もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カテゴリ:フィギュアスケート男子( 14 )

あう

いかん、また泣いてしまった。

信ちゃん、テレ東「ソチオリンピック2014 ハイライト」にて、東京ーソチの中継で高橋さんに「大ちゃん」と呼びかけた後、たまらず泣いてた。

それ見て、貰い泣きしてしまった。

ああ、やっぱり良い子や。





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by Koharu-annex | 2014-02-15 20:03 | フィギュアスケート男子
今、テレ朝のフィギュアスケート団体生中継を見ているんですが。

もしかして信ちゃん、テレビの才能あるんじゃないの?

アスリ家のCMもすごく良かったし(あんなに「ファミリー」ってものに馴染むのは、フィギュアスケート選手の中で随一だと思う)、今年から沢山出演しているバラエティ等のコメンテーター(っていうのかな?)としての受け答えも、「スポーツ選手が引退したので早速呼ばれました」というタイミングで出た人の中では、ダントツでそつなくこなしてる。

今回の中継ゲストも、繰り出すコメントが割と視点やウィットが利いたものが多くて、目を見張りました。

語り口もソフトなので、是非、今後はテレビでも活躍して欲しいわ。




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by Koharu-annex | 2014-02-09 01:20 | フィギュアスケート男子
思いのほか時間がかかってしまいました。
羽生君について感じることは沢山あるのだけど、いざ記事にしようと思うと、書いても書いても、何かとても重要な点が決定的に欠落しているような気がしてしまいます。それだけ多面性のある選手ということなのかもしれません。って、言い訳ですが(笑)。

さて、ワタクシめ、GPFの雑感で羽生君について以下のように書きました(長いけど最初に読んでもらった方が話が繋がり易いので、敢えて転載)。
19歳直前の羽生君、やったわね。
彼はインタビューでもいろいろお話されますけれど、彼が語ろうとしない(敢えて、ではなくご自分で気付いてない か、気付いてても表現できないのかもしれない)、彼の中にある、一部の勝負師のみが持っている「鋭い刺」が、今回ほど顕著になった演技は無かったと思いま す。(羽生君がシニアデビューした年に、羽生君のことを評して「日本人には珍しく牙を持ってる選手」とコメント下さった方がいらっしゃったのだけど、ホント言い得て妙だと思うわ!)

もう鬼籍に入られた有名な棋士さん(お名前失念)が概要、「何十年もこの世界で勝負をしてきた相手に対し、わずか数年の経歴であっても、自分は絶対に勝てると思えなくては駄目だ。」と発言されていました。こういうことが出来る人って、ぬるい一般社会に生きてる人間からすれば不敵で生意気な奴と思われがちですが、一種、不思議な「偉さ」も持ってる。例えばサッカー日本代表の本田選手なんかそういう類の人だと思う。

羽生君は、GPS2戦では王者チャンさんを前にして、若気と血気に逸った頃の宮本武蔵っていうか、「ちょっと落ち着きなさい」って言いたくなる感じだった。そういう感覚もあって、中国杯の時に彼に「男になれや!」と書いたのですが(こちら)、彼は短期間かつドラスティックに「勝負の世界」の狭い階段を駆け上がっていきました。

羽生君は、今、これまでよりも圧倒的に研ぎ澄まされた「勝負の世界」にいる。これは、彼の資質(鋭い刺を持つ勝負師)を考えると、成長過程で必ず通るものだと思いますし、特にこの五輪シーズンにおいては、まさしく正しいことであり応援すべきことだと思います。


一般論として、勝負の世界に居る人やその動作には、表現の世界に居る人のそれとは別種の、鑑賞者をすくませるようなちょっと恐ろしい空気、一種の気迫がある。剣道での、つばぜり合いの隙を捉えて面を打つその瞬間に突如放出される殺気や、相手が打って来た面を竹刀で返した直後に、相手の胴を打つ(「面返し胴」ってやつですかね)際のキワキワの動作などは、分かり易い例かもしれない。これは頭脳で勝負する分野にも存在し、例えば棋士が盤上に駒を打つ時の手指の動きに異常に重みあるいはキレがあり、勝負どころであればあるほど、そこに凄まじい気迫と念が籠っていることがよくある。

もちろん表現の世界で「勝負」色がある事態が全くないのかと言えば、そんなことはない。例えばバレエのガラ公演なんかだとスターが勢揃いするから、自ずとライバル 心に火がついて、競い合うようにダンサーの演技が白熱することがあって、そりゃ~盛り上がります。でも、こういう表現の世界のそれとは、全くレベルが違う 「殺気」や「キワキワの動作」が、勝負の世界には存在する。

フィギュアスケートは、相手と対面して1対1で闘う競技じゃないけれど、こと競技会で上を目指すとなると、一種独特の鋭い勘というか、流れを作る力量みたいなものが必要な場面が時々ある。そういう時、どっぷり勝負寄りの選手というのは、1対1で闘う世界に居る勝負師と同じ気迫をまとうし、まさに「キワキワの動作」のような動きを見せる。この勝負師に特有の「殺気」だとか「キワキワな動作」に、応援する側のアドレナリンも大放出されて大興奮、ってことは多いと思う。けれど、勝負師カラーがあまりに露骨で分かり易いものだと、逆に苦手とする鑑賞者が存在するのもまた事実でしょう。

羽生君は、上のGPF雑感で書いた通り、短期間かつドラスティックに「勝負道」とも言うべき狭い階段を駆け上がっていきました。鑑賞者の中には、シャランと鳴っていた羽生君の鈴の音が年齢とともに無くなることは我慢しても、ここまで勝負師カラーたっぷりの羽生君は何だかガツガツし過ぎて苦手・・・と思われる方がいらっしゃるかもしれない。

そのお気持ちも分からんでもないんですが、今は放置すべし、と私は思う。
彼は、GPF雑感で書いたとおり「鋭い刺を持つ勝負師」で勝負師としても稀有な才能を持っている人ですが、一方で本来的に地力の非常に強い憑依系の表現者です(この2つがともに高度なレベルで両立しているって珍しいかもしれないですね)。なので、勝負師として勝負の世界にある「闇のような深淵」と「その先にある光明」に辿りついた時、彼は「表現の世界」における高みを望むと思う。

ここに「闇のような深淵」とは何か。
簡単にいえば、ある種の狂気かもしれない。もちろん、表現の世界にも狂気はある。でも、勝負の世界における狂気って、それとは異なる(というか一線を越えている)ちょっとした恐ろしさがあると思う。一例だけど、当人からそれ以外の事項に対する興味や、人としてのバランスを保つための思考・判断能力、そこまで大げさじゃなくても一般人としてのごく普通の社会常識を、ひどく弱めてしまうことがある。将棋の羽生善治さん(奇しくも苗字が羽生君と同じ漢字だわ。読み方違うケド)なんか、今では普通の優しげな中年オヤジになったけど、20代で棋界に旋風を巻き起こし・・・というより暴れまくってた頃は、まさにそんな狂気を感じさせたものでした。(アイドルと結婚されると聞いたときは本当にほっとした。「普通の男の人と変わらないところが、まだ、ちゃんとあった」って)

ちなみに、この「闇のような深淵」にある狂気が、ちょっと逸れた方向に突き詰められて行くと、例の大王製紙元会長の井川意高受刑囚 (特別背任で服役中)の自叙伝「熔ける」(双葉社)に詳細に書かれてある「博打」に内在する地獄と紙一重になると、私は感じている。井川さん・・・あの極めて賢かった(企業人としての才覚と力量は、客観的に見ても見事だった)博徒は、こう書く。
カジノのテーブルについた瞬間、私の脳内には、アドレナリンとドーパミンが噴出する。勝った時の高揚感もさることながら、負けたときの悔しさと、次の瞬間に湧き立ってくる「次は勝ってやる」という闘争心がまた妙な快楽を生む。だから、勝っても負けてもやめられないのだ。地獄の釜の蓋が開いた瀬戸際で味わう、ジリジリと焼け焦がれるような感覚がたまらない。このヒリヒリ感がギャンブルの本当の恐ろしさなのだと思う。(「熔ける」p252)
恐ろしい・・・。「地獄の釜の蓋が開く」って言葉、私は「お盆とお正月は休みましょうキャンペーン」としか捉えてなかったけど、こういう考え方もありましたか。自分の足元で地獄の釜の蓋が開いていて、一歩間違えれば、閻魔様の審問なしに真っ逆さまに罪人をぐつぐつ煮ている窯の中に落ちてしまう。それが分かっていても止められないどころか、それがあるからこそ生じる感覚すらも快感になっていく。ドーピングがなくならないのは、勝った時の報酬や名誉が欲しいという単純な心理だけじゃなく、奥底にこういう感覚があるからかもしれない。

話を元に戻して、では「闇のような深淵」の先にある「光明」とは何か。
それは、その道の究極の姿としての「美しさ」だと、私は思う。
勝負する競技・中味が何であれ、その道その道で「美しさ」というのものは確実に存在する。体操の内村さんが「美しい体操」に、将棋の羽生さんが「美しい将棋」(相手が悪手を打つと自分が勝ちに近付くにも拘わらず、美しくないという理由で不機嫌になるのは有名な話)に、それぞれ固執するのは、彼らがそれらをその道の究極の姿と考えているからだと思う。

勝ちに拘る勝負師の姿勢は、人を研究熱心にさせ、何より技術を磨き極度に正確にする。だから、勝負の経験を経れば経るほど、一種の美学を持つ勝負師は多い。けれど、この究極の姿である美しさを求める境地っていうのは、どうも勝負道を通るだけでなく、「闇のような深淵」を覗き見たような極一部の人にしか到達できないように見える。こういうタイプの人にしか、究極の姿としての「美しさ」を明確に把握することができないのかもしれない。そして面白いことに、勝負にこだわるが故に生じていた、ある種の狂気は、この究極の「美しさ」を求める段階に至った場合には、少しこなれてくるというか、確実に薄まってくる。

フィギュアスケートという特殊なスポーツにおいては、この究極の姿としての「美しさ」は、表現の世界と重なる部分が大きいように思う。そして、羽生君は、大きな怪我さえしなければ、近い将来この究極の姿を掴むと思う。仮にそれがおぼろげなものであっても、彼の表現の地力に照らせば爆発的な表現欲求が起こるのは必然。

羽生君は、表現の世界に戻ってくる・・・というか、違うルートを通って、奇しくも表現の世界の頂点を目指す地点に到達する、と思う。今、彼がそのど真ん中に居る「圧倒的に研ぎ澄まされた勝負の世界」は、最終的に彼が究極の「美しさ」を目指す地点に至るまでの道程。

彼の成長が本当に楽しみです。

さあ、今から団体戦の男子SP、見るわ!
明日の朝は今週で一番早く起きなきゃいけないので、つらいけど(笑)。




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by Koharu-annex | 2014-02-07 00:38 | フィギュアスケート男子

高橋さんのSPが

ベートーベンの激昂・・・じゃない、「月光」に変更になったとか!

ピアノの発表会の超定番曲なので、他人のものも含めて、いろんな思い出がいっぱい(笑)。

楽しみにしています。ぐふふ。
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by Koharu-annex | 2013-02-07 01:52 | フィギュアスケート男子

久々に信ちゃん

左膝故障のために昨年11月のフランス杯以来、休養していた信ちゃんが、復帰戦となったネーベルホルン杯で、SPで79・64点を出しトップに立ったというニュースが。

報道によると、冒頭の4回転トーループで転倒したものの、その後の3Aと2連続3回転ジャンプを決めたとのこと、また左膝の痛みは全くないとのことで、一安心でございます。

こちらの記事によると、「五輪まで日にちがないので、自分の存在をアピールするためにも、自分はこういう選手なんだっていう演技をもっともっとできるようにしていきたい。」とのことでありますが・・・。

加えて、私は未だ、演技を見ていないわけですが・・・。


一言、言いたい。









信ちゃんっ  その衣装 何なの!?
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by Koharu-annex | 2012-09-28 23:00 | フィギュアスケート男子

高橋さんと羽生君のSP

羽生君の来季SPは、ジェフリー・バトルさんが振り付けた、Parisienne Walkaway(パリの散歩道)だそうですね。(THE ICEのこちらの動画参照)

ちなみにこの楽曲、80年代に、郷ひろみさんがカバーしていた事実はちょっとしたトリビア(こちらの動画参照)。
今の人にとっては、郷ひろみさんってギャグに昇華しちゃってるから、こんなシリアスに歌を歌ってるって軽く衝撃かも。

それにしてもTHE ICEって、ホント太っ腹ですね。
ちゃんとyoutubeに専用チャンネルを作って下さり、ちゃんとこんなに見やすくアップして下さるなんて。


それに比べて、高橋さんのSPは良く分からないなあ。
「ザ・ストロール」って、それだけじゃ分からないしー。
報道機関によって、50年代~60年代のロックって言ってみたり、ロカビリーって言ってみたり、高橋さんが「最初ジャズかと思った」って報道もあったなあ~。
動画の前日リハーサル(こちら)見ても、よく分からなかった。

もうFOIは終わっているんだと思うのだけど、皆様の中で曲が分かった方っていらっしゃいますか?
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by Koharu-annex | 2012-08-28 23:20 | フィギュアスケート男子

高橋さんのこと

バレエの記事のアップを急ぐと言った途端に、またフィギュアの話題ですが(笑)。

私は毎年6月から7月頭は比較的忙しくなっちゃうのですが、今年はサッカーのユーロがあったので、あっという間に過ぎ去ってしまいました。

なので、高橋さんのニュースのキャッチアップも少々遅れ気味ではあったんですけど、今考えても「あらま」という感じでしたね。ええ、モロゾフさんの件です。

私は高橋さんとモロゾフさんが決別した頃は、ちょうどフィギュアを全く見ない時期だったので、まったくそのあたりの事情を知らなかったのですよね。なので、6月下旬頃、こちらの田村明子さんのコラムを読んだ際は、モロゾフさんって人として大丈夫かいな?と思っちゃいましたよ、今更ながら。

もちろん、高橋さんが選択したことだし、彼の表現者としての偉大さに照らせば、チーム内に少々人格が破綻した人物がいようがどうってことない、といえばそうなんだけど。
それに最終的に、高橋さんがソチの舞台で最良の結果を得るために、モロゾフさんがほんの少しでも良いから役立ってくれれば、文句はないのだけどさ。

長光コーチも高橋さんも、気を許さずに慎重に、とか思っちゃう私は、猜疑心が強すぎるのでしょーか。

(それにしても、モロゾフさんって、つくづく、日本人にいないタイプだわね。
あのふてぶてしさと異常な行動力を持つ人物が政治の中枢にいたら、日本は確実に機能不全を脱していたと思う。悪い方向に動いている可能性もあるけど。笑)

高橋さんつながりでもう一つ。
こちらの英文記事。

曖昧表現のない英文でビシッと書かれると、「ソチが終わったら引退」が確定事項として迫って来て、ちょっと切ない。
引退して何をやるかはまだ分からない、プロのショーで滑るかもだけど、まだ分からない、なーんて書かれると、ちょっと寂しくなるなあ。。。
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by Koharu-annex | 2012-07-05 17:26 | フィギュアスケート男子
★2012年5月11日に赤字部分を追記しました★

ごめんなさい、今、まだ消化し切れてないんですが。

我らが(←勝手に。笑)羽生君の新コーチに、ブライアン・オーサーさんが就任したとのこと。

複数のニュースを拝見した中に、奈々美コーチとは「円満に解消」と書いてた記事があったけど、まさにそうなのでしょうね。というよりも、むしろ、奈々美コーチが「可愛い子には旅をさせろ」と、羽生君に海外での武者修行を打診したのではないかと、これまた勝手に想像しちゃうほどです。

公式のコーチではなくなったにしても、奈々美コーチは、これからも影に日向に羽生君を支えて行くに違いありません(勝手に断定)。いや、そうであって欲しいです(強く希望)。

オーサーさんのところの男子選手といえば、ハビエル・フェルナンデスさん。
彼について、シーズン中、折に触れて言及しちゃったのは、「オーサーさんのところに行ってから、なんだかちょっと楽しそうじゃない。」ということ。

なので、一瞬、ちょっと心配になりましたが・・・。

ま~、あの羽生君は、憑依系で、基本、放置プレーOKな表現者ですからね。
ちなみに、放置プレーOKな人って、踊り心と表現の地力が大きく、勝手に向こうから次々と新たな表現を繰り出してきてくれる人のことで、簡単に言っちゃえば、「待ってれば良くて何の心配も要らない殿堂」入りな人のことです。私の中では、高橋さん・鈴木さん・羽生君の3人ですわ。

だから、どんな状況になっても、羽生君は、その時々の状況や思いを反映した様々な表現を見せてくれるでしょう。
それがオーサーさんの手柄にされちゃったとしたら、ちょっと悔しいけど。(明らかに羽生君のこの手の才能を花開かせたのは奈々美コーチだから)

仮に、オーサーさんとの相性が、ひどく羽生君と合わなかったとしても。
そこは、千尋の谷底だ、羽生君。

若獅子よ、上がって来~~い!!!

って、話ですわね。


来シーズンが楽しみだこと。ほほ。


<追記>
コメント欄で、5月10日発売のNumberに、羽生君の今回のカナダ行きの経緯が書いてあるとの情報を頂きまして、さっそく買いましたよ。Number、2012年5月24日号。

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 5/24号 [雑誌]

文藝春秋


おお、メイン特集は、香川さん!!なんか一石二鳥な気分(笑)。わお、それに槙野さんのインタビューもある(この方、とってもとっても楽しい方よ!それに実物は写真の10倍かっこいい。笑)。

コメント下さった方が、「コーチよりも練習環境が決め手だったみたい」と書かれていましたが、私もそのとおりだと思いました。

記事によると、オーサーさんを選択したのは、専門誌において、多くの指導者による分業制の指導を行う「クリケットクラブ」の紹介記事(私の手持ちだとワールドフィギュアスケート50号にも載ってるけど、まさか、これ?)を読んだことがきっかけだったとした上で、
羽生君の「今まで、いろいろな選手を見ながら練習することもなかったし、クラブの様子を知って、こういう環境で滑ってみたいと思いました。」とのインタビューが掲載されています。

奈々美先生と話し合ったら快く背中を押して下さったそうで・・・そりゃ押すわなあぁぁぁぁ、奈々美先生なら。もう、本当に「可愛い子には旅をさせろ」の心境だったと思いますよ。

私はねえ、オーサーさんが新コーチ(&奈々美先生とは師弟関係解消)と聞いて、なんで自分がちょっとばっかしショックを受けてしまったのかと、この記事を書いた後、胸に手を当てて考えてみたのですよ。

そしたらねえ、私は、奈々美先生と一緒にいる羽生君を見られなくなるのが、とても寂しいのだと思い至りました。

奈々美先生と羽生君ってね、よく師弟関係に見られる、
「コーチの生徒」(=コーチが完全にはるか上で、時には操っているようにも見える)、
「コーチと生徒」(=師弟関係はあるのに、ある意味、対等な関係性が見られる)、
だけでなく、うっすらと、
「生徒のコーチ」、つまり、「羽生君『の』奈々美先生」という印象があるんですよ。

それは、とても幽き(かそけき)ものなんだけど、羽生君が「僕『の』奈々美先生」と思ってる節がある。それはとてもプリミティブな所有(「独占」というのとはちょっと違う)の感覚で、敢えて言うなら、羽生君が関係性としては上で、奈々美先生を包み込もうとしているように見える(本人は無意識だろうけど)。

ちょっと官能的な想像をしちゃう人がいるかもしれないけど、別にそういう次元のものに限らず、濃密な師弟関係に、時として見受けられる関係性だと思う。ただ、特に異性の師弟関係の場合に多い気はします。

異性の場合に多いからこそかもしれないけど、この関係性は、非常に美しいの。特に見栄えの良い2人の場合は、とっても美しい。
羽生君の萌黄のような10代の美しさと、奈々美先生の女盛りの美しさ(もう若くはないけど、あの年齢でしか存在しない美しさが、彼女には確実にある)が、双方によってより高められる上に、一見すると、年齢と師弟関係をともに逆転させたような羽生君の背伸びした「僕『の』」感覚が醸し出す、あの絶妙な雰囲気。

あれを「美」と言わずに、何と言おうか、ってな話じゃないですか。

ということで、一つの美を失ったことが、私はとても悲しく寂しいのだと思いました。

いや、もちろん、形式的な師弟関係は解消しても、彼らの間で師弟関係は一生ものでしょうから、2人の間ではずっとその「美」は存在するのでしょうけれども。

見られないじゃん、私。


・・・だいぶ話が逸れてしまいましたが、羽生君。
万全の練習環境で、頑張ってください。来シーズン楽しみにしていますよ。


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by koharu-annex | 2012-04-26 00:42 | フィギュアスケート男子
2012年世界選手権の男子FSに至るまでの、羽生君のパフォーマンスの感想です。

その1(2010-2011シーズン)に引き続き、2011-2012シーズンを。

(2)2011-2012シーズン

ドリーム・オン・アイス(2011年6月)

●羽生結弦さん(16歳) ロミオとジュリエット
あらー!ロミオ!
こりゃまたぴったりな演目を選んできましたね、FPですか。

音楽は、ディカプリオが主演した映画「ロミオとジュリエット」の音楽ですよね。この選択がまたすごく良いのではないかと思います。

例えばバレエ音楽であるプロコフィエフのものは、ジュリエットのライトモチーフは沢山出てくるのですが(3種あってどれも有名)、ロミオのライトモチーフはそれに比べると地味。バレエの場合は、基本的にジュリエットが刺身でロミオはツマなので、そういうことになっちゃうんだけど・・・。しかも、プロコフィエフのこの楽曲は、その先の不幸を「多めに」(←ここポイントね)予感させるような、どこか死をイメージさせる闇色が全般に漂ってる。これは、羽生君の今のイメージには若干ヘビー過ぎる。

チャイコフスキーのものやニーノロータのものは、プロコのものに比べると闇色は少ないと思うけど、なんというか、羽生君のいつも鈴の音が聴こえてくるような類まれな「光る君」(by紫式部)タイプには、有名過ぎて手垢がついてるという点も含めて何だか少し物足りない。(羽生君が女たらしになるとは言ってません。念のため。笑)

私の中ではもはや半分ギャグと捉えてしまうディカプリオ君ですが、彼のナルが前面に出たこの映画くらいロミオが突出している方が、羽生君にはぴったりだと思う。

実際、羽生君の今回の演技には(FP後半のみとはいえ)ジュリエットの存在は殆ど感じられないけど、そこは全く問題ないと思います。そもそもロミオとジュリエットの2人って、若さ暴走させて自爆しちゃったけど、本当に愛を深めているかは疑問なんだし(要するに恋に恋した状態で終わったとも言える)。自分の思いだけで完結しちゃってる1人の世界、というのは、この2人の場合はある意味正しい。

彼の陣営は、彼のことを真によく分かっていらっしゃる。これは彼にとって強力な武器ではないでしょうか。

今回のご披露はFPの後半のみ、ということでしたが、ちょっとまだ体力がきつそうですね。この夏は体力強化の夏になるのでしょうか。頑張れ~

THE ICE(2011年8月)
●羽生君 ロミオとジュリエット
この人の身体のしなり具合は本当に魅力ですよねえ。そして、たくさんの小さな鈴が鳴っているようなシャランとした音、まだ健在ですね。あと何年あるかなあ・・・。

DOIのときも書いたけど、彼のロミオは、音楽の選択が良いと思います。羽生君は、音楽性もあるし、かつロック魂もあるので、こういうタイプの楽曲も非常に良く似合いますよね~

心配なのは、彼の表現したいものが、今の彼の身体能力の範囲に納まらない、ということです。内から湧き出るものが大き過ぎて、身体が壊れそうです。とにかくケガをされないよう祈ります。「表現したいもの」がこれだけ明確に大きい、ということ、それだけで既に彼は宝ですから。

ジャパン・オープン&カーニバル・オン・アイス(2011年10月)
●羽生君/ロミジュリ
怪我しそうでひやひやするなあ。もちろんいろんな心情あってこそなんだろうけど、少し「強い気持ち」で押し過ぎだな。

まあ、彼のこの感情のほとばしりは、分かりやすく人に訴えかける10代のキラメキなので、そういう意味では捨てがたいのだけど、でも、これじゃ身体がもたんて。
身体のことを考えると、「シャリンと音をたてる小さなたくさんの鈴」(←去年の感想参照)は、今年はもう封印してもいいよ(笑)。もったいないけど(←言っちゃうんだな。これが)。

10代特有の一過性の美ではなく、表現の完成度という一般論的な見地からは、パフォーマンス全体のバランスを考えると、ふっと息を抜く部分があることも大事だし、情感の表出という意味でも、感情を一旦内に取り込むことも大事です。ええ。

中国杯(2011年11月)
●羽生ゆづる(16歳)日本/スクリャービン「12の練習曲作品8 悲愴」
この衣装が似合ってるだけで、日本男児としては表彰ものでしょ。
この人は指先まで覆っている衣装が多いですが、それが良いですよね。腕の動きも手先の動きもとても綺麗なので、それを強調できるgoodな選択。

うねるように、しなるように身体が動きます。これまでの選手とスピード感も全く違う。素晴らしいです。
また、この人はね、高いバイオリンの音とか、ピアノの音とか、抒情的な響きが良く似合いますね。日本男児としては極めて貴重な存在です。

テン君ほどじゃないですが、この人も若いですからね、これまでは、音楽的に「静」な部分であっても、内なる思いから勢いを出し過ぎちゃうことがありました(そしてそれは後半の体力不足につながる)。しかし、今回は緩急をちゃんと意識して「静」なところは落ち着いて、「動」なときは思い切って動いていました。私の好み的にはもっとついてた方が良いけど(笑)。最後の渾身の3つの動きは、気持ちも入ってて、強い印象を残しました。

●羽生ゆづる(16歳)日本/映画「ロミオとジュリエット」より
うわ~、顔色が悪い・・・
と登場の時から思ったんだけど、冒頭から身体はよく動いてました。序盤のジャンプは非常にクリアでしたしね。後半も、何度かのジャンプの失敗にもめげず、一生懸命全身で表現していく姿が健気で胸を打つものがありました。この健気さというのは、ロミオに通じるものですからね・・・。

あの顔色の悪さは体調が万全でなかったことを物語っていますが、そうであるにもかかわらず、体力の問題を感じさせませんでした。パワー配分など、随分考えて臨機応変に対応できるようになっているのかもしれませんね。パワー配分や体調に応じた力の入れ具合の調整は、体力が有り余っているとは言い難い羽生君にとっては身につけるべきスキルでしょうから、そういう意味では大きな収穫とも言えるのではないでしょうか。

今回は残念でしたが、これも経験すべきことだったと捉えて、次回に気持ちを切り替えて欲しいですね。

ロシア杯(2011年11月)
●フライング記事
羽生君っ


おめでとう~~~!!!



まだ映像見てないけど、減点2点をくらってもFS2位、そして金メダルゲットは素晴らし過ぎる。

あなたの真っ直ぐな強い気持ちが、GPF出場を引き寄せましたね。

玉の汗をかいても、汗臭さなんか絶対ない!と思わせる、あなたの汗が好きです。


カナダでも頑張れ。

●羽生ゆづる(16歳)日本/エチュード・イン・D・シャープマイナー(スクリャービン「12の練習曲作品8 悲愴」)
中国杯のときの感想は、

(省略)

というものでしたが、この後半に書いた静と動の切り替え、今回は、より美しく演目の完成度を高くする方向でレベルアップしていました。

ずっと書き続けていることだけど、彼は憑依系の表現者のタイプだと思います。このタイプは、自分の身体が壊れても全力で表現したいことを出し切っちゃう傾向がある。ただでさえフィギュアスケートは怪我の多い過酷なスポーツなので、パフォーマンスの際には、この表現欲求と現実の自分の身体とのバランスを見極めて欲しいと願っています。今回、羽生君がそういう見極めができてきているように見えたので、嬉しかったなあ。

それにしても、技術点(45.20、スピンとステップは全てレベル4!)だけ見れば、ダントツでトップですか(しかも4回転失敗しているのに)。
私はこれが素晴らしいと思う。

羽生くんのように、生来のオーラとか雰囲気とか舞台上の華がある人って、時折、その資質を全面かつ前面に出す表現をしたいという欲求に駆られるときがあって、そういう場合に技術は後回しになっちゃうことがある。
羽生君が、自分のオーラ・雰囲気・華という天性の素質に見向きもせずに(この見向きもしないところが、また別の魅力を引き出しているんだけど、そこはとりあえず置いておく)、真っ直ぐに技術に目を向けていて、真摯に技術面での加点を狙えるよう努力しているのは、本当に素晴らしいことです。
多くのバレエダンサーも言っていることですが、表現の土台は技術ですから。

私には理由が分からないけど、若手は同じことやってもPCSが低く抑えられる傾向があるそうですね(タクタミちゃんの、「今年はジャッジの評価を上げるための年」との発言の趣旨もそういうことでしょうか)。
羽生君のPCSの評価は、今は高いとはいえないところに抑えられていますが、彼の表現の地力からすれば、技術点と同様に高いPCSを取れる潜在能力は明らかですから、今後が楽しみですね。

そのために、振付やつなぎの部分の更なる洗練を望みたい。特に前半部分のつなぎは、比較すると、ちょっとおざなりで荒い感じがしますので。ただ、ジャンプが多いので気もそぞろになるのだとは思うし、あと全体を通す体力とかスタミナの問題もありますので、やみくもに詰込むだけってのはもちろん駄目でしょうが。
あと、コメント頂いているのですが、PCSを抜本的に上げるためには、SSの指導を別のコーチに仰ぐとか、振付を別の方に頼んでみるとか、そういうことも必要なのかもしれません。後者については、私は今の振付も好きだけれども、表現の幅を広げるためには、別の振付師による振付は今後必須だと思いますね。

とかなんとか色んなこと書いちゃいましたが。
正直、16歳にこれ以上望むのは、要求し過ぎですよね。
ポテンシャル高い人への感想は、ついつい「あれもこれも」になっちゃって、申し訳ないわ~

(なお、震災の影響については敢えて触れないことにしております。悪しからずご了承ください。)

●羽生ゆづる(16歳)日本/映画「ロミオとジュリエット」より
今回のFS合戦において、ガチンスキーさんの耽美に対抗できるのは、われらが羽生くんの悲愴美しかないでしょう、ずばり。転倒した方が美しさがいや増すという、悲愴美の典型的な一類型であります。

2回の転倒(4回転ジャンプとサーキュラーステップの冒頭)で2点減点があったにもかかわらず、技術点はSPに引き続いてトップ。SPのときに書いたからここでは理由は省略するけど、ビバ!であります。

ところで、テレビ放送で、演技途中に無意味に羽生くんのアップの顔が映された瞬間があったけど、ロシアでも彼はハンサムボーイということになっているんでしょうか?

グランプリ・ファイナル(2011年12月)
●羽生君(17歳)/エチュード・イン・D・シャープマイナー
17歳になったのね。おめでとうございます。
演技のときもインタビューの時も少し顔色が悪かったような気がしました。大丈夫だったでしょうか。

つなぎとステップのところで、少し慌ててるような印象がありました。このあたりはご本人がおっしゃっていた雰囲気にのまれた」ようなところがあったのでしょうね。音楽をじっくり聴けずに少々上滑りしちゃった感がある。

4回転ちょっと失敗しましたが、技術点だけなら2位。ご本人は悔しそうでしたが、初めてのシニアのGPFとしては上出来ではないでしょうか。

●羽生君(17歳)/ロミオとジュリエット
羽生君って可愛いなあ。演技が終わってからの、あの感極まったような様子や動作が、なんとも初々しく可愛らしいじゃあないですか。ほんと、可愛い。あれに何も感じなくなったら、私の心が砂漠化したってことだな。これから指標にしよう。

パフォーマンス、もちろんスタンディング・オベーションしたくなる演技でした。テンション上げて思いきり激しく動く様子を観て、何試合かぶりに体力不足を心配したけど、深刻にならなくて良かったです。ただ、今回やっぱり顔色悪いよね。お身体どうぞお大事に。

昨シーズンのいかにも少年期という感じの、ガラス細工のような儚さのある透明感は、確実に減りつつあります(以前申し上げた小さな沢山の鈴の音シャランが、こんなに早く無くなり始めるなんて寂しいという趣旨のコメントを頂きましたが、そうですよね・・・でも期間限定だからこそあそこまで美しかったのですよね…)。
が、それでも、彼の雰囲気は得難いものがあります。

また、長い手足、細い身体、長い首、小さな頭と顔などなど、少女漫画から抜け出してきたような見事なルックス。これも得難い。
私はバレエ見のせいか、表現者の外見の美しさ、ということも手放しで褒めるべきものの1つという感覚があります。ただ、ここは多くの方とずれるところかもしれません。一般に、中身でなく単に外見だけを褒めることは、浅はかな行為と思われているから。でも、正直、表現において「美は力」。これは真実だと思う。

羽生君、ここまで見栄えのする身体をもっていると、昨シーズン・今シーズンのような劇的な音楽&振付でなくても、かなり見栄えのするムーブメントになると思います。しかも、彼は表現の地力が大きいですから、ドラマチックでない抑揚を抑え気味の曲調でも、表現しきれると思います。

とはいえ。
劇的な音楽に乗せて、この華奢な体躯をもった青年とは言えない年代の美少年が、通常この年齢ではあり得ないほどの劇的な振付を、自分の持てるエナジーを最後の一滴まで振り絞るように表出させながら、細部は既に壊れているんじゃないかと思わせるほどのパワーでやり遂げる。
こちら側の人間は、ガラス細工の細部がきしむ音を感じながら、全体が今にも砕け散るんじゃないかとハラハラしながら固唾を飲んで観つつも、そのギリギリのところに圧倒的な美を感じる。
そこに、今の羽生君の真骨頂があることは、否めませんわね。

そして、その美は、羽生君が青年期になると消えていく蓋然性が極めて高い。そうすると、観れるうちに観ておきたいって思うのはこちら側の(勝手ながら)当然の心理で、そうなると、今の路線でしばらくやって~と思っちゃう。

でも、表現者として幅を広げるためには、この路線に安住するのは明らかに×印でしょ。
ああ、悩ましいわぁ(笑)。

全日本(2011年12月)
●羽生ゆづる(17才)/12のエチュードより悲愴byA.スクリャーピン/SP4位 74.32(37.12、37.20)
あらま、最終滑走ですか。そりゃ大変。

うーん、大きく伸びのある動きはあるのだけど、いつもとちょっと違うねえ。
やっぱり4回転失敗して、ジャンプの構成をいろいろ考えなくちゃいけないことがあったりして、気もそぞろになりましたかね。

●羽生結弦(17才)/ロミオとジュリエット/SF167.59(88.59、79.00) 総合3位
まーさーにー、「羽生劇場」、ですな。
一幕ものの作品を観ているようでしたよ。

GPFに続いて最後のジャンプを失敗したが故の、悔しそうな表情そして「この脚のバカ!」と殴る姿が、羽生「選手」の真骨頂ですわね。なんかこれ見るのも楽しみになってるワタクシめでございます。
そして、キスクラから引き上げる時に発した、ラストに滑る中村さんに向けた「健人さんガンバ!」との掛け声が爽やかでした。

またもや顔色が少し悪いようにお見受けしたので、どうぞお体ご自愛ください。
もはや言いたいことはそれだけです。

世界選手権(2012年3月)
●羽生結弦(17歳)日本/「12のエチュード」より「悲愴」byスクリャーピン/7位 77.07(38.68、38.39)
あのね、皆様。言ってもいいかなあ。

私、彼を愛しているかもしれない。

あ、もっと正確に言わないといけませんわね。

私、彼の「美しさ」を愛していると思う。うん。多分、これは愛だと思う。

3回転が1回転になっちゃったけれども、終始一貫して、手足の長さを生かした大きな動きや、振り返ると彼の人生の中で「この年代特有の柔軟性」となるであろう身体の「しなり」は、とても魅力的です。ただ、スローなムーブメントの際に、もう一伸びスケートが伸びると、彼の繊細な雄大さがもっと出るんだろうなあ、と思ったりします。

うふふ。「7位で77.07」なんですよね。ラッキー数字の7つながり。ちょっとゲンが良いなと思ったり。
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by koharu-annex | 2012-04-02 15:29 | フィギュアスケート男子
いやいや、皆様、世界選手権男子FSの感想を書いてたんですが、羽生君のところで泣いて泣いて、筆が全く進まなくなってしまいましたよ。

ってことで、特別企画!

過去の羽生君のパフォーマンスに対する感想を、時系列で古い順にまとめてみました。結構、わたくし、熱く書いてて驚きました(笑)。コメント欄で教えてもらった点(十字を切るのはクリスチャンではなくバランスをみるものだとか)も、訂正することなくそのままアップしています。また、コメント欄での議論も載せたかったのですが、そこまではなかなか難しかったので、今回は省略いたしました。ご容赦下さい。

楽しく思い出して頂けると幸いです。

まずは、2010-2011シーズンから。

(1) 2010-2011 シーズン

カーニバル・オン・アイス(2010年10月)
●羽生さん
「ツィゴイネルワイゼン」 サラサーテ
襟元のフリルとかリボンとか・・・こういう衣装が珍しく似合う日本男子ですね。

まだ華奢な少年体型が残っているせいもあるのでしょうけど、ジャンプで倒れたりした際に、一部の10代の少年しか持ち得ない「はかないきらめき」みたいなものがシャリンと音を立てるようです。

こういうのって無くなっちゃうんですよね・・・そう、「男性の人生において、ごく年若い男子である時の一瞬にしか存在しない美がある」という現実を実感するのは、ある程度の年数を生きた後です(笑)。
いつか詳しく記事に書くかもしれませんが(いつ!?←自分突っ込み)、世阿弥も、この点はっきり言い切ってる。もちろん、三島も言い切ってる(笑)。

念のため言ってしまうと、この「美」というのは誰しもが持っているのかもしれませんが、多くの人にその「美」を感じさせることができる人というのは、数が限られている。
羽生さんは、その限られた人物の1人だと思います。
そして、「今の」羽生君は、まさにその「美」の真っ只中にある。
この意味で、実に、鑑賞時期にある方と言えると思います。

その「美」が無くなった頃には、体力もつき、また、彼の「躍り心」にもっと磨きがかかっているでしょうから、今度は彼の舞踊について鑑賞時期が来るでしょう。

NHK杯(2010年10月)
●羽生結弦(15才) SP
「白鳥の湖」よりホワイト・レジェンド byチャイコフスキー

始まる前、十字切ってましたよね?・・・そうか、クリスチャンなのですね。
FPの衣装だけでなく、今回のSPの衣装もジョニー・ウィアーさんのデザインなのかしら?
普通の日本男児には到底着こなせない類だけど、よく似合っていますね。
今だけ存在する特別な「美」(COIの感想を書いたこちら参照)が、際立つようです。
ウィアーさんにあるちょっとしたセクシュアルな感じが羽生さんには無いので、ウィアー系の衣装でも上品ですよね(いや、別にウィアーさんが下品ってわけじゃないです。私、ウィアーさん、好きですし!)

羽生さんは、すごい表現者になると思いますよ。
もしかすると、何かが降りてくる「憑依」タイプかもしれないですね。
憑依タイプが気をつけなくちゃいけないのは、自分の中に降りてきた何かを「表現したい」と切迫したような気持ちにかられて、激情のまま、自分の技術とか体力とかおかまいなしに、爆発的に身体表現をしちゃうことがあることです。
ありていにいえば、ケガが心配ってことですな。

今回のSPでは特に後半のステップのところ、自分の現在の技術・体力以上に、生と死の狭間にいる白鳥を表現しようとする、彼の危ういほどの情熱が飛び出してくるような印象を受けました。
そのため・・・身体のムーブメントは荒いわ、筋繊維ぶち切れそうだわ、でも、情感がすごくほとばしってる、みたいな、ある意味とても贅沢なアンバランスさがそこに。
もちろん、そのアンバランスさも、ある種の「美」と言えるけどね・・・それじゃ壊れます、表現者が。
正直、ちょっとヒヤヒヤした。

自分の内面の「表現したい」という欲求を、自分の身体の範囲内に収めるよう、冷静に計算できるようになるといいですね。
もちろん、年々、技術も体力も向上するから、「自分の身体の範囲」も大きくなるでしょうけど。

音楽、これは編曲が素晴らしいと思いましたね。
原曲よりも、極限の生を表すような「か細さ」が強調されていて、羽生さんの演じた白鳥と大変よく合っていました。振り付けも素晴らしく、まさに「三位一体」ですね、羽生さん。

最初の3A、綺麗で距離のある山なりを描いてて美しかった。その直後、一時停止ボタンを押したんだけど、そのときの羽生さんの首筋がまた美しくて、絵みたいでした。

●羽生結弦(15才) FS
ツィゴイネルワイゼン byサラサーテ

4回転成功おめでとうございます。

COIのときよりも仕上がり良いですね(こちら参照)。
あとは、とにかく体力ですかね。
体力がつくまで、ケガのないように祈っています。


ロシア杯(2010年11月)
●羽生結弦(15才) 日本
SPは白鳥の湖よりホワイトレジェンド、FPはツィゴイネルワイゼン。
白鳥の湖のアレンジは川井郁子さんだそうですが、今回聴いていてもやっぱりとても良いと思いましたね。
FPでも毎回思うのですが、羽生さんは、ヴァイオリンの高音の消え入りそうなギリギリの音が良く似合いますね。

羽生さんという方は、もともと柔軟性が高い(おそらく多くの関節のソケットが浅い)こともあって、腕のムーブメントが本当に美しいです。
加えて、男性には珍しく背中と首が、これまた美しいです。
が、特に首や背中のストレッチを入念にやっているようにも見えないので(想像ですが。笑)、やはり持っている資質でしょうね。
この手の柔軟性は、普通に意識してストレッチなどをしていても、年齢を経るごとにある程度なくなってしまいますから、今のうちに良く見ておかなくちゃ、ですよ。

FPは、NHK杯のときよりも、体力の分配を考えているようで、前半は動きを抑えている印象でした。
ただ、スピードは比較的出ていて、身体の伸びもあったと思います。
残念なのは、そういう「抑えた演技」でも、少々危なかったしいところがあることです。
身体の動きの全てをコントロール下におけていないというか、御しきれていないというか・・・。

前半抑えたにもかかわらず、後半は足に来たようで、ステップで転倒してしまったことも残念でしたね。
やはりスタミナの問題は急務でしょうか。
スタミナ強化がなされたら、一つ一つのポジショニングを大事にして、呼吸をためることも覚えると良いのではないかと。

四大陸(2011年2月)
●羽生さん SP
シーズン前半に比べると、体力の分配がうまくいっているようで、安心してみていられました。
以前は、妙にはらはらして観てたのですけどね。
体力が劇的に増強することは考えられませんから、力の配分を考えてコントロールしているのだと思いますが、この調整能力というか、成長ぶりは頼もしいですね。

何度も書くけど、この羽生さんのSPはとっても羽生さんに合ってる。
川井さんのアレンジも秀逸だけど、今の彼の年齢ゆえのはかない美しさと、音楽が見事に調和してて、素晴らしいと思います。
全ての年長者が知っているように、彼の、いくつもの小さな鈴がしゃりんと音を立てるような、あの美しさは、将来必ず消えてなくなってしまうものです。
彼のあの華奢で細く長い首が、あのラインを描くことは、もうあとわずかです。

「あの年齢」を具現化する美を、テレビを通してすらあそこまで見せ付ける人も珍しいと思います。
ゆえに、ワタクシ、羽生さんには、ケガなく元気に来季もテレビ放送される大会に沢山出て欲しい、と切に願っている次第であります。

蛇足ながら、羽生さんのSPの曲(ホワイトレジェンド)が入ってる川井さんのアルバムを購入しました。
が、続けて聴くと飽きる・・・ということを発見しました。
年をとって、クラシックはやっぱクラシックで、という感覚になってしまったのか・・・という考えが頭をよぎり、一瞬、微妙に落ち込みました。
なので、これはあかん、と思って、「羽生さんの踊りをセットで見るからいいんだな。」という方向に無理矢理結論付けて、心を整理しました。すみません・・・川井さん。。。

●羽生さん FS
今シーズン最期ですか。ジョニーさんデザインのこの衣装を見るのもこれが最後と思うと、これまたちょっと寂しい気がしますね。

綺麗な四回転でしたね~

が、途中いくつかジャンプをミスしてしまい音楽に遅れた箇所があったこと、そのせいか振付が抜けたり、ムーブメントを流さざるを得ない部分があったこと、等々については、パフォーマンスとしては残念でした。
今シーズン、ずっと課題だった体力、SPでは配分することでこなしましたが、FPではもちませんでしたね。
リンクを上がったからおりた途端に発言された、「しんどかった」というコメントはまさに本音でしょう。

・・・でも、最後だから言ってもいいですかね。
これまで心の中で思いながら、敢えて言わなかったことなんですけど。(理由は、絶対に点数に反映されるべきではないから。)
あの体力がもたなくて、ヨロヨロと、破れかぶれっぽくなっていくところ、あれはある種の「美」なんですよ、間違いなく。特に、羽生さんのルックスと年齢においてはね、美しさ倍増です。
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by koharu-annex | 2012-04-02 11:07 | フィギュアスケート男子