もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カテゴリ:バレエ(新国立劇場)( 11 )

新国立劇場バレエ公演2011/2012シーズン 「くるみ割り人形」 全2幕
2011年12月17日(土)午後2時~ @新国立劇場オペラパレス

管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団
指 揮:  大井剛史

出演:
金平糖の精: 小野絢子
王子: 山本隆之
雪の女王: 寺田亜沙子
クララ: 加藤朋子
ドロッセルマイヤー: 冨川祐樹

シュタルバウム: 貝川鐡夫
シュタルバウム夫人: 楠元郁子
フリッツ: 八幡顕光
ハレーキン: 江本拓
コロンビーヌ: 高橋有里
トロル: 福田圭吾
ねずみの王様: 小笠原一真
くるみ割り人形: 福田圭吾
スペイン: 湯川麻美子、マイレン・トレウバエフ
アラビア: 厚木三杏、貝川鐡夫
中国: 寺島まゆみ、江本拓
トレパック: 八幡顕光、福田圭吾、奥村康祐
葦の精: さいとう美帆、長田佳世、細田千晶
花のワルツ: 堀口純、丸尾孝子、川口藍、小村美沙、菅野英男、古川和則、和島拓也、原健太

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くるみ割り…を年末に見ることを、バレエ鑑賞の主眼に置いている旦那と一緒に観賞。
旦那、新国立のくるみに特有の、冒頭の現代のシーン*が、相変わらずお気に召さない。
       
        *新国立は現代の少女クララが、ドロッセルマイヤーによって昔のヨーロッパの
         クリスマスの夜に連れて行かれる、という構成を取る。

私は、クララを両脇からリフトして夢の世界に連れていく、全身青いスーツ・青いシルクハット・青い顔タイツの2人の「青い黒子」が何気に気に入っているのだけど。

金平糖の小野絢子さんが可愛らしくてグッドです。海外バレエ団の主役などに比べて、実力は引けをとらないでしょうに、存在感に薄く、どこか押しが弱いところがあるんだけど、金平糖はこれくらい「淡い存在感」がちょうどよくも感じます。
旦那が大好きなダンサーなので、これからのますますの飛躍に期待したい。
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by koharu-annex | 2012-07-15 00:59 | バレエ(新国立劇場)

パゴダの王子

新国立劇場バレエ団 2011-2012シーズンオープニング公演
<新制作>パゴダの王子 全3幕
2011年11月6日(日)午後2時~ @新国立劇場

振付: デヴィッド・ビントレー 
音楽: ベンジャミン・ブリテン
美術: レイ・スミス
指揮: ポール・マーフィー
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

【出演】
さくら姫: 小野絢子
王子: 福岡雄大
皇后エピーヌ: 湯川麻美子
皇帝: 堀登
北の王(ロシア): 八幡顕光
東の王(アメリカ): 古川和則
西の王(中国): マイレン・トレウバエフ
南の王(アフリカ): 菅野英男
道化: 吉本泰久
宮廷官吏: 厚地康雄

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f0234686_0523168.jpgビントレーの新作、世界初演です。これまでのパゴダの王子の話を一新し、設定を日本にしています(時代設定は特に特定されてはいませんが、近現代ではないです)。

●音楽
ブリテンの音楽って、特に良い印象があるわけではないのですが、今回の音楽はとても楽しかった。
普通のオーケストラでつかわれる西洋の楽器を使っているのに、ガムランと極めて近い音楽を奏でられていたのにはビックリ!!

●舞台美術、衣装
切り絵のような舞台美術が多様されていたのですが、桜の花(ちょっと立体的な花のアップ)や富士山(シルエット)など日本的なモチーフだけでなく、ウィリアム・モリスを想起させる植物や自然界を基にしたイギリス風のモチーフのミクスチャで、わたくしは大変好みでした。

着物風の衣装が多かったのですが、衣紋が抜けていないのが残念。衣紋が抜けてないと、一気に中国風に傾くのが残念です。

●演出と振付
ほぼ踊りはないんだけど(笑)、4人の頭が異常に大きい滑稽な姿の妖怪たちや、道化のコミカルな動きが楽しい。特に道化は、舞台が始まる前からカーテン前に座ってて、観客を楽しませてくれました。ちょうど舞台に近い、真ん中の席だったので、何度も手を振ったり笑顔の交換をしたり、コミュニケーションしてしまいました。

4人のタツノオトシゴ、炎、2人の深海など、ディベルティスマンも充実。(ただ、タツノオトシゴの振付は若干単調かなあ)
群舞は、雲、星、泡など、自然を表すものが多いのですが、美しかった。群舞って、案外、舞台の完成度を左右しますよね。ビントレーは、こういうところ、本当に上手だと思う。

官女達(?)の群舞、全員、「すり足」がちゃんとできてて驚愕。お能を何年も習ってる私より、確実にお上手でしたわ(笑。あ、笑ってる場合じゃないか)。

皇帝が王子を失った(と誤解して)落ち込みまくるシーン、あれは長過ぎてダレた気がするなあ。

●ダンサーについて
桜姫を演じた小野絢子さんの可愛らしさに、旦那はノックダウンされておりました。
ワタクシは、後妻の女王を演じた麻美子さんの悪女ぶりに脱帽。まさにエピーヌ(棘)。
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by koharu-annex | 2012-02-02 23:06 | バレエ(新国立劇場)
マクミランの「ロミオとジュリエット」(全3幕)
2011年6月26日(日曜)午後2時~ @新国立劇場

振付: ケネス・マクミラン
作曲: セルゲイ・プロコフィエフ

指揮: 大井剛史
管弦楽: 東京フィルハーモニー管弦楽団

【出演】
ジュリエット: リアン・ベンジャミン(英国ロイヤルバレエ)
ロミオ: セザール・モラレス(英国バーミンガムロイヤルバレエ)
マキューシオ: 福田圭吾
ティボルト: 輪島拓也
ベンヴォーリオ: 菅野英男
パリス: 厚地康雄
キャピレット卿: 森田健太郎
キャピレット夫人: 湯川麻美子
乳母: 遠藤睦子
ロザライン: 川村真樹
大公: 内藤博
ロレンス神父: 石井四郎
モンタギュー卿: 小笠原一真
モンタギュー夫人: 千歳美香子
マンドリン・ソリスト: グレゴリー・バリノフ

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どうでもいいことですが、私達夫婦の席の近くにビントレー氏(新国立劇場のバレエの芸術監督)発見。そういえば、ビントレー氏のトークショー(?)みたいなのがあったよなあ、今日だったのかなあ、とか思いつつたまに拍手の様子を盗み見。

指揮者が、若く活躍が期待されている日本人の大井さんだったからか、いつもより指揮者に対する拍手が大きかったような気がする。踊りに合った良い指揮だったと思うので、今後も頑張って欲しいです。

劇場側に文句垂れたいのは、配布物。配役表は日本語・英語で併記してあるんだけど、幕と場面の説明(それぞれ簡単に荒筋が書いてある)は英文しかない。なんなの、この意味不明のアンバランスさ。用意するならどっちもちゃんと用意すればいいのに。

さて、この舞台、舞台美術と衣装について疑問符がつくところが何点か。
まず、第1幕第1場の市場のシーン。なんであんなに空中にも地面にも鳥かごが大量に置かれているの?市場だったらもっといろんな物売りとかお店があってもよいのに。なに、鳥かごって!?
第2幕での市場のシーンでは、鳥かごは全部消えてたけど、物売りやお店は全くないの。これはつまらないわね。既存の知識がないと、「ここは市場」とは思えないと思うわよ。は~
ちなみに、第1幕第1場の冒頭、あまりに暗くて「節電!?」と思っちゃいました。

次に衣装。この舞台、バーミンガム・ロイヤルから衣装を借りてるんだけど、本当にちゃんと一式そろえて貸して頂けたのかしらん?
モンタギュー卿のマントは足首まである長さなのに、キャピレット卿だけでなくヴェローナ大公のマントが膝丈というのは、明らかにアンバランス。マント3枚のうち2枚が膝丈、残り1枚が足首までの丈なら、足首までの長さのものが大公用じゃない???威厳に欠ける大公の衣装でした。

第2幕のマンドリンダンスの方々の衣装は一体なに?! 色の入ったビーズ(?)でできた無数の紐のようなものがぶら下がった着ぐるみなんだけど、「猿の惑星」かと思ったよ! 回転するとビーズ紐が地面と平行に浮き上がるので、そろうと一瞬キレイなんだけど、終わると「虹色の毛をもつ猿の集団」にしか見えない・・・。

ジュリエットを踊ったリアン・ベンジャミンさんは、小柄で華奢ながら、細く長い手足と均整のとれたスタイルをもったダンサーです。旦那は好みじゃなかったようですが、細部はがさつなところがありつつも、おてんばで好奇心旺盛なジュリエットを好演していたと思います。特に可愛いなあ、と思ったのは、第1幕で大人達がダンスしているボールルームに入ってきたときのジュリエット。大人の仲間入りをするときの、おもはゆいような高揚感がすごく出ていました。
ただ、このとき残念だったのは、マンドリンの音に遅れてしまったことです。ジュリエットが弾いてるはずのマンドリンの音が、オケで鳴り始めてから椅子に向かってしまい、明らかにタイミングが遅れてしまいました(もちろん、そんなことおくびにも出さずに優雅に移動していましたが。さすがベテラン!)。

ロミオ役のモラレスさんは、この役が良く似合っていました。技術も高いです。キャピレット家の前で、ロミオ、マキューシオ、ベンヴォリオの3人がそろって連続したステップを踏んで踊る場面は、とっても難しくて、多くの場合、中央のロミオが姿勢も含めて一番上手で(当然ですが、ここでは残酷なほど浮き彫りになります)、マキューシオとベンヴォリオのどちらかが遅れちゃう、というのが世の常ですが、今回もそうでした。見ながら、本当にモラレスさんは上手だなあ~と思いましたことよ。超絶技巧のある舞台も見たいですねえ。

ティボルトの輪島さんは、意地悪でねちっこい嫌な野郎を好演。キャピレット卿の森田さんは相変わらずちょっとギャグっちく、キャピレット夫人の湯川さんは「極妻」な雰囲気でようございました。彼女にどなたか「極妻」系の踊りを振付けて下さらないかしらね。とても似合うと思います。

娼婦の踊りは、猥雑さがちょっと足りないかなと思いました。日本人はこういうところが実はちょっと苦手ですよね。お行儀悪い感じがあまり出ないというか(いんだか悪いんだか)。

舞台によっては存在感の薄いパリスですが、今回の舞台では、キャピレット家のパーティーで玄関前でお出迎えをする場面にも、お開きでお客様をお送りする場面にも出てきて、ちょこちょこと存在をアピールしていました。こういう細かい演出があるとちょっと嬉しいです。

ジュリエットのショールの色は水色に灰色が加わったような色で、3回忌の法事に来ていく色無地にちょうどよいような色味。この少女の悲劇にあうのは、薄い中にもこのような少し「陰」のイメージがある色だと思います。

ジュリエットが寝室を抜け出しロレンスのところに急いでいくとき、舞台の奥に設置したカーテンの向こう側を下手から上手に走らせていました。ショールをなびかせて走っていくジュリエットのシルエットが、カーテンにくっきりと浮かび上がり、不幸に向かって歯車が動き出したにもかかわらず、それに気付かず、まっしぐらに「救い」と思うところに走っていく悲劇が示されているようで、印象的でした。

第3幕第4場のキャピレット家のfamily crypt(一族の墓地というか地下の埋葬のためのお堂みたいなところ)には、3つの遺体が並んでいて、ジュリエットは中央に寝かされています。ロミオは葬儀の列にまぎれて入ってきて、下手側の安置台の影に隠れています。
通常はジュリエットだけが安置されていて、しかもロミオはどうやったんだか葬儀の後にスムーズに走り込んでくる、という流れが多いと思います。それに比べると、ジュリエット以外の遺体があることも、安置台の影に隠れることも、リアリティがあるとは思います。けど、微妙に怖かったのでした・・・。
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by koharu-annex | 2011-07-15 22:42 | バレエ(新国立劇場)
ビントレーの「アラジン」(全3幕)
2011年5月3日(火曜・祝日)午後2時~ @新国立劇場

振付・演出:デイヴィッド・ビントレー
音楽:カール・デイヴィス

指揮:ポール・マーフィー
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

【出演】
アラジン: 八幡顕光
プリンセス: 小野絢子

ランプの精ジーン: 吉本泰久
魔術師マグリブ人: マイレン・トレウバエフ
アラジンの母: 遠藤睦子
サルタン(プリンセスの父): イルギス・ガリムーリン

オニキスとパール: さいとう美帆、高橋有里、大和雅美、菅野英男、福田圭吾、原健太
ゴールドとシルバー: 西川貴子、丸尾孝子、貝川鐵夫、小笠原一真
サファイア: 湯川麻美子
ルビー: 長田佳世、厚地康雄
エメラルド: 寺島まゆみ、寺田亜沙子、古川和則
ダイアモンド: 川村真樹

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八幡さんのアラジンが~、ちょっとはじけ切れなかったのが残念だなあ。「アラジン」初見のとき(こちら)の芳賀さんよりかは、身体や踊りのタイプ的に合うと思ったので八幡さんの日にしたんですけど、彼もキャラが合わなかったか。。。うーん。八幡さんは「白鳥の湖」の道化とか、すごくはまり役だと思うんだけど、あれって少し「哀しい」感じがあるから合うのかもしれないなあ。アラジンは「哀しい」はない方が良い。浅はかで考えなしで、底抜けに明るいお調子者であって欲しいの。そういうイメージの人、案外、日本人には少ないのかも。

ジーンの吉本さんは、相変わらずの名演だけど(十八番だね。でもディズニーのランプの精のような感じがもっとあってもいいね)、やっぱり掛け合いではっちゃけて欲しいので、相方のアラジンが必要だよね・・・

女性陣は良かったです。プリンセスの小野さんは清楚でかわいらしい。砂漠の砂嵐たちの群舞は、ビントレーの創意に富んだ美しい群舞ですが、踊りも良かったと思います。キラキラしてる宝石たちの踊りは、このバレエの見所ですが、特にサファイアの湯川さんのツンとした美人っぷりや、ダイアモンドの川村さんのダイヤ~な威厳が印象に残っています。

このバレエは、一幕の舞台美術が秀逸ですが、秀逸すぎて2幕がかすみますね。1幕で予算使い果たしたか?って思わず思っちゃうくらい、印象に差が出ちゃう。どうにかならんか、と毎回思う。・・・とはいえ、ビントレーの全幕ものってやっぱりいいなあ。来季の「パゴタの王子」、劇場側はやたら宣伝してるけど、宣伝しなくても私は心底楽しみにしていますよ!
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by koharu-annex | 2011-06-29 01:12 | バレエ(新国立劇場)
新国立劇場バレエ公演 「ラ・バヤデール」(牧阿佐美版)
2011年1月15日(土)午後4時~ @新国立劇場

指揮: アレクセイ・バクラン
管弦楽: 東京交響楽団

【出演】
ニキヤ: 小林ひかる
ソロル: デニス・マトヴィエンコ
ガムザッティ: 厚木三杏
ハイ・ブラーミン: 森田健太郎
マグダヴェヤ: 吉本泰久
黄金の神像(ブロンズ・アイドル): 福岡雄大
トロラグヴァ: 貝川鐵夫
ラジャー(王侯): 逸見智彦
ジャンペの踊り: 井倉真未、大和雅美
つぼの踊り: 湯川麻美子
パ・ダクション ブルーチュチュ: 西川貴子、寺島まゆみ、丸尾孝子、本島美和
パ・ダクション ピンクチュチュ: さいとう美帆、高橋有里、西山裕子、米沢唯
アダジオ: マイレン・トレウバエフ、菅野英男
第1ヴァリエーション: 寺島まゆみ
第2ヴァリエーション: 西川貴子
第3ヴァリエーション: 丸尾孝子

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2008年にザハロワさんが主役だった舞台の印象が強く残っています。
ただ、今回調べてみたら2008年の公演レビューを書くのを失念していることが判明したのですが。まあ、よくやるんですけどね、ははは。

今回もシーズンチケットを購入する時点(昨年2月頭)で、ザハロワさんが踊る日を指定していたのですが、なんと昨年9月、ザハロワさんの降板が発表になりました。
もう騒然ですよ。通常、4ヶ月前に降板が発表されるなんてあり得ませんから。昨年1月の白鳥も直前に降板されていたので、慢性的なご病気なのか、それともご懐妊されたのか・・・等々噂が飛び交いました。

が、最終的には後者で、12月にはご結婚相手がヴァイオリニストのレーピンさんだということが明らかになりました。本当に良かったです。彼女の幸せと安産を心からお祈りしています。
出産後復帰なさるご予定らしく、来季の新国のシーズンチケットの案内で、2012年5月「白鳥の湖」キャスト中にザハロワさんが入っていました。楽しみに待っています。

さて、バヤデールは、振付家や演出によっていろんなバージョンがあります。個々のモチーフはほぼ決まっているんですが、順番とか構成が入れ替わったり削除されたりしますし、ラストも違いますね。誰でも分かり易い違いは、ブロンズアイドルの踊りをどこにもってくるか、ということでしょうか。
(ちなみに、ブロンズアイドルは、ロイヤル時代の熊川さんの十八番のひとつでした。映像でしか見たことないけど、これはすごかった!今でも世界一だと思う。)

私は、牧さんバージョンのバヤデールは、割と好きですね。
無理がない運びで、ビントレーが上演してくれるのも分かる気がする。

以下、ダンサーについて

●小林ひかるさん
ザハロワさんに代わったのは、英国ロイヤルの小林ひかるさんです。
私は初見のダンサーなのですが、登場して踊り始めた瞬間、私が思ったことは、「あぁ、この人のドンキを観たかったな」、ということでした。同時に、「今回、この舞台でのニキヤはつらいなあ」、とも。
もちろん、こういうときに、代役のダンサーと以前のダンサーを比べちゃいかんことは、十分に承知しているのだけど、小林さんのニキヤは、なんというか、やっぱり物足りない。

ザハロワさんは、「でか!」と毎回思っちゃうほど大柄なダンサーですが(私は彼女の広い肩幅が若干苦手)、小林さんはとても小柄で、「ちっちゃ!」と思っちゃいました。(ちなみに、新国はコールドの身長を163センチ以上と定めています。)

ただ、もちろん身長だけじゃないですね。
ザハロワさんのニキヤの登場場面は、非常に印象的なんですよね。人間離れした手足の長さと美貌から、「そりゃ、ハイ・ブラーミンも妄執するわ」、という点を鑑賞者に有無も言わせず納得させてしまう、圧倒的なオーラがある。
これに対して、小林さんは、一瞬で「キトリがぴったり!」と思わせるタイプ。村娘オンリーの庶民派とまでは言わないけれど、元気でお茶目で可愛い!って感じの役柄が合う印象です。

もちろん、ニキヤは踊り子さんだから、お姫様グループではなく庶民グループに入るといえばそうなんですが。
そうはいっても、ニキヤには、僧侶たるハイ・ブラーミンを虜にするある種の色気の要素と、ガムザッティ側に仕込まれた毒蛇に噛まれた際、ハイ・ブラーミンから「私のものになるのであれば解毒剤を飲ませて助けてやる」と言われても、それを断固として拒絶して死んでいく、気高く高潔な要素は欲しいわけで。
それらについては、少なくともこの舞台の小林さんには、ちょっと足りない。

あと、書いておきたいのは、体型のタイプ。
小林さんは、鳩胸で且つ背中のS字がきつく感じられるほどぐーんと胸を開くので、肩と腕をかなり後ろに引くタイプ。そのため、見かけ上、胴体上部に厚みが感じられると同時に、肩と腕がかなり後ろについているように見える。正統派の姿勢だとは思いませんが、小林さんの「首が短い」という欠点が、これで随分フォローされていると感じました。

これが、ガムザッティを演じた厚木さんと好対照。厚木さんは、ちょっとアンバランスなほど首が長い反面、背中のS字が比較的まっすぐ~若干猫背気味で、且つ肩が前に巻いてますから。そのせいで、首のラインはきれいでも、ふとした瞬間に姿勢が一瞬悪くなり「なんか変?」と思わせることが時折ある。

今回、小林さんと厚木さんという、極端に異なる体型のダンサー2人が、舞台上で「もみ合う」場面があったせいで、「私は小林さんのタイプの方がむしろ好きなんだな~」と発見したのでした。

●厚木さん
ガムザッティの高慢ちきなところが、とてもよく出てました。

彼女は、このあいだのシンデレラで「冬の精」を踊っていたのですが、彼女には、妙な気高さと怜悧さがある。
これは上で述べた体型のタイプも手伝っているのだと思いますが(特に首の長さと体の薄さ)、この妙に周りを「しん」とさせる雰囲気が、彼女を実物の何倍も美しく見せるの。不思議。まさに「冬」がぴったり。

この雰囲気は、捨て難いと思いますね。決して技術が高い踊り手じゃないのだけど、時折、主役に抜擢されるのは、この雰囲気なんだろうなあ~と思ったりもします。

●マトヴィエンコ
観客席がイマイチ温まってないのを、敏感に感じ取ってたんでしょうねえ~。えらい張り切りようでした。まさに「ハッスル」という言葉がぴったりなほど。ソロルなのに(笑)。
本当に、笑っちゃうほど嬉しかったな。いい人なんだろうなあ、マトヴィエンコ。

●森田さん
この人って、そんな気全くなくても本来的に「ギャグっちい」というか、真面目にやってても滑稽な雰囲気が出るんですよね。童顔の上に、肉質がちょっとぷにぷにしてるから? なのに、それを生かしきれてなくて、いつも惜しいなあと思う。

平き直って「ギャグ」な自分を自覚して、面白系の演技を勉強すればいいのに。ハイブラーミン、ギャグると超面白いキャラなんだぞ。
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by koharu-annex | 2011-02-10 22:42 | バレエ(新国立劇場)
新国立劇場バレエ公演 アシュトンの「シンデレラ」
2010年11月27日(土)午後2時~ @新国立劇場

指揮: デヴィッド・ガルフォース
管弦楽: 東京フィルハーモニー管弦楽団
振付: アシュトン
音楽: プロコフィエフ

【出演】
シンデレラ: さいとう美帆
王子: マイレン・トレウバエフ
義理の姉たち: 保坂アントン慶、高木裕次
仙女: 川村真樹

父親: 石井四郎
ダンス教師: グレゴリー・バリノフ
春の精: 西山裕子
夏の精: 西川貴子
秋の精: 高橋有里
冬の精: 厚木三杏
道化: 八幡顕光
ナポレオン: 吉本泰久
ウェリントン: 市川透
王子の友人: 芳賀望、江本拓、菅野英男、古川和則

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2008年の公演では、1幕の最後の「お姫様に変身したシンデレラが、かぼちゃの馬車に乗って、颯爽と舞踏会に出かけるシーン」で、馬車がスピードを出し過ぎて転倒するという驚愕のアクシデントがあった(関連記事はこちら)、新国のシンデレラであります。

私は、転倒後に、バッと、どえらいスピードで落とされた幕の動きまで覚えていますわよ。
2008年も一緒に観に行った旦那もさすがに記憶に刻まれているようで、始まる前から「前は転倒したからな~、今回は大丈夫かな~」
1幕が終わったとたん、「なんか馬車の動きがさ、慎重で遅かったよね。『はい、イチニ、イチニ』みたいに息そろえることに神経尖らせているというか。。。」

はい、そんな感じしました。
大きく曲線を描いていた馬車の動線も直線的なものに変わってましたし。
2008年のときの動線は馬車を観客に大きく見せ、かつ疾走感もあったので、夢のように変身して舞踏会に向かうシンデレラの高揚した気持ちが伝わってきたのですが、今回は比べると「チンタラ」感がある。

でも、この変更は仕方ありませんわね。
あんなに派手に転倒した過去があるんじゃあ。。。

春夏秋冬のそれぞれの精が、もう少し技術的に高く安定してくれたら・・・と思いました。
それぞれ主役をはってる人達なのですが、微妙に物足りなさ感が・・・(いやもちろんそう思わせるレベルの高低は4人の中でもつけられるんだけど、敢えて順番つけるほどのことでもなし)。

舞踏会のシーン、12時の時計の音はその場面の踊りとともにとても記憶に残りますけども、よく音楽を聴いていたら、それまでに何度も時計の音が音楽に隠されているのですよね。
それらの時計の音はもちろん地味で、踊りには敢えて全く反映されないけれど(夢中で舞踏会を楽しんでいる前提)、こちらには時間が刻々と流れていっていることが示されるわけで。
プロコフィエフのバレエ音楽は、場面ごとに深く考えられて演出されていることよの~と思いながら聴いていました。
これが、年が明けた後に鑑賞したベルリンの「シンデレラ」の感想に通じていくのでした。
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by koharu-annex | 2011-02-04 10:22 | バレエ(新国立劇場)
新国立劇場バレエ公演 ビントレーの「ペンギン・カフェ」
同時上演 バランシンの「シンフォニー・イン・C」、フォーキンの「火の鳥」

2010年10月31日(日)午後2時~ @新国立劇場

指揮: ポール・マーフィー
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

●火の鳥
振付: ミハイル・フォーキン
音楽: ストラヴィンスキー
衣装: ナターリャ・ゴンチャローワ
【出演】
火の鳥: エリーシャ・ウィリス
イワン王子: イアン・マッケイ
王女ツァレヴナ: 寺田亜沙子
魔王カスチュイ: 冨川祐樹
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衣装がいいな~(特にカスチュイ)と思っていたら、パンフレットに、なーんと「Costumes executed by American Ballet Theater」の一文が。
なるほど、ABTぽいわ~。
ま、本当のABTのつづりは、「Theater」じゃなくて、「Theatre」なんだけどね(こちら参照)。

ありゃ? 今、ABTの今年のシーズンのパフォーマンス・スケジュールを確認してたら・・・
今年7月の来日公演のプログラム決まったのね~(ABTの7月のスケジュール-こちら-参照)

ちょいと備忘録がわりにここに書いておこう。
7月21日 演目未定
7月22日~24日 ドンキホーテ
7月26日~28日 ロミオとジュリエット
7月29日 演目未定

「演目未定」にはラトマンスキーの新作希望。「明るい小川」でありませんように・・・(明るい小川はラトマンスキー振付のものをボリショイの来日公演で観てるので)。
ちなみに、キャストはまだ書かれてません。

●シンフォニー・イン・C
振付: ジョージ・バランシン
音楽: ジョルジュ・ビゼー(交響曲第1番ハ長調)
【出演】
第1楽章
プリンシパル: 米沢唯、菅野英男
コリフェ: 西山裕子、大和雅美、福田圭吾、小柴富久修
第2楽章
プリンシパル: 川村真樹、貝川鐵夫
コリフェ: 細田千晶、川口藍、澤田辰生、田中俊太郎
第3楽章
プリンシパル: 厚木三杏、輪島拓也
コリフェ: 寺島まゆみ、寺田亜沙子、グレゴリー・バリノフ、野崎哲也
第4楽章
プリンシパル: 丸尾孝子、古川和則
コリフェ: さいとう真帆、高橋有里、アンダーシュ・ハンマル、原健太
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頑張ってたし、それなりに揃ってたし、敢えて文句言わなくても、、、な出来ではあったんですけど。
うーん、何かが足りんのだよね。
まあ、私はバランシンがそんなに好きじゃないので、敢えてその「何か」を追求したいとは思いませんから、スルー。

●ペンギン・カフェ
振付: デヴィッド・ビントレー
音楽: サイモン・ジェフェス
装置・衣装: ヘイデン・グリフィン
【出演】
ペンギン: 井倉真未
ペンギン・ウエイター: 伊東真央、加藤朋子
ユタのオオツノヒツジ: 遠藤睦子、江本拓
テキサスのカンガルーネズミ: 福田圭吾
ケープヤマシマウマ: 古川和則
熱帯雨林の家族: 山本隆之、小野絢子、上村光
鼻豚スカンクにつくノミ: 西山裕子
ブラジルのウーリーモンキー: 吉本泰久
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ビントレーが、サイモン・ジェフス率いる「ペンギン・カフェ・オーケストラ」の楽曲に触発されて創作した作品だそうです。
登場する動物たちは、全て絶滅危惧種。

動物は全て、いわゆる「かぶりもの」をかぶって踊るので、ダンサー達はそりゃ大変ですわ~
皆様、すごくキュートに踊ってました!
私はこの作品は、音楽も振付もそのマッチングも、とても好きですね。
もう1回観たいなあ。

私は、ビントレーの作品はこの作品に限らず、とても好きです。
彼の作品は、楽しくて華やかでありながら、現代的なアクセントもあって、でも品があって、多くの人に好まれると思いますね。

彼が新国立のために振付けて2008年に世界初演された「アラジン」が5月に再演されるので(こちら)、ご興味のあるかたには、是非足を運んで頂きたいと思います。
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by koharu-annex | 2011-01-05 01:20 | バレエ(新国立劇場)

新国立バレエ 「椿姫」

新国立劇場バレエ公演 「椿姫」
2010年6月29日(火)午後7時~ @新国立劇場

振付: 牧阿佐美
音楽: エクトール・ベルリオーズ
編曲・指揮: エルマノ・フローリオ
舞台美術・衣装: ルイザ・スピナテッリ
照明: 沢田祐二
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

【出演】
マルグリット: スヴェトラーナ・ザハロワ
アルマン: デニス・マトヴィエンコ

伯爵: ロバート・テューズリー
デュヴァル卿(アルマンの父): 森田健太郎
プリュダンス: 西川貴子
ガストン: マレイン・トレウバエフ

農民: さいとう美帆、大和雅美、八幡顕光、福田圭吾
ジプシー: 湯川麻美子、芳賀望
メヌエット: 厚木三杏、吉本泰久
チャルダッシュ: 川村真樹、近藤睦子、長田佳代、丸尾孝子
タランテラ: 小野絢子、八幡顕光、福田圭吾

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2幕はまだ良いとしても、1幕が圧倒的にあかんやろ~(なぜか関西弁。これ以上続けて使えないんだけど。笑)。
名作の誉れ高い先行作品のある「椿姫」について、日本メイドのオリジナル版を作ってカンパニーのレパートリーに加えるという心意気は買うけど、これは・・・つらい。

昨年9月にこの「椿姫」をひっさげて、あのボリショイ劇場で海外公演した新国立劇場バレエ団。
そのときも1日はザハロワちゃんが踊って、「大好評を博した」なんて意気揚々と報告してくれたけど(会報やネットなどでね)、正直、私は懐疑的。

何より私が最も問題だと思うのは、1幕でのマルグリットの人物造形がしっかり考えて固定されていない点です。そのため、彼女の人物造形を表す振付や構成が殆ど見受けられず、テキトーとしか思われない、こつまらない振付と物語進行に終始している。
この点、仮にこつまらない振付でも、そこそこのダンサーが情感をこめれば何とかなるかもしれないけど(2幕はこれで救われている)、1幕はそもそもの土台がグラグラなので、それも望めない。

● マルグリットが自分の病気についてどこまで自覚しているのか(死をうすうす予感して自暴自棄になって享楽的に生きているというストーリー設定もあるので、その点は結構重要)
● 自分を愛人として囲っている伯爵をどう考えているのか(単なる金づるなのか、それなりの情があるのか)
● 今の生活をどう考えているのか(とりあえず満足しているのか、病気が不安なのか、病気以外の点からも空しさを感じているのか)
● いきなり惚れてきた若者アルマンについて最初どう考えていたのか(それなりに歓待していたのか、単にあしらっていたのか、それとも華やかながら倦怠した生活の中で希望の星に見えたのか)

などなどについてよく考えて、かつ、こちら側にそれが伝わるようにしないと、あまりにも薄っぺらくて、見ていてフラストレーションが溜まる。

唯一、1幕で「お!」と思ったのは、音楽。
この椿姫では、ベルリオーズの様々な音楽が編集されて使われているのですが、アルマンがマルグリットに一目ぼれしたり、2人の視線が合ったりするところに、幻想交響曲における、超~有名な、「恋人のテーマ」(固定楽想。ソソードソミミファー・・・♪)が使われていました。恋人のテーマは、まさに「ザ・妄想ベルリオーズ」そのままに、素敵な女性をイメージさせる(そしてちょっと切ないニュアンスもある)メロディなので、若くまっすぐなアルマンが高級娼婦マルグリットにズキューン053.gifとやられちゃうという設定とぴったり合致。
(しかし、ベルリオーズが自ら「器楽によるドラマ」と呼んだ幻想交響曲の中でも、最も有名な恋人のテーマと重ねる点しか説得的な演出がないなんて。。。泣)

ちなみに、固定楽想は、後の歌劇やバレエ音楽などで使われるようになったライトモチーフの元祖ともいうべきもの(と私は理解しているんですが、違ってたらコメント欄でご教示下さいませ)。おそらくバレエ鑑賞者にとって最も有名なライトモチーフは、プロコフィエフのロミジュリの中のジュリエットのテーマ(3種類)ですが、これについては、そのうち別記事で書きたいかな、と(いつっ!?)。

最後に。
この日は旦那と観に行ったのですが、旦那は舞台では理解できなかったらしく、後にパンフレットを読んで、「なにこのストーリー。アルマンの親父が余計なことしなけりゃ良かっただけじゃん!」と。
いや・・・そうなんだけどね。
それ言っちゃ、どんな椿姫もなりたたんよ・・・。
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by koharu-annex | 2010-07-16 01:11 | バレエ(新国立劇場)
新国立劇場バレエ公演 デヴィッド・ビントレーの「カルミナ・ブラーナ」
2010年5月1日(土)午後2時 @新国立劇場

●ガラントゥリーズ(新制作)
振付: ビントレー
音楽: モーツァルト
指揮: ポール・マーフィー
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

【出演】
川村真樹、湯川麻美子、小野絢子、長田佳世、山本隆之、芳賀望、八幡顕光、福岡雄大、大和雅美、寺田亜沙子、伊東真央、井倉真未

好みは分かれるでしょうが、私は好き。旦那は寝てた。
衣装のウエストのところ、もう少しすっきりしてても良かったかな。
スカートの部分は柔らかくて綺麗なんだけど。

あと・・・おーい、トロンボーン!!
分かってるよね。次回は頑張ろう(「次回」があったらだが)。

●カルミナ・ブラーナ
振付: ビントレー
音楽: カール・オルフ

指揮・管弦楽: 上と同じ
合唱: 新国立劇場合唱団

【出演】
運命の女神フォルトゥナ: ヴィクトリア・マール
神学生1: グレゴリー・バリノフ
恋する女: さいとう真帆
神学生2: 八幡顕光
ローストスワン: 本島美和
神学生3: ロバート・パーカー

<序>
冒頭の「フォルトナ」のソロが圧巻。
「おお、運命の女神よ」の大合唱をバッグにしながら、セクシーさすらも漂わせながらの力強い踊りで、ちっとも負けてない。ブラボー!

<第1部 春に>
妊婦達の密やかな雰囲気と、舞台美術&衣装から感じられる春の息吹が、なんだか奇妙に懐かしい空気をかもし出していました。なんかデジャブってる感じがするんだけど、思いだせん。

街の男女の80年代の色調の衣装は、バレエだから許されるダサさですな。
(最近、マスコミで叩かれてる鳩山首相の多色プリントのシャツと同系統)
まあ、そこを狙っているんでしょうけど。

恋する女は、椅子を使ったダンス(かなり危ない振付が含まれてる)がとても上手だった。

<第2部 居酒屋にて>
ローストスワン(=ローストチキンならぬ白鳥の丸焼き!)のアイデアと踊りがとっても素敵。
食いしん坊たちに最後に食べられてしまうのですが、これはセクシュアルな意味での「食す」も含まれていて、品を落とさない限度でちょいと隠微な雰囲気がかもし出されるのも良かった。

<第3部 求愛>
ここは最も難しい箇所だと思う。
この日、友人が小学生のお嬢ちゃまを連れていらしていたんだけど、できればお嬢ちゃまには見せたくなかった・・・。

<エピローグ>
再び、フォルトゥナ登場。素晴らしい。
フォルトゥナのクローン達の中に、「女装した男性ダンサー」が混じっているのが楽しい。

カルミナ・ブラーナは歌曲なので、全編、合唱あるいは独唱がついてます。
人間の声って最高の楽器なんていうけど、これを背負って踊るのは大変で、生半可な踊りだと歌に飲み込まれてしまうことがよくある。
だけど、今回は全ての場面で歌に飲み込まれることがなくて、素晴らしかったと思います。
ビバ・新国! シーズンチケット買ってるバレエ団が成長著しいのは、やっぱり嬉しい。
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by koharu-annex | 2010-05-19 00:24 | バレエ(新国立劇場)
新国立劇場バレエ公演 ボリス・エイフマンの「アンナ・カレーニナ」(全2幕) 日本初演

2010年3月21日(日)午後4時~ @新国立劇場 

振付: ボリス・エイフマン
音楽: チャイコフスキー、アレクセイ・ウートキン、デイブ・ミラー、レオニード・エリョーミン
(全て録音音源)

【出演】
アンナ: ニーナ・ズミエヴェッツ(ボリス・エイフマンバレエ劇場 ソリスト)
ヴロンスキー: オレグ・ガブィシェフ(同上)
カレーニン: セルゲイ・ヴォロブーエフ(同上)
キティ: 堀口純

群舞; ファースト・ソリストとソリストが上記4役の出演者以外ほぼ全員 + コールド選抜、という感じ


この舞台はすごかったですねー。
このときは今年に入ってまだ3ヶ月だったのですが、今年3本の指に入る予感が。

エイフマンの振付は、超絶でものすごく難しい。
PDDの振付に至っては、想像を絶する域。ゲストのロシア人ダンサー3人全員が、体躯も、踊りのスケールも大きなダンサーだったので、すごい迫力でした。

群舞も然りで、配役をみたとき「豪華な布陣だな~」と思ったんだけど、ありゃコールドのダンサーだけじゃ到底無理なレベルでした。
皆さん、よくぞあれだけの振付を踊り切りました。2ヶ月もたって間抜けもいいとこだけど、健闘をたたえます。いよっ!日本一!(←「にっぽんいち」という音が好きなのです☆)

主役のアンナを演じたニーナ。
「アンナ」は、情念という言葉がぴったりの激しすぎる女です。しかも、愛情や感情を向ける矛先を、なぜだかいつも間違える・・・という典型的な破滅型。
ニーナは、顔では殆ど表情を作らず、むしろ淡々とした表情のままにして、感情は身体のムーブメントで表す手法をとっているんだけど、彼女の身体能力がすさまじくて圧倒されました。
最後の自殺シーンは、胸が突かれる思いでした。演出もとんがってたし。

見終わった後、旦那と不安になったのは、「明日からの日本人ダンサーで、この役をやり切れるのか」という点。
聞くところによると、「情念」を顔の表情で作る方が多かったとか。
あぁ、やっぱりそうきたか。普通はそうですわね(特に日本人ダンサーの場合、意外にこれが多いと思う)。

でも、ニーナがこれをやると濃すぎてダメだと思う。
あの驚異の身体能力を駆使した身体表現に、どろどろとした顔の表情がつくと、泥臭すぎて舞台のレベルが数段下がっちゃう感じ。
まるで能面のような表情は、「もう少し表情をつけたらどうなるか」ということを思わざるを得なかったけど、結果的にはあれこそ良かったと思う。
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by koharu-annex | 2010-05-17 23:33 | バレエ(新国立劇場)