もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カテゴリ:2011-2012 フィギュアスケート( 60 )

アメリカ大会女子FP

●ゲデバニシビリさん グルジア/オペラ座の怪人
ぱっと見、衣装が妙にラブリーなドール調だと思ったのですが、オペラ座の怪人でしたか。
その目で改めて見てみると、映画のクリスティーヌの衣装をイメージしているのかなあ、と思わせるところがありますね。

終始、緊張した硬い表情で、この楽曲の世界観を表現するところまでまだ余裕がない感じがしました。

●マルケイさん イタリア/ジャンピング・ジャックほか
衣装のキラキラ具合がtoo muchかなあ。特に、失敗してしまうと衣装が悪目立ちしちゃう感じです。
うまくいったときは、派手な曲調に合って相乗効果になるでしょうから、諸刃の剣でしょうか。

●妹ヘルゲソンさん スウェーデン/ロミオとジュリエット
FP滑走3人目の妹ヘルゲソンさんを見て、「今回のフリーの衣装は皆さん妙に派手だなあ~」と思ってしまいました。

使用曲が変わってて、いろんな「ロミオとジュリエット」から様々な部分をピックアップしているようです。後半にプロコフィエフの「モンタギュー家とキャピレット家」が一瞬入っていましたが、女性スケーターでこれは珍しいのではないでしょうか。彼女のダイナミックさを意識したものかもしれません。

ダイナミックさを失わないで、ムーブメントを洗練させていけたら良いなあ、と思いながら見ていました。なかなか難しいことかもしれませんが・・・。

●マカロワさん ロシア/映画「お熱いのがお好き」より
ショッキングピンクとは!本当に今回のフリーは・・・以下略。

I wanna be loved by you just you, nobody else but you.
I wanna be loved by you alone. ププッピドゥ~♪  
・・・10代の時に覚えた歌詞って、いつまでも覚えてるなあ。

ライオンががお~ってやってるところが脳裏に浮かぶ、例のサウンドロゴまで入れているのには恐れ入りました。ただ、凝り過ぎたというか、唐突ともいえる終わり方には、「詰め込み過ぎて収拾つかなくなった」印象をぬぐえませんでした。

マカロワさんが、マイムで一生懸命モンローの雰囲気作りをしようとしているのは分かりました。しかし、マリリンの雰囲気は、本当に難しいですよ。単なる色気だけじゃないですから、あの人。
SPに引き続き、また壁が高過ぎるような気が・・・

●ジョエル・フォルテさん US/映画「13ウォーリアーズ」より
髪型についてはSPで書いたとおり。
この映画について私は何も知らないのですが、ドラマチックな音楽もあり、大河系の映画によくある華やかなサントラなのかな。

演技については、細部が荒いところが散見され(これは身体の硬さも原因かもしれません)、それはどうしても洗練さに欠ける印象を与えますから、このあたりは修正ポイントでしょうか。

●姉ヘルゲソンさん/ミュージカル「サンセット大通り」より
SPの時に引き続き、冬になると好感度がぐっと上がりそうな衣装ですね。
楽曲の内容に合わせた、大人っぽい夜会巻きも素敵です。

サンセット大通り、私はミュージカルは未見で、古い白黒映画の中途半端な知識しかなく、老いた女優の怖さ、みたいなイメージしかありません。が、アカデミー賞でこの映画を出し抜いたのが、当時無名のマリリン・モンローが新人女優役で出ていた「イヴの総て」(分かり易い野心を抱いてお辞儀するマリリンの姿を、何枚もの鏡の中に映しこんで、「歴史は繰り返す」を印象付けるラストシーンが妙に心に残る映画でした)。

という前知識があった上でのことですが、マカロワさんがマリリンを演じた後に、ヘルゲソンさんが発狂する老女優を演じるのは、なんだかちょっと切ない感じだったぞ。
ヘルゲソンさんのナチュラルなプラチナブロンドは、マカロワさんよりもマリリンに近いけど(ただ、マリリンは本来はブルネットでプラチナに染めているんですけどね)、キャラクターはマリリン向きじゃないからなあ。。。とか、関係ないことをいろいろ考えてしまいました。

パフォーマンスはまだ発展途上の様子ですが、ミュージカルの内容を演じるのではなく、雰囲気を借りてるだけだと信じたい(ラストの姉ヘルゲソンさんの表情からは、そう取れなかったけど・・・)。

●今井さん/マイ・フェア・レディー
ジャズバージョンにしない方が彼女には似合っているんじゃないですかね~
しかも、このジャズアレンジ、ちょっと難しいですよ。「踊り明かそう」のところなんか、メロディと伴奏に少し距離があるので、音楽をどう捉えるのかちょっと悩むんじゃないかな。

もしかしてジャンプの乱れも、この音楽が原因じゃないですか?
彼女が持つ素のリズムってジャズに乗りにくそうですし(多くの日本人はそうだけど)、使用されている楽曲のテンポも少し早過ぎるものが多い上に、いろんな曲をブツ切りにしてつなぎ合わせた結果、リズム、テンポとも変化が激し過ぎると思います。
これじゃあ、音楽に合わせようと思うと、ジャンプなどの技術的な要素のタイミングがずれてくるのは、当然じゃないかなあ。SPがとっても良かっただけに、非常に気の毒な気がします。

前から一般論として何度も書いていますが、ジャズって案外難しいと思いますよ。
今井さんの今回のFPの楽曲を決めたのが本人なのか周囲なのか知りませんが、クラシックじゃないやつ、という安易な気持ちでジャズに手を出す前に、もっと乗りやすい分野の曲を選択した方が良かったのでは?
ダンスミュージックとか、ロックとか、ユーロビートなんかも、ジャズに比べたらずっと乗りやすく踊りやすいのでは?
音楽って、強い味方になる反面、強敵にもなるわけで、「ジャズに挑戦しないといけない」必然性がないのであれば、最初から選択肢から外しても良いと思うのですけど。
特に今井さんには他に似合う曲がたんまりあるわけですから、短い競技フィギュアスケーター人生の中で、無駄に挑戦する必要はないのではないでしょうか。今井さんがかわいそうです。

観客席に村上さんと未来ちゃんが客席にいらっしゃった様子がずっとテレビに映っていましたが、アナウンサー・解説者ともに一言も触れなかったのが何ともはや(苦笑)。

●キャロライン・ザンさん/ドボルザーク「チェロ協奏曲」
SPの時に比べて、びっくりするくらいジャンプの調子が悪かったですね。
彼女の不調の原因は分かりませんが、好発進していただけに、本当に残念です。

●コストナーさん/モーツアルト「ピアノ協奏曲第23番」
衣装が素敵ですね~。
派手だけど洗練されたデザインなのでtoo muchに感じさせず、上品さとバランスがとれている感じです。

SPの時と同様、振付がかなり複雑なのに、動きにスピード感と安定感がありました。
また、この手のモーツアルトの音楽って、小柄な人が軽やかに舞うってイメージですが、コストナーさんは大きな動きをしながらも音楽に合わせて非常によく動いていました。

ただ、彼女のスケール感からすると、若干、音楽が軽すぎるような・・・。
使用楽曲のイメージが重ならないようにしたのだと思いますが、どちらが彼女の個性により合っているかといえば、SPのショスタコーヴィチの方だと思います。

●シズニーさん/シベリウス「悲しきワルツ」
シズニーさんも、コストナーさんと同じく紺を地色にした衣装ですが、こちらの衣装も素敵ですね~
シベリウスの楽曲には少しひんやりした温度感があるので、彼女には一般的に合うと思います。彼女は、存在にあまり熱さを感じないというか、初春に感じられるひんやりとした中に微かなぬくもりが漂うような、そういう繊細な印象の方なので。

元来、悲しきワルツの曲想には死の香りがするので、その点を表現する予定であるのかどうか確認したいところでしたが、今回はジャンプの調子が悪く、転倒しないまでも滑りがアサッテの方向に行ってしまって、流れが不明確になり、全体像を把握できなかったです。
ただ、静謐さや静けさのようなものを狙っているように見えたので、完成版をいつか見てみたいです。
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by koharu-annex | 2011-10-26 14:44 | 2011-2012 フィギュアスケート

アメリカ大会女子SP

●ジョエル・フォートさん(25歳)US/シルク・ド・ソレイユより「オー」
柔軟性に欠けるために表現手段に乏しく、魅力を半減させているような気が。
あと、髪型はもう少し「魅せる」ことも狙ったが良いのでは?見栄えは点数には反映されないのかもしれないけど、いろんな意味で損してる気がする。

●キャロライン・ジャンさん(18歳)US/夜明けの翼
スピード感のあるしっかりとした滑りの中で、柔軟性を生かした多彩な動きが次々と、かつ易々と繰り出されていて、とても魅力的です。
が、肉感的であるがゆえに、動きが「もっさり」見えることがあります。
まあ、彼女の肉感さにはお母さん的な柔らかさもあって、優しさを印象付けてもいるから、マイナスばかりではないかもしれませんが・・・。

昨シーズンから極端に丸くなったわけですが、そうならざるを得ない事情があるのかもしれず(体力的な問題とか、何かしらのご病気があるとか・・・)、怪我につながらなければ今のままでも良い、というのが結論なのかもしれません。
ただ、音楽性も身体能力も高くて、めったにない柔軟性もあって表現手段も豊富とくれば、痩せれば更に表現の幅が広がるのでは?という思いが、どうしても湧いてきちゃいますね。

●ヨシ・ヘルゲソンさん(18歳)スウェーデン/映画「黄金の腕」より
音楽、曲調もそうだけど、なんといってもテンポが彼女の動きの特徴を生かす、絶妙なものだと思いました。テンポって、彼女くらい大柄になると、とっても大事だと思う。
また、大柄の彼女の身体を生かすそうとする振付(しかもこれが曲に合ってる)が、随所に見られました。

彼女のパフォーマンス自体はかな~り発展途上ですが、振付が目指す方向に正確に向かっているように感じました。完成されれば、ダイナミックでスケール感のある演目に仕上がるのではないでしょうか。

●今井さん(18歳)日本/メンデルスゾーン無言歌ニ長調作品109番
初めて「彼女にピッタリ!」と断言できる演目を見た気がします。
昨年のジプシー・ダンスと韃靼人の踊りは、彼女に対する周囲の期待の大きさはひしひしと伝わってくるものでしたが、彼女の個性に合っているとはとても思えなかった。

今井さんは、どこかに少し陰があって、くぐもった何かを持つ印象があるので、ピアノではなくチェロの響きが前に出るこの楽曲は、ピッタリです。
また、曲調も彼女のムーブメントの特徴にとっても合っていました。
ムーブメントといえば、今井さんは、腕の動きに特徴的な美しさがありますね。バストトップの衣装は、彼女のこの美しさを存分に見せつけていました。

西洋人には殆ど見られない、たおやかな中にウェットな色気のある人です。
今回の振付に多用されていた、ひらひらと動くひじから先の動きにも、なんというか「水分」を感じました。
加えて、木村多江さんとまでは言いませんが薄幸美人なイメージも無きにしも非ずなので、バレエ「オンディーヌ」(水の精)や、ツェムリンスキーの人魚姫(交響詩)なんかも似合うかもしれませんね。

●バレンティーナ・マルケイさん(25歳)イタリア/マンボ・メドレー
日焼けしたイメージにしたかったのかもしれませんが、チークを入れる場所や濃さが微妙に・・・
それともあれは本当の日焼けなのかしらん?
いずれにしても、美人さんなのにもったいない。
パフォーマンスも、ジャンプの失敗で乗りきれなかった印象です。

●ビクトリア・ヘルゲソン(23歳)スウェーデン/マイ・ファニー・バレンタイン
プラチナブロンドに、バレンタインを意識した真っ赤な衣装が素敵ですね。特に背中の、いくつものキラキラハートをキラキラ網目に配置したデザイン可愛い。
ジャストな時期に見ると、この衣装の素敵度は上がるでしょうねえ。

パフォーマンスは、スピード感があってよく動いているんですけど、なんか一味足りない印象でした。

●エレーネ・ゲデバニシビリ(21歳)グルジア/タンゴ・ジェラシー
身体も絞って髪の色も変えて・・・やってくれそうな雰囲気が出ていたのですが。

超有名曲なので、本人も乗って踊れば観客も味方につけられる楽曲だと思うんですよ。
そういう意味では、ジャンプの失敗が・・・という話になるのでしょうが、でも、私は、そもそもの振付が音楽を生かしたものとは思えなかったんですよね(昨年のあっこ姉さんの振付と比べると、その差は明らか)。
振付の良し悪しはご本人の責任ではないでしょうから、その点はちょっと気の毒ですね。

●クセニア・マカロワ(18歳)ロシア/ヤン・ティルセンの曲(←曲名聞きとれず)
アメリで有名なヤン・ティルセンさんの楽曲って、執拗に主題(と言っちゃっていいのかしら?)が繰り返される一見単調な作りのくせに、妙に胸の表層のちょっと下をわさわささせるじゃないですか。
こういう楽曲って曲者で、表現者が「情感ダダ漏れタイプ」じゃないと、多くの場合こなしきれないと思います。

クセニアさんは、本来は「ダダ漏れタイプ」じゃないと思いますけど、この楽曲において情感を表に出す必要性は十二分に分かっているようで、そっちに向けて頑張っていました。なので、やりたいことは本当によく分かるんですが、いかんせん結果が伴わない感じです。

クセニアさんは、昨シーズンも後半あり得ない早さまでテンポが加速する楽曲をもってきていたので、私の中では、「そりゃ高過ぎだろ」と思わせる壁を敢えてこしらえて向かって行くファイター、というイメージです。

●アリッサ・シズニー(24歳)US/エディット・ピアフ「バラ色の人生」
バックスタイルが美しい衣装ですね。またピンクがよく似合いますねえ~

コンテスティさんと同じ「バラ色の人生」でも、随分イメージが違いますね(笑)。
いつも思うんですけど、フィギュアスケートの使用曲って、どうしてこう重なるんでしょうね~?

よく知られているように、エディット・ピアフさんの「バラ色の人生」は、昔の恋人のポートレートを見ながら、彼と、彼との幸せだった日々を回想している歌です。
私の勝手なイメージは、年齢を重ねて、目尻の皺とホウレイ線、頭に幾ばくかの白髪を蓄えたフランス人マダムが、大きな宝石がついた指輪をはめた指でタバコをふかしながら、「私も若かったわ」と思いながらセピア色の写真を眺めている・・・というもの。
(べた過ぎですわね~。でも、デジタル写真隆盛になって、そんな風景はあと20年もすれば現実感が全くなくなるんでしょうね。)

シズニーさんって、とっても良い意味で「存在が半透明」なので、彼女の演技は、マダムが紫煙の向こう側に(2割増しで美化して)見ている、無知なんだけど若くて美しくて幸せいっぱいの自分のようでした。
重量感なく見事にくるくると回る彼女は、まさに回想シーンの幻。
何度も見返したほど、美しかったです。

●カロリーナ・コストナー(24歳)イタリア/ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第2番」
非常に動きにキレがありました。
しかも動きがいつもより大きい(特に上半身)。関節の稼働域をめいいっぱい使ってる感じで、いつもが7~8割くらいの使用だとすると、ぐっと9割以上にまで持っていって決めてる感じです。すごく肩甲骨の稼働を感じました(笑)。
これらのムーブメント、このショスタコーヴィチの音楽にとても合っていましたよね。

また、特にシズニーさんの後だと個性の対比が際立ちますが、他の人が着たら浮いちゃいそうなほどビビッドなピスタチオグリーンの衣装もまた、コストナーさんの個性を強調していました。
そして、その強調されていつもより強めに感じられた個性が、この楽曲にマッチしているようにも思えました。

コストナーさんは大柄で、どうしても身体に一定のイメージを伴いますから、表現の幅という意味では一見狭めに思えます。が、昨年滑ったドビュッシーの牧神~を思い起こすと、コストナーさんの表現の幅が思いのほか広いことを感じるのでした。
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by koharu-annex | 2011-10-25 02:37 | 2011-2012 フィギュアスケート

アメリカ大会男子FP

今回もBS朝日で放映されたものを録画で視聴。

●コンテスティさん(28歳)/ラ・ヴィ・アン・ローズほか
この人の個性にぴったりな、大道芸人のような雰囲気がとても良く出ていました。昨シーズンよりも今シーズンの方が、SP・FPの演目とも彼の個性により合致していると思いました。

SPの時と比べてジャンプの調子も信じられないくらい良くて、何よりご本人が晴れやかな表情で終われて何よりでした。私がこれまで観たコンテスティさんの演技の中でも、ぴか一だったような気がします。

●ダグラス・ラザノさん(23歳)/アディオス・ノニーノほか
自分で二番手グループと決めてしまっているような控えめなアピールで演技を終えていましたが(=キスクラでの態度や表情も含めて端的に言うと「奇妙に地味」)、とてもポテンシャルのある方では?

荒削りですが(これは場数を踏んでいないことも原因かも)、舞踊という観点で見た場合、身体のポジショニングとかムーブメントとかむしろ良い方だと思うので、ちょっと意識を変えるだけですごく素敵になると思います。「人に伝える」ということを殆ど意識していないように見えるので、まず、その意識を持つだけで違うのでは~?

●アモディオ君(21歳)/ラテン・メドレー(ベサメ・ムーチョほか)
うーーーーーーん。ジャンプの調子が悪かったせいか、本人も乗りきれなかったですよねえ。乗りきれないと勢いがつかないから、最後に体力不足も重なっていろんな意味で失速しちゃっているのが見受けられて、少々切ない感じでしたね。ただ、乗りきれなくて身体の動きも固い中、あのステップをこなしたのは立派といえるかもしれません。

フランス杯を楽しみにしましょう。

●アーミン・マーバヌーザデー(20歳)/キル・ビル
キル・ビルの黄色いジャージを間逆にしたような衣装でしたが、キル・ビルの世界観を表すような趣向は元々考えていないのでしょうね(まあ、キル・ビルの世界観ってなに?という根本的な問題もあるしね。笑)。

昨シーズンの記憶の限りではアーミン君はもっと動ける人なので、今回はジャンプの失敗が響いていて、全体的に動きも小さく沈んでしまったのが残念でした。

●テン君(18歳)/アディオス・ノニーノ
昨シーズン見られた勢いでぐあーっと突っ走っちゃうところが抑えられていました。また、昨シーズンは音楽を無視しているかのような面も見受けられたのですが、今回は音楽をいつでもちゃんと聴いているようにみえました。彼の不断の努力が感じられます。若いのに異国の地で頑張っているのね。ほろろ(←涙)。

若い人に良く見られる音の早取りが時折見られましたが、欲を言えば、この曲調では音の遅取りの方が圧倒的にカッコいいと思います。ただ、反面、テン君の年齢で音を遅取りし過ぎると、背伸びに映る可能性があるというか、場合によってはちょっと嫌味な感じすらするかもしれず、そこはバランスが難しいところでしょうか。

●ドーンブッシュさん(20歳)/いずれもモリコーネの楽曲で、A Fistful of Dollars(荒野の用心棒)、Ecstasy of Gold(続・夕陽のガンマン)
モリコーネさんの西部劇用音楽に合わせて衣装もウェスタンを意識していて、こういうストレートさが私は好きです。ベージュとか茶色とかいかにもな色もいいですが、黒も洗練されてるというか西部劇の泥臭いイメージを相殺する感じで悪くないですね。

少し姿勢が悪いことがあって(ジャンプの前ではなく通常のときに若干前傾することがある)、バレエ見の私は気にならなくもないですが、マイムが上手で楽しいです。踊りという面ではまだまだ感はありますが。

●バンデルペレンさん(29歳)/The Man in the Iron Mask(映画「仮面の男」より)
SPのときよりもスピンの回転速度が若干上がってた気がする・・・。SPのときは、音楽を完全に無視して(?)、定まった回転だけは回るという目的(だけ)でゆっくりじわ~っと回っているスピンを見て、ある種の衝撃を受けましたが。

「舞踊」という観点からは特に見るべきところがない方なので(ご本人もそこは意識されていないでしょう)、そういう瑣末なところに目が行ってしまいます。

●村上さん(20歳)/映画「グラディエーター」より
村上さんの個性の面からも、勢いがあって背中を押してくれるという面からも、SPの時の楽曲よりもFPの楽曲の方が良いと思いました。衣装なんですが、村上さんは腰にポイントがあるものが多いですけど、これは村上さんの身長・足の長さ・全体的なルックスの観点からプラスなんでしょうか、それともマイナスなんでしょうか。私はどうも後者のような気がするのですが、ご本人がお好きでこのタイプの衣装を着るとやる気が出るっていうのなら、このままでいく方が良いですわね。

テン君とコーチが同じということですが、似たような仕上がりを目指しているように見受けられます(体型も似ているし、スケーターとしてのタイプとしても類似点があるのかもしれませんが)。舞踊的な仕上がりについては、後回しになってる感じで、正直、あまり楽しくないです。

●小塚君(22歳)/ナウシカ
この音楽が好きで、音楽が身体に入っているのが分かります。外だけでなく身体の内に響いている音楽に合わせて動いているから(しかも緩急をつけている!)、とても自然で美しいです。音楽の伸びに合わせて、彼が腕を伸ばし、その伸ばした腕をしならせる。ぴったりと音楽に合ってます。

小塚君の演技の感想でこんなことを書く日が来るとは!

涙が出そうだよ。フィギュアスケートファンの方々って、こうやって毎年選手の成長も一緒に見ているんですねえ。皆さま、毎年それぞれに喜怒哀楽の感情の起伏があって大変じゃないですか?

このFP、振付の音楽との親和性も非常に高いのでしょうが、本人のこの楽曲が好きという気持ちがまさに土台となってこの高さまで彼を引き上げてくれたのだと思います。音楽の持つ力って本当に大きい。音楽をいかに大事にするかで、フィギュアスケーターって成長が違って来ると思うなあ。

もちろん彼の姿勢やムーブメントにおいて「舞踊」の面から改善できるポイントがまだいくつかあるのは確かなんですが、ここまで音楽と一体化すると、これらの欠点は凌駕されます。いいもの見せてもらいました。ジャンプの不調?私にはそんなこと全く問題ではありません。

●ブレジナさん(21歳)/映画「アンタッチャブル」より(モリコーネ作曲)
おお、田中刑事さんと同じアンタッチャブルなんだね。DOIのときにも書いたけど、これは私が高校生のときの映画で、友達と何度も見に行ったからよく覚えてる。エレベーターの「タッチャブル」のシーンは辛かったな。。。ショーン・コネリーが撃たれた後ケヴィン・コスナーに必死に最後に情報提供するとこも、何度見ても泣けたな。そういえば、あのエスキモーのキスは、本当なんだろうか?(あ、これって見てない人にはネタばれになっちゃう?ごめんなさい)

さて、手に汗握るような緊張感のある音楽の中、よく動いていました。特に序盤は、動きが大きく、キレも力強さもありました。後半からは余裕がなくなって、若干の体力不足も感じられましたが、これはジャンプの出来に影響されたのかもしれません。中盤のスローパートのとき、もっと身体に歌わせられたら良いですね(少し苦手にしている感じがします)。
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by koharu-annex | 2011-10-23 22:02 | 2011-2012 フィギュアスケート

アメリカ大会男子SP

BS朝日で拝見したのですが、アーミン君(7位)、テン君(6位)、ラザノさん(9位)の演技が放映されませんでした。10人中7人が放映されたわけですが、選択の基準が分かりません。3人だけ省くのなら、順位ですっぱり切ってくれた方が、あきらめもつくってものです。

●村上さん(20歳)日本/The feeling begins(奇跡の始まり)
冒頭、いかにも緊張してる様子でこっちまで息苦しくなりかけたけど、上に頭を振る時に大きく口をあける癖(?)を見て、緊張しててもこれは出るんだ、と思わず微笑んでしまいました。楽曲については、DOIの雑感に書いたことを自分の備忘録として転記。

「その男ゾルバ」で有名なギリシャの文豪カザンザキス原作の映画「最後の誘惑」(マーティン・スコセッシ監督)のサントラ「パッション」(byピーター・ガブリエル)の中の楽曲。先日カザンザキスの作品を調べなきゃいけないことがあって、そのときの記憶がまだうっすら残っているので、ちょっと嬉しい。

ダヴィンチ・コードですっかり有名になったマグダラのマリアとキリストの結婚を扱ったもので、映画はお決まりの上映拒否に遭いました。カザンザキスもこの原作を含めた一連の新たなキリスト像作品のおかげで、ノーベル賞は受賞できなかったわ、死後、教会での埋葬を拒否されるわ、散々な目に。故郷クレタ島が彼の遺体を迎え入れてくれ、丘の上で眠っているそうです。

さて、村上さんの演技は映画とは特に関係なさそうでしたが、ちょっとエキゾチックな雰囲気の楽曲によくあった振付だったと思います。


緊張も手伝っているのでしょうが、もう少しこなれてくると良いなあと思いました。信ちゃんと同じタイプなのかな、なんというか「踊り」ってものに対する感度が高いタイプではなくて、緊張すると振り付け通りに身体を動かすだけで精いっぱいになっちゃう印象ですね。背中を押してくれる乗りの良い楽曲の方が、もっと楽に演技できるのはではないかな、と思ってしまいました。

●ドーンブッシュさん(20歳)US/運命
こちらも緊張されていましたが、村上さんに比べて明らかに乗りのよい楽曲に助けられた印象を受けました。ベートーベンの第5番をアレンジした楽曲で、メロディを良く知っているから観客も迷わず乗れる。もちろん本人も音楽に乗ることによって、スピーディーで快活な動きになっていた印象です。

原曲に比べてよりテンポをよくした音楽に合わせて、アクセントをつけた振付が随所に仕込まれていました。が、シーズン序盤だからということもあるのでしょうが、曲に乗って快活に動き過ぎた結果、自分でうまく制御できない状態に陥り、身体のコントロール力が少し足りない部分が前に出てきちゃって、結局、元の振付をこなしきれなかったと思われる部分が見受けられたのが残念でした。

●アモディオ君(21歳)フランス/サマータイムほか
暑くてけだるい夏に聴くのと、秋になって聴くのとでは、サマータイムって身体への沁み入り具合が全然違いますよねえ。夏にあったTHE ICEのときは、一瞬で音楽が骨髄に入ってきた感じ。また、THE ICEの時の方が、くだけた色気のある衣装で良かったと思いますが、試合では難しいのかな。

ジャンプのミスがあって成績は残念でしたが、ステップは素敵に踊れていたし、問題点はやはりステップ終盤からの体力かなあ、と相変わらずの感想で終わるのでした。

●バンデルペレンさん(29歳)ベルギー/シルク・ド・ソレイユより「キダム」
この年齢でこのジャンプはすごいですよね。
ループのしばらく後の蜘蛛のような決めポーズが好きです。

が、ジャンプが続く前半は、頭にはもうジャンプのことしかない、という感じが全身から出ていました。とはいえ、ジャンプが得意で、最大(かつ唯一?←実況の森下さんと解説の佐野さんの掛け合いから推察)の得点源で失敗したくないのであれば、それは仕方ないのかなとも思います。

●コンテスティさん(28歳)イタリア/ハンガリー行進曲(ベルリオーズ)、泥棒カササギ(ロッシーニ)、序曲1812年(チャイコ)
コンテスティさんの楽曲って楽しげで演者の背中を押してくれそうなものが多いですが、ご本人の技術が不安定で、たいていパフォーマンスとして完成されずに終わってしまうのが残念ですね。

●ブレジナさん(21歳)チェコ/鼓童
BS朝日で放映されたスケーターの中では、ブレジナさんと小塚さんの2人が抜きんでてよく動いていたように感じました。

もう少しスピード感とかテンポ感があれば、楽曲との相乗効果で演目としてはさらに盛り上がるのに、と思うところがありました。が、ステップやスピンでもリズムを外さなかったのは立派ではないでしょうか。

●小塚さん(22歳)/Inner Urge
4回転の前の動き、ちょっとかっこ良い!と思ったら、「ウォーレンウォーレイ(ジャンプ)」っていう技なのですね。解説の佐野さんの説明で知りました。←名称についてコメント欄でご指摘頂いたので、修正しました。ありがとうございます!後ほど個別にお返事させて頂きますね~

身体の動きが多彩になっていて驚き。冒頭の身体のひねりも今までの小塚さんに見られない身体の動かし方で良かったですよね。いずれも「表現手段」とまでは現段階ではまだ言えないのかもしれませんが、徐々にこなれていって身体のムーブメントとして沁みついていけば、飛躍的に表現力の向上が見られるのでは?と嬉しくなりました。
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by koharu-annex | 2011-10-22 23:31 | 2011-2012 フィギュアスケート
●ガチンスキーさん/インタビュー・ウィズ・バンパイヤ
楽曲の雰囲気が彼の個性に合っていると思いました。
本質的に不機嫌さを持っている印象が強いので(実像の彼と合致するかどうかはさておき)、振付の中で優しい仕草をされても、敢えて嘘をやっているように見えます。素敵すぎ(笑)。

●あっこ姉さん
COIは、リストのハンガリー・ラプソディ。
ここ2年のイメージとはかぶらない選曲でgoodなのではないでしょうか。新境地を開いて欲しいです。

JOは、こうもり序曲
冒頭、衣装を見て「こうもりらしくないなあ」と残念に思った後、アナウンサーの言葉を聞いて、私、驚愕。曰く、あっこ姉さん、昨シーズンまでとは異なり、ストーリー性のない音楽を表現できるように「こうもり」を選んだそうで。
それで「こうもり」ってあり得なくないですか?オペレッタなんですけど?序曲には中で出てくる主題の多くが盛り込まれてたりするから、序曲だからストーリー性ないってのも無理があると思うんだけどなあ。。。

また、パフォーマンスとしても音楽を表現できているかは疑問。ステップの一部はその感じがわからなくもなかったけど・・・。これからの滑り込みで良い方向に向かうことを祈念しております。

●高橋君
COIは、The Crisis、おまけはマンボメドレー。
音と一体化して情感を音に乗せることが、彼は本当に上手ですね。
この楽曲の中で執拗に繰り返される装飾音符、音楽だけ聞くと耳触りに感じそうなほどなんですけど、彼の表現とミクスチャされると、あら不思議、装飾音符がないと物足りない感じ。得難い人です。

表現の手段的なことをいうと、彼はどういうときでも(単純な「腕を上に上げる」という振付のときでも)、必ず「胴から動く」のね。これが全身のムーブメントを一体化させていて、誰の目から見ても明らかな踊りの「うまさ」につながっていると思う。

JOは、Blues For Klook。
本人が求める完成度からはまだまだでしょうが、彼の身体の中に、既に音楽がちゃんと入っていると感じました。ご本人は結構冒険みたいなことをおっしゃっていたようですが、私は、高橋さんにこの楽曲は合っていると思いました。しかも、この楽曲の音の間隙みたいなものは、高橋さんでないと「もたない」と思います。

後半、疲れが出たのは、ジャンプなど技術的なミスが響いたのでしょうかね。
昨シーズンも身体を原因とする技術面の不安定さの克服に苦労があったように記憶していますが、今年もボルトを抜いたりして新たな克服課題が出てきたと聞いています。今年もか~と気の毒ですが、頑張ってほしいです。

●小塚君
COIは、チェロソング。
言いたいことは一つだけ、「風になれ」ってことかな(今もその片鱗はありますが)。

JOは、風の谷のナウシカより。
ご本人が自ら選んだ曲だからかもしれませんが・・・なんだか緊張していましたよね(笑)。私はこの映画を何度も見ているので(しかも記憶力の良い10代のときに)、それぞれの音楽を聞くたび映画のシーンがいくつも浮かんで楽しかったですが。
まだ振付を頭で追いかけているのが見てて分かるほどなので、まさに発展途上なのでしょうね。

ところで、この演目、両腕を同時に頭上に上げる振付が多いので(小塚さんにはこの振付多いよねえ)、この振りの時の腕の動かし方を、高橋さんかバトルさんから学ぶといいのでは?
高橋君は、上で書いたように胴から動かします。バトルさんは、胴の中でも特に胸部から動かします(彼はぐーんと胸が開いているタイプなので)。小塚君も腕を肩からだけ動かすのではなく、その根っこがある胴とか胸から動かすと、彼の欠点である「時にマシーンのように無機質に見える」ことが少なくなるし、何より「うまさ」の印象が違ってくると思うのだけど。

●ロシェットさん/火の鳥
中間部の音楽(木管が主体になっているところ)の選択が珍しいと思いました。
演技自体は細部が荒く完成度が高いとはいえないけれど、色彩豊かな音楽の中で彼女の強い個性と存在感が感じられました。

●チャンさん
COIは、ムーンダンス。
身体が強く大きくなっている印象を受けました。昨シーズンの自信からか、肩の力が抜けてて、さらにそこがこなれた感につながっていました。

JOは、アランフェス協奏曲。
こりゃまたメジャー曲ですね。
しかし、振り付けと音楽との親和性が高いとは感じられず、そういうい意味で、こんなメジャー曲を敢えて選択する必然性が感じられませんでした。ただ、私は相変わらずスケーティング技術に関してはど素人以前なので、やっぱり下半身特化型とすれば、その部分で音楽の親和性が高いのかもしれず、そうなると私はお手上げ。

今年、ルール改正で音楽との調和がより重要になったとのことですが(by「フィギュアスケート2011‐2012シーズンオフィシャルガイドブック」朝日新聞出版社p74)、この点について全身のムーブメントではなく下半身のスケーティングとの「調和」に高得点を出されてしまうと、今年もジャッジングが理解できない状況に陥りそうです。

●安藤さん
COIは、ブラックスワン。
ふっきれてない印象です。もちろん後で見たJOよりかは良いかもしれませんが、それはあくまでJOと比較して初めて出てくる話ですわね。これ単発で見るとうーんな出来です。
もちろん、ベテランらしく、自分の身体にキレがない中でも、動きに恰好がつくポイントといえばいいですかね、そういう箇所はきちんと押さえてて、全体をまとめて作品として仕上げていたのは立派だと思います。

JOは、パッション(川井郁子)。
気持ちも不安定、音楽も身体に入っていなくて、解説者の「練習不足」の指摘もむべなるかな。もちろん急遽用意したプログラムである等、彼女の諸事情は私レベルでも把握していますが、とりあえずパフォーマンスの評価は客観的にってことで。

昨シーズンとは別人で、以前の「気持ちがそのまま出る」というか、演技にむらっ気のある安藤さんに戻ったかのようです。まあ、昨シーズンがあまりにも別格に素晴らしかったので、私の安藤さんの演技の平均値というか期待値が上がってしまったことも原因だと思いますが。

分かりやすく悩む人なのですね。悩みがあると、身体もふっくら、気持ちもふらふら。これはパフォーマーとしては失格の部類に入り、プロのショースケーターの魅力を語る彼女に若干の不安を覚えなくもないですが、人としては理解しやすく極めてラバブルな方だと思います。

●アリョーナ・レオノワ/弦楽のためのアダージョ
こりゃまた雰囲気を随分変えてきましたね。私は大好きな楽曲ですが、新たにコーチに就任したモロゾフさんの仕業かな。レオノワさんのこれまでのイメージを一気に払しょくするナイスなチョイス。

この演目が彼女の本質とドンピシャかどうかは、現時点では分かりません。が、少なくとも昨シーズンの楽曲・演目の選択については、彼女の本質とズレがあるような違和感を感じていたので、嬉しい方向転換でした。

ただ、パフォーマンスについては、最初から飛ばし過ぎな印象です。あれじゃ体力が持たない。弦楽のためのアダージョはクライマックスに向かって徐々に盛り上がっていくことも特徴の1つなので、最初は抑えめでいんじゃないですかね。
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by koharu-annex | 2011-10-20 14:06 | 2011-2012 フィギュアスケート
皆様、ごきげんよう!

カーニバル・オン・アイスの録画はもう10日くらい前に見て感想もメモっていたのだけど、今日やっとジャパン・オープンの録画を見たので、徐々にアップしておきます。

お能のアップもたまっていて、バレエも少々たまりはじめててキツイなあ。いっそ仕事やめるか、わたし?(笑)

●羽生君/ロミジュリ
怪我しそうでひやひやするなあ。もちろんいろんな心情あってこそなんだろうけど、少し「強い気持ち」で押し過ぎだな。

まあ、彼のこの感情のほとばしりは、分かりやすく人に訴えかける10代のキラメキなので、そういう意味では捨てがたいのだけど、でも、これじゃ身体がもたんて。
身体のことを考えると、「シャリンと音をたてる小さなたくさんの鈴」(←去年の感想参照)は、今年はもう封印してもいいよ(笑)。もったいないけど(←言っちゃうんだな。これが)。

10代特有の一過性の美ではなく、表現の完成度という一般論的な見地からは、パフォーマンス全体のバランスを考えると、ふっと息を抜く部分があることも大事だし、情感の表出という意味でも、感情を一旦内に取り込むことも大事です。ええ。

●庄司さん/ザハチャチャチャ
シーズン直前で、まだちょっと身体が重いですかね。後半音楽のテンポが速くなったころから、明らかにつらくなった感じがあったな。
ただ、そもそも比較的おっとりした曲調の方が身体のタイプに合うような気もしますが。

●エリザベータ・トクタムショワ(←今回はこういう表記になっていた)
まず、COIのタンゴ。
年齢にそぐわない堂々さで、タンゴとマッチする感情すなわち「孤独」とか「哀しさ」というようなものまで出ていた。
タンゴはそもそもペアダンスなので、シングルで踊る場合には、「パートナーのいない奇妙さ」が存在し、それが「孤独」「哀しさ」につながる可能性は本来的にある。だけど、この年齢で、「孤独」や「哀しさ」が出ているのは珍しいと思う。
ただし、手首から先の動きは、タンゴというよりフラメンコだったね。綺麗だったので気にしませんが(笑)。

JOはベサメ・ムーチョ。
COIのときは音をジャストで取っていたのですけど、ベサメ・ムーチョはかなり早取りしていましたね。
音の早取りって若い人に多いので、これだけで「若さ」を感じてしまいました。タンゴの堂々さに比べると、信じられないくらいの青リンゴさ加減であります。

音楽性が極めて高い人の「早取り」は、時に、その人のムーブメントが音楽をぐいぐいと引っ張っていくように見えることがあるんですけど、少なくともトクタムショワさんのこの演技からは、そうした感じは受けませんでした。
が、タンゴとの音取りの違いが「わざと」であるならば、彼女は極めて高い音楽性を持っているのかもしれません。
単にJOは試合だから緊張してて早取りしちゃっただけかもしれませんが。

●アモディオ君/ベサメ・ムーチョ
やりたいことは分かるのだけど、体力と身体のキレが足りなくて、少々重い。
あとね、これ系の音楽は、去年の高橋君の印象が強すぎて損なんじゃない?
アモディオ君に踊り心があるのは認めるけど、高橋君ほどの突出したものは持ってないか、あるいは遜色ないほどのものを持っていたとしても、まだ表出できるだけの基礎(体力含めて)がないのだもの。

今晩はここまで。
おやすみなさーい。
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by koharu-annex | 2011-10-20 01:26 | 2011-2012 フィギュアスケート

THE ICE 雑感 

BS日テレで放送されたThe Iceの雑感です。

●かなこちゃん Amarti Si(アマルティ・シ)
ムーブメントがちょっと硬いかな。スローナンバーについては若干苦手意識があるというか(素の自分とテンポが違いすぎるんだと思う)、自分でモノに出来てないとわかっていて、且つ、その対処方法がまだ分かってない感じです。とはいえ、ダンスについては基本的にポテンシャルがとても高い方なので、今後に期待してます。

アモディオ君とのカップルダンス、気持ちは分かりますが、あんなに照れちゃダメです(笑)。

●羽生君 ロミオとジュリエット
この人の身体のしなり具合は本当に魅力ですよねえ。そして、たくさんの小さな鈴が鳴っているようなシャランとした音、まだ健在ですね。あと何年あるかなあ・・・。

DOIのときも書いたけど、彼のロミオは、音楽の選択が良いと思います。羽生君は、音楽性もあるし、かつロック魂もあるので、こういうタイプの楽曲も非常に良く似合いますよね~

心配なのは、彼の表現したいものが、今の彼の身体能力の範囲に納まらない、ということです。内から湧き出るものが大き過ぎて、身体が壊れそうです。とにかくケガをされないよう祈ります。「表現したいもの」がこれだけ明確に大きい、ということ、それだけで既に彼は宝ですから。

●アモディオ君 Summer Time, Mess Around
パーティーの後、蝶ネクタイを外して息をついてるようなくだけた衣装が、とても似合っていますね。こういうタイプって、日本男児にはとても少ない。あと数年たったら、もっと色気が出てきて、クラクラきちゃう女性がさらに増加することが容易に予測できますねえ(笑)。

哀愁を帯びたけだるいSummer timeは、この季節にも、この衣装にも、良く似合っていますよね。後半のMess Around への導入程度の扱いのように見えましたが、節電のむし暑い夏に見事にマッチングしてました。

彼は、色気だけでなくコミカルな役者のような演技力もあるので、いろんなことに挑戦できるでしょうし、且つやり遂げていくのでしょうね。若さゆえの体力不足が一つの課題ではあるでしょうけど。

●ジェフリー・バトルさん Harder Better Faster Stronger
若い人ばかり見た後に登場されると、そのくっきりと浮かび上がるような存在感がさらに大きく感じられますねえ。

この方はダンスやミュージカルがとてもお好きなんでしょうね。ソロだけでなく、皆さんと滑っているときも(それが自分が振付けたものであるかどうかを問わず)、とても楽しそうです。こういう、根っこに「これやってるときが楽しくて好き」という思いがある演技というのは、その思いがない演技に比べて、形式的な出来が同じであったとしても、鑑賞者を幸せにするパワーが全く違う。バトルさんの大きな魅力だと思いました。

●シズニーさん Moon River
オードリー演じるホリーというよりも、ホリーが歌うムーンリバーの精が歌に乗って空気中を舞っているようでした。
彼女のこの極度に高い透明感は、得がたい、と思いますね。何度も見たい。

●小塚君 Inner Urge
逃走する泥棒、には見えなかったけど(笑)、曲調は小塚さんに合っているのではないでしょうか。

新SPということなのでEXで許されているような演劇チックな仕上がりにはならないのでしょうけれども、滑り込んでいくともっと雰囲気が出てくるのかな。楽しみです。

●真央ちゃん Jupiter
真央ちゃんの体重が戻りつつあるようで、それが何より良かったです。4月の真央ちゃんの滑る姿は本当に痛々しかったから・・・

音楽は、ホルストのジュピターのメロディを使用した、英国国教会の聖歌。ジュピターに詞をつけた楽曲は、日本では平原綾香さんのデビュー曲が有名ですが、このイギリスの楽曲は、ダイアナ妃の結婚式や葬儀でも使用されたので、私以上の世代ではダイアナ妃を思い出される方も多いのではないでしょうか。私の中では、べっぴんさんの印象が非常に強い楽曲です(笑)。

いままでの真央ちゃんの衣装にはない、日本の天女を髣髴とさせる衣装がよいですね。袖口と裾のぼかしがピンクじゃなくて水色ってところもまたよいと思いました。

表現について形式的に言ってしまえば、昨季までは見られなかった「メリハリ」ができてる、ということがまず挙げられるのですが、今回の彼女の演技、私は、彼女は何段も階段を上がったと思いました。

一般論として、人間って、案外、自分のこととなると「ま、いっか~」的におざなりになっちゃっうけど、他人のために「何とかしなきゃ」と思ったときの方が、馬力が出ることってありませんか?ものすごく大雑把なたとえなんだけど、今回の真央ちゃんの演技に、私はこれを感じました。

彼女は、EXのプログラムを滑ってたんじゃない。祈ってました。

表現にメリハリをつけよう、という意識ではない。彼女は、思いを被災地に伝えようと、身体を動かしていました。思いを、胸や指先に溜めるだけ溜め込んで、一気にそれを放出させて、より遠くまで伝えようとしていました。届け、届け、と、あるいはどうか神様と、彼女は、そういう意識で動いていたと思います。

彼女は、彼女のためでなく被災者のために、他者のことを祈るため、それだけのために、動いていた。
こういうことって、真央ちゃんは初めてではないでしょうか。もちろん、彼女の資質の中にもともとそういう利他的なものがあったからこそ、こうなったのだとは思いますが、それでもこの演技で、彼女は、他者のための祈りを表現にたくすことに開眼したと思います。もう昔の真央ちゃんではないですね。

「大きくなって・・・」って、なんか親戚のオバサンのように一人ごちてしまいました(笑)。
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by koharu-annex | 2011-08-11 00:16 | 2011-2012 フィギュアスケート
ニュース映像、見ました。

真央ちゃんのジュピター、良いですね。
衣装も音楽も、そして雰囲気も。
早く、BS日テレでのテレビ放送(こちら)が見たいです。

このEXでは、「女神」、「女王」という雰囲気がありましたので、SPについては女王ではなくキュートさが前に出たタイプの「姫」ものでも良いかな、と思いました。
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by koharu-annex | 2011-07-29 22:18 | 2011-2012 フィギュアスケート

DOI雑感2

BSで録画したものを拝見したので、以前の雑感(こちら)にプラスしてDOIの雑感を。

●木原龍一さん ヴァイオリン・コンチェルト
超有名曲に負けないように、身体を大きく使ってダイナミックな演技を目指しているようにお見受けいたしました。
後半、ジャンプではなく身体のバランスを崩したがゆえの転倒をはじめ若干スタミナ不足に感じましたが、改善ポイントを明白にするタイプの良い方向の失敗ではないでしょうかね。

●西野友毬さん Time to Say Goodbye
演技に安定感がありました。股関節を含め下半身の柔軟性が高いので、特に脚のポジジョンが美しいですね。

●中村健人さん Fugata(今季SP)
バンドネオンの響きが似合うタイプの方ですよね。
今はまだ覚えたてで、気難しいような生真面目な雰囲気が前に出ちゃっていますが、滑り込んで余裕が出てきた頃、ちょっと色気を加味することできるとすごく素敵なのでは?と思いました。

●大庭雅さん Shall We Dance?
可愛いシャルウィダンスですね。いつか男性と踊ることを夢見る少女が、一人で鏡の前で練習しているようです。
もう少し、身体に柔軟性があると良いですね。

●田中刑事さん The Untouchables(今季FPをEXバージョンで)
まず、名前の「刑事」さんが印象的です。いや~、いろんな人から言われ続けているだろうけど、お父さんが刑事さんなの(それとも憧れ?)??

アンタッチャブル、面白い映画でしたよね~。ショーン・コネリーケヴィン・コスナー(すんません。ショーン・コネリーは確かにこの作品でアカデミー賞助演男優賞をゲットしているんですけど、私が言いたかったのはケヴィン・コスナーの方)の大出世作。友達と何度も観に行って大興奮だったのを覚えてるなあ(当時私は女子高生)。数年後、兄から「Koharuに面白い映画借りてきた」と差し出されたアンタッチャブルのビデオタイトルを一瞥するや、「えー、何回も観た」とのたまってショックを与えてしまったなあ。。。

この楽曲、試合の緊張感と重なるとすごくスリリングで、素敵になるんじゃないかしら。
田中さんの腕は直線的な動きですけども、この緊張感ある楽曲には良く合ってるし、肩甲骨が良く動いてるように見えました。顔の表情の固さも、この楽曲にはOkでしょうし、素晴らしい選曲ではないでしょうか。

●庄司理沙さん 塔の上のラプンツェル
前回書いているので、今回は1点だけ。いろんな人の後に観ると、スピードが全く違うのだなあ、と思いました。これが逸材たるゆえんなのでしょうか。

それにしても、インタビューを見ると・・・昭和の大女優のような、正統派の見事な美貌ですねえ。

●村上大介さん 奇跡のはじまり(今季SP)
「その男ゾルバ」で有名なギリシャの文豪カザンザキス原作の映画「最後の誘惑」(マーティン・スコセッシ監督)のサントラ「パッション」(byピーター・ガブリエル)の中の楽曲。先日カザンザキスの作品を調べなきゃいけないことがあって、そのときの記憶がまだうっすら残っているので、ちょっと嬉しい。

ダヴィンチ・コードですっかり有名になったマグダラのマリアとキリストの結婚を扱ったもので、映画はお決まりの上映拒否に遭いました。カザンザキスもこの原作を含めた一連の新たなキリスト像作品のおかげで、ノーベル賞は受賞できなかったわ、死後、教会での埋葬を拒否されるわ、散々な目に。故郷クレタ島が彼の遺体を迎え入れてくれ、丘の上で眠っているそうです。

さて、村上さんの演技は映画とは特に関係なさそうでしたが、ちょっとエキゾチックな雰囲気の楽曲によくあった振付だったと思います。

●今井遥さん I'm into Something Good
まぶたのキラキラのメイクが夏らしいですね。前も書いたような気がするけど、ちょっと夢二の描く女性のような雰囲気がある方で、陽にあたりすぎると溶けちゃいそうです(笑)。
夏の感じのプログラムでしたが、「できれば日陰で」あるいは「誰かパラソルを!」と言って差し上げたいような気持ちがふっとわいてきました。柔軟性が見てて気持ちよかったです。

●無良崇人さん アランフェス(今季SP)
おひげって・・・若い方の間で流行ってますよねえ。。。私はかなり苦手なんですけど。

無良さんにはどうしようもないことですが、振付で惜しいなあ、と思うのは、カスタネットの音を反映させている動きがないことです。後半にちょっとだけアクセント的に使うだけでも、リズム感が出て違う印象がぱっと出せると思うので、その点を出さないのは惜しいなあと思いました。

●村主章枝さん Air、Girls on the Dance Floor
楽曲名を「Air」だけしか書かないって、ひどくない?
G線上のアリアの原曲(バッハ管弦楽組曲第3番第2曲)の方だから、「Air on the G string」って書きにくかったのかもしれないけど、たぶん「G線上のアリア」という呼称は原曲の方の通称って言ってもよいくらいだから、単に「Air」よりかは良いと思うけど・・・。

さて、村主お姉さん、よく踊ってらっしゃったのではないでしょうか!
「滑ってない」という批判はあるのかもしれないですが、じっと一箇所に突っ立ったまま踊っていたわけではないですし、かなりの運動量でしたし、何よりよく踊っていました。私は好きな演技でした。

●神宮アイスメッセンジャーズ グレース  Footprints in Sand
バレエでいうと群舞ですかね。
近づいてもスピードが落ちなくて正確、すごいことですよね。よ一人一人の体型はまるで違うのに、そろって見える。美しかったです。

●あっ子姉さん
前回書いたので一言だけ。
ずっと続けてみてくると、彼女の身体のコントロール力のすごさは他のスケーターとレベルが全く違ってて、圧巻ですね。

●タチアナ・ボロンジャル、マキシム・トランコフ  L'amore Sei tu
この声は・・・キャサリン・ジェンキンス?
確かに、この2人には、ホイットニー・ヒューストンよりクラシック歌手の方が似合いますね。
スケールの大きなムーブメント、これぞカップルダンスの醍醐味といわんばかりの艶、見てて気持ちいです。

●ステファン・ランビエール  ラフマニノフ前奏曲第5番
テレビの画面表示には楽曲について「Bring Me to Life」って書いてあったけど、アナウンサーが言ってた「ラフマニノフ前奏曲第5番」でしょ、これ?
Bring・・・って、エヴァネッセンスの? この楽曲のEXバージョンもあったのかな、安藤さんのブラックスワンみたいに。

しかし、ランビエールさんが滑ると、クラシックの楽曲を滑ってるっていう気がしないですね(笑)。なんというんでしょう、ランビエールさんの世界にクラシック楽曲を添えてみました、という感じになる。すごいよなあ・・・よく「その人の世界」などと簡単にアナウンサーや解説者の人が言うけど、「その人の世界に楽曲も何もかも持ってこれる」表現者って本当に少ない。ランビエールさんは、まさにそういう人だと思う。もちろん、もともと優れた音楽性を持っていて、かつムーブメントの際にもその音楽性を無視しない、という鉄壁の音楽へのシンクロがあるからこそですが(その点がプルシェンコさんとちと違う。プルさんの場合は、時に音楽を無視することがあるんだけど、強烈なカリスマと身体能力で力ずくでまとめて、氷上の自分の世界を完結させる感じ)。

あっ子姉さんのコントロール能力もすごいけど、ランビエールさんの身体のコントロール力もすごいですね。軸のしっかりした変形(?)の回転、見ごたえありました。
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by koharu-annex | 2011-07-16 18:12 | 2011-2012 フィギュアスケート
真央ちゃんのSPに対するコメントありがとうございます。皆様のご高察&ご感想、楽しく拝見しました(こういう妄想(笑)系のお話を皆様とさせて頂くのは、いつも本当に楽しい!)。

おって個別に返信させて頂きますが、私が真央ちゃんのSPが何かについて、1つ賭けるのなら・・・ I bet on La Traviata(椿姫)! でしょうか。殆ど願望も入ってますが(笑)。

さて、ドリーム・オン・アイス、フジの地上波放送を拝見しました。
コメントくださった方の情報によると(毎度ありがとうございます!)、7月9日にBSフジで倍の時間をかけて放送するようですが(こちら)、とりあえず現時点で放送されたものの雑感をば。

●鈴木明子さん(26歳) バーレスク
この人の背中は、本当に魅力的。また、首がそんなに長いタイプではないから目立ちませんが、首から背中の下までのラインの良さは群を抜いてると思います。

昨年のベリーダンスほどのインパクトはありませんでしたが、ミュージカルスターなイメージを裏切らない演技でした。

●羽生結弦さん(16歳) ロミオとジュリエット
あらー!ロミオ!
こりゃまたぴったりな演目を選んできましたね、FPですか。

音楽は、ディカプリオが主演した映画「ロミオとジュリエット」の音楽ですよね。この選択がまたすごく良いのではないかと思います。

例えばバレエ音楽であるプロコフィエフのものは、ジュリエットのライトモチーフは沢山出てくるのですが(3種あってどれも有名)、ロミオのライトモチーフはそれに比べると地味。バレエの場合は、基本的にジュリエットが刺身でロミオはツマなので、そういうことになっちゃうんだけど・・・。しかも、プロコフィエフのこの楽曲は、その先の不幸を「多めに」(←ここポイントね)予感させるような、どこか死をイメージさせる闇色が全般に漂ってる。これは、羽生君の今のイメージには若干ヘビー過ぎる。

チャイコフスキーのものやニーノロータのものは、プロコのものに比べると闇色は少ないと思うけど、なんというか、羽生君のいつも鈴の音が聴こえてくるような類まれな「光る君」(by紫式部)タイプには、有名過ぎて手垢がついてるという点も含めて何だか少し物足りない。(羽生君が女たらしになるとは言ってません。念のため。笑)

私の中ではもはや半分ギャグと捉えてしまうディカプリオ君ですが、彼のナルが前面に出たこの映画くらいロミオが突出している方が、羽生君にはぴったりだと思う。

実際、羽生君の今回の演技には(FP後半のみとはいえ)ジュリエットの存在は殆ど感じられないけど、そこは全く問題ないと思います。そもそもロミオとジュリエットの2人って、若さ暴走させて自爆しちゃったけど、本当に愛を深めているかは疑問なんだし(要するに恋に恋した状態で終わったとも言える)。自分の思いだけで完結しちゃってる1人の世界、というのは、この2人の場合はある意味正しい。

彼の陣営は、彼のことを真によく分かっていらっしゃる。これは彼にとって強力な武器ではないでしょうか。

今回のご披露はFPの後半のみ、ということでしたが、ちょっとまだ体力がきつそうですね。この夏は体力強化の夏になるのでしょうか。頑張れ~

●高橋成美さん(19歳)、マーヴィン・トランさん(20歳) イマジン
見るたび、シンクロ具合が上がっていますよね~。
しかし・・・曲がイマジンなせいか、高橋さんの勝気で元気でそれをストレートに出す子供っぽいともいえるキャラを知ってしまったせいか、そして何よりこのカップルの間にある種の艶があまりないせいか、「娘とその幸福な将来を願うお父さん」に見えてきてしまうのは、私だけ?

●織田信成さん(24歳) I Can See Clearly Now
信ちゃんって、無意識なんでしょうけど、肩に力が入り気味に見える(肩が上に上がっちゃう)傾向がある。
それが余計、身体全体の伸びについて「あと一伸び」できるのに、との印象を強くします。

EXにしっとり系の選択をすることは良いと思いますし、信ちゃんのスケーティングの「流れ」みたいなものや脚&足の関節の柔らかさは、しっとりが似合うようにも思います。
だけど、信ちゃんはしっとりだけで魅せられるタイプではないので、競技演目については彼の良さをもっと前に出せるものを選択して欲しいなあ、と思う次第。

●小塚崇彦さん(22歳) Free Fallin’
あらら、小塚さんって、こんなにカッコ良い人だったっけ?と思いました。

身体能力とは関係なく、カッコよく見せる天性のポージング能力がある人ってのがいるんですけど、小塚さんは、そういうタイプでは決して無いんですよね。むしろ、その能力は、世界レベルでいうとかなり低い方に入るのではないかと(ここが損しているなあ・・・と思うところ)。

それにもかかわらず、カッコよく見せることができるということは、すごーく研究したんだろうなあと思う次第。

●村上佳菜子さん(16歳) Amarti Si
はっちゃけた衣装のイメージがあるかなこちゃんですが、白いお嬢様のようなドレスを身につけ、流れる白いリボンを髪に結んで、とても可愛らしかったです。あぁ、彼女って大人への道を踏み出したばかりのティーンの女の子なのよね、と改めて思いました。

高原に避暑に来た儚げな美少女・・・というタイプではありませんが、10代半ばの少女しかもてない、青りんごのようなすっきりした「透明感」は彼女にももちろんあります。
これは大人になるにしたがって消失するもので、完全に無くしたあと(要するにオバサンになった後)、あまたの少女をみて、「あぁ、誰にでもあるんだなあ」と気づくものです。自分が少女のときに、仮に周りのオバサンから、「今のあなたには、これがある」と言われても、「はぁ?私になんか無いよ。~ちゃんにはあるけど。」って思う方が殆どだろうけど(笑)。

●庄司理紗さん(14歳) 映画「塔の上のラプンツェル」より
彼女は、正統派美少女で且つこの年齢にしては色気があるだけに、逆に難しいですよね。
しかも、色気が少々肉感すら伴っているところが、さらにハードルあげてる。
真央ちゃんにはそのいずれもなかったので、くるみ割りのような「姫」で押すとまさに妖精になったんだけど。庄司さんの場合は、存在感が非常に現実的なんですよね。

本人も、「自分」に戸惑っているようなところが見受けられます。
もちろん、美人と言われ続けているでしょうから、何かしらの自覚はあるのでしょうが、「だから、どうしろと?」と感じてる部分があるような気がする。

まあ、そもそも「美人で色っぽい」と自覚することなど謙譲を美徳とする日本人には難しいし、それを受け入れてその路線でいく覚悟を決めることは、まだ14歳の少女には酷なことでしょうね。

●安藤美姫さん(23歳) 千の風になって
昨シーズンから、「思いを込めて滑る」ということをこれほどまでに完成させた彼女に、拍手を送りたいと思います。涙が出そうでした。
GPS欠場は残念ですが、彼女の競技生活だけでなく人としての人生の幸せを祈っております。

ブラックスワンも見たかったな。報道で見た限り、衣装もメイクもとても似合っていました。
でも、私、映画、まだ見てないんですよ。。。怖くて(笑)。
旦那と映画見る機会ってのが最近あって、「ブラックスワンみる?」と言われて悩んだ挙句、「ブッタかジャック・スパロウで」と言ってしまったワタクシ(そしてパイレーツ・・・を観ました)。
安藤さんのブラックスワンを見る前に、映画、見ておきます。
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by koharu-annex | 2011-06-27 02:13 | 2011-2012 フィギュアスケート