンな作品であります。

私は、とりあえず有名どころは読んでいるので、予習しなくても大丈夫だったのが救い。
ちなみに、三島の本はもう数冊しか手元にないけど、10年以上前に三島の知人(私は小説家とは認めていない)が遺族に無断で三島の手紙を複数公開したことを理由に、差止仮処分がかかった「剣と寒紅」は、なぜか今でも手元にある(ニュースで発令を知るや本屋に買いに走った)。

なので、ベジャールがよくぞここまで三島作品とその生涯を的確に舞台に反映させたものだと、感動しました。
特に、冒頭が「海」から始まり、三島を溺愛し支配していた祖母の「夏子」が「シ(死)」に変身することは、三島の生涯を理解していないとできない演出なので、冒頭から「おお!」という感じでしたわ。
(といいつつ、その後、眠気に襲われるわけだが)

「海」は女性群舞なのですが、波のように揺れるムーブメントと、時折見せる仏像が印を結ぶような仕草のミクスチャが絶妙で、とても美しくて息をのみました。
ベジャールは、こういうの、本当にうまい。

小林さんの踊り、気迫が違っていました。
小林さんじゃないとあれはできない、という評判が良く分かりました。
お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
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by koharu-annex | 2011-02-06 12:16 | バレエ(東京バレエ)
新国立劇場バレエ公演 アシュトンの「シンデレラ」
2010年11月27日(土)午後2時~ @新国立劇場

指揮: デヴィッド・ガルフォース
管弦楽: 東京フィルハーモニー管弦楽団
振付: アシュトン
音楽: プロコフィエフ

【出演】
シンデレラ: さいとう美帆
王子: マイレン・トレウバエフ
義理の姉たち: 保坂アントン慶、高木裕次
仙女: 川村真樹

父親: 石井四郎
ダンス教師: グレゴリー・バリノフ
春の精: 西山裕子
夏の精: 西川貴子
秋の精: 高橋有里
冬の精: 厚木三杏
道化: 八幡顕光
ナポレオン: 吉本泰久
ウェリントン: 市川透
王子の友人: 芳賀望、江本拓、菅野英男、古川和則

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2008年の公演では、1幕の最後の「お姫様に変身したシンデレラが、かぼちゃの馬車に乗って、颯爽と舞踏会に出かけるシーン」で、馬車がスピードを出し過ぎて転倒するという驚愕のアクシデントがあった(関連記事はこちら)、新国のシンデレラであります。

私は、転倒後に、バッと、どえらいスピードで落とされた幕の動きまで覚えていますわよ。
2008年も一緒に観に行った旦那もさすがに記憶に刻まれているようで、始まる前から「前は転倒したからな~、今回は大丈夫かな~」
1幕が終わったとたん、「なんか馬車の動きがさ、慎重で遅かったよね。『はい、イチニ、イチニ』みたいに息そろえることに神経尖らせているというか。。。」

はい、そんな感じしました。
大きく曲線を描いていた馬車の動線も直線的なものに変わってましたし。
2008年のときの動線は馬車を観客に大きく見せ、かつ疾走感もあったので、夢のように変身して舞踏会に向かうシンデレラの高揚した気持ちが伝わってきたのですが、今回は比べると「チンタラ」感がある。

でも、この変更は仕方ありませんわね。
あんなに派手に転倒した過去があるんじゃあ。。。

春夏秋冬のそれぞれの精が、もう少し技術的に高く安定してくれたら・・・と思いました。
それぞれ主役をはってる人達なのですが、微妙に物足りなさ感が・・・(いやもちろんそう思わせるレベルの高低は4人の中でもつけられるんだけど、敢えて順番つけるほどのことでもなし)。

舞踏会のシーン、12時の時計の音はその場面の踊りとともにとても記憶に残りますけども、よく音楽を聴いていたら、それまでに何度も時計の音が音楽に隠されているのですよね。
それらの時計の音はもちろん地味で、踊りには敢えて全く反映されないけれど(夢中で舞踏会を楽しんでいる前提)、こちらには時間が刻々と流れていっていることが示されるわけで。
プロコフィエフのバレエ音楽は、場面ごとに深く考えられて演出されていることよの~と思いながら聴いていました。
これが、年が明けた後に鑑賞したベルリンの「シンデレラ」の感想に通じていくのでした。
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by koharu-annex | 2011-02-04 10:22 | バレエ(新国立劇場)
2010年11月14日(日)午後3時~ @東京文化会館

●3人のソナタ   
ジャン=ポール・サルトル「出口なし」に基づく
振付: モーリス・ベジャール
音楽: ベラ・バルトーク(2台のピアノとパーカッションのためのソナタ第1楽章、第2楽章)
【出演】
ジュリアン・ファヴロー、ルイザ・ディアス=ゴンザレス、ダリア・イワノワ

●火の鳥
振付: モーリス・ベジャール
音楽: ストラヴィンスキー
【出演】
火の鳥: ダヴィッド・クピンスキー
フェニックス: オスカー・シャコン
パルチザン: シモナ・タルタグリョーネ、フロランス・ルルー=コルノ、リザ・カノ、ホアン・サンチェス、マルコ・メレンダ、アンジェロ・ムルドッコ、ホアン・プリド、エクトール・ナヴァロ
小さな鳥たち: アドリアン・シセロン、ローレンス・ダグラス・リグ、ヘベルス・リアスコス、ファブリス・ガララーギュ、サンドリン・モニク・カッシーニ、オアナ・コジョカル、キアラ・パペリーニ、コジマ・ムノス

●メフィスト・ワルツ
振付: モーリス・ベジャール
音楽: フランツ・リスト
【出演】
ダヴィッド・クピンスキー、キャサリーン・ティエルヘルム

●アリア
振付、演出: ジル・ロマン
音楽: J.S.バッハ、ナイン・インチ・ネイルズ、メルポネム、イヌイットの歌から抜粋
オリジナル音楽: チェリ・オシュタテール&ジャン=ブリュノ・メイエ(シティ・パーカッション)
【出演】
彼: フリオ・アロザレーナ
他者: ジュリアン・ファヴロー
アリアドネたち: エリザベット・ロス、ダリア・イワノワ、カテリーナ・シャルキナ
若い娘: シモナ・タルタグリョーネ
闘牛士: ヴァランタン・ルヴラン
若者たち: マルコ・メレンダ、ホアン・サンチェス、ヴァランタン・ルヴラン、ホアン・プリド、ガブリエル・アレナス・ルイーズ、アドリアン・シセロン、大貫真幹、ファブリス・ガララーギュ、ヘベルス・リアスコス、シモナ・タルタグリョーネ、リザ・カノ、オアナ・コジョカル、サンドリン・モニク・カッシーニ、ポリーヌ・ヴォワザール、フロランス・ルルー=コルノ、コジマ・ムノス、キアラ・パペリーニ

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インターミッションでコーヒー飲んでたら、「やっぱりベジャールバレエ団って最高だよね!」「そうだね~」と言い合ってる、おそらく同世代の女性2人組の話し声が。

うんうん、わかるよ、と心のなかで同調しておきました。

ま、ぶっちゃけ、「このバレエ団の演目って、やっぱ苦手~」って思ってる人も、この場に一定割合いるよね…と同時に思ったことも事実ですが。

ベジャール作品(しかも複数)の後にやると、ジル・ロマン作品が、少し幹が細いというか、一貫性に欠けるというか、そういうグラグラしたところが見受けられるのが面白いというか、残酷ですわね。
アリアは良い作品ですが・・・。

巨匠の跡を継ぐというのも大変でございますわねえ。。。
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by koharu-annex | 2011-02-02 00:14 | バレエ(その他)