もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カテゴリ:2010-2011 フィギュアスケート( 45 )

カナダ杯 雑感 その3

カナダ杯 10月29日~10月31日
男子 ショート&フリー その3

●パトリック・チャン(19才) カナダ

他のスケーターと比べて、氷カスがあまり出ていないとか、かなりスピードに乗って滑っているとか、氷の上を磁石で浮いているように滑らかに滑っているとか、そのあたりは私レベルでも確認できるのですが、それ以外の「スケーティング技術」とか何とかいうものになると、私には相変わらず分かりません。
また、他の技術が高いと言われているスケーター(例えば小塚さん)と比べてどうか、ということについても、私には判断しかねます。

私が彼について言えることは、「スケーティング技術が高くても、舞踊的な魅力は薄い。」ということです。

私の感覚では、チャンさんって、キム・ヨナさんと以下の各点で共通するものがあるんですよね。

(1)下半身が安定している。 
   ⇒ 滑ること自体については、磐石の安定感がある。

(2)身体が全体的に硬い。 
   ⇒ 可能な動作の種類も幅も狭いので、表現手段が少ない。

(3)特に、肩・肩甲骨の稼動域が狭い。 
   ⇒ 腕の動きは基本的に前だけ。

(4)下半身の動きが上半身の動きと連動することが少ない。
  (身体全体で踊っていることがあまりない。) 
   ⇒ 各パーツを同時に動かすことについての器用さは、あまりない。

(5)できる動きの範囲内で綺麗に動きが収まるよう振り付けをこなしている。
   ⇒ 身体全体の動きを俯瞰して、コントロールする能力はある。
     (ただ、このレベルだと振り付けが簡単なだけ、という見方もできる。)

(1)(5)があっても、(2)~(4)の3つが揃ってしまうと、舞踊的な魅力はどうしても出てきにくいし、特に(4)があると、私がいつも言う「踊り心」の存在を見出すことは難しい。

しかも、(2)~(4)は改善がなかなか難しいものばかりで、劇的に改良されることは、可能性としてはあっても現実的には難しい。
そうすると、私の好みで言えば、「見ててあんまり楽しくないスケーター」、ということになっちゃうのであります。

そのため、その1で書いたように、チャンさんがカナダの次期エースと言われていることは承知していても、踊り心が感じられるレイノルズさんを推したい、と思う次第。

ただ、チャンさんは、他のスケーターの方々と比べて振り付けが簡単な分、それを消化しきって動きを洗練させていく時間があるのですよね。実際、チャンさんの振り付けのこなしは「こなれていた」印象でしたし、動きに端正な印象がありました。
そこが好きっていう人はいらっしゃると思います。

チャンさんの滑らかで氷の上を浮いているようなスケーティングに端正な動きが加味されると、それはそれで魅力的ですし、そこに更に、チャンさんの天然というか、あまり深く物事考えずに発言しちゃうような、ちょっとお調子者キャラが伺われるお顔が加わると、一定割合の人にとっては妙味があるだろうとも思います。

端正な動きつながりで、ついでに申し上げると、彼には、ちょっとだけ貴族的な雰囲気(=子爵・男爵くらいの低めな感じ。間違っても侯爵以上じゃない。)がある。
この(下級)貴族的な雰囲気は、FPの楽曲「オペラ座の怪人」の主人公ファントムと楽曲に合ってる。

でも、ファントムのキャラっていうのは、(下級)貴族的雰囲気だけでなく、好転し得ない不幸な宿命、報われない愛の暴走、それゆえの切なさと哀しみ、その先にある狂気の片鱗、みたいな複雑な要素で成り立ってる。
そして、「オペラ座の怪人」を彩る音楽にもまた、ファントムのこれらの要素が通底して仕込ませてある。

まあ、踊れない人に踊れと言っても無理なのと同様、表現の地力がない人に動きに情感乗せろって言っても無理なんですけど、端正な動きに、これらの情感を少し乗せられたら尚良いな、と思います。
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by koharu-annex | 2010-11-07 11:33 | 2010-2011 フィギュアスケート

カナダ杯 雑感 その2

カナダ杯 10月29日~10月31日
男子 ショート&フリー その2

●アルツール・ガチンスキー(17才) ロシア
ミーシン門下ということが大きいのでしょうけど、動きがプルシェンコさんに似ていますね。
その影響もあるのかもしれませんが、妙に貫禄を感じてしまいました。

FPの音楽は、ショスタコビッチのバレエ音楽「ボルト」。
私の記憶の限りですが(調べてもいんだけど今は時間なし。後日調べて間違えてたら訂正入れます。)、「ボルト」は、旧ソ連時代のボリショイ・バレエ団の演目です。
あの時代のボリショイらしく、労働者たちが主役の演目で、機械工場内でのボルト(ネジに似たやつ)をキーに話が進行していき、そこに恋愛が絡んでいたと思います。
ま、ザ・ソ連、というような作品ですね(私はあまり好きではない)。

ほとんど西側諸国では上演されていなかった演目で、ソ連内でも特に崩壊後は上演されなくなっていたものを、21世紀になってボリショイの芸術監督を当時務めていたラトマンスキー(今はABTの常任振付家(だったかな))が、新たに振り付け・演出しなおして上演しています。
以前、NHKが芸術劇場でその舞台を放送しました(繰り返し再放送されたかもしれないけど、私の持ってる録画は2008年頃だと思います)。

という次第で、超マイナー演目と言えると思います。
こんなマイナーな演目の音楽を選んでくるあたり、すごい自信があるんだな~と思いましたね。
17才なら、もっと観衆の皆さんが知っているノリのよい楽曲を使用して、観衆のノリを後押しに利用する、というのもアリだと思うのですけど、そんな気一切ないんでしょうね。。。

衣装が演目とは合いませんし、ムーブメントも荒い。
でも、音楽性があって、表現の地力を感じさせる。
私の中ではダンサー候補でもあります。
今の最大の懸念は、体力ですかね。

●アダム・リッポン(20才) USA
ムーブメントが洗練されて優雅で、姿勢もよい。
上のガチンスキーさんとはタイプが違いますが、音楽性も高いし、表現力の地力も感じさせる。

ただ、SP(チャイコのロミジュリ)と、FP(ラフマのピアノコンチェルト2番)は、楽曲としてはタイプが全く異なるけれども、ロシア作曲家特有のメローなメロディー旋律、しかも不協和音なし、というものすごく大雑把なイメージでは一致しているわけで。

こういう楽曲って、確かにリッポンさんの優雅系の動きにとても合っている。
だけど、そんなやつばっかりやるのは自ら表現の幅を狭くしているようで、少しもったいないと思います。
まだ若いのだから、得意分野ばかりで勝負せずに、果敢に他の分野にもチャレンジして欲しいと、欲張りな私は思ってしまうのでした。


残りは、大問題のチャンさんと信ちゃんです。
今日中に書けるかは疑問ですが。
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by koharu-annex | 2010-11-06 11:01 | 2010-2011 フィギュアスケート

カナダ杯 雑感 その1

カナダ杯 10月29日~10月31日
男子 ショート&フリー その1

悪いことは重ねるもので。
この忙しい時期に、ワタクシ、今週火曜日(正確に言うと月曜夜中)から、ウイルス性腸炎に苦しんでおりました。

いろんなウイルスを説明されたので、ナマモノってやっぱ、いけないんですね・・・とお医者様に申し上げたところ、「いけないんですよ。・・・でも、美味しいんですよね。僕も生牡蠣食べてノロやっちゃいました。だいたい患者さんも、一回やると3ヶ月くらいは我慢できるみたいなんだけど、それからまた食べちゃってるみたいですね~」とのこと。

そうだろね。
私もずっとナマモノ我慢したまま、この忘年会シーズンを乗り切れるとは、到底思えん。

てなこと考えつつ、ようやく元気が戻ってまいりましたので、カナダ杯雑感を。
今週末には中国杯なので、最小限で書いていきたく、取り上げる選手もごくわずか、ショートとフリーも併せて書いちゃいます。
楽曲については書かないこともあるかと思いますが、ご容赦ください。

●ハビエル・フェルナンデス(19才) スペイン

SPは高橋さんと同じ楽曲でしたね。
あ、「ウッ」はなかったけどね。
「ウッ」がないと、同じ楽曲でも大きな違いと感じる方は多いかもしれませんね(笑)。

青のブレザー、黄緑のシャツ、どっピンクの大きなネクタイ(しかも下にずらして付けられている)という、奇抜な衣装のとおり、ギャグっちい演目として仕上げられていて、同じ楽曲でも高橋さんの世界とは全く異なる世界。
同じ音楽を使っても、異なる振付師+異なる表現者にかかると、創作される世界が全く異なるって、本当に楽しい。
音楽を使った身体表現を見る上での、究極の楽しみの1つと言って良いと思います。

解説の佐野さんが、概要「モロゾフさんはこういうの作るのがとても得意。でもそれを表現できる人がなかなかいない。」とおっしゃっていたけど、フェルナンデスさんはモロゾフさんの目指すところを頭でなく感覚で理解することができてる感じですよね。
理解した上で、素晴らしく表現していて、アッパレでございました。
これは、感性が近くて相性がとても良いせいではないでしょうか。
そうでないと、あそこまで無理なくナチュラルに表現するのは難しいと思います。
もし、感性が近くないのにあそこまで表現できているとすれば、すごい表現者ということなんでしょうね。

また、この手のギャグっぽい演目というのは、身体が動かなくなると「イタさ」が出てくることがあるんですけど、最後までフェルナンデスさんの体力がもって良かった。
もちろん深めていける部分はあるし、その自覚もあるでしょうから、シーズン後半になってこなれてきた頃に、もう一度見たいですね。

FPは映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」でした。
ここまで役柄を投影してくれると、私はとても嬉しいです。

酔っ払いステップが上手でした。
私は、バレエでも、「酔っ払いダンス」が大好きなので、楽しく拝見しましたよ~。

ただ、あくまで現段階ですが、ワタクシ、この方の舞踊的な技術が高いようにも、また、もともと持ってる踊り心が特に高いレベルにあるとも思えないのです。
まあ、技術が伴わないと、底の方で眠ってる踊り心も覚醒しないということもありますから、一概には言えませんが。

とはいえ、演目の意図する人物・世界観を的確に、身体表現として身体全体で(つまりマイム「だけ」に頼ることなく)表現できる、高レベルの「演技派」であることには、間違いはないと思いました。

●ケビン・レイノルズ(20才) カナダ

SPの楽曲はモーニン(分からない場合⇒NHK「美の壺」のオープニング曲です)。
FPは、シュトラウス・メドレー。

4回転の複数成功、おめでとうございます。

解説の佐野さんからばかりでなく、いろんなところから(コメントくださる方からも)、カナダの次期エースはチャン選手と聞いております。

が、舞踊的観点からいえば、私は、この方を推したいですね。

ヘアスタイルや衣装に、こだわりというか「我」を感じるところも、私は好きです。
(ヘアスタイルについては単なる無頓着ということもあり得ますが、「無頓着」というのは、あんな大衆の前に出る立場にありながら、ヘアスタイルにはこだわらない、という一つの意思ともいえるわけで。)

ムーブメントが荒削りですが、とにかくよく動いてて、あと数段階上れそうなポテンシャルを感じます。
FPではジャンプの失敗が複数あって、そこここで流れが止まってしまい、全体を把握できませんでしたが、舞踊的な動きもふんだんに盛り込まれていて、かつそれを完成できそうに感じました。

4回転ジャンパーとしての期待も大きいのでしょうけど、ダンサー候補としても期待したいです。


ごめんなさい。疲れてきました。
続きは、また、明日。
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by koharu-annex | 2010-11-05 00:18 | 2010-2011 フィギュアスケート

NHK杯 雑感 その6

NHK杯 男子フリープログラム 2010年10月24日(日) @日本ガイシアリーナ(名古屋市)

解   説: 本田武史さん
アナウンサー: 森中直樹さん

●ケビン・バン・デル・ペレン(28才) ベルギー
映画「ハムナプトラ」より The Mummy

4回転おめでとうございます。
トリプル3連続も見てて迫力ありました、です。

しかし・・・ジャンプを決めて、なんだか体力使い果たしちゃったような・・・。
動きが重くて、振り付けなぞるだけで精一杯になっちゃいましたね。
しかし、歓声とスタンディングオベーション、すごかったですね。
人気のある選手なんだな~と実感しました。


●無良崇人(19才) 日本
スロー・ダンシング・イン・ザ・ビッグ・シティ

衣装はSPよりこっちのタイプの方が断然良いです。
肩が硬いという欠点が見えにくい。

4回転おめでとうございます。
その後の3Aも両足着地でしたが、全体的にジャンプの調子が良くて、見てて気持ちよかったです。

中盤のスローパート、雰囲気よく滑っていて良いと思いました。
最後のポーズが下後ろ向き、というのは、変更した方が良いのでは・・・?


●呉家亮(25才) 中国
クエスタ・アバホ

背の高い方ですね。
大柄さを印象付けるような、大きく見せる振り付けが多かったのですが、いかんせん、こなしきれていない印象です。
ムーブメントのそこここに荒さや適当さがあるのがちょっと目に付きました。


●デニス・テン(17才) カザフスタン
死の舞踏 byリスト

フィギュアでは比較的よく使われる楽曲ですが、今回の編曲は、私は結構好きでしたね。
SPのところで私は批判的に書いていますが、彼のアグレッシブさに合う音楽に仕上がっている印象です。
(それでも私は、彼には自分のambitionを抑えて、楽曲を表現することに注力して欲しいと思いますが。。。)

しかし、ジャンプの調子が悪く、振り付けのこなしがチグハグになってしまい、楽曲とも合わなくなってしまいました。


●羽生結弦(15才) 日本
ツィゴイネルワイゼン byサラサーテ

4回転成功おめでとうございます。

COIのときよりも仕上がり良いですね(こちら参照)。
あとは、とにかく体力ですかね。
体力がつくまで、ケガのないように祈っています。


●フローラン・アモディオ(20才) フランス
ブロークン、アポロジャイズほか byTaio Cruz

衣装は微妙・・・手袋じゃなくてテーピングっぽいよね?どした?忘れたか?

ご本人はリアルタイムでMJはご存知じゃないでしょうけど、MJ風の振り付けをピュアに「かっこいい!」と思って踊っている印象ですね。
まあ、MJ風をこなすためには他にも加味しなくちゃいけない要素が沢山あるので、完成までにはまだまだという感じですが、それは今の彼には望み過ぎでしょうね。


●ショーン・ソーヤー カナダ
映画「アリス・イン・ワンダーランド」より

この演目なら、もう少し衣装が弾けた方が楽しいですね。

帽子の縁を両手で触ったり、時計が出てきたり、いろんな小技のきいたマイムがたくさんありました(だから楽しい、というところまでには至ってないけど)。
この手のマイムって昔からスケートでもあったけど、今季は他の選手にも見られ、明らかに今までよりも多くなってる気がするので、「高橋効果」という気がするわね(笑)。

ほぼ180度開脚のスパイラルやスピン、気持ち良いですね。


●ジェレミー・アボット アメリカ
ライフ・イズ・ビューティフル by Nicola Piovani

この楽曲は、私は信ちゃんにお勧めしていた楽曲だったのです(こちら参照)。
この映画の主人公、信ちゃんが等身大で演じることができると思うし、楽曲も彼にとても良く似合う。

私は、信ちゃんには今季ではなく来季にお勧めしていたのですが、それでも、アボット君が今季この楽曲を使用すると知って、ちょっとショックだったのです。「アボット君、グイドは君のキャラじゃないだろー」って。

だけど、アボット君、変わりましたからね~
いやいや、とても良かったです。
アボット君の演じる、ちょっと大人しめだけど、愛も知性もあるグイド、私は好きですよ。
SPに引き続き、衣装も良かったですね。

でもね、皆様、この楽曲を信ちゃんが滑ってると思って、アボット君の演技をも一回見てみて。
信ちゃんの場合は、グイドの「善良な市井の人」っぷりがより強調されて、似合うと思うのよ~(衣装は変えなくちゃだけど)


●高橋大輔(24才) 日本
ブエノスアイレスの冬 byピアソラ

出ました、ラテンのなでつけ髪型。
ブエノスアイレスに旅行したとき、ホテルマンとか、レストランのメートルの方など、皆さんだいたいこの髪型でしたが、ハンサムさんがこの髪型をすると色気が倍増するので、クラクラしそうになった経験があります。
旦那に言ったら、「あれはラテンの正装です。」と、冷た~く言い放たれたけど!(笑)
ただ、高橋さん、なでつけ具合が甘かったようで、演技中は微妙におぐしがお乱れに・・・

4回転成功おめでとうございます。
そして優勝おめでとうございます。

SPだけでなくこのFPも、緩急のつけ方とか、音楽とのたわむれ具合とか、この人の天賦の才能が、いかんなく発揮される振り付けになっていると思います。
ただ、いかんせん、ハードで体力が持ちません、ですね。
夏に走りこんでもこれですから、よほどハードなのだと思いますが・・・
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by koharu-annex | 2010-10-31 21:43 | 2010-2011 フィギュアスケート

NHK杯 雑感 その5

NHK杯 女子フリープログラム 2010年10月23日(土) @日本ガイシアリーナ(名古屋市)

解   説: 八木沼純子さん
アナウンサー: 刈屋富士雄さん

●浅田真央(20才) 日本
愛の夢 byリスト

衣装、JOのときより私はこちらが好きですね。
メイクも私は好きです。

冒頭の出だしの腕の動きは良いです。
3Aの直後の表情、胸が痛くなりますね・・・あぁ、頑張れ、私。ストレス耐性を高めるのよ!
(基本的にバレエ見は、表現者の「改善途中」とか本人が悲しくなるほどの失敗というものを見ることがないので、この点に関するストレス耐性は、ものすごく、低いのです)

後半のトリプルフリップからのコンビネーションで転倒した直後、一瞬泣きそうに表情がゆがんだ直後、ピッと顔を引き締めたじゃないですか。
もうそこで私の涙腺耐え切れず。・・・弱っちい私(でも、涙は流れなかったよ!にじんだだけ!←って何の言い訳?)。

さて、舞踊的な観点から言えば、JOのときよりも(こちら参照)、良かったように思います。

中盤は、ジャンプの失敗の影響か、スピードも落ちていたし、身体も重く、舞踊的な動きも悪くなり・・・。実際、身体に力が入っていないし、このあたりのヒジ使いは演技中で最も悪い。
これらの点は、サルコウを跳んだあたりから上向いて、ステップ以降はそれなりに見ごたえのある動きになってきました。
なので、ジャンプの改善に数年かかったとしても、少なくともジャンプ以外の部分で「愛の夢」はもっと発展するだろうと思います。

ちょっと気になったのは、真央ちゃんのアゴが・・・ほんの少しですが上向きになっているのが何度か見受けられたことです。
これは、今まであまり無かったと思います。
このアゴの上向き具合というのは、丹田を中心とした体の芯の部分に入るべき力が十分には入っていないときに起こりがちなので・・・まあ、そういうことが演技中、真央ちゃんの身体の中で起こっているのかもしれません。精神的なものが大きいのでしょうね。

八木沼さんの解説、まさに当を得ていました。
浅田さんがやろうとしているジャンプの改善は大改革であること、そのためこれを完成させるためには長い時間がかかること、ジャンプの失敗による自信の喪失が演技に影響を及ぼしていること、ジャンプの失敗やジャンプにとらわれている事による悪循環があること、ただ、ジャンプは失敗に終わってもこの演目自体にはジャンプ以外に真央選手の特徴を良く表すことができる素敵な要素がたくさんあるので、そこができるようになればまた違うということ・・・等々、いちいちうなづける内容でしたね。

●ジェナ・マコーケル(24才) イギリス
「ヴォイス・オブ・ザ・バイオリン」より/管弦楽のための音楽より アレグロ

身体の大きさからもう少しスケール感のある演技を期待したのですが・・・
ゆったりとした大人の雰囲気はありましたね。
そういう意味では最初のスローテンポな音楽にはあっていました。

●キャロライン・ザン(17才) アメリカ
チェロ協奏曲ロ短調 byドヴォルザーク

SPの記事に対しコメント下さった方々から、彼女に対するジャッジの評価と、それを契機としたエッジ矯正決断、その修正過程におけるケガといった経緯、そして腰痛によるパールスピンの封印、ということを教えて頂きました。
やはり、ケガや腰痛による練習不足から、このような体型になっていたのですね。

今回は音楽にも合わず残念な結果でしたが(そもそも個性を生かしきれてない楽曲だと思うケドね)、若い彼女のことですから、気持ちさえ折れなければ、また復活してくるでしょう。
パールスピンの封印は残念ですが(完全封印かどうかはさておき)、今でもスピンのうまさは健在ですし。

●キーラ・コルピ(22才) フィンランド
エビータ byアンドリュー・ロイド・ウェバー

SPのオズの魔法使いに比べて、格段に大人っぽい演目でした。
美しく大人っぽい上品さがある彼女に、エビータは良く合っていると思います。
個性的なデザインと色使いながら品のある衣装も、良く似合っていました。

終盤の「泣かないでアルゼンチーナ」のところ(スピン多用)のところは、見ながら歌ってしまいましたよ。
欲を言えば、全般的にはもう少し演劇的な表現があっても良かったかな、と思いました。

●アシュリー・ワグナー(19才) アメリカ
マラゲーニャ byエルネスト・レクオーナ

後半全く身体が動いていないことから、音楽とずいぶん距離ができてしまいました。

●レイチェル・フラット(18才) アメリカ
十番街の殺人 byリチャード・ロジャース、アール・ワイルド

なぜこの演目?と思ったけど(実際にあった猟奇殺人事件を題材にしたミュージカル)、劇中劇に出てくる女性になりきるって話ね(by刈屋アナ)。
ほっとしたよ。

でも、その劇中劇、知らないんだよね、私。ははは。
なので、なりきっているかどうかは分からないんだけど、20世紀前半のアメリカ女性的なイメージがあって、彼女に良く似合っていました。
SPのときにも書いたけど、やっぱり、彼女の王道は、「古き良き時代のアメリカ」路線ですね(笑)。
そこを突き崩したい、と私などは思ってしまいますが、まあ、いいや。

後半、若干ばてて、動きが重くなりましたね。

●村上佳菜子(15才) 日本
映画「マスク・オブ・ゾロ」より byジェームズ・ホーナー

女性と男性がミックスした衣装は、個性的で目をひく楽しさがありますね。

冒頭からしばらくは彼女がもともと持っている良いヒジ使いを含め動きが良かったと思いますが、ジャンプの失敗が気持ちに響いてしまってからは、動きに勢いがなくなってしまいましたね。
今後に期待しましょう。

●カロリーナ・コストナー(23才) イタリア
牧神の午後への前奏曲 byドビュッシー

うわー、きた!牧神!!
私がこのオフシーズンに「高橋君に牧神は?」コメント下さった方に、ずばり「ぼんやりした音楽なので、フィギュアには向かないと思う。」と返答した、牧神が!

衣装、素敵でしたね。
冒頭部分に、ニジンスキー版「牧神~」を模した振り付けがあって、おぉ、やっぱりバレエも意識されているのですね、という感じでした。

長い手足と大柄な身体を使った、スケールの大きなゆったりとした動きで、よく音楽に合っていました。
・・・が、やっぱりこの曲、盛り上がりに欠けません???
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by koharu-annex | 2010-10-30 16:30 | 2010-2011 フィギュアスケート

NHK杯 雑感 その4

NHK杯 男子ショートプログラム 2010年10月23日(土) @日本ガイシアリーナ(名古屋市)

解   説: 本田武史さん
アナウンサー: 鳥海貴樹さん

これも地上波の方を録画していたんだけど、録画編集されたもので抜粋でした・・・無念じゃ。
(というか放送時間で気付かない自分が情けなくてクラクラしました・・・)

既にコメントを複数頂いていますが、今回の男子は豊作ですね。
候補も含めて「ダンサー」率が高かったです(笑)。

●無良崇人(19才) 日本
イタリア映画「La Califfa」よりラ・カリファ byモリコーネ

最初の4回転がとても綺麗で思わず拍手。
(無良さんもそうでしたが、4回転決めた後の3A、失敗する選手が多いですよね。。。やっぱり大変なのですね)

男性のスケーターによくありがちですけど、肩が硬いんですよね(もちろん肩甲骨も)。
こういう選手に、ちょっと肩の部分が目立つ(身頃と袖の部分が異素材のため、少し肩の部分がふわりとする)、今回の無良さんのような衣装はマイナスだと思いますね。
基本的にこういうタイプの肩・肩甲骨は、すぐに柔軟になったり稼動域が広がったりしないので、ちょっと衣装も気をつけてあげたら・・・と思います。

それにしても、今の若者のヒゲは、私には理解できん領域に入ってるよ・・・

●フローラン・アモディオ(20才) フランス
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・メキシコ byロバート・ロドリゲス

強気で野心家、明るくて、どっちかっていうとせっかち、そんな性格を、まんま出す人ですね~
あと数年たったら、これに色気が加わってくると思うので(日本女性が好むかどうかは別として)、そうなったら「セクシー、むらむら系」の踊りも似合うでしょうね(笑)。

音をほんの少し早取りするタイプですけど、それが上記のような性格に良く似合ってました。
また、早取りするタイプは、体力がもたなくなった場合がツライのですけど(早取りできなくなるので疲れが露骨に見える)、最期まできびきび踊れてとても良かったと思います。

●羽生結弦(15才)
「白鳥の湖」よりホワイト・レジェンド byチャイコフスキー

始まる前、十字切ってましたよね?・・・そうか、クリスチャンなのですね。
FPの衣装だけでなく、今回のSPの衣装もジョニー・ウィアーさんのデザインなのかしら?
普通の日本男児には到底着こなせない類だけど、よく似合っていますね。
今だけ存在する特別な「美」(COIの感想を書いたこちら参照)が、際立つようです。
ウィアーさんにあるちょっとしたセクシュアルな感じが羽生さんには無いので、ウィアー系の衣装でも上品ですよね(いや、別にウィアーさんが下品ってわけじゃないです。私、ウィアーさん、好きですし!)

羽生さんは、すごい表現者になると思いますよ。
もしかすると、何かが降りてくる「憑依」タイプかもしれないですね。
憑依タイプが気をつけなくちゃいけないのは、自分の中に降りてきた何かを「表現したい」と切迫したような気持ちにかられて、激情のまま、自分の技術とか体力とかおかまいなしに、爆発的に身体表現をしちゃうことがあることです。
ありていにいえば、ケガが心配ってことですな。

今回のSPでは特に後半のステップのところ、自分の現在の技術・体力以上に、生と死の狭間にいる白鳥を表現しようとする、彼の危ういほどの情熱が飛び出してくるような印象を受けました。
そのため・・・身体のムーブメントは荒いわ、筋繊維ぶち切れそうだわ、でも、情感がすごくほとばしってる、みたいな、ある意味とても贅沢なアンバランスさがそこに。
もちろん、そのアンバランスさも、ある種の「美」と言えるけどね・・・それじゃ壊れます、表現者が。
正直、ちょっとヒヤヒヤした。

自分の内面の「表現したい」という欲求を、自分の身体の範囲内に収めるよう、冷静に計算できるようになるといいですね。
もちろん、年々、技術も体力も向上するから、「自分の身体の範囲」も大きくなるでしょうけど。

音楽、これは編曲が素晴らしいと思いましたね。
原曲よりも、極限の生を表すような「か細さ」が強調されていて、羽生さんの演じた白鳥と大変よく合っていました。振り付けも素晴らしく、まさに「三位一体」ですね、羽生さん。

最初の3A、綺麗で距離のある山なりを描いてて美しかった。その直後、一時停止ボタンを押したんだけど、そのときの羽生さんの首筋がまた美しくて、絵みたいでした。

●ショーン・ソーヤー(25才) カナダ
映画「Mr.&Mrs.スミス」より アサシンズ・タンゴ byジョン・パウウェル

随所に盛り込まれるタンゴ風の振り付けを、キメキメに決めてくれるのが気持ちよかったです。
特に、膝を90度になるまで上げて2足くらいタンゴ風のステップを踏んだんですけど、そこがツボでした。

身体はかなり柔らかいのに、腕はわりと直線系にしか動かさないので、ねちっこくならず清潔感のある男性らしさがあって、そこも気持ちが良いです。
ちなみに、肩が上がらずヒジの位置が適正なので、腕の動きが直線系であっても、「腕ぶんぶん」の印象だけを残すという結果には決してならないですね。

最後の180度開脚のスピン、気持ち良過ぎです。

●デニス・テン(17才) カザフスタン
ブエノスアイレスの春 byピアソラ

えーとね・・・。
ある意味、若さ、ということなんでしょうけど。

言っても良いかな。
あの~、テンさん・・・ ちょっと落ち着こう!
そして、肩の力を抜いて、自分の演技をちょいと俯瞰して見てみよう!

今のテンさんの演技には、テンさん自身のambitiousな感じが出過ぎてる。
そのambitiousさは、演目そのものを表現しようとする心意気ではなく、「試合に勝ちたい!(=良い成績を取りたい!)」という、選手としての「素」の願望だと思う。
ambitiousであることは、特に競技選手にとってはとっても大切な資質だと思うけど、ダンサータイプが席巻している今の男子シングルにおいて、こんなに濃く前面に出るのは得策じゃない。
演目が要求する以上に、鬼気迫る表情になるのも、表現の幅を狭くする。

後半のアップテンポの部分、自分の中に湧き上がるambitiousな感情のまま、ただただ力まかせに動いて、あげく体力がなくなり、スピードが失速して終わるなんて、なんてもったいない。
これだけポテンシャルがあるのですから、冷静に「演目の表現」を追求する目を持つと、「引き算の美学」とでも言うべきものが必要であることが分かるはずで、そうすると世界がぐんと開けるのではないかと思います。

●アードリアン・シュルタイス(22才) スウェーデン
スキューバ byBonobo

相変わらず個性的で良いですよね。
電波系(主に両腕~肩の波打つ動き)、宇宙人系(主にジャンプとスピン時の頭の動き)、アナーキー的(主にピアスと風貌)ともいえるし、不思議ちゃん(全体)ともいえる(笑)。

ふふん・・・と雑音には何もとらわれずに片頬で笑っている感じというか、肩の力が抜けた感じというか、何も望んでいないような温度を感じさせない彼のイメージは、まさに独特で、得がたい存在ですね。

彼の表現するものは、大衆受けするものではないし、もしかするとジャッジ受けもしてないのかもしれないけど、私はちゃんとした評価に足るものだと思います。
適当に流しているように見えるところも、ちゃんと演目として練った結果であって、考えて表現している印象です。
まあ、運動量が特に多い振り付けではないので、それが競技という土台に乗ったときはネックになるのかもしれませんが。

自分の美学にこだわりがあって頑固そうだから、絶対やってくれないだろうけど・・・映画「トレインスポッティング」のサントラ、似合うと思うんだよね・・・。

●高橋大輔(24才)
ある恋の物語 byペレス・プラード /エル・マンボほか by DJ DERO
 
はっはっは。
見たまんまなんで、別に私が書く必要もないんでしょうけど。

えっと、頭からいきましょうかね。
竹中直人@Shall we dance? も別にいんでない?と私は思ってましたが、やっぱりカットしちゃったのですね。
あの路線も開拓すれば良かったのに・・・と、ちと残念(笑)。

あ、本当の頭ね。えっと、冒頭です。
あの「タメ」やられちゃあ・・・という気持ちは分かるけど、あれは黄色い声援送りすぎだぞ、女性諸君!!
王者を甘やかしちゃいかーん!
(彼が調子に乗ってすぐ天狗になるタイプでないことは分かっていますが、それでも、念のためね)

ぐーんとためる「タメ」が複数あったからその印象ないかもしれないけど、今回、彼は、最初から音楽を若干早取りしていたのですよね。
なので、前半でやっていたような早取りができなくなったため、後半に体力がもたなくなって動きが悪くなったことが、余計に如実に分かる結果となってしまいました。

このプログラムは激しいから消耗するんでしょうが、ま、彼のことですから、何とかするでしょ。

●ジェレミー・アボット(25才) アメリカ
ビエホス・アイレス byEnsamble Nuevo Tango

今回、一番びっくりしたのは、彼ですね。

こんなに踊れる人だったとは! 

本当に驚きました。私が知ってる彼とはまるで別人です。
なんでこれを五輪の時に・・・というのは禁句ですね。。。

最初、え?アボット君がタンゴ?と思ったのですが、ものすごくカッコ良かった!
彼の長い手足と端正なたたずまいに、内に秘めた強さと情熱の「外出し」が加わると、かくも変わるものですかね。
強さと情熱・・・昔からあったのに何故か外に出せなかったのか、深いところで眠っていたのを五輪の経験が覚醒させたのか。
よくわかんないけど、結論は、「すごくいいぞ!」ってことですわ。

またねえ、これまでの彼に見られなかった、ムーブメントの緩急と、良い意味での「ねちっこさ」があった。
情感あふれながらも、端正さがあって、素晴らしい演技でした。

いや~。人間、可能性の動物だね!
ここまで見事に再生してくるなんて。
五輪後、彼がクサらず、いかに大きな努力を重ねてきたか、一見して明白に分かるってもんです。
スピン、残念でしたが、今後の修正とそれによる高得点に期待です。、

あ、衣装、奇抜ですが、とても素敵ですね。
今回の劇的な復活劇(だんだん話が大げさになってるな、私)に、とってもマッチしていました。
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by koharu-annex | 2010-10-30 00:23 | 2010-2011 フィギュアスケート

NHK杯 雑感 その3

NHK杯 女子ショートプログラム 2010年10月22日(金) @日本ガイシアリーナ(名古屋市)

解   説: 八木沼純子さん
アナウンサー: 刈屋富士雄さん

22日(金)夜の総合テレビを録画していたんですけど、なんと4人目からだった・・・そうなのか。。。不覚。
翌23日午後に放送したBSの録画の方は、全員の演技を放送したのかしら。

●アシュリー・ワグナー(19才) アメリカ
映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」より byモリコーネ

八木沼さんも刈谷さんもとても褒めてらしたけど・・・
私、この方の「力み」が気になります。

この方の力みってね、緊張して力が入っている類とか、言っちゃえば一過性のものじゃなくて、体の癖として、芯の方に無駄な力が入ってる感じなんですよね。
これは良くない。
八木沼さんは、「表現の幅の広さを感じる」とかおっしゃってましたけど、私の経験からすると、この手の力みのある方というのは、身体表現者としては根本的に不器用なんですよね。
だから、むしろ表現の幅は狭いことが多いのですよ。
そうでないことを祈りますが・・・。

●村上佳菜子さん(15才) 日本
ジャンピング・ジャック

はじける笑顔、はじける若さ、という言葉がこれ以上似合う少女は、今いませんね(笑)。
他の人が着たらドン引きされるようなアホっぽい衣装も、な~んと可愛らしく似合うことでしょう。
初っ端でにた~っと笑っちゃうところとか、プレゼント受け取ろうとして帰るときに転んじゃうところとか、この人には、注目をひく何かがついているし、何より「ポップな華」(案外珍しいですよね)のある方ですね。

あとね、前も言ったけど、彼女、やっぱり、踊りがうまいです。
体中で弾けるように踊れる人です。
上半身だけ、あるいは、下半身だけ、で踊っている部分が全くと言って良いほど、ない。
これは、踊りがうまい証拠です(分からない人は、ヨナちゃんと比べてみよう。)

いやいや、見てて気持ちが良かったです。

●エレーネ・ゲデバニシビリ(20才) グルジア
「シカゴ」(2002年アメリカ映画)よりセル・ブロック・タンゴ

当初、髪の色に目が釘付け。前は違った・・・よね?
豊満で色気があるので、シカゴの選択は悪くないかもしれませんが、もうすこし「悪」だったり「自堕落」な感じがあると良いですね。
(やっぱり、前に書いたとおり(こちら)、シカゴはヨナちゃんの演目だな・・・。他の人では、何かもう一つ物足りない。)

●キャロライン・ザン(17才) アメリカ
リベルタンゴ byピアソラ

ありゃま、ずいぶん貫禄がましたというか、ふくよかにおなりで。
肩~背中の肉のつき方はどうしたことでしょう。これって、肩甲骨近辺のストレッチを全部放棄していないと、こうならないでしょ。事実、腕を後ろに回すときに苦しそうです。

体力もなくて、音楽に遅れるほどスピードも出ていなかったし、・・・どこかお怪我をなさったか、ずっと体調が悪いとか、特殊なご事情がおありですか?

●レイチェル・フラット(18才) アメリカ
サマータイムほか byジョージ・ガーシュイン
Oh, But on the Third Day byウィントン・マルサリス

私はレイチェルさんの、知的で包容力がありながらお茶目なところもある感じが、とても好きです。
まあ、身体表現者としてはもう少し体絞れよ、とも思いますが、そうすると彼女の良いところ(主にこの場合は包容力)が減りそうで、ダメだしする気は起こらないなあ(笑)。
古き良き時代のアメリカ、という路線で行くのがいいですね(表現の幅は狭いけど仕方なし)。

●キーラ・コルピ(22才) フィンランド
虹の彼方に 映画「オズの魔法使い」より

うーん、この楽曲は、彼女には幼すぎるんじゃないだろうか。
オズの魔法使いの主人公ドロシーは、あどけない少女だからね。
コルビさんの大人っぽく美しい感じが、あまり生かされていない(というかむしろ減殺している)気がする。
もしかすると、いえいえドロシーではなく白の魔女ですって話かもしれないけど(白の魔女として見た場合、彼女の姿は本当に素敵ですね)、映画ではドロシーが歌ってるからな~・・・うーん。

●カロリーナ・コストナー(23才) イタリア
ガリシア・フラメンコ

冒頭から最期まで通して、フラメンコを模した腕の動きがとても素敵でしたね。
少しヨタつくところも何度かあったのですけど、フラメンコの腰の動きを模した振り付けがあって、コストナーさんの向こう側にフラメンコの長いスカートがひるがえってなびいているのが見えるようでした。
大柄な彼女に良く似合う、スケール感のある素敵な演目だったと思います。
もっと滑り込んで、完璧に振り付けをこなせば、とっても素敵になるでしょうね。

●浅田真央(20才) 日本
映画「ロマノフ王朝の最期」より byアルフレッド・シュニトケ

DOIのとき、体の外延が1センチ緩んでいるのがいかにもオフシーズン・・・という趣旨のことを書いたのですが(こちら)、ついこないだのJOやCOIのときも、「うん、まだシーズン始まったばかりだからね」という感じだったのに、あっという間、というよりも異常なほど早く、体が細くなりました。ハードな練習を続けているのでしょうけど、ちょっと心配なほどです。

音楽、アイスダンスのイリニフ/カツァラボフ組(ロシア)のショートダンスと同じく、映画「ロマノフ王朝の最期」からピックアップしているのですね(こちら参照)。
イリニフ/カツァラボフ組もショートダンスの後半はタンゴだったのですが、ハイテンポのものでした。真央さんの方が哀愁が感じられる素敵なメロディでしたが、テンポはイリニフ/カツァラボフ組のタンゴの方が真央さんは得意だと思いますね。
特に、フリーが愛の夢という流れるような音楽なので、タンゴではアップテンポの方が印象がより変わって良かったかもしれません。

私が最も気になったのは、体に力が入っていない感じがしたことです。
熱がある人のようにふわふわした感じがするというか、体の重心をどこでどう取ったら良いか、本人が分かっていない感じです(ジャンプのときだけに限りません。全体です)。
ジャンプが現在の最重要課題なので、そこに不安があるという精神的なものの可能性が大きく、それなら逆に心配はないと思いますが。

先日(25日)、NHK総合「プロフェッショナル~仕事の流儀~ 世界のプリマ 最後の闘いの日々~バレリーナ・吉田都」を見た際(こちら参照)、都さんが、「時間がない。」「ステップが体に入ってない。」「ステップを考えているようじゃダメなのに。」、と焦る様子が映されていたんです。
何度も踊ってきて、十八番と呼ばれたシンデレラ役を、ロンドンでの最終公演に向けて練習していた際の言葉です。
都さんは、この理由を説明するのに、「120%の準備が出来ないと舞台には立てない」、と断言されたんです。

私、これを聞いて、瞬時に真央さんのことを思ったんですよね。
真央ちゃんもNHK杯の前は、そういう気持ちだったかもしれない、だから本音のところでは120%に仕上げれていない以上、出たくはなかったのかもしれない、と。

とはいえ、真央さんは、プロの舞台を見せるダンサーではなくスポーツ競技の選手ですから、試合カンを衰えさせない意味でも、ある程度試合には出た方が良い、という面もあると思います。
なので、私の結論は、このスケーターの一段上への成長を信じて、これからしばらく目の前に繰り広げられる「胸が苦しくなること」に負けてしまわないよう、ファンも単なる鑑賞者もストレス耐性を高めていきましょう、というものです。

そして、その際、真央さんに対する気持ちの上での距離感を、冷静に一定に保つことが、どちらにとっても幸せなことなのではないかと思います。
どんな事があっても距離感が一定で変わらない友人というのは、嬉しいものです。このことは、人間関係一般にも言えることで、おそらくスター選手などのいわゆる「人気者」とその応援者との距離感についても、同じことが言えるのではないでしょうか。
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by koharu-annex | 2010-10-28 21:54 | 2010-2011 フィギュアスケート

NHK杯 雑感 その2

NHK杯 ペア ショートプログラム 2010年10月22日(金) @日本ガイシアリーナ(名古屋市)

解   説: 若松詩子さん
アナウンサー: 曽根優さん

時間がないので一言ずつ。


●ベラ・ザハロワ(17歳)、 ユーリ・ラリョーノフ(24歳) ロシア
アダージョ

すばらしい。素人目にも、技の完成度が高いのが見て取れました。

特に女性の身体能力の高さ、スタイルの良さ(ロシア人はこういう体型の少女が多いけどね)、1つ1つのポーズや指先まで気遣える舞踊面のセンスの高さは、目を引くものがあります。

●メイリン・ハウシュ(22歳)、ダニエル・ベンデ(26歳)  ドイツ
ロクサーヌのタンゴ 映画「ムーラン・ルージュ」より

悪くないのですけどね、なんというか、あと1段の魅力が欲しい。

●ケイトリン・ヤンカウスカス(20歳)、ジョン・コフリン(24歳) USA
オブリビオン~忘却~ byピアソラ

動きがずれたのが、残念でした。

●チョウ・エツ(17歳)、オウ・ライ(22歳) 中国
タンゴ・デ・ロス・エクシラドス byウォルター・タイーブ、ヴェネッサ・メイ

タンゴは無謀でしたかね・・・

●ミレーヌ・ブロデュール、ジョン・マタトール カナダ
マイ・ウェイ 映画「マイ・ウェイ」より byクロード・フランソワ・ジャック・ルヴォー

女性が大きくて重い?と思ったのですけど、マイウェイに良く合った、しっとりと大人っぽい素敵な雰囲気が出ていました。

●ケイディ・デニー(17歳)、ジェレミー・バレット(26歳) アメリカ
愛のテーマ 映画「今ひとたび」より byアンジェロ・バラダメンティ

・・・あと一歩の洗練さが欲しいというか。なんというか、少しだけ小ダサい感じがする?

●高橋成美(18歳)、マービン・トラン(20歳) 日本
フィーリング・グッド byマイケル・ブーブレ

かわいらしいだけでなく、アイスダンスのところで触れた「全く異なる遺伝子による化学反応」があるカップルですね。魅力的で、私はとても好きですね。
性格からくるものなんだろうけど、男性のはにかんだような表情(をしながらしっかりした技を見せる)も好感が持てます。

●ホウ・セイ(30歳)、トウ・ケン(31歳) 中国
ノクターン第20番 byショパン

この衣装の地味な色、自信がある人でないと着れないですよね。
このカップル、動きがまさに「音楽になっていた」感じです。
もちろん本人たちの力量が前提にあるのでしょうが、振付けのレベルが違う感じですね。
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by koharu-annex | 2010-10-27 22:44 | 2010-2011 フィギュアスケート

NHK杯 雑感 その1

10月27日(水)夜9時~、後半を追記しました。

NHK杯 アイスダンス ショートダンス 2010年10月22日(金) @日本ガイシアリーナ(名古屋市)

解   説: 樋口豊さん
アナウンサー: 佐藤洋之さん

本当は昨日アップする予定だったのですが、バレエダンサーの吉田都さんが出ているNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を見てしまって(本来は録画して後日見る予定だったんだけど)。
ワタクシ、思いがけず泣いてしまってですね、加えて、都さんの言葉からフィギュアスケートの選手の皆さんのことをいろいろ考えてしまって、結局、文章書けなかったんです。
たくさんの方に来て頂いたのに、アップできてなくてごめんなさい。

さて!
ショートダンスがどんなものか?ということについて、樋口さんの解説が分かり易くてありがたかったです。
アイスダンスをちゃんと見たのって、たぶん、子供の頃以来なんだけど、楽しいね。びっくりしたよ。
まだ完全に把握している技がツイズルとリフトだけなので、申し訳ないですが、技に対するコメントはこの2つ中心になります。Koharu@勉強中、です。ご容赦ください。


●ドラ・トロツィー(19才)、バラジュ・マヨール(19才) ハンガリー
ザ・ロイヤル・ワルツ、シング・シング・シング

最初、女性の動きが少し重いな~と思って見ていたら、
男性の方ももたもたし始め、結局、2人ともどよーんというか、あらら・・・な印象で終わりました。
シニア初参戦の若いカップルだし、シーズン初戦だし、ね。

クリエイティブ・パートにタンゴを選択するカップルが多い中、クイックステップを選択しているところが、私は好きでしたね。

●于小洋(う・しょうよう 24才)、王晨(おう・しん 24歳) 中国
美しき青きドナウ byヨハン・シュトラウス

ウィンナワルツなのでね。
私の希望としては、も少し軽やかにくるくる・・・という感じでしょうか。

女性のお顔・表情がアグレッシブで、新鮮でした(良い意味でよ!)。
久々に見た感じ。あんまり日本人ではいないというか(でも、顔は山田まりあさんにちょっと似てるよね)。
樋口さんが、男性がタンゴの強さをもっとあらわせたら良かった、という趣旨のことをおっしゃってたけど、この女性が横にいるから、余計そう思うよね~などと思っちゃいました。

シーズンはじめだからでしょうけど、ムーブメントが全体的に荒いですね。

●ペニー・クームス(21才)、ニコラス・バックランド(21才) イギリス
アメリのワルツ 映画「アメリ」より
タンゴ・デス・ロス・エクシラドス byウォルター・タイーブ、ヴァネッサ・メイ

女性、美人だな!
そして、見栄えのするカップルだ。
21才というすごく若いというわけではない年齢で、シニアのグランプリシリーズ初参戦、ということもあるのですね。
(いろいろ学ぶなあ、私(笑))。

3組目だけど、3組の中では男女の距離がもっとも近くて、カップルダンスっぽくてよかったな。
ツイズルのところはちょっと工夫されていたので、そろったところを見たい。
こればっかりだけど、シーズンはじめなので、動きが荒くてまだぎこちないのが残念。

●キャシー・リード(23才)、クリス・リード(21才) 日本
ア・パーティー…フォー・ミー? 映画「アダムス・ファミリー」より
タンゴ 映画「アダムス・ファミリー2」より byマーク・シェイマン

クリスさんのおひげが、なんか痛々しく必死に頑張ってる感じで、私はそれだけで無条件に応援モードに入ったよ!
もう20年近く前の映画になるんだなあ、アダムス・ファミリー。
若い人は見たことないかもしれないけど、リード姉弟の踊りを理解するためにも、見て欲しいな。

ご自身の性格や姉弟の上下関係もあるのだろうけど、クリスさんがやっぱり弱いですね。
クリスさんが額縁でキャシーさんが絵だとしても、カップルダンスである以上は、やはり男性に少なくとも女性と同等の強さみたいなものが欲しい。

ツイズル、残念でしたが、完全系になったらとても見栄えがしそうな予感!
期待して次待ってましょ。(はっ!テレビ放送してくれるのかしら!?)
それにしても、お姉さんにあんなに慰められるほど、分かりやすく落ち込む、素直過ぎるクリスさん・・・
上で書いた「強さ」を会得するには、純粋なダンス面だけじゃなく、クリアすべき課題がありそうだな。

最後にあった、女性を上から下ろしてくるリフト、素敵だと思いました。

●エレーナ・イリニフ(16才)、ニキータ・カツァラボフ(19才) ロシア
映画「ロマノフ王朝の最期」より byアルフレッド・シュニトケ

恐るべき16才だな、この女性。
姿勢が圧倒的に良いし、ツンデレ(←勝手に想像)な表情もいい。
衣装も16才にしては刺激的だけど、よく似合ってる。

また、男性が軽々とリフトを行っているのは、女性の方がかなり自立的にバランスとって動ける、高い運動神経と身体能力を持っている証拠だと思います。

若いカップルなのに妙な貫禄がある。タンゴがすごく似合う10代のカップルって、ちょっと驚き。
男女の距離も近いし、動きもスムーズ。
パターンダンス・パートの動きもよくあってて、とてもきれい。

ツイズル、これまでのカップルに比べるとレベルに雲泥の差があったよ!
すごく長い距離を動いてるし、シンクロ率も高い。
一時停止ボタンを次々押してみたんだけど、ほぼどこの時間でも男女が同じポーズ。

いや~、気持ちよかったです。見てて。

●ルチア・ミスリベツコワ(20才)、マテイ・ノワク(20才) チェコ
バタリエーロ

この衣装は・・・と思ったら、クリエイティブ・パートはクイックステップ。
そりゃそうだな。これじゃタンゴは踊れん。
だけど、クイックステップだけに、女性の体の重さが気になる・・・
スピンの軸もゆがむし、調子悪いのか?(あ、「シーズンはじめ」か。)

楽しそうといえばそうなんだけど、この大柄なカップルに対する振り付け(演出?)としては、「アホ」っぽさに転んでいる気がするぞ。
私は別路線にすべきだと思いますね。
素材を生かしきれてなくて、もったいない。

●マイヤ・シブタニ(16才)、アレックス・シブタニ(19才) アメリカ
回転木馬のワルツ 映画「回転木馬」(1956年)より 音楽:リチャード・ロジャース

平和な顔した兄妹で、踊りだす前から癒し効果抜群。

なんて軽やかで滑らか、且つよくシンクロした、スムーズ極まりない滑りなんでしょうか。
ツイズル、距離はさほど稼いでなかったようにお見受けしましたが、見事なシンクロ率とスピードでした。

女性の衣装に男性のスケート靴が引っかかって転倒してしまう(おまけに女性の衣装も破れる)、という不運がありましたが、私にはそんなこと全くマイナスと感じませんでした。
平常心のまま踊り続けているかのように見せることができたことを、むしろ褒めて加点してあげたいくらいです。

ところで、ケチをつける気は全くないのですが。
シブタニ兄妹やリード姉弟に限らず、血のつながった「きょうだいカップル」というのは、時として諸刃ですよね。

「きょうだい」だからこそ、血のつながりによるシンクロ率や、あり得ないパーセンテージでの雰囲気の合致を生むことができる。
反面、全く異なる遺伝子を持つ別々の人間が組んだカップルだからこそ生み出すことができる、なんというか化学反応みたいなものは、ほぼ手にすることができない。

時として、この「化学反応」は、通常ありえないような劇的な効果(1+1=2どころか10倍以上の効果)を生み出す場合がある。
「きょうだいカップル」というのは、この手の劇的な効果ではなく、ある意味予測された範囲内の効果しか望めない中で、高みを目指さなくてはならないわけで。
しかも、実際には恋愛関係になれない、というハンデもある(もちろん全てのカップルが恋愛関係になるわけじゃないけど、その可能性がゼロというのはハンデだと思います、確実に)。


あー、旦那が帰ってきたよ~。今日は早いな。
録画がこれ以上見れないので、この続きはまた次。
許しておくんなせええーー

この先、追記です。

●ケイトリン・ウィーバー(21才)、アンドルー・ポジェ(23才) カナダ
アット・ラスト byエタ・ジェイムス
チーク・トゥ・チーク byアーヴィング・バーリン


女性の衣装、背中のデザインが変わっているところも含めて、都会的なリトル・ブラック・ドレス風で、とても好きです。
衣装のせいもあるのでしょうけど、大人っぽくて、素敵でした。
クイックステップで大人の雰囲気が出るというのは、ほんとに「大人」ですよね(笑)。

男女の距離も近くて、2人の動きもよくそろっていました。
ただ、カメラの位置の関係から、私が理解できる数少ない技であるツイズルが、今ひとつよく見えなかったのが残念。

●アンナ・カッベリーニ(23才)、ルカ・ラノッテ(25才) イタリア
ケ・セラ・セラ byドリス・デイ
ガールズ・ガールズ・ガールズ byセイラー

ケ・セラ・セラが良く似合う、ふんわりとあっかるいカップルですね。
女性、歌ってたしね、「ケッ…セッラ~セラ~♪」って(笑)。

2種類目のツイズルがずれたのが残念でした。
女性の両足の間に男性が手を入れて支えて、まっすぐと女性が浮いて立つようにしたリフトが面白かったです。

●メリル・デービス(23才)、チャーリー・ホワイト(22才) アメリカ
ラ・ボエーム  byプッチーニ
椿姫 byヴェルディ

相変わらず・・・女性の顔から映画「アバター」を思い出してしまうことはさておき。
なんですか、あの他の追随を許さないツイズルは!
女性の姿勢、特に上半身のゆるぎなさ(ということは当然下半身もゆるぎない)は、すごい。
あのピッと常に決まっている、背中。ちょっとレベルが違いますね。

リフトがあそこまでのスピードで、あそこまでスムーズに、無駄な動きが全くなく、且つスピーディーに決まるのは、女性が自立して動けるからです。
ロシアのカップルの女性もそうでしたけど、このメリルさんは、今回出場された中でピカピカの一番でしょうね。
優雅だから前面に出てこないけど、ものすごく運動神経も身体能力も高い。

良いもの見せて頂きました。ありがとう。
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by koharu-annex | 2010-10-27 00:05 | 2010-2011 フィギュアスケート

NHK杯 さわりに

ねえねえ、皆様。

なんであんなに空席あるの?

22日(金)は平日だから仕方ないかもしれないけど、今日も、かなり空席があったようにお見受けしたのですが。

あのレベルって、トイレとか、食事とか、そういう類でできた空席じゃないと思うんだけど。。。違う?

私も友人も、チケット発売のとき電話つながらなかったんだよ。

チケットのキャンセル待ちもしたんだけど、10月になって無理だってお知らせがきたんだよ。


あれは、あれかい?

転売目的で購入したけど、転売できずに終わってダフ屋さんのところでむなしくゴミと化した席?

30万で転売したかどで逮捕されたダフ屋さんの報道があったけど・・・

なんか、やな感じだな~
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by koharu-annex | 2010-10-24 00:46 | 2010-2011 フィギュアスケート