もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カテゴリ:2011-2012 フィギュアスケート( 60 )

皆様、私、分かったわ~
信ちゃんの報道記事の中に、「来春ニースで開かれる世界選手権に合わせて選んだ、フランス映画シェルブールの雨傘の音楽が流れる中・・・」(←うろ覚え)ってのがあったので。

だから今季はピアフの「バラ色の人生」が多いのね~。いやーん、皆様、私ようやく分かりました~。世界選手権の開催国にゆかりの音楽を選ぶことがあるってこと、まるっきり想像外だったから、私、これまで何度も「今季はやたらバラ色の人生が多いな~」って書いちゃったわのよさ。は~。なるほどね~。

で。 そういうの点数になんか影響あるの?

●ケビン・レイノルズ(21歳)カナダ/パロヴ・ステラー 「チャンバーメイド・スイング」
中国杯よりかは良かったと思いますし、シーズンベストを出しているんですが採点にとっても不満そうな表情をしてらっしゃいましたよね。

うーん、私、レイノルズさんの踊り心が感じられる軽妙な動きとか、音楽性が良いところが好きなので、もう少し舞踊的な表現や音楽表現を追求する方向へ転換して欲しいなあと思ったりします。もちろん彼がジャンプ(特に四回転)にこだわりがあることは見てるだけで明らかなので、ジャンプで思った点数が出ない時期に全く異なる方向に目を向けることは難しいってのは分かっているんですが。

ただ、ムーブメントがいつも荒いのは、ちょっと損なのでは・・・。細部までとは言わないので、振付を丁寧にこなすだけでも、PCSが多少良くなったりしないかしら・・・(違う?)

●アレクサンドル・マヨロフ(20歳)スウェーデン/オースティンパワーズ
カナダ杯のときの感想がそのまま当てはまるので転記。
わー、面白いプリント!と思ったら、オースティンパワーズか。
この曲は難しいですよ。本当に難しい。
厳しいことをそのまま言わせてもらうけど、一刻も早く違う曲に変えた方がいいと思う。
●フローラン・アモディオ(21歳)フランス/サマータイム、ジャンピング・ジャックほか
衣装が、前半のサマータイムより後半のジャンピング・ジャックに合わせたものだと思うのですけど、アモディオ君のこの演目については、私は夏にあったTHE ICEのときの衣装が忘れ難い。
パーティーの後、蝶ネクタイをほどいてひと息ついてるような衣装だったのですが、白いシャツに黒いネクタイだったので、ムロズさんのような「銭湯でひとっぷろ浴びて帰ってきたオヤジ」(こちら参照)にならず、とても似合っていました。

彼自身に、「今はまだ爽やかさを感じさせる青りんごな色気だけど、後にぐーんと濃くなるであろう色気」があるので、蝶ネクタイを外したくだけ具合が妙に様になる。有無を言わせず「もてるだろうな~」と思わせる(笑)。ついでにいうと、女だけでなく男にも好かれるだろうなあ~と思わせる愛嬌も兼ね備えてますよね。
あのTHE ICEって夏じゃないですか。暑くてけだるい夏(しかも節電だったし)だと、サマータイムって体の芯に沁み入るんだよねぇ。もう一度あの快感を味わいたいけど、それはもう果たせない夢ですわね。

ジャンプにミスがあったアメリカ大会と比べて出来が良かったと思います。ただ、アメリカ大会のときはステップ後半からいかにも体力不足と思われたし、今回も最後のスピンができなかったことはその現れといえるのかもしれない(私は、佐野のおっちゃんが言うスピンが疲れるとか静的筋肉云々については良く分かりませんが)。

そういう意味で気になったのは・・・おそらく体力保持のためなんでしょうが、ステップ以外のところでは、踊りも音楽表現も控え気味だしスピードもあまり出さないんですよね。そのため、全体のバランスが少々悪いか・・・と思ったり。
ということで、やはり体力アップが課題ですかね、といういつもの話で終わるのでした。

●アダム・リッポン(21歳)US/Korobushka by Bond
両手を挙げるリッポン・ルッツ健在ですね。同じようなジャンプをする方は性別を超えて複数いらっしゃるけど、私はリッポン君の両手の挙げ方が一番好きだな。

カナダ杯の時も書きましたが、コサックダンス風の衣装と振付とはいえ、泥臭さ(どの地域のフォークロアにも存在するけどコサック系は割合が大きいと思う)を拭い去り、リッポン君らしく上品に仕上がっています。終盤、楽曲のテンポが上がるところでは、ぎりぎり追いつけるかどうかという程度でしたが、私は正直「そこまで上げんでも」と思いました。

コメント下さった方から正しい呼称を教えて頂いたのでどうでもいいのだけど、何度聞いても佐野のおっちゃんのは、ウォーレイではなく「ウォーレン」に聞こえる・・・。

●ソウ・ナン(21歳)中国/映画「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」より 
中国杯はまぐれじゃありませんでしたわね~。その時の彼の演技の感想としては… 
衣装は謎過ぎますが、よく身体は動いてたのではないでしょうか。音楽に合わせようという意識はあると思うのですが、振付を追っかけてる印象の方が強い。まだこれからですかね。

あと、振付そのものがもう少し洗練されてくるとよいかも。本人のポテンシャルの高さを考えると、ちょっと損してるかな、と。
前半部分については、中国杯と比べると振付を追っかけている印象は、確かに殆どなくなってたと思う。
だけど、なんというんでしょう、硬い。硬いよね。FSではムーブメントを柔らかくしようとする意識が見られたので、このSPは強い曲調を表すために敢えて力強さで押しているんだと思うんだけど。それでも、硬過ぎるように思います。もともと柔軟性があるタイプでない上、スウィング感、リズム感を感じさせるような踊り心は見受けられない。そういうタイプがこれやっちゃうと、「一生懸命動いてます!評価よろしく!」という熱意は伝わってきても、客観的には「無駄に力いっぱいやってるラジオ体操」にしか見えない。

これは振付やコーチの問題もあるんでしょうね。
でも、あの野暮ったく仏頂面かつ無駄に厳しい表情のコーチを見ると、舞踊面は期待できない気がする…。
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by Koharu-annex | 2011-11-22 10:02 | 2011-2012 フィギュアスケート
(追記) 皆様、ごきげんよう~ 師走に向けて忙しさに加速度がつく今日この頃ですが(NHK杯までフィギュアスケートの記事アップが最優先だったので仕事がたまりまくってるし・・・苦笑)、いかがお過ごしでしょうか。
下の記事は映像を見ないまま速報だけ見てアップしたのですが。その後、漸次、報道がなされ、未だFSの演技そのものの映像を確認できなまま、新たな情報を得ることになりました。
信ちゃんが10月頃から膝に痛みが生じていたこと、それをおしてGPSに出場したこと、フランス杯FSの演技途中のトゥーループ(?)ジャンプでトゥを突いた際に膝に何らかの故障が生じたこと、それ以降膝に激痛が走っていたこと、転倒から起き上がる時でさえ膝が使えなかったこと、リンクから戻ってきたときは気丈に笑顔を見せていたもののキスクラで一筋涙を流したこと、全日本にも欠場する可能性があること・・・等々。

人生というのは、山あり谷あり、ですね。
信ちゃんのこれまでのドジっぷりから厳しい意見もあるようですが、スポーツ選手の怪我って多くの場合、判断がとても難しそうですよね。現段階から遡って考えれば、GPSには欠場した方が良かったかもしれませんが、それを事前に決断するのはほぼ不可能では?と思ったり。まあ、出場すべきではなかったという結果が、FSの演技中に突如として下される、というあたりに、本人ではどうしようもない「信ちゃんらしさ」が出てしまった感があることは否めませんが(苦笑)。そこは、ある意味「持ってる人」ってことで、私はむしろ肯定的に見てあげたい。

とにかく怪我をケアして、目標(ソチ五輪に出て引退)に向かって前進されることを祈っております。(追記終わり)






信ちゃん・・・








私は危機に陥ったクライアントに必ず言うことがある。

どんな時でも、ちゃんと食べて、ちゃんと寝ること。


フランスで、美味しいものをちゃんと食べて、帰っておいで。
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by koharu-annex | 2011-11-20 02:00 | 2011-2012 フィギュアスケート

フランス杯 女子SP

●エリザベータ・トクタミシェワ(14歳)ロシア/タンゴ
おそろしい・・・ローティーンの成長のスピードって本当に恐ろしい・・・
まず、カナダ杯のときの感想を見返してみると・・・
随分大人っぽいけど、素敵な衣装で似合ってます。この年齢でありながら、着せられた感が感じられないのは、彼女の個性でしょうね。

COIの時(記事はこちら)の方が、出来そのものは良かったように感じました。単に初見だから印象が強烈だっただけかもしれませんが。。。
COIの時に彼女のパフォーマンスから感じた「孤独」とか「哀しさ」は、今回のパフォーマンスでは若干薄まっていました。試合だからでしょうかね。順調に演技が運んでいる嬉しさみたいなものが、特に後半になるにつけ表に出てました(笑)。

身体が華奢でまだ出来上がっていませんから、誰をもうならせるような表現という意味では、まだまだだと思いますが、なんといっても身体能力が高いので表現手段が豊富であることは明らか。誰が観ても感じるであろう大きなポテンシャルを持ってらっしゃるので、これからが楽しみです。

色気が出てくる年齢になってから、音を遅取りして、メリハリと緩急を大げさなほどつけると、そりゃもう素敵になるでしょうねえ。
カナダ杯で優勝したことが大きな自信になったのでしょうね。
カナダ杯のときは「まだ上げ初めし前髪の」(by藤村「初恋」)って感じが強かったのに、こりゃまたどうしたことでしょう。もう堂々としています。

その堂々さを支えている気持ちの余裕とか精神の安定が、パフォーマンスの充実を生み、COIのときにあった「孤独」「哀しさ」が戻ってきていました。しかーも、メリハリ・緩急が進化してて、そのため一部かっこよく音が遅取りになりつつある。もちろん、完璧ではなく場面場面で差がありますが。

でも。
皆さまが、おそろしや、おそろしや、おっしゃるのがよく分かりますわ。
まさに、「恐ろしい子…!」(by月影先生「ガラスの仮面」)。

●村上かなこ(17歳)日本/バイオリン・ミューズ
中国杯のときよりは、ずっと良いですけど・・・うーん、やっぱり音楽の表層に合わせるくらいで、限界ですかね・・・。
彼女はもともと踊り心があって、非常に踊りが上手ですから、苦手な楽曲でもちゃんと踊れていましたよ。正直、あれだけの動きができる人ってなかなかいないと思います。
でも・・・なんですよね。あまりに個性が違いすぎて、音楽の中に入りこんだ表現ができず、上滑りで終わってしまっている印象です。

かなこちゃん(陣営というべき?)は、今季の演目の目指すところを「大人っぽい」と言ってるけど、これらは「大人っぽい」演目の中の、とある一類型でしかない。しかも、それがベタ過ぎるだけでなく、同じく山田コーチの門下生である伊藤みどりさんが選手時代に「表現力が課題」とか言われて個性に逆行して「させられていた」(と当時の私には見えた)しっとり系の演目の方向性と一致しているように見えて、なんだんかな~な印象を持っています。

「大人っぽい」類型には様々あるので、その中で、もっと本人の個性の延長線上にある「大人っぽい」演目を吟味すれば良いのでは・・・と思ってしまう次第。
だいたい去年の演目との対比で考えれば、かなこちゃんの今季のSPやFPほど抒情性や哀愁がたっぷり含まれなくても、メロディアスな楽曲を使用するだけで(それが明るい曲調であったとしても)、充分「大人っぽい」と思ってもらえると思いますが?

私が最も惜しいな~と思うのは、彼女の「今限定の魅力」を生かそうとしていないことです。
かなこちゃんって、「瑞々しいはつらつさ」とか、「弾ける若さ」とか、「健康優良児的な元気印」とか、「野性的なほどの明るさ」とか、そういうものがテンコ盛りの乙女でしょ?
これらは、若いからってティーンネイジャーが全員持ってるものじゃなく、圧倒的な個性というべきものですよ。しかも、かなこちゃんが今の年代にあるからこそ、光り輝いている個性です。あと何年もつかは分からないけど、彼女が年齢を重ねるとカラーが少し変わってくると思います。そういう意味では、彼女の上記の個性はここ数シーズンしか存在しない「今限定の魅力」ということになります。

それを全くピックアップしないで、SP・FPの両者とも前述したような意味不明の「大人っぽさ」を追求させて、本人を課題に押しつぶされそうなほどパニクらせたり、アップアップさせるだけなんて、なんてモッタイナイ。
羽生君の「今限定」の鈴の音シャランと同じく、かなこちゃんの「今限定」の水玉ヨーヨーとスーパーボールを足して2で割ったような弾け具合も、同じように大切に扱われて欲しい、と思うワタクシであります。

●アリッサ・シズニー(24歳)US/バラ色の人生
ええっと、採点表(こちら)みてびびったんですけど。
Transition / Linking Footwork(つなぎ、ですかね?)に、4.00つけてるジャッジが1人。
4.00って、出場選手中最も低くて。これ、あり得ない数字じゃないですかね。これ、ジャッジのケアレスミスで、本当は「8.00」とかつけるつもりっだったんじゃあ・・・。

今季は「バラ色の人生」を使う人が多いけど、シズニーさんのパフォーマンスは、この音楽の誕生秘話やピアフさんの人生をもう一度振り返りたくなるような、不思議なパワーがあります。
ムーンリバーのときも感じたのですが、彼女は、楽曲の精が抜け出してきたような音楽表現を行う才能がありますね。このような音楽表現を行うためには、自分の個性を後ろに抑えて、むしろ音楽を前に立てる必要があると思うのですが、そういうことができる人がフィギュアスケーターの中には割と少ないだけに、逆にそこが個性になっています。

●カロリーナ・コストナー(24歳)イタリア/ピアノ三重奏曲第2番byショスタコーヴィチ
まさに「見せ場!」のストレートラインステップで、まさかの転倒。
NHK杯の町田さんやベルネルさんも、思いがけないところで転倒がありましたが・・・リンクには、時々小さないたずら悪魔が現れますね。
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by Koharu-annex | 2011-11-19 23:01 | 2011-2012 フィギュアスケート

フランス杯 男子SP

今日の東京は人を落ち込ませるような雨です。。。
こういう天気って泣きたいような気分も運んでくるし、たまってる仕事に取り掛かりにくい頭痛も運んでくるし。。。

しかも。フランス杯の地上波放送って、めっちゃ中途半端だし(NHK杯の映像流すんだったら、フランス杯のトップ選手の演技を流せばいいのに。なんなの、テレ朝のあのセンス)。
フランスはフランスで、相変わらず余計な絵描きとか入れてるし。あー、気分悪いわ~

まあ、フラワーガールズのお尻を映さなくなっただっただけ、良しとしようか。
フラワーガールズといえば、あの衣装のかわいらしさは、心を和ませてくれるものがありました。

●織田君(24歳)日本/Memphis Soul Stew
コンビネーションジャンプに失敗した後、あとのジャンプを連続にしようと努力したけどできなかった、というのは理解できるので、それはまあ仕方なし。

問題はスピンでしょ。

うーん。
スピンが無効になるのって、ウィキさんのこちらのページによると、「シングルのフリースケーティングにおいて、採点表で同じ略記で書かれるスピンは一度しか行えない。二度目以降のものは無効要素として0点となる。」なんだそうですが、これはショートプログラムでも同じなんですかね?

ちなみに、織田さんのスピンは、採点表(こちら)によると以下のとおり。
① FCSp
② CCoSp
③ CSSp  ← 無効になってる

上のウィキさんの記載がSPでも同じと仮定して。
織田さんの採点表そのものでは「同じ略記」で書かれているスピンはないのですが、しかし無効になったということは・・・②の足替え・コンビネーション・スピンに含まれるスピンと、③の足替え・シット・スピンに含まれるスピンが、「略記」(採点表用に別途定まっているようです)としては同じだった、ということでしょうか???
確かに②の中にシットスピンは含まれていたけど。。。それって駄目なの?
佐野さんも荒川さんも、なーんも解説してくれないので、全然わからん。

でもさ、信ちゃんのインタビューによると、彼はこのスピンを重点的に練習してきて、今回も予定通りのスピンを行っただけみたいだから(アクシデントで変えたわけではない)、これは本人だけでなく振付師とかコーチにも問題あるんじゃない!?

(追記)ちなみに、私がこの記事を書いた時点で、検索でひっかかった報道で最も詳しいものはこちらです。この報道をもとにウィキさんで調べてこの記事を書いています。
他方で、シットスピンでしゃがむ姿勢がちゃんと取れていなかったのではないか?という指摘をコメントで頂いております(情報ありがとうごっざいます。後ほどお返事させて頂きますね)。

●ブレジナ君(21歳)チェコ/ベスト・オブ・鼓動
冒頭の動きを見てかなり期待をしたのですが、音楽表現に勢いが必要な楽曲だけに、中盤から早くも疲れましたかね・・・もちろん、リズムを外すところまではいってませんでしたが。
ただ、「全体を通した」スピード感とかテンポ感があればなあ、と思ってしまいました。贅沢すぎますかね・・・。

●パトリック・チャン/テイクファイブ
カナダ杯に引き続きジャンプの調子はいま一つのようでしたし、カナダ杯よりも緊張していたのか(?)顔の表情が悪かった気がする。

楽曲のテンポがこの人の素のムーブメントのテンポに合ってるようで、そもそも無理がない気がします。そういう楽曲では、パフォーマーの長所が最もよく出ると思う。
実際、スピンやスケーティングの際の体幹に一本筋が通っているような安定感や、下半身がぶれず余計な動きが全くないような安定感、そして全体のスピード感といったものがよく感じられる。そして、これらはSSにつながるものであって、SS自体と併せてこれは評価に値するものに違いない、と想像したりしてます。まあ、私にとっては特に大きな妙味とはいえませんが(苦笑)。
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by Koharu-annex | 2011-11-19 18:15 | 2011-2012 フィギュアスケート
信ちゃん・・・

何をやった・・・


そして


何をやらなかったの・・・



(追記)
この記事に最初にコメント下さった鍵コメ様から、信ちゃんのSPの動画を教えて頂き、テレビ放送の前に見ることができました。ありがとうございます。
私がお返事を書かずにいる間に(遅くてすみません…)、コメント自体を削除なさったので、ここでお礼を書かせて頂きました。
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by koharu-annex | 2011-11-19 01:13 | 2011-2012 フィギュアスケート

NHK杯 男子FS

●トマシュ・ベルネル(25歳)チェコ共和国/映画「スウィング・キッズより」シング・シング・シング、バラ色の人生(エディット・ピアフ)
冒頭の4回転があまりにクリーンで、おお、今日はいけるか!と思ったのですが、まだまだ本調子ではなさそうですね。
それでも、昨日のSPからずいぶん修正してきましたし、失敗後の気持ちや表情の切り替えもできる、そのあたりはベテランの凄みでしょうか。また、相変わらず演技派で、「舞台」をつくるのがうまいですよね。

●アーミン・マーバヌーザデー(「20歳)アメリカ/映画「キル・ビル」より
彼もそのチームも、今、彼の表現上の個性や幅を見極め中のような気がします。
「手探り」とか「暗中模索」とかそんな言葉がアーミン君の向こう側に見えますが、健気に頑張るアーミン君に声援を送りたい。いつかこの苦労が実を結ぶことを祈っております。見るからにポテンシャルが高いので、楽しみにしています。

●サミュエル・コンテスティ(28歳)イタリア/ラ・ヴィ・アン・ローズ 作曲:エディット・ピアフ、サ・ガーズ 作曲:トニー・ミュレナ、華麗なる千拍子 作曲:ジャック・ブレル
今季は、サスペンダーを使う振付が多いですね。ベルネルさん、アボットさん、コンテスティさん。「ばら色の人生」もなぜか今季は多用されてて、私は思わずエディット・ピアフの映画を見直してしまいましたよ。

コンテスティさんは、こういうのやらせると本当に上手ですよね。大道芸人って、子供はやり切れない演目だと思うのです。ベテランの、しかもコンテスティさんだからこそ、出せる世界がそこに。
ただ、出来そのものはアメリカ大会の方が良かった。あのときは会心の出来だったと思います。

●ロス・マイナー(20歳)アメリカ/映画「アンタッチャブル」より
今季多用されている映画「アンタッチャブル」に対する思い入れは、散々書いてきたのでもう打ち止め(笑)。

マイナーさんに関しては、カナダ大会のときにも同じこと書いたけど、やはり衣装がストイックすぎるかなと。悪くすると「可もなく不可もなし」くらいのレベルまで印象が薄くなっちゃう気がする。あと、余計なことかもしれないけど、マイナーさんの、すぐに顔が紅潮するところ(別にこの点は悪いところではないけど)が、この衣装では余計目立っちゃうのもどうかなと。
演技そのものは非常にコンパクト(?←え、もしかして衣装のせい?)にまとまっている感じでした。最後の「イエス!」のガッツポーズ、微笑ましかったです。

●町田樹(21歳)日本/ドン・キホーテ
ふお!衣装派手だな~。こういうの好きなのかな~。私はもう少し押さえ気味なのが好みだけど、これで町田さんの気持ちがアップするなら、これで行くべきでしょう。

ドンキは皆様ご存知のとおり上演回数が非常に多いバレエなので、バレエ見は音楽を聴くとその部分の踊りが瞬時に思い浮かぶ。これは結構、つらい(苦笑)。脳内に反射的に浮かぶ踊りの情景を打ち消しながら、目の前のスケートを見なくてはいけないので。

町田さん、ジャンプの調子が昨日と打って変わって悪く、体力的にもきつくなって、何より本人がお辛そうでしたね。。。

●コンスタンチン・メンショフ(28歳)ロシア/ザ・レース 作曲:イエローバトル・ウィズアウト・オナー・オア・ヒューマニティー(映画キル・ビル サウンドトラックより)作曲:布袋寅泰、ベルガマスク組曲より「月の光」ドビュッシー
おお、メンショフさんもキル・ビル使うんだ!と思ったらいきなり月の光だし。面白い楽曲構成だな~と見ていたら、これもちゃんと物語になってるんですね。

バイクの走り屋さん。車と人が行きかう街中でバイクにまたがり、ぶいぶい走り出す。高速スピードで間を縫って郊外へ。月明かりの下、虫の音がする自然の中で、ヘルメットを脱ぎバイクから降り、喧騒を忘れたひと時を過ごす。再びバイクにまたがり、高速スピードでいつもの街へ。街中をまたもや危険なスピードでぶいぶいいわせてたら、パトカーの音が!バイクのスピードを更に上げて・・・、イエイ、逃げおおせたぜ!って感じっすかね。

やりたいことは分かるし、私はかなり好みの演目なんだけど、いかんせん調子が悪く体力もたなかったですね。SPに引き続き、こちらも完成形を見たいなあ。ロシア杯、楽しみにしていますよ!

しっかし、実況も解説も、メンショフさんが必死で頑張ってる走り屋物語に、一言も触れないってどうよ!?

●ブランドン・ムロズ(20歳)アメリカ/カルメン 作曲:ジョルジュ・ビゼー 編曲:レナード・バーンスタイン
カルメンにおける「だめ男ホセ」については、以前、こんな記事の中で、高橋さんにお願いしたいと書いたことがあるんですが。
ムロズさんの演技の冒頭を見て、これは「だめ男ホセ」を狙ってきたか~と思ったんですけどね。ロケット花火のようにその路線は消えてしまいました。ヒュゥ…

ジャンプの失敗が続いたことにより、本人のいかにも「がっかり」な感じが、だめ男ホセに通じる部分があったんだけど、それは演目として予定されていたとも思えず(苦笑)。
次のロシア杯で、ムロズさんが意図してる路線を確認したいなあ。ご健闘を祈っております。

●小塚崇彦(22歳)日本/ファンタジア・フォー・ナウシカ 映画「風の谷のナウシカ」サウンドトラック 作曲:久石譲
アメリカ大会の時のコメント転記。
この音楽が好きで、音楽が身体に入っているのが分かります。外だけでなく身体の内に響いている音楽に合わせて動いているから(しかも緩急をつけている!)、とても自然で美しいです。音楽の伸びに合わせて、彼が腕を伸ばし、その伸ばした腕をしならせる。ぴったりと音楽に合ってます。

小塚君の演技の感想でこんなことを書く日が来るとは!

涙が出そうだよ。フィギュアスケートファンの方々って、こうやって毎年選手の成長も一緒に見ているんですねえ。皆さま、毎年それぞれに喜怒哀楽の感情の起伏があって大変じゃないですか?

このFP、振付の音楽との親和性も非常に高いのでしょうが、本人のこの楽曲が好きという気持ちがまさに土台となってこの高さまで彼を引き上げてくれたのだと思います。音楽の持つ力って本当に大きい。音楽をいかに大事にするかで、フィギュアスケーターって成長が違って来ると思うなあ。

もちろん彼の姿勢やムーブメントにおいて「舞踊」の面から改善できるポイントがまだいくつかあるのは確かなんですが、ここまで音楽と一体化すると、これらの欠点は凌駕されます。いいもの見せてもらいました。ジャンプの不調?私にはそんなこと全く問題ではありません。

今回もこの感想と基本的には重なるんですが。ただ、勝たなきゃいけない相手が高橋さんである場合には、やはりジャンプで点を稼ぐ必要があるんだと思うんです。高橋さんに演技構成点で勝つことを狙うのは無謀だから。

あと、SPのときにも書いたけど、だんだん人間贅沢になってくるものでどうしても要求度が高くなってくるのですが(笑)、舞踊面の更なる向上も望みたい。(この点は高橋さんから受けた刺激が原動力になるでしょうね)

●髙橋大輔(25歳)日本/Blues for Klook
カナダ杯のときの感想。
私は、音楽表現という意味においては、JOの時の方が良かったと思います(こちら参照)。JOのときも後半疲れが出ていたんですが、今回は、中盤あたりから少々間延びしたように見えたことが何回かありました。SPと同様、まだ5合目ですね。
ただ、本当に難しい楽曲なので、それをここまで仕上げていること自体、既に素晴らしいとも言えますけどね。他のスケーターだと、絶対、間がもたないから。

今年のSP&FPは、高橋さんの音楽性と踊り心が頭抜けていることを、如実に浮き上がらせるものだと思います。
今回は、カナダ杯よりは随分良かったと思いますが。何かが憑依してきたSPと比べちゃうと、「うん、まだまだだね。頑張れ」といいたくなる出来でしたわね(苦笑)。えっと、6合目ぐらい?

ところで、私、普段はフィギュアスケートの報道をそんなに見ないんですが、今回はたまたまGPSの大会とか順位を調べるためにスポーツナビを確認したんですよ。そしたら、こんな報道があって。その中で高橋さんがこんなことをおっしゃってるんです。
(今日の“ブルース度”は?)  ブルースというものが僕自身どういうものなのか正直分からなくて、一生分からないんじゃないかと思いますけど(笑)、もっと『やさぐれている』というか……ハッピーじゃないだろうな、というか……。日常(の感情)なのかなというイメージなんですけど。
今日は『欲を持った男』じゃないけど、こう……人にかみつくじゃないですが、人の方に入り込んでいくという感じの演技だったので、どれがいいんですかね(笑)。
でもあまり考えず、そのときの状況でやっていくのが一番いいんだなと、滑るほどに思ってきています。いろいろな人に聞いたり、どこかでヒントが出てきたりすると思うので、そういったものは拾いつつ、どう表現しようというのはあまり考えずにやるのが一番かなと思います
この意識の高さ。
これが彼の突出した表現を支えるもう1つの柱ですわね。こと表現については、一人別次元のステージで勝負している感じです。
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by koharu-annex | 2011-11-13 23:11 | 2011-2012 フィギュアスケート

NHK杯 女子FS

●キーラ・コルピ(23歳)フィンランド/アイ・ガット・リズム(ガーシュウィン)
ガーシュウィンの時代のNYを髣髴とさせる衣装とヘアスタイル。美人で「いい女」度が右肩上がりのコルピさんによく似合ってますね。
最後のスピンが音楽と合わなくて、ぶち切りになってしまったのが残念。

●アグネス・ザワツキー(17歳)アメリカ/ラプソディ・イン・ブルー
刈谷アナが「ラプソディ」を「ラブ(love?)ソディ」って言ってた気がする・・・(汗)。気のせい・・・と思いたい。が、刈谷アナ、ファヌフさんのところでも「パガニーニの主題による狂詩曲」を「パガニーニの、主題による狂詩曲」って、「パガニーニ」の直後で区切ったんだよね(区切るなら「パガニーニの主題による」の直後じゃない?)。・・・「loveソディ」、気のせいじゃない気がする。

脚使い(ってことは足使いも)が不安定な上に、体力がもちませんでしたね。

●アシュリー・ワグナー(20歳)アメリカ/映画「ブラック・スワン」サウンドトラックより 作曲:クリント・マンセル
ご本人が、緩急をつけ、動作に硬軟取り混ぜようとしているよのは分かるんです。
でも、常に身体のどこかに力みが感じられ、結果、「ちょっと強めに一本調子」な印象になってしまいますね。

スピード感のある滑りと、明るさと華やかさのある個性は、大きな強みだと思いますが、個性との合致如何についてはカナダ大会のときに書いた考えと大きく変わりません。

●エレーネ・ゲデバニシビリ(21歳)グルジア/ミュージカル「オペラ座の怪人」より(作曲:アンドリュー・ロイド・ウェバー)
あら、衣装を変えてきたのですね。アメリカ大会のときのラブリーなドール衣装、もう一度見たかったんだけどな。でも、確かに「それ変えたら?」ってアドバイスがいろんなところから来そうな衣装でしたね(苦笑)。

アメリカ大会のときはひどく緊張しているご様子で、音楽をちゃんと聴く余裕すらないのでは?と思うほどでしたが、今回に至るまでに猛烈に滑り込んだのか、気持ちに余裕も出てスローパートのところなど情感もあり、段違いでよくなっていました。

マスカレードの音楽から始まるストレートラインステップのところ、股関節とかに怪我しなかったですよね?見てて冷やっとするほど危なくて怖かった。それ以外は上々に運んだだけに、ご本人は本当に悔しそうでしたが、怪我がなかったのなら何よりです。

●浅田真央(21歳)日本/愛の夢(リスト)
演目を昨シーズンから持越した場合、衣装を変える方とそうでない方がいらっしゃいますね。私は真央ちゃんのこの衣装は好きなんですが、私は無意識に新しい衣装を期待していたのでちょっと残念なのでした。

もともとスタイルの良い方ですが、このローリー・ニコルさんの大きくゆったりとした振付は、真央ちゃんのスタイルを格段によく見せますね。細く長い手足が、いつもよりずっと長く見えます。また、真央ちゃんの素の動きとも非常に相性が良いのだと思います。無理がありません。

アクセル除いて全ての種類の3回転を入れたこと。当然、得手不得手があるでしょうし、まさに矯正中のものもあるでしょう。実際、出来についてはいろいろあったみたいですが、常に挑戦し続けるこの人らしいと思いました。

ドーナツからビールマンの変形(?私は初めて見た)に移ったコンビネーションスピン、きれいで良いアクセントになっていましたね。そのスピンの前、カメラのアングルが悪くて、ストレートラインステップの途中に入ってる「タタタ」が正面から見えなくて、残念至極!

スピードやスケーティング技術は、佐藤コーチの下で目下改善中ということですから、現時点の状態はまさに通過点なのでしょうね。佐藤コーチの「スピードに勝る魅力なし」(←うろ覚え)の信念と、真央ちゃんのアスリート魂に照らせば、更なるスピードアップとスケーティング技術の向上は確実でしょう。
そういう意味で、今回の「愛の夢」は現状お披露目に過ぎませんし、しかも初戦だし(真央ちゃんのあの「いつもの初戦での出遅れ」には笑った)、また舞踊的な観点から見ても真央ちゃんはもっと踊れる人なので、更なる進化形がロシア大会で見られるでしょうね。楽しみです。

そして何より、昨シーズンの文字通り「悲壮な決意で滑ってる」雰囲気が消え去り、笑顔の真央ちゃんが見られたことが、嬉しいではありませんか。
進化というものは、どんな業界や世界でも「らせん形」を描く、という不変の真理があると思います。らせん形ということは、進化の道程がこちらサイドから見て遠くの軌道を通っている場合、あさっての方向に向かっているように見えるものです。ソチに向けての道程において、真央ちゃんが、何度か遠くの軌道を通ることがあると思います。どういう時でも、とにかく怪我や病気をしないように、また専門家と相談して筋肉量や体重管理もしながら、進まれることを祈っております。

それにしても、刈谷さん。「NHKのアナウンサーなのにそんなに贔屓目にやっちゃって大丈夫?」って思っちゃうほどの実況で(笑)、真央ちゃんに対する愛の大きさを感じましたよ(アナウンサーとしてどうかという点はさておき。笑)。

●アリョーナ・レオノワ(20歳)ロシア/弦楽のためのアダージョ 作曲:サミュエル・バーバー、映画『 レクイエム・フォー・ア・ドリーム』より レクイエム・フォー・タワー 作曲:クリント・マンセル
カナダ杯の方が出来がよかったですね。ちょっと残念。
ただ、カナダ杯に引き続き、前半の「弦楽のためのアダージョ」できっちり抑えた演技ができていたのは良かったのではないでしょうか。レオノワさんは、元気なイメージなのに体力が持たないことがあるので、抑えた演技で体力温存しつつ、なおかつ「なにもやってない」とか「地味」という印象に陥らなかったのは、収穫では?

解説の八木沼さんもおっしゃってましたが、昨シーズンまでは失敗しちゃうと引きずっちゃうというか、その後集中力が欠けちゃってどんどん失敗を重ねる場面が多かったですが、今回は演技終了まで耐えることができたことも良かったですよね。

●鈴木明子(26歳)日本/喜歌劇「こうもり」の序曲 作曲:ヨハン・シュトラウス
うーん、これはあっこ姉さんも悔しく残念でしょう。
ただ、私は、あっこ姉さんがインタビューでおっしゃっていた「申し訳ない」との思いについては、そんなこと思う必要はないですよ~と申し上げたいですが。

カナダ杯のときの感想は以下。
オペレッタ「こうもり」の序曲ですが、鈴木さんによれば、演劇的な演目ではなく純粋に音楽を表現しているのだそうです。ということで、「こうもり」やるんじゃなきゃ、シュトラウスが本家本元のウインナ・ワルツとして「陽気にくるくる」でしょ!

もちろん序曲は全部がウインナ・ワルツで構成されているわけじゃないけど、やっぱりウインナ・ワルツが主役。そして、ウインナ・ワルツは、通常のワルツとリズムがちょっと違ってて、「1・2-3ッ」みたいなリズムですし(ニュアンス通じるかしら)、こうもり序曲の中の旋律には言わば「タメ」があるものも多い。なので、クラシックの中でもあっこ姉さんに似合うと思います。

JOの時より出来は良かったと思います。「こうもり」のとにかく楽しい!という雰囲気がよく出ていました。が、まだまだ発展途上の印象です(もちろんジャンプで流れが止まったこともありますしね)。
次回を楽しみにしています。
ええっと、そのまんまですね。次回、グランプリファイナルに期待しております。
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by koharu-annex | 2011-11-13 21:23 | 2011-2012 フィギュアスケート

NHK杯 男子SP

おめでとう!シブタニ兄妹!!
「昭和のかほり」がするあなた方がネイティブ英語で話す姿は、何度見てもほほえましい。

そして、川口・スミルノフ組、高橋・トラン組も、おめでとう!
ボーダレス化の世の中とはいえ、輝いている日本女性を見られるって、やはり嬉しいことです。

●アーミン・マーバヌーザデー(20歳)アメリカ/カシミール by レッド・ツェッペリン
ちょっと身体が重いというか動きが悪いというか・・・残念な仕上がりだったなあ。
でも、そもそもの振付がひっじょーに悪いと思う。本来アーミン君は、関節の稼動域が広くて表現手段も豊富なのに、全くそこが生かされていない感じです。

●コンスタンチン・メンショフ(28歳)ロシア/映画「デッドサイレンス」より 作曲:チャーリー・クロウザー ワームス・ラウンジ ワームス・ブラック、映画「メン・イン・ブラック2」サウンドトラックより 作曲:ダニー・エルフマン
楽しい演目ですねえ~!衣装も楽しい。
秘密の扉の向こう側に好奇心で入って行ったら、思いがけない冒険をするはめになり、命からがら帰ってきて何とかバタンと扉を閉めてフィニッシュ、というような趣向かしら。
完成形が見たいなあ。

●ロス・マイナー(20歳)アメリカ/Para Ti by Jorge Gomez(パラ・ティ 作曲:ホルヘ・ゴメス)
カナダ杯よりもずっとまとまっていた感じですね。
ただ、なんというか「地味」なんですよね。この地味さを、味わい深さに変えられる何かがあると良いのだけど・・・。

●町田樹(21歳)日本/黒い瞳(ロシア民謡)
腰の薔薇は必要なんだろうか・・・?

ジャンプにここまでのキレを感じたことって、久しぶりだなあ。体操の内村君みたいに、ジャッジに回転数を数え間違えられないか心配(笑)。それだけに、フライングシットスピン、悔しいよねえ。失敗って言いたくないような、思いがけないものでした。小さなイタズラ悪魔に足引っ掛けられたみたいな。

黒い瞳は昨シーズンからの持越しということで、去年の町田さんに関する私のコメントを転記。
ええっと、よく動いているんです。たぶん、踊ろうとしているんです。それは分かる。
でも、動くたびどこか足りない印象が出るので、今の段階では動き過ぎが諸刃?とか思いつつ。「踊る」ってなんだろう?って根本的なところに立ち戻って考えてしまいました。

以前、「動いてなんぼ、動けてなんぼ」、という文を書いたいたことがあるんですけど(こちら)、高度な技術が伴わないまでも、身体を「動かすことができる」人の数って、実は限られる。
だから、「一生懸命さ」が前に出てしまうことはさておいても、曲がりなりにもちゃんとここまで「動ける」町田さんは、大したものなのです。悪い例として引き合いに出してばかりで悪いけれども、ヨナちゃんやチャンさんは、ここまで動けませんからね。

だけど、踊るってことは、この「動ける」ということの、まだ先にある。

もしかすると、今は単に「振付をなぞるだけで精一杯」の段階にあるだけで、振付をこなしていけばその先に、彼の「踊る」姿があるかもしれない。実際、彼の振付はSPもFPも、忙しい(=動作がたくさんある)振付だったから、彼があっぷあっぷしちゃうのも当然だと思う。

そうはいっても、見る者の心に響く「踊り」は、振付を感じさせないものですから。
振付の先にある、その世界へ、彼には行って欲しいと思いますね。
繰り返しますが、ここまで「動ける」のですから。

あ、あと瑣末なことだけども。忙しい振付のときに誰しもが陥りがちだけど、腕を肩だけで動かさないように気を付けた方がいいかな、と。
今シーズンは、この段階から何歩も進んだと思う。
町田さんから踊りを感じることができましたから。

だけど、これ、楽曲の選択が悪いと思うの!
どんなに工夫しても、この楽曲にピッタリ密着する振付はスケート向きじゃないような気が・・・。「よく動ける」という町田さんの特性を生かそうとしたんだろうし、実際、彼は良く動いていたけど。でも、音楽表現としては、部分的に振付が「まずまず」程度にはまった箇所が散見されるにとどまり、楽曲の特性は生かせてないと思う。町田さんの動きが踊りになっているだけに、本当にもったいないやら、なんだか悔しいやら。

●ブランドン・ムロズ(20歳)アメリカ/ミュージカル「ザ・スリーペニー・オペラ」よりマック・ザ・ナイフ
作曲:クルト・ワイ
黒いシャツに白い蝶ネクタイをほどいたままにしている衣装が、お風呂用の薄いタオルか手ぬぐいを引っ掛けてるように見えてしまったぞ。
夏のTHE ICEかなにかでアモディオ君も「蝶ネクタイほどいた」衣装着てたけど、あちらは白シャツに黒いネクタイだったからか、そうは見えなかったのだが。

昨シーズンから音楽性の高い人だと思っていたけど、こんなに動ける人でしたっけ。柔軟性ではなく、身体のスウィング感で魅せるタイプであること、見た感じクールな都会人で(彼の出自は知らないけど)、笑うときも口の端をにっとあげるだけで表情豊というわけではないこと、それらがこの楽曲に合っていましたね。

●トマシュ・ベルネル(25歳)チェコ共和国/カルミナ・ブラーナ(ヒップホップバージョン)
昨年の名SP(「雨にうたえば」)が本当に好きだったので、今回が「カルミナ・ブラーナ」と知って、昨シーズンと全く違うベルネルさんが見られると楽しみにしていたのですが。
調子が悪くて、ご本人がおつらそうでしたね。。。

●サミュエル・コンテスティ(28歳)イタリア/ハンガリー行進曲(ベルリオーズ)、泥棒カササギ(ロッシーニ)、序曲1812年(チャイコ)
アメリカ大会に引き続き、ミスが多い結果となりました。アメリカ大会のFSは素晴らしい出来だったのですが。。。このSPの完成は遠いのかなあ。楽しげな演目なので、残念です。

●小塚崇彦(22歳)日本/Inner Urge(インナー・アージ 作曲:ジョー・ヘンダーソン)
アメリカ大会からずいぶん滑り込んだのでしょうか、こなれてきましたね~。
振付に埋め込まれている大小さまざまな多彩な動きを丁寧にこなしていくんだけど、振付を追っているようにはほぼ感じさせないところまで持ってきてました。
私は、基本的には、顔の表情を作りこみ過ぎるのは好きではないのですが(えてして身体の表現の足りなさを補おうとする傾向があるので)、彼の場合、冒頭で顔の表情が出てきたのも進化の証なのではないでしょうかね。

ただ、彼が昨シーズンから飛躍的進化を遂げるのを見て、こちらも調子に乗って要求度が高くなって申し訳ないんだけど。「あー、そこであとひとタメ!」「あとひと伸び!」とか思う箇所がいくつかありました。振付を感じさせない次は、今まで必要性を感じなかったであろう、音楽を大げさに見せるつもりくらいの意識で、「動きのそのちょっと先」を流さずやってくれればなあ~と思ったりして。

どんどん進化しているから、また次回は更にステップアップしているでしょうね。
楽しみです。

●髙橋大輔(25歳)日本/In The Garden of Souls(アメリカのバンド「VAS」のアルバム)
フライング記事から数時間たち落ち着きました(笑)。

さて!「自分以外の何者か」を表現する天性の能力がある、憑依系表現者である、高橋さんの面目躍如でしょ。何かが降りてきたね(笑)
・・・何が降りてきてたんだろ?

まず、復習のためにカナダ杯のときの感想を転記。
難しい楽曲で、高橋さんでないとこなしきれないでしょうね。

それにしても、彼は、音楽の把握の仕方が他とレベルが違います。
また、動きに本来のキレもスピードもない中で、ここまで踊れることが、表現の地力の圧倒的な大きさを物語っています。
本当に表現という意味では、他に比類ない人です。

いや~、アナウンサーは「完璧」なんてほざいていましたが、あほかいと思いますよ。
これが完璧なわけないじゃないですか。もっとずっと高みに行くにきまってるじゃないですか。今はせいぜい五合目。

五合目、当たってたでしょ!?(今回が何合目かって話はやめとくよ。わかんないから。笑)

普通程度の音楽性のある人が、音楽を聞き込むとか、それによって音楽を身体の内部まで染み込ませるとか、そういう作業を経て到達する次元を、はるかに凌駕する次元に至ってると思う。その源は、高橋さんの圧倒的な音楽性の高さ。

その上、何かが降りてきて憑依されたときも(笑)、その何かに突き動かされるとおりに身体表現を行うことができる、圧倒的な表現力の地力の強さ。

音楽性と表現力の地力の大きさのために、客観的には音楽にあわせて彼が動いているはずなのに、逆に、彼から音楽が生まれ出てくるように感じる。彼の身体に天然のスピーカーが内臓されているんじゃないかってくらい。あるいは、憑依した何かが彼の体の中で音楽を作り出し、彼の身体というスピーカーで音楽を外に表出しているような感じもする。

以前、演劇的な演目と音楽的な演目について書いたとき、「音楽的な演目」は音楽と表現者の主従関係で次の3つくらいに分類できるってことを書いたんだけど(元記事はこちら)。

     (1)音楽が主役
         「音楽を視覚化」した、といわれる類型はここに入る。
         表現者の個性はむしろ消して、音楽と寄り添い、音楽に同化させる。
     (2)表現者と音楽が同格
         表現者が音楽に新たに別の旋律を加え、あたかも二重奏の様相を呈する。
     (3)表現者が主役
         表現者の個性を前面かつ全面に出し、音楽を利用して、ある世界観を表現。

今回の高橋さんのパフォーマンスには、(1)~(3)の全てが見られたと思う。音楽と完全に同化しているところ、二重奏となっているところ、音楽よりも前にでているところ(憑依してるやつがね。笑)、全部あった。これはとっても珍しいと思う。

昨年のSP(マンボメドレー)も打ち上げ花火のようで楽しくて大好きだったけど、今回のSPは希少性でそのずっと上を行くよ。しかも、今回は技術面が安定していたおかげで、流れが途切れることが一切なく、芸術的な一品作品としての完成度が非常に高い。

ってことで、永久保存、決定。

なみだ目になるよ。ありがとう、高橋さん、あーたはやっぱり日本の宝だよ。

四回転のことも含めご本人的にはいろいろ思うところもあるようですが、私が次回見たいのは2箇所。
実況でも指摘されていたラストのポーズと、3回目のジャンプ(3ルッツ)の後の動き(ひざを抱えるような?ここも予定通りの動きではないような気がした)。

はあ、そういう意味では次回も見たいんだけど、なんだか怖い。いろんな意味で(笑)。
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by koharu-annex | 2011-11-12 23:17 | 2011-2012 フィギュアスケート
高橋さんのSP、見たっ??


息ができなかった。


ブラボー・・・


胸が苦しくて大声でない。
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by koharu-annex | 2011-11-12 17:47 | 2011-2012 フィギュアスケート

NHK杯 女子SP

皆様、ごきげんよう!
わたくし、この週末、友人の結婚式(@バンコク)に夫婦で招待されていたんだけど、在京せねばならない仕事があり、旦那だけが洪水の不安にもめげずタイに行っております。(優雅にホテルでスパを受けているそうなので、still dry な地域はまだ平穏に過ごせるようです)

行きがけに旦那から、「僕が帰国するまでにNHK杯の感想は全部アップしといてね。帰国した僕を無視してPCに向かいっぱなしってことがないように~」と言い渡されました(帰国は月曜朝)。
・・・今週末はNHK杯祭りだな。

●マエベレニス・メイテ(17歳)フランス/デルニエール・レットル・デュ・フランス
柔軟性があって、特にスピンが美しいですね。
しかし、手足の長さや柔軟性を生かした振付とは感じられず・・・以下、昨シーズンのコメント転記(今、読み返すと明らかに私怒ってるな。チーム・メイテに対して)。
これはひとえに振付師の問題なんですけど、黒人の表現者の身体的特徴を全く生かすことができていませんね。とてももったいないと思います。
白人スケーター向けの振付をそのまま持ってきただけでは、黒人スケーターの良さは引き出せませんよ。黒人の良さをもっと引き出す振付を採用して欲しいと思います。

黒人の身体表現者の特徴は、なんといっても腕・手首・手です。
これを生かすような振付においては、彼らは腕~手首~手を柔らかく連動させて、まるで空気を泡立てたり波のように揺らしたりするような、美しい動きをします。この妙なる動きは、極めて魅力的です。これは彼らの特権で、どんなに腕が長い白人や黄色人種でもこの動きを完全に真似することはできません。

日本では鑑賞のチャンスはあまりありませんが、少なくともアメリカの大都市の多くには、黒人のバレエカンパニー(コンテンポラリーが多いと思います)やダンスカンパニーがあります。「空気を泡立てる妙なる動き」は、多くのカンパニーの公演で見ることができますので、チャンスがあれば是非。

メイテさんの振付師には、このような黒人カンパニーの振付を是非お勉強して頂きたいと思います。
ついでに、衣装ももっとメイテさんに似合うものを用意して差し上げて欲しい。

●エレーネ・ゲデバニシビリ(21歳)グルジア/タンゴ・ジェラシー
豊満なバストにぐっとあいた背中。タンゴにぴったりの大人の色気のある方ですよね。
髪型もメイクもこれぞタンゴで、私はとても好きです。

アメリカ大会と比べて、スピードがあり、身体にも動きにもキレがあり、雲泥の差で良い出来だったと思います。振付の緩急、特に「急」のところをちゃんと意識して力強くアクセントをつけていたのがよりタンゴらしさを醸し出していましたね。途中、音楽に遅れそう…と思わせる箇所が無きにしも非ずでしたが、意識的に滑りを力強くして(気力で)ねじふせた感じでした。

アメリカ大会でも書きましたが、昨年のあっ子姉さんと比べると、振付のレベルに差があり過ぎる(もちろんあっ子姉さん用の振付の方が格段にレベルが高い)。その上、私の記憶にあっ子姉さんの踊りが刻まれすぎているせいか、ゲデバニシビリさんのパフォーマンスでは、ドラマチックな音楽が走り去ってしまっているように見えて物足りなく感じてしまいました・・・。
が、これはひとえに私の個人的な問題であって、客観的には素敵なタンゴだったと思います。

●シンシア・ファヌフ(23歳)カナダ/アンブレイク・マイ・ハート(スパニッシュ・ギターによる演奏)ほか
カナダ杯に引き続き調子が悪かったですね。

演技中に、TPPに関するニュース速報が入ったため、一瞬、「9時からのニュースで確認しなくちゃ」と気もそぞろになっちゃいました(苦笑)。申し分けないファヌフさん、と集中し直したら、ストレートラインステップの途中で、ギターのソロと勝負するかのように力強くキレある動きが始まりました。ここは見せ場でしたね。

●浅田真央(21歳)日本/シェヘラザード
一定割合の方が予想(希望?)されていたとおり、パンツでしたね!THE ICEの「アラジン」を思い浮かべる方が多いでしょうが、バレエ「シェヘラザード」の衣装もまさにこういう感じなので、脊髄反射的に「らしい!」と思ってしまいました。

友から「真央ちゃんの細さが衣装着てても分かる」と悲鳴のようなメールが入ってましたが、佐藤コーチやウィダー陣営が体重を含めた管理をやって下さっているとのことなので、友よ、心配無用ではないか?

さて、以下、興味のあった次の3点について、順に述べていきたいな、と。
① 音楽(全体が早く聴きたい)
② 振付(変わった音楽にどんな振り付けを?)
③ 演技(スロースターターな真央ちゃんが?)

まず、①音楽。
シーズン前に、この真央ちゃんのシェヘラザードの音楽について3つの記事を書き(こちらこちらこちら)、皆様とあれやこれやと楽しくお話ししていたのですが。
初っ端で、低いドラムの音に引き続きシェヘラザード妃のモチーフが奏でられたので、その時点で「おっしゃ!」となぜかコブシを握り締める私。原曲にはないドラムと、刀をすり合わせるような(ちょっと違う?)「ッシャァァ~ン♪」という音が組み込まれており、反対に原曲にはある消え入るように奏でられるハープの音色は続かないなど、相当にアレンジされています。このアレンジのため、原曲よりも若くて元気で可愛らしいんだけどハキハキしているところもあるお姫様という感じがします。

以前公開された動画では音が悪くて、派手な音の向こう側に低く流れる旋律(おそらく第3楽章「若き王子と王女」の主題)が聞き取りにくかったんだけど、実際の音楽ではきちんと低音部が響いてて、むしろこの旋律の方が主旋律として目立ってて良かったです。
ストレートラインステップのところも同じ主題だと思うんですが、上記の部分とは全く趣の異なるアレンジになっていましたね。

そして、最後は、再びシェヘラザード妃のモチーフで締め。
冒頭と異なり、高音の鍵盤打楽器でモチーフが奏でられた後、高音のバイオリンで奏でられ(これは最も有名だと思う)、叙情的な印象です。まるで若く元気でお転婆だった姫が、ちょっぴり恋を知ったかのようです。(ちなみに、第3楽章は恋に落ちた王女と王子が幾多の試練を乗り越えて結ばれる物語、などと説明されます。)

全体として、この楽曲は、非常に完成度が高いと思いました。また、ミキシングが工夫されているせいか、複数の旋律があっても乗るべき主旋律が明確です(公開された動画の音はひどくて、そうは思えなかったけどね。笑)。素晴らしいのではないでしょうか。

次に、②振付
凝ってますよね(笑)。さすがタラソワさん。
既に皆様から教えて頂いた有名スケーターの「シェヘラザード」の動画をいくつか確認していますが、少なくとも私は、ここまでの振付を見たことがありません。ストレートラインステップのところなんか、もうコリコリ(笑)。

「アジア」といえば出てくるあの肘と手首を折る腕の形は、どの女性スケーターの振り付けにも組み込まれていたけど、その殆どがスパイス的にしか使用されていない印象です。しかし、タラソワさんのは「基本です」とでも言わんばかりに全編に入っていて、しかも、小手先ではなく、腰を入れてひねり出すように、腕を突き上げあるいは掬い上げるような動きになってる。気合が違いますわ。

最後に、③演技
てんこ盛り振付なのに(笑)、きっちり音楽の緩急に合わせてよく動けていたのではないでしょうか。振付を追っている印象が外に出ていませんでしたし、腰をひねって、身体をうねらせるように腕のムーブメントをこなすところもごくナチュラルで、滑り込まれている印象です。

これまでのスケーターの動画では、上記の「アジア」腕の振付をおざなりにすませていたものも多かったように記憶していますが(だから「ちゃんと振付こなせばいいのに」と思ったことも。苦笑)、、真央ちゃんは軽んじることなく流すことなく、丁寧かつ細やかでした。ストレートラインステップの合掌して「腰ふにふに」はツボでしたわね。

冒頭の3Aは残念でしたが、スロースターターな真央ちゃんが初戦でこれだけ「こなした」ということだけで、手ごたえ十分ではないでしょうか。昨シーズンよりもずっとスピードと力強さが出ていましたし、しかもそれらがもっと上がるだろう、と確信させる何かがありました。

これまでもそうでしたけど、今回もさらに滑り込めば作品としての完成度がもっと高くなることは確実で、次回、このSPを見ることが既に楽しみですわ。

●キーラ・コルピ(23歳)フィンランド/映画「オズの魔法使い」より 虹の彼方に(Somewhere Over the Rainbow)
昨年は水色の衣装で、まさに映画「オズの魔法使い」に出てくる白い魔女のようでした。今年はカナリア・イエローで、虹の中の一色が抜け出てきたよう。虹にいる7人の妖精の1人が降りてきた感じと言えばいいかしら。

カナリア・イエローは、確かフラットさんも衣装に使っていましたが(彼女もソリッドだったと思う)、案外人を選ぶ難しい色ですよね。ヴィンテージのドレスなんかでも時々あるけど、誰にでも似合うって色じゃ決してない。コルピさんには似合ってますよね。やはり金髪がポイントかしらん。

昨年からの持ち越しなので、こなれ感があって良かったですよね。

●アリョーナ・レオノワ(20歳)ロシア/セイレーン(映画「シンドバッド7つの海の伝説」より)、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』より
カナダ杯のときは、以下のように感じたんですが。
新しいコーチがモロゾフさんということで、この楽曲は、昨シーズンの男子のフェルナンデスさんの演技を思い起こさせます。が、この映画における美人でキップが良くて強い「女海賊」のイメージは、彼女のムーブメントにも合致すると思いました。FPとの対比もよいですよね。

ただ、モロゾフさんの特徴かもしれませんが、ステップを止まって行う箇所がそこここに挟まれるので、それはもったいないと思いました。流れがそこでどうしても中断されてしまうので、乗ってきた気持ちが分断されて肩すかしをくらったような印象になることがある。
フェルナンデスさんは、もっと滑りながらのステップだった印象でしたから、スケーターの体力等を考慮して変えているのだとは思うのですが・・・。
彼女の調子が悪すぎたことも流れが悪くなった原因でしょうから、今のままの振付での完成形を見たいなあと思います。
今回はかなり出来がよくて完成形に近いのでは?レオノワさんが喜んでいかにも満足な表情を浮かべる、楽しいパフォーマンスを見られたことは嬉しかったなあ。

が。ストレートラインステップのところ・・・やはり、ちょっとマイムが多すぎだな~。レオノワさんがノリノリで踊っていても、流れがやはりそこで切られてしまい、急ブレーキかけられた感じになる。「え?おい、ここで止まるの?」みたいな。
私は演劇的な動作が盛り込まれている踊りがかなり好きではあるのですが、ここまで多いとバランスを失するというか、「もう少しちゃんと踊りで表現した方が・・・」と思ってしまいました。ただ、それが贅沢病ということも分かっております。レオノワさんの体力を考慮し、長所を印象的に前面に出し、短所を極力目立たなくした、良いプログラムなのだと思います。



●鈴木明子(26歳)日本/ハンガリアン・ラプソディ、作曲:フランツ・リスト、演奏:エドウィン・マートン



ブラァ~~ヴァ!!!



うれしすぎて感想かけません。
でも、書かなきゃ(笑)。

カナダ杯のときは本来の動きから程遠かったのに、短い間に・・・(声にならず)。
冒頭の「ドクン」という動きから、既にキレキレでしょ。そして、26歳で3-3への挑戦と成功。演技終了後のあの跳び上がって喜ぶ様子(コーチもね)。胸わしづかみされました。

音楽性の高さはいまさら書くまでもないのですが。昔、音楽についてこんな記事を書いたけど、鈴木さんの「音楽を自在に操る」能力というのは、やはり女子スケーターの中で随一といって良いでしょうねえ。彼女の手の中で、音楽が、ゴムのように伸び縮みするというか、ゴムマリのように弾んでいくというか、とにかく彼女が主体的に音楽を操っているように視覚的にも聴覚的にも感じてしまうほどのレベルの高さです。

これでご本人は、勢いをセーブしちゃったっていうんだから、恐ろしい(笑)。本気で外に表出させたら、どんなふうになるんでしょ。そう思うと、次が早く見たくて、GPFにぜひ行って欲しいと切に思うのでした。
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by koharu-annex | 2011-11-12 03:57 | 2011-2012 フィギュアスケート