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by koharu-annex

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「バレエの神髄」

ルジマトフのガラ公演「バレエの神髄」に行って来ました。
2010年7月11日(日)午後3時~ @文京シビックホール

ライモンダに出演(都さんの相手として)を予定していたロバート・テューズリーは、ケガのために出演できなくなり、ライモンダにはキエフ・バレエのソリスト、セルギイ・シドルスキーが出演することになりました。こういうことって、公演にはつきものとはいえ・・・残念至極、でござる。


【第1部】

●「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ
音楽: チャイコフスキー
振付: プティパ
出演: ナタリア・ドラムチョワ
    4人の王子: セルギイ・シドルスキー、イーゴリ・ブリチョフ、オレクシイ・コワレンコ、チムール・アスケーロフ

ガラ公演でローズ・アダージョ見るのは、久しぶりで覚えてないくらい。
正直、「ガラでローズ・アダージョってちょっと古臭いよなあ・・・」と、微妙な心持でいたところへ・・・なんと、なんと、バランスを全く心配しなくて良い簡易バージョンの振付でした。
どう簡易だったのか説明してもいんだけど、説明するのもかったるいほど、脱力。

アチチュードのバランスを四人の王子全てで取れるか、そしてそのバランスがどれくらい綺麗なポジションでどれくらいの時間なのか、それを見せないローズ・アダージョなんぞ、ガラでやる意味あるの?

初っ端でこれやられて、ホント、こつまらなかったわ~


●「侍」
音楽: 鼓童
振付: ラブロフスキー
出演: 岩田守弘

岩田さんって、本当に身体能力高いですよねぇ~。
小柄な日本人らしいキレのある踊りで、気持ちいい。
舞扇を持って、時に扇そのもの、時に刀として扱いながら踊っていたのですが、お上手でしたね。
この点は、振り付けのラブロフスキーも褒めないと、ですね。

さて、この公演、私は旦那と行ったんだけど、私のジム友も取引先の社長さんに誘われて来場(彼女はいわば接待で来ていて、バレエを見るのは10年ぶりくらいだとか)。

彼女とインターミッションで会ったとき、この演目について、「江頭かと思った」との衝撃の感想が!

「ええっ!それはあまりに岩田さんに失礼じゃあ・・・」と言いかけたけど、ざっと思い返してみて、はっ!と気付いたのよね。
床にうつぶせになってエビ反りになり、小刻みに震えるシーンが、確かにあった、と。
そして、それが、江頭さんの例の特徴的な動きと、類型的に同じである、と。
(ちなみに上半身は裸で、衣装はピッタリめの細身の黒のパンツでした・・・ここも若干かぶるのよね・・・)

それで、彼女に、「確かに~」と相槌打ったのでした。

あまり鑑賞しない人の感想って、時々思いがけないものがあって、すごく勉強になるというか、目ウロコなことがあるんですよね。

意外な意見が聞けて、良かった。そして、それを全否定しなくて良かった。

鑑賞歴が長くなると、なぜだかどうしても、知らず知らずのうちに近視眼的になりますから。
(そのくせ、自分としては鑑賞の幅が広がったような錯覚に陥りがちなのが、人間の悲しいところですわね。笑)



●「海賊」よりパ・ド・トロワ
音楽: ドリゴ
振付: プティパ、チャブキアーニ
出演: エレーナ・フィリピエワ、セルギイ・シドルスキー、ヴィクトル・イシュク

海賊っていつ見ても楽しくて、私はとても好きな演目です。元気がもらえる気がする。

この3人はとても良かったです。
特にアリを演じたイシュクさんは、跳躍に回転を織り交ぜるのがお好きなようで、見ごたえありました。
完成度という点では、もっと高められると思いますが、海賊という個々のダンサーの能力を比較的自由に出せる振付で、ああいう独創的なことをしてもらえると、見ている側は本当に楽しい。


●「阿修羅」
音楽: 藤舎名生
振付: 岩田守弘
出演: ファルフ・ルジマトフ

音楽が、お能の大鼓の掛け声から始まります。これがいい!
伸びのあるお声で、あぁ、掛け声はこうでなくちゃ、というお声でした。

岩田さん、かなり振付家としての才能があるんじゃないでしょうかね。
ルジマトフの長くしなやかな腕を巧みに見せる振付が随所にありましたし、また、ルジマトフのエキゾチックさを際立たせながらも、能楽のお囃子を基本にした「ザ・にっぽん!」な音楽にしっくり溶け込ませる手腕は見事です。

阿修羅というモチーフの選択がまたいい。
阿修羅は仏教に出てくる鬼神ですが、もともとペルシャ起源であることが指摘されていて、そもそもちょいと生い立ちがエキゾチック。
さらには、日本では、誰しもが思い浮かべるのが興福寺の阿修羅像だけど(こちら参照)、これはシルクロードの香り高い天平文化における代表的な彫刻で、ここからもエキゾチックな要素を感じることができる(日本限定だけどね)。

という次第で、「阿修羅」には異国の香りをまとっているイメージがあって、そこがルジマトフの持ってるオーラとピッタリ合致するわけですわね。

そうすると、ルジマトフも、自分そのまんまで踊ればいいので、まさに水を得た魚。
間の取り方、にらみの利かせ方、そんなところも含めて見事でありました。
ルジマトフの長い腕が、興福寺の阿修羅像をホウフツとさせて、また良いのですよ。
少なくとも、ルジマトフが現役である限り、彼以外は踊れないんじゃないかな~。



●「ディアナとアクティオン」(“エスメラルダ”より)
音楽: プーニ
振付: ワガノワ
出演: ナタリア・ドラムチョワ、岩田守弘

ドラムチョワは悪くないんだけど・・・ドラムチョワと岩田さんの身長が合ってなくて、岩田さんがものすごく大変そうでした。
サポートも必死な印象。
もちろん、岩田さんは、基本的にはボリショイのキャラクターダンサーですから、王子役のように女性をサポートして踊ることが日常じゃないとはいえ、ちょっと組み合わせが悪すぎましたね。

あと、この演目では、ライトが明るくて、岩田さんの頭頂部の薄さが目立って悲しかったです。。。(私、このとき2階席だったので、余計)
まあ、かなりの年齢ですから、当然なんですけど。


●「ライモンダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
音楽: グラズノフ
振付: プティパ
出演: 吉田都、セルギイ・シドルスキー、キエフ・バレエ

キエフのコールドを従えての都さんのライモンダです。

この日は、チケットを取るのが遅くてS席取ったのに、2階席だったんですよ。
2階席から見るとねえ、都さんの「軸」がびっくりするほど、ビシッと定まっているのが見て取れる。
あれはすごい。

まず、脚が揺ぎ無く地面に向っていてポワントが地面に吸い付くようにきっちり安定している。腰から上は、空に向かってただひたすら真っ直ぐにぐーんと引き上げられている。これらの2つのベクトルが、矢印付きで、都さんの身体に重なって見えましたよ!しかも、そのベクトルが太くて安定しているの。
これがダンサーの基本とはいえ、ここまで出来てる人って本当に少ない。
これが、都さんの身体を貫いて、都さんの踊りを支えているのだわ~と、感動しましたね。

あのベクトルは2階席だから良く分かったんだな~。1階席じゃここまで分からないと思う。
時々こういうことがあるので、たまにチケット購入が遅れて2階席になるのも私はOKだったりします(笑)。

あと、特筆すべきは、都さんの腕のポーズの美しさですね。
ライモンダには特徴的な腕のポーズがあります。
「ライモンダ」で画像検索をかけて見てもらうのが一番早いかもしれませんが、腕を挙げて手の平を反転させて頭に向け、略三角形の空間を作るんですよ。

これ、単純なように見えて、綺麗に作るには難しいんです(ちょいと皆様、やってみて下さいまし。上で作ろうと思うと、結構、キツイはずですよ)。

事実、キエフのコールドの皆様は、体型的には腕が長くて恵まれているにもかかわらず、皆さんそれぞれ形がバラバラ、同じ人でも時に応じてマチマチ、安定して美しい形が作れている人は殆どいなかった。

しかし、都さんは!
腕が長い方じゃないので、あのポーズを美しく取るのはキツイはずなのに、舞台上のダンサーの中で最も美しい略三角形を、安定していつも一瞬で作り上げていました。
感服。


【第2部】

「シェヘラザード」
音楽: リムスキー=コルサコフ
振付: フォーキン
出演: エレーナ・フィリピエワ、ファルフ・ルジマトフ、オレグ・トカリ、ルスラン・ベンツィアノフ、ヴォロディミール・チュプリン、キエフ・バレエ

言ってみれば、「単にエロいだけ」、な演目でしかないんだけど。
魅力のある演目なんですよね。
特にフィリピエワの柔軟性のある体と、ルジマトフ(もちろん金の奴隷役だ)の発散する異常なオーラを見ただけで、元は取れた感じ(笑)。
よく考えたら、特に金の奴隷に関しては、取り立てて高度な踊りはないんですけどね。
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by koharu-annex | 2010-07-29 01:29 | バレエ(座長公演)

お能「安達原」ほか

山階(やましな)別会 
平成22年7月10日(土)午後1時30分~ @観世能楽堂

●連吟
「駒之段」(小督(こごう)より)
本間生
工藤八郎、佐藤輝、高橋賢吉、朝倉政蔵、古澤幸正、小林恆生、横山滮

●はかま能
「采女」(うねめ) 美奈保之伝
シテ: 山階弥次(やましなやじ)
ワキ: 宝生閑
     大日方寛、御厨誠吾
大鼓: 亀井忠雄
小鼓: 大倉源次郎
笛: 一噲隆之
間: 山本東次郎
後見: 山階彌右衛門(やましなやえもん)、木月孚行
地謡: 横山滮、坂井音晴、坂井音隆、清水義也、藤波重彦、関根知孝、野村四郎、浅見重好

装束が暑苦しく感じた冷房のない時代、夏場に限り、装束をつけない袴(はかま)姿で上演されたという袴能。
確かに涼やかですが、冷房バリバリなので、やっぱり装束があった方が私は好きかな。

先月、85歳(たぶん・・・あれ?86歳だったかな?)のお誕生日をお迎えになった女性能楽師の草分け、弥次先生の「型」は世界一ですわね。

それにしても、野村四郎氏・・・彌右衛門先生の実質上の師匠ということで、立場が強いのかもしれんが・・・ありゃ、出過ぎだろ。
弥次先生に対してあまりに失礼な大声でありました。むぅぅ。

●狂言
「惣八」
山本東次郎
山本泰太郎、山本則秀

●仕舞
「柏崎」道行
観世恭秀
地謡: 坂井音晴、津田和忠、関根知孝、浅見重好

「融」
観世芳伸
地謡: 同上

●ろうそく能
「安達原」 長絲之伝 急進之出 白頭
シテ: 山階彌右衛門
ワキ: 則久英志
     梅村昌功
大鼓: 柿原弘和
小鼓: 観世新九郎
太鼓: 金春國和
笛: 松田弘之
間: 山本泰太郎
後見: 津田和忠、観世恭秀
地謡: 津田和岳、武田祥照、坂井音隆、野村昌司、藤波重彦、武田尚浩、観世芳伸、木原康之

附祝言

夏のろうそく能、いいですね。雰囲気出てます。
しかも、演目が安達原。怖い、怖い(笑)。

彌右衛門先生は、スペクタクル系・アクロバット系の躍動的な能が本当に上手です。
今回も、後シテの見せ場は見事でありました。

大鼓の柿原さん、風邪を引かれていたのですね(この頃、東京では喉がやられる風邪と、お腹がやられる風邪の2種類が流行していた)。
高い掛け声がかなり出にくくて、全く伸びず、大変残念でした。
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by koharu-annex | 2010-07-20 10:03 | 古典芸能

新国立バレエ 「椿姫」

新国立劇場バレエ公演 「椿姫」
2010年6月29日(火)午後7時~ @新国立劇場

振付: 牧阿佐美
音楽: エクトール・ベルリオーズ
編曲・指揮: エルマノ・フローリオ
舞台美術・衣装: ルイザ・スピナテッリ
照明: 沢田祐二
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

【出演】
マルグリット: スヴェトラーナ・ザハロワ
アルマン: デニス・マトヴィエンコ

伯爵: ロバート・テューズリー
デュヴァル卿(アルマンの父): 森田健太郎
プリュダンス: 西川貴子
ガストン: マレイン・トレウバエフ

農民: さいとう美帆、大和雅美、八幡顕光、福田圭吾
ジプシー: 湯川麻美子、芳賀望
メヌエット: 厚木三杏、吉本泰久
チャルダッシュ: 川村真樹、近藤睦子、長田佳代、丸尾孝子
タランテラ: 小野絢子、八幡顕光、福田圭吾

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2幕はまだ良いとしても、1幕が圧倒的にあかんやろ~(なぜか関西弁。これ以上続けて使えないんだけど。笑)。
名作の誉れ高い先行作品のある「椿姫」について、日本メイドのオリジナル版を作ってカンパニーのレパートリーに加えるという心意気は買うけど、これは・・・つらい。

昨年9月にこの「椿姫」をひっさげて、あのボリショイ劇場で海外公演した新国立劇場バレエ団。
そのときも1日はザハロワちゃんが踊って、「大好評を博した」なんて意気揚々と報告してくれたけど(会報やネットなどでね)、正直、私は懐疑的。

何より私が最も問題だと思うのは、1幕でのマルグリットの人物造形がしっかり考えて固定されていない点です。そのため、彼女の人物造形を表す振付や構成が殆ど見受けられず、テキトーとしか思われない、こつまらない振付と物語進行に終始している。
この点、仮にこつまらない振付でも、そこそこのダンサーが情感をこめれば何とかなるかもしれないけど(2幕はこれで救われている)、1幕はそもそもの土台がグラグラなので、それも望めない。

● マルグリットが自分の病気についてどこまで自覚しているのか(死をうすうす予感して自暴自棄になって享楽的に生きているというストーリー設定もあるので、その点は結構重要)
● 自分を愛人として囲っている伯爵をどう考えているのか(単なる金づるなのか、それなりの情があるのか)
● 今の生活をどう考えているのか(とりあえず満足しているのか、病気が不安なのか、病気以外の点からも空しさを感じているのか)
● いきなり惚れてきた若者アルマンについて最初どう考えていたのか(それなりに歓待していたのか、単にあしらっていたのか、それとも華やかながら倦怠した生活の中で希望の星に見えたのか)

などなどについてよく考えて、かつ、こちら側にそれが伝わるようにしないと、あまりにも薄っぺらくて、見ていてフラストレーションが溜まる。

唯一、1幕で「お!」と思ったのは、音楽。
この椿姫では、ベルリオーズの様々な音楽が編集されて使われているのですが、アルマンがマルグリットに一目ぼれしたり、2人の視線が合ったりするところに、幻想交響曲における、超~有名な、「恋人のテーマ」(固定楽想。ソソードソミミファー・・・♪)が使われていました。恋人のテーマは、まさに「ザ・妄想ベルリオーズ」そのままに、素敵な女性をイメージさせる(そしてちょっと切ないニュアンスもある)メロディなので、若くまっすぐなアルマンが高級娼婦マルグリットにズキューン053.gifとやられちゃうという設定とぴったり合致。
(しかし、ベルリオーズが自ら「器楽によるドラマ」と呼んだ幻想交響曲の中でも、最も有名な恋人のテーマと重ねる点しか説得的な演出がないなんて。。。泣)

ちなみに、固定楽想は、後の歌劇やバレエ音楽などで使われるようになったライトモチーフの元祖ともいうべきもの(と私は理解しているんですが、違ってたらコメント欄でご教示下さいませ)。おそらくバレエ鑑賞者にとって最も有名なライトモチーフは、プロコフィエフのロミジュリの中のジュリエットのテーマ(3種類)ですが、これについては、そのうち別記事で書きたいかな、と(いつっ!?)。

最後に。
この日は旦那と観に行ったのですが、旦那は舞台では理解できなかったらしく、後にパンフレットを読んで、「なにこのストーリー。アルマンの親父が余計なことしなけりゃ良かっただけじゃん!」と。
いや・・・そうなんだけどね。
それ言っちゃ、どんな椿姫もなりたたんよ・・・。
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by koharu-annex | 2010-07-16 01:11 | バレエ(新国立劇場)
久しぶりにマシュー・ボーンの「スワン・レイク」(白鳥の湖)を観に行ってきましたよ(英語版の公式サイトはこちら。日本公演サイトはこちら)。
これを観劇するのは、通算で4回目くらいだと思うのだけど・・・でも、随分久しぶりです。なお、皆様ご存知とは思いますが、この演目と映画「リトル・ダンサー」の関係については、こちらの記事をご参照ください。

2010年6月25日(金)午後7時~ @青山劇場

振付・演出: マシュー・ボーン
音楽: ピョートル・チャイコフスキー
美術: レズ・ブラザーストン

【出演】
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー: ジョナサン・オリヴィエ
王子: ドミニク・ノース

女王: ニーナ・ゴールドマン
執事: スティーヴ・カーカム
ガール・フレンド: ケリー・ビギン
幼年の王子: サイモン・カレイスコス

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3幕のストレンジャーと女王のデュオの場面で、女王の内スカートがひどくほつれて、だらーんと垂れてしまうアクシデントがありました。ご本人も真っ青だったでしょうが、ポーカーフェイスで踊り通しました。当たり前の行動とはいえ、踊りに全く綻びが見られなかったのは褒めるべきだと思う。

スワン&ストレンジャー役のジョナサン・オリヴィエは、バレエダンサーですが、最初の登場の場面でちょいとミスってひやひやしたけど、その後は安定した技術の高さで、力強い反面エロチックでもある魅惑的な表現を披露。
彼のキレキレの踊りに比べると、王子役のドミニク・ノースは、ちと見劣りする。というか、ダンスの振付こなすのが精一杯で、王子役の演技が殆どできてない。まあ、この王子役、人物造形とその表現が難しい役柄ですからね・・・。
(ダンサーについてはこちらをご参照ください)

白鳥の群舞を担当したダンサー達は、うーん、ちょっとレベル下がってる?
身体が明らかに太ってテカテカしている人もいたしーー

とはいえ、この作品、バレエ「白鳥の湖」から派生した翻案の中では、群を抜いてオリジナリティと完成度が高い作品ですので、久しぶりに拝見できて嬉しかったです。
あと、ものすごく久しぶりに青山劇場に行けたことも。あそこのピンクの椅子、可愛いくて幸せな気分になりますよね。

そうそう、帰りに、同行していたお友達に誘われて、久しぶりに青山劇場近くのポンテ・ヴェッキオでお食事。なんと15年ぶりくらい(笑)。フルボトル1本のサービスチケットを頂いたので、さっそく飲兵衛の先輩・後輩を誘って再訪。その先輩は、20年ぶりくらいだと感慨深そうにおっしゃってました(笑)。年を重ねると、こういうことがちらほらあって、悪くないですよね。
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by koharu-annex | 2010-07-14 00:44 | バレエ(その他)
英国ロイヤル・バレエ団 2010年日本公演 「ロミオとジュリエット」 
2010年6月27日(日)午後6時~ @東京文化会館

振付: ケネス・マクミラン
音楽: セルゲイ・プロコフィエフ

【出演】
ジュリエット: 吉田都
ロミオ: スティーヴン・マックレー

マキューシオ: ブライアン・マロニー
ティボルト: トーマス・ホワイトヘッド
ベンヴォーリオ: セルゲイ・ポルーニン

パリス: ヨハネス・ステパネク
キャピュレット公: ギャリー・エイヴィス
キャピュレット夫人: ジェネシア・ロサート

エスカラス(ヴェローナ大公): ベネット・ガートサイド
ロザライン: タラ=ブリギット・バフナニ

乳母: クリスティン・マクナリー
僧ロレンス: アラステア・マリオット
モンタギュー公: アラステア・マリオット
モンタギュー夫人: ローラ・マッカロク
ジュリエットの友人: リャーン・コープ、ベサニー・キーティング、イオーナ・ルーツ、エマ=ジェーン・マグワイア、ロマニー・パジャク、サマンサ・レイン

3人の娼婦: ヘレン・クロウフォード、フランチェスカ・フィルピ、ラウラ・モレーラ
マンドリン・ダンス: ホセ・マルティン、ポール・ケイ、蔵健太、ミハイル・ストイコ、アンドレイ・ウスペンスキー、ジェームズ・ウィルキー

指揮: ボリス・グルージン
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団

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この公演は、都さんが95年からプリンシパルを張っている英国ロイヤル・バレエ団からの引退公演になります(正確に言うと、この公演の翌々日29日のロミジュリが最後)。カメラが入ってまして、NHKの芸術劇場で今秋放送される予定だそうです(休憩中もホワイエの様子が撮影されていたので、隅っこに逃げたワタクシでありました…)。絶対に録画しなくちゃ!

さて。
最近、私は、都さんの踊りを見ると、漫画「のだめカンタービレ」のパリ編で、のだめちゃんが時折発っする「正しいカレー」というセリフを思い出します。

本当に・・・いつでも、何もかもが、「正しい」のです。都さんの踊りは。

「自己」の表出を極限まで抑えこんで、役柄の演技においても音楽のカウントについても、ここまで「安定して常に正しく」踊れるというのは、まさにクラシックの王道でしょうが、この王道の真ん中を通ることができる方は、実のところそんなに多くはない。

王道の真ん中を通るためには、その前提として、地味なものも含め全方位的に技術が高くないといけないんですが、技術が高いダンサーは、えてして自我や個性が強いことが多い。そういう方々は、バレエで許される範囲で、ムーブメントでオフバランス(いわゆる「タメ」ですな)を極めようとしたり、自分なりのアクセントを加えようとしがち。
ところが、都さんは、その手のアクの強さが全く無いんですよね。加えて、どこもかしこも正しく、しかも安定している。極めて貴重なダンサーです。もちろん、アクの強いダンサーの踊りもとても素敵ですが、都さんの路線は、現代においては地味かもしれないけど王道として称えられるべきだと思う。

今回のジュリエットも「正しい」お手本のようなジュリエットでした。一つ一つのパだけでなく、そのつなぎの部分まで、それこそ手首・頭の先の動かし方に至るまで、全く「正しい」の。おそらく、録画のどの場面で一時停止ボタンを押しても、画面上の彼女のポーズが「変」であることは有り得ないと思う。あそこまでずーっと正しいと、それだけで感動しちゃいますよ。

ロミオが若いマックレーだったので、大丈夫かな?と思っていましたが、この組み合わせは悪くなかったです。若さゆえの「つっぱしり感」に、まったく違和感がなかったですし。

ただ、相手が都さんで、しかも日本のファンの前でフェアウェルを踊るということで、「絶対にPDDでは失敗しちゃ行けない!」と思っていたでしょうから(笑)、緊張していたんでしょうね。都さんと一緒の場面では、とにかく踊りをきっちりしようと思うあまり、「演技」にまで手が回らず、ちょいと淡白だと感じました。特に、最後の墓場のシーンは、あまりに物足りない。

都さんが一緒じゃない場面での演技は一生懸命やってたような気がします。特に、ジュリエットの手紙を受け取って舞い上がっちゃうところなんか、スピーディーな回転で喜びを爆発させていて、とっても可愛らしかった。ただ、親友マキューシオが殺されたことに逆上して、ディボルトを殺しちまうところは、もう少し激情が欲しいところでしたね。
今後に期待しましょう。

マクミラン版を採用しているカンパニーって世界中にたくさんあると思いますが、カンパニーごとに比較的自由に振付が加えられたり演出が施されているのではないでしょうか。特に、私が印象に残っているのは、ABTのMetでの公演(鑑賞記録はこちら)で、とても素敵だったと思います(まあ、ABTって何もかもが派手華やかですからね)。

マクミラン版の本家である英国ロイヤルのロミジュリは、DVDを鑑賞したことがあるだけで、生舞台は今回が初見だったのですが、今まで観たマクミラン版の中でも地味シンプルな印象でした。あぁ、元祖バージョンって時々こういうことがあるよね、と妙に納得しちゃったというか、ある意味、感慨深かったです。

しかし、ジュリエットのショール、モスグリーンではなく別のダークな色の方がいいなあ。あのショールをなびかせてロレンス神父のところに駆けていく箇所、たなびくダークな色が後の悲劇を暗示する場面でもあるわけで、そこでモスグリーンというのは、むぅぅぅ。
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by koharu-annex | 2010-07-12 20:41 | バレエ(英国ロイヤル)
英国ロイヤル・バレエ団 2010年日本公演 「うたかたの恋」(マイヤーリング)
2010年6月23日(水)午後6時30分 @東京文化会館

振付: ケネス・マクミラン
音楽: フランツ・リスト
編曲: ジョン・ランチベリー

【出演】
ルドルフ(オーストリア=ハンガリー帝国皇太子): ヨハン・コボー
男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ(リドルフの愛人): リャーン・ベンジャミン

ステファニー王女(ルドルフの妻): エマ=ジェーン・マグワイヤ
オーストリア=ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ(ルドルフの父): クリストファー・サウンダース
エリザベート皇后(ルドルフの母): クリステン・マクナリー
伯爵夫人マリー・ラリッシュ(皇后付きの女官、ルドルフの元愛人): ラウラ・モレーラ
男爵夫人ヘレナ・ヴェッツェラ(マリー・ヴェッツェラの母): ジェネシア・ロサート

ブラットフィッシュ(ルドルフの個人付き御者、人気者の芸人): ジョナサン・ハウエルズ
ゾフィー大公妃(フランツ・ヨーゼフの母): ウルスラ・ハジェリ
ミッツィ・カスパル(ルドルフの馴染みの高級娼婦): ヘレン・クロウフォード
ベイミードルトン大佐(エリザベートの愛人): ギャリー・エイヴィス
4人のハンガリー高官(ルドルフの友人): ホセ・マルティン、ブライアン・マロニー、ヨハネス・ステパネク、アンドレイ・ウスペンスキー

カタリーナ・シュラット(歌手、独唱): エイザベス・シコラ
アルフレート・グリュンフェルト(ピアノ独奏): ポール・ストバート

エドゥアルド・ターフェ伯爵(オーストリア=ハンガリー帝国ノ首相): アラステア・マリオット
ホイオス伯爵(ルドルフの友人): ヴァレリー・ヒリストフ
ルイーズ公女(ステファニーの妹): サマンサ・レイン
コーブルグ公フィリップ:(ルイーズの夫、ルドルフの友人): デヴィッド・ピカリング
ギーゼラ公女(ルドルフの姉): オリヴィア・カウリー
ヴァレリー公女(ルドルフの妹): セリサ・デュアナ
ヴァレリー公女の子供時代: ロマニー・パジャク
マリー・ヴェッツェラの子供時代: リャーン・ベンジャミン
ロシェック(ルドルフの従者): ジェームズ・ヘイ
ラリッシュ伯爵: ベネット・ガートサイド

指揮: バリー・ワーズワース
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団

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今回のロイヤルの来日で、最も楽しみにしていた演目は、この「うたかたの恋」(マイヤーリング)です。ロイヤルではメジャーな演目ですが、日本ではなーんと23年ぶり。

私ももちろん生舞台は未見でしたので、バレエ本等で読むたびずーっと「観たいなあ~」と思っていたのでした。なので、本当は22日~24日全ての「うたかた」公演を見たかったのですけど、全部平日やんけ!(リーズとロミジュリは週末にも日程が設定してあるので、当初から日本では馴染みのない「うたかた」は人気が無いと踏んでいたのでしょう・・・ちっ!)ということで、比較的自由になる水曜日しか観られなかったのでした・・・残念。

ちなみに、この日ルドルフを演じたヨハン・コボーは、この公演の翌々日、身内に重病人が出たそうで急遽母国デンマークに帰国され、26日のコジョカルとのロミジュリを降板されたそうです(こちら ・・・奥様のコジョカルは一緒に帰国しなくても大丈夫だったのかしら? なお、26日のコジョカル&コボー夫妻のロミジュリは、都さんのジュリエット以外で即行売り切れた唯一の公演です。ショックを受けたファンの皆様も多かろうと・・・)。

さて、この「うたかたの恋」の物語のネタ元は、実話。
19世紀末のオーストリア=ハンガリー帝国において、時の皇太子ルドルフが、ウィーン郊外の狩猟地マイヤーリングの館で、当時17歳の愛人マリーとともに情死した(享年30歳)、とされている事件です(1889年1月30日)。

ルドルフ皇太子のご両親はこちら。

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ご覧のとおり、ご母堂はハプスブルク帝国史上最もべっぴんさんな皇后として有名なエリザベート。ご尊父はハプスブルク帝国の実質上最後の皇帝であり、「オーストリアの国父」とも呼ばれたフランツ・ヨーゼフ1世であります。

ルドルフ皇太子についてご存じない方でも、この出自だけで「この人、やばそうだな」と想像されるのではないでしょうか。こちらがご本人とその情死の相手とされているマリー男爵令嬢です。

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政治と分離され象徴となっている現在の日本の天皇と皇室のことでさえ、客観的事実を知ることが不可能であるように、こういうお家における客観的真実というものは、文字通り「藪の中」(by芥川)です。19世紀末~20世紀の混迷を極めていたハプスブルク帝国末期においては、なおさらであります。

たとえば・・・

●エリザベートとヨーゼフ1世の夫婦仲
  (1) お互い自由を認め合っていただけで、生活は別々でも、最後まで愛し合っていた。(フランツの愛人はエリザベート公認であり、もともと旅にあけくれるエリザベートが夫に申し訳なくて紹介したとする説も)
  (2) 最初は良かったが、結婚後ほどなくして完全に冷え切っていた。
  (3) そもそもエリザベートはヨーゼフ1世に対し愛情を感じたことはなかった。(愛人の紹介はフランツとの関係をもちたくないため、とも)

●エリザベートの子育てに対する姿勢
  (1) エリザベート自身が、自ら子育てを放棄した。
  (2) 姑ゾフィーにルドルフを取り上げられたために、子育てをしたくてもできなかった。

● エリザベートとルドルフの関係性
  (1) ルドルフはもともとエリザベート似の性格で、自由主義的な教育のおかげで思想も似ていたので、関係は良かった。(エリザベートはルドルフの死後、ずっと喪服で通している)
  (2) エリザベートに母性は無く、また旅に明け暮れていたので、ルドルフとの間に母子であるがゆえの信頼性はなく、関係性は良いとはいえない。(喪服の件は、亡くなってようやく母性が目覚めた、あるいは後悔の念と解釈)

● ルドルフについて
  (1) 聡明な後継者として、期待されていた。
  (2) 知性はともかく、統治者としてはあれはあかんと否定的に評価されていた。
  (3) 既に20代からモルヒネ中毒であり性病にも罹患し、情死する頃には脳もやられはじめていた。

● 男爵令嬢マリーとの関係性
  (1) ルドルフとマリーは真実愛し合っており、ルドルフは当時の妃と離婚してマリーと再婚したがっていた。
  (2) ルドルフの1番のお気に入りは別の高級娼婦(ミッツィ)であり、マリーに対してはそこまでの愛情を持っていなかった。
  (3) ルドルフとマリーは真剣に愛し合った時期もあったが、情死の頃には既にさめていた。

● 死の真相
  (1) ある勢力がルドルフを暗殺したのに、マリーとの情死にみせかけた。
  (2) マリーに別れ話をもちかけたが、マリーは妊娠しておりこれを拒絶。にっちもさっちも・・・な状況に追い込まれたルドルフは、マリーを殺して自殺することを選択。
  (3) 愛し合っているルドルフとマリーが将来のない未来を否定して、心中することを2人で選択。
  (4) ルドルフは、本当はミッツィ(彼の一番お気に入りの高級娼婦)と心中したかったのであるが、ミッツィに断られたため、応諾してくれたマリーと心中した(マリーは恋に恋している状態)。


バレエ「うたかたの恋」においては、以下の説がプロットの前提となっております。

◎ エリザベートとヨーゼフ1世の夫婦仲は冷めていて、お互い愛人がいる。
◎ エリザベートはそもそも母性に欠けて子育てを放棄、ルドルフが愛情を示してもむしろ疎ましく思っている。しかし、情死の直前の頃のルドルフには一抹の不安を感じ、初めて母親らしい面を見せようとする。
◎ ルドルフは愛に飢えた神経過敏な人物で、精神的に分かり易く壊れかけており、娼婦や夜の街に逃げ場を求め、モルヒネもやっている。
◎ 高級娼婦ミッツィがお気に入りであるが、マリー男爵令嬢ともきっちり愛人関係を結んでいる。
◎ ミッツィに心中も持ちかけたがすげなく拒絶されて、乗せ易いマリーを道連れにしたのだが、現場ではお互い心中に向けて心を一つにしている(が、心中の位置づけは各人の内心で異なっている)。


このように、バレエ「うたかたの恋」におけるルドルフの人物像というのは極めて複雑なので、バレエの男性ダンサーの役柄としては、最も困難なものと言われております(次点はオネーギン)。

この日のヨハン・コボーは、ルドルフの心情を余すことなく表現しており、素晴らしかったと思います。見ている間中、私は、コボーを見ていることを忘れ、彼が演じるルドルフそのものに、同情したり、しっかりせんかーとムカついたり、そっち方向に行くなよ、愚か者ー!と叫んだりしていましたよ(ストーリー知ってるくせにね。笑)。
いやいや、彼はこの先も、「コジョカルの旦那」と言われてしまうことはないでしょう。

リャーン・ベンジャミンは、もうかなりのベテランダンサー(ロイヤルでプリンシパルを張って、もう17年…)です。
が、マリーの、若いくせにエロチックな野心家で、生意気にもルドルフを堂々と誘惑したり(ルドルフは内心嘲笑していたでしょうけどね)、他方で、恋に恋している状態で、何の規範意識も宗教的な感覚も持たず、積極的に心中に突き進むという、限りなくおバカな若い情熱だけは十二分に持っているという、歪んだアホ娘を妙に説得的に演じていて、コボーの熱演とのバランスがとても良かった。

満足な公演でした。
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by koharu-annex | 2010-07-11 21:24 | バレエ(英国ロイヤル)
NHKクラシックが、この7月に放送する、ドキュメンタリー傑作選の予定の中に、「シルヴィ・ギエム~限界への挑戦~」が。

昨年10月に放送されたものなんですが、ちゃんと録画してるかな~と思って探したら、一応あったので、確認のため、早く寝る予定を返上して視聴。

このギエムのドキュメンタリーは、2007年1月から2009年3月にかけて、ヨーロッパや日本でのギエムの公私にわたる行動を記録したものです。

昨年日本でも話題になったインド人ダンサー、アクラム・カーンとの「聖なる怪物」など、複数の演目の創作風景や公演も一部記録されています。
特に、後半は、18世紀のフランス人男性で、女装スパイとして活躍したシュヴァリエ・デオンをモデルにした、新作バレエ「女形」の創作過程が主になります。

この作品の名称「女形」は、男性が女装して・・・の部分が日本の歌舞伎と重なるからでしょうね。歌舞伎つながりで、随所に日本的な小道具(刀や扇子など。ちなみに刀はデオンが剣の名手だったからだそう)が出てきますし、衣装の一部には女性用の着物が使われています。

で、この「女形」の衣装制作の場面も出てくるのですが。

この衣装を担当しているのが、なーんと、今年2月に急逝した






アレキサンダー・マックイーン







うわぁぁぁぁぁ!  ・・・と思わず叫んじゃいましたよ~
去年放送された段階では、今年あの若さで亡くなるなんて、思ってもみなかったから記憶に全く残っていなかった!
ワタクシ、皆様ご想像のとおりファッショニスタでもありませんし、マックイーンの服も一着も持っておりませんが、彼を知る全ての人が言う、彼の代名詞でもある、あのはにかんだような、シャイだけどとってもキュートな笑顔が、私もとても好きだったんですよね。

あぁぁぁ、マックイーンが、あの笑顔で、ギエムと衣装の相談をしながらマチ針打ってる!
あぁ、マックイーン、シャイな笑顔なのに、言うべきことはちゃんと言ってるよ。それもギエムに対して!

こんな、お宝映像があったとは・・・。


ということで、皆様、よろしければご覧になって下さい。

BShi 7月9日(金)15:00~16:35
NHKクラシック ドキュメンタリー傑作選 「シルヴィ・ギエム~限界への挑戦~」
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by koharu-annex | 2010-07-09 01:18 | バレエ(その他)
★今月から、エキサイトブログ(無料版のみ)は、記事の末尾に広告が入るようになりました。こちらのブログはバレエ記事が多いため、バレエのDVDなどの広告が入っております。が、もちろん私が推薦するものではありませんし、正直、「こりゃないだろ」的なものもあってショックなんですが、ユーザーにはどうしようもなく。。。でも、ここで有料版に移行するのは悔しいので、無料版でやっていきます。すみませんが、皆様、ご容赦下さい。


英国ロイヤル・バレエ団 2010年日本公演 「リーズの結婚」(ラ・フィユ・マルガルテ)
2010年6月19日(土)午後6時 @東京文化会館

振付: フレデリック・アシュトン
音楽: フェルディナン・エロール
編曲: ジョン・ランチベリー

【出演】
シモーヌ(裕福な農家の未亡人): アラステア・マリオット
リーズ(その娘): マリアネラ・ヌニュス
コーラス(若い農夫、リーズの恋人): ティアゴ・ソアレス
トーマス(金持ちのブドウ園主): クリストファー・サウンダース
アラン(その息子): ジョナサン・ハウエルズ

おんどり: ポール・ケイ
めんどり: リャーン・コープ、イオーナ・ルーツ、エマ=ジェーン・マグワイヤ、ロマニー・パシャク

リーズの友人: タラ=ブリギット・バフナニ、フランチェスカ・フィルピ、ナタリー・ハリソン、ローラ・マッカロク、クリスティン・マクナリー、ピエトラ・メロ=ピットマン、サイアン・マーフィー、サマンサ・レイン

村の公証人: ギャリー・エイヴィス
公証人の書記: ポール・ケイ


指揮: ダニエル・キャップス
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団

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この演目でなにが好きって、おんどり・めんどりの踊りです。
彼らが出てくるだけで、私の顔はにやけます。本物のにわとりの動きを、よくまあ、これだけ踊りの中に盛り込めたものです。
リーズやコーラスが舞台上に出ている場面でも、端っこで、他の「その他大勢の人達」の数人に、おんどりがケンカをふっかけたりしていて(縄張りに入ってくるなー!みたいな?)、マジで笑える。
正直、おんどり・めんどりが舞台上にいるときは、どんなに端っこであっても、凝視してます(私の中では、主役もそのときは脇役です)。
今回は後半で公証人もやっている、ポール・ケイさんが「おんどり」でしたが、楽しげに、でも気合入れて演じていて、私は大満足。

ヌニュスのリーズは良かったです。
おてんばで、ちょいとわがままで、感情の発露が素直で分かりやすくて(ぶーたれるところも、分かりやすくぶーたれる)、元気で可愛いリーズでした。

それに比べると、ソアレスのコーラスは、今ひとつですな。
この人は、ちょっと「俺ってハンサム」オーラがあるので、農夫ではなく華やかな役の方がずっと似合うでしょうね。正直、ぱっと見で、「こんな人、村にはいないよ。」って思っちゃう感じ。

しかも、この日、出だしの調子がかなり悪かったんですよね。
「オーラ出すなら、ちゃんと踊れよ!」と、思わず心の中で突っ込んじゃいましたよ。
後半に行くに従って、調子を上げていったので、微妙にアップ不足だったんじゃあ・・・という疑いも拭えず(-"-;)


それにしても。
この、ラ・フィユ・マルガルテ、「観て幸せになれる、世界一のバレエ」などと宣伝されます。
最終的にリーズに振られて大恥をかかされる、「頭の弱い」アランについても、「赤い傘がありさえすれば幸せ」なので、「リーズの家に置いてきてしまった赤い傘を、ラストに取り戻して幸せになる」ということを前提に、「登場者全員が幸せになるバレエ」などと言われます。

でも、それって、ウソですよね。
現在、これ観て、「ちょっとアランの扱いがひどくない?」と、心がチクッとしない人って、殆どいないのではありませんか?

このバレエの初演は、1789年のフランス、ボルドー。
1789年は、フランス革命の年です。
この時代、農村を舞台にした農夫や村娘達が主役の演劇的な舞踊において、金持ちの息子アランを「頭の弱い」奴に描いてからかうということは、許されるし面白かったのでしょう。

だけど、現代に生きている私は、「お気に入りの赤い傘があれば幸せになれる人なんだから、婚約をひどい形で破棄されようが、親や村の皆の前で大恥かかされようが、赤い傘が手元に戻りさえすれば大丈夫」なんていう感覚には、到底なれないわね。

具体的に言うと、私の友人には、発達障害の兄弟・息子を抱えた方が複数いるけど、彼女達をこのバレエに連れて行けるかっていったら、そりゃ無理よ。
だって、全編にわたって、アランは馬鹿にされ、ひどい扱いを受け続けるんですよ。「頭が弱い」というだけの理由で。

私は、大上段に構えて、「差別的だからこんなバレエ、やめてしまえ」とか、「アランの部分を改変しろ」などと言うつもりは毛頭ありません。
が、そろそろ、「誰でも観ると幸せになれるバレエ」などと、アホな宣伝の仕方をするのは、もう止めませんか?そして、アランについて、「赤い傘があればいつでも幸せ」などと、バレエ紹介本やパンフレット等に、大ボラ書くのも、もう止めませんか?
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by koharu-annex | 2010-07-04 23:20 | バレエ(英国ロイヤル)

DOI雑感

★7月5日、真央さんの箇所に、ノイマイヤー版バレエ「椿姫」3幕の黒のPDDの動画に関するコメントを加筆しました。

●鈴木明子さん SP「ジェラシー」
ブラボー!ブラボー!ブラボーーーー!!!
明子姉さん、円熟期を迎えているのではないでしょうか。
まさに明子さんの踊り!という、王道路線です。

ただね、私は明子さんのダンスに対する評価が極めて高いだけに、望むことも高いのです(笑)。
あまりにも有名なタンゴ「ジェラシー」を難なく完璧に踊りこなす明子姉さんを見て、わたくし、思ってしまいました。

明子さん、他の踊りもそれくらい踊れるはずですよ、と。

頼みますわ、明子姉さん、一発かましてちゃぶだい。

●村上佳菜子さん EX「ビー・イタリアン」
まあ、まあ、まあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!! このお嬢さんったら、なんてこと!!!!!!
本当に、まあ、なんてことでしょう!!!(笑) (←喜びの笑いです。念のため) 

まずは皆様、この演目のネタ元、映画NINEの中のダンスをご覧になって(こちら)!!
(もっとたっぷりご覧になりたい方は、目黒シネマで7月3日~16日、2本立てで上映されますので、そちらをどうぞ)

このダンスを、まだ15歳の少女が踊りたいと思い、そして実際に踊ったなんて!!

皆様、この少女の、この若さゆえの「好き!」と思ったら一直線な無鉄砲さの、呆れるほどの眩しさと、そして「好き!」という勢いだけで、通常この年齢では有り得ないダンスをモノにするかもしれない可能性に賭けて、この少女を応援して差し上げようじゃありませんか。

この方、本当にダンスが好きなのですね。

現時点では、まだまだ振付をなぞるだけで精一杯。
表情もかたいし、タンバリンや椅子などの小物の使い方もぎこちない。
踊りこみがまだ足りないので、体の伸びが無く、前回私がべた褒めした「ヒジ使い」のうまさも、全く影を潜めてる(まったくこのお嬢さんは~~~! 爆笑!!)

でも、どうしても踊りたいんでしょうね、この作品。
きっとご自分で言い出したんだと思う。

頑張って踊りこんで下さい! 私は応援しますよーーー

●高橋成美さん/マーヴィン・トランさんペア SP「Feeling Good」
私はとても好きな曲です。
踊りこみ(滑り込み、と言った方が正しいのでしょうが)が足りないのでしょうね。
ペアだと、余計、大変なのでしょうが。
久々に期待できる日本人ペア、なのですよね? 頑張ってください。

●ステファン・ランビエールさん「Ray」/高橋大輔さん「アメリ」
この2人は、放置プレイでOKです。
ステファンさんは次元が違うショーマン野郎、高橋さんは次元が違う憑依系の役者タイプなので、まったくコメントする必要がありません。
ただ、観てればいいです(笑)。
(高橋さんは踊りこむと、アメリを全く別物に仕立てるはずです。賭けてもいいよ)

●ローラ・レピストさん 「Jupiter」(by平原綾香)
この曲は・・・今回だけなのでしょうね。
途切れのない振付とスケートが、おざなりな意味ではなく、文字通りの意味で「滑らか」で、とてもとても美しいと思いました。照明とも合っていましたね。

●安藤美姫さん EX「Comin' Home Baby」(byバービー・マン)
これも、モロゾフさんですよね????
わたし、ちょっと見直しました、モロゾフさんを。
この演目、安藤さんの演目の幅を広げてくれたと思います。その意味で、今回のDOIの中では、最も「しみじみ嬉しかった」演技でした。

コメント欄で書かせてもらったことがあるのですが、私は、安藤さんについては、モロゾフさんが用意した情念系の女らしさを強調した道でなくとも、安藤さんに似合う別の道があると思っていました。
しかし、(男女間の噂はさておき)、安藤さんとモロゾフさんの関係の深さを考えると、モロゾフさんと一心同体でやっていくしかないのだろう(つまり、情念系の女らしさでいくしかないのだろう)と思っていました。

しかし、この演目は、彼女に、情念系の女ではなく、ハンサム・ウーマンな道も用意してくれました。
しかもとっても似合ってる。嬉しいです、本当に。

あんまり嬉しいので、いろいろ妄想しちゃいました。
日本人にしか分からないケド、ベル薔薇のオスカル、潔さを前面に出し、アンドレへの愛は内に秘めて踊って欲しいなあ!

舞踊的な観点のコメントとしては、情念系の女を続けてきたおかげで(笑)、腕の表現が随分良くなっているのが、この演目だと顕著に分かります。
小物(今回は帽子)を使った演技にありがちな、「ぎこちなさ」は現段階では存在しますが、そのうちそれも目立たないレベルになるでしょう。
明確な「腕の振付」がない箇所での、ヒジ使いが使えるようになれば、もっとカッコよくなって完璧です。

頑張れ、ミキティ!

●エフゲニー・プルシェンコ 「MALADE」
プル様、何を踊っても、金太郎飴のようにいつもプル様。
いんです、プル様はそれで!!!

こういう、真の王者にのみ許される、究極のマンネリというか、自分自身しかない究極の表現っていうの、あるんです。
(バレエでもあるよ~。ギエムはここ数年、なにを踊っても、どういうジャンルであっても、「ギエム」でしかない。そしてそれが許される稀有な存在です。)

競技出場禁止の件?
クソ食らえですね。

●浅田真央さん EX「バラード第1番」(byショパン)
衣装がとても似合っています。
既にコメントを下さった皆様から教えて頂いたのですが、バレリーナを意識した演目だそうですね。
ある方のコメントによると、「バレリーナが練習しているところ」だそうで。

バレエという観点で言えば、ショパンのバラード1番は、ノイマイヤー版「椿姫」のクライマックスで使われる音楽です。
3幕の俗に「黒のパ・ド・ドゥ(PDD)」と呼ばれる部分で、ここはマルグリットとアルマンが最後に劇的に愛を交わす場面で、狂おしい愛情と悲劇が交錯する胸締め付けられるPDDとなっております。

コメント下さった方から、パリオペラ座バレエ団で大変評判をとったアニエス・ルテステュとステファン・ビュヨン(ビュリヨン)のノイマイヤー版「椿姫」(NHKBSが昨年放送してくれたのですけど、日本語版のDVDが出たのはこの6月です。それまでは海外版でした)の黒のPDDの動画を教えて頂いたので、ご興味のある方はご覧下さい(こちら)。

真央さんの今回の演技は、拝見した限りにおいても、この椿姫の場面とは全く関係ないようですが、万が一、この次のシーズンでの「椿姫」への布石だとしたら、非常に嬉しいと思う次第です。
彼女の今回の真っ白な衣装は、椿姫を髣髴とさせるものがありましたし・・・。

舞踊的な観点から言えば、まだ体にキレがなく、また、振付も覚えたてという印象を受けます。
体の外延が1センチ程度ぼんやりと緩んでいる感じがするところも含め、いろんな意味でいかにもシーズン前というところでしょうか(笑)。

ただ、これはシーズン制を取っているカンパニーのバレエダンサーにも時折見受けられることですし、また、皆様から頂いている情報によると、そもそも真央さんはスロースターターだそうですね。
しかも、今季からジャンプを調整(修正)中ということで、その点の感覚のズレがあるかもしれないと。
なので、全く心配する必要はないと思っています。
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by koharu-annex | 2010-07-02 01:11 | 2010-2011 フィギュアスケート