もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

五輪男子 その3

今回対象にした選手の方々については、既にGPSの雑感で、演目等についてあれこれ書いているものがあります。各大会の雑感へリンクを貼っておきましたので、ご興味あればそちらに跳んで下さい。

どうでもいいけど、塩原さん(ですかね?)の飛ばし過ぎる実況、なかんずく技術要素に対するズレまくってる論評を、解説の本田さんが時々完全無視しているところが、結構ツボでした。


<スペイン> 2枠
●ハビエル・フェルナンデス(22歳) 総合4位
SP=Satan Takes a Holiday(振付:デビッド・ウィルソン)
FS=ドラマ『ピーター・ガン』より/ハーレム・ノクターン(振付:デビッド・ウィルソン)

今季はNHK杯は5位(SPは2位だったけど)、ロシア杯は3位で、ファイナル進出を逃しました。
いずれもハビエル君の実力からすれば、明らかに物足りない内容だったのですが、彼は五輪のスペイン代表になることがほぼ確実だったので、ピークを五輪に持って行くためにGPSの段階ではのんびり構えているのだろうと思っていました。実際、五輪の演技は、実力を出し切ったとは到底言えませんが、GPSよりかは明らかに仕上がってました。

SP、羽生君が100点超えを叩きだした直後の滑走。この順番は、2人の演目の違いからもアンラッキーだったかな。ハビエル君のSPは、人を食ったような、小技の効いた、でも繊細な振付が次々と繰り出され、それを軽いタッチで軽妙に易々とこなしていくのが肝だと思うの。これは、羽生君の比較的「派手」なSPの後だと、少々霞んで見えちゃうかも。ジャンプが抜群に決まれば、また話は違うのかもしれませんが、小さなミスが続いてしまい、どうにも印象が薄くなってしまいました。

FS、アラはあったもののとても良く動けていて、ハーレム・ノクターンでの「むんむん」ムードも出せてて、久しぶりに高得点か?と思ったら、痛恨のザヤック。これが無ければ台乗り出来ていたでしょうが、それはまあ、言っても仕方のないことですね。


<チェコ> 2枠
●ミハル・ブレジナ(23歳) 総合10位
SP=山の魔王の宮殿にて (振付:パスカーレ・カメレンゴ)
FS=映画『シャーロック・ホームズ』より(振付:パスカーレ・カメレンゴ)

今季は、カナダ杯4位、フランス杯5位。それでもワールドランキングが7位ってところが凄いな。なお、五輪10位というのはバンクーバーと同じ順位でした。

SP、GPSでは後半盛り上がってテンポアップする楽曲についていけていませんでしたが、今回は(一応)遅れることなくフィニッシュ。ただ、超有名楽曲であるだけに後半の盛り上がりを鑑賞者サイドが当然期待してしまうし、ただでさえ序盤の静かで不気味な入りが、それと対象的な爆発力を自然と誘導するように出来てる。後半のステップで大きく動こうと頑張ろうとしていたのは十二分に分かったのですが、それでもこの演目に相応しい勢いは、残念ながら無かったように思います。

FS、冒頭は殺人事件の現場から(笑)。座り込んでいたホームズさん(ヤンキーではありません)、何かに気付いて目線をあげてにやりと笑います。

冒頭で4回転サルコウを2回着氷(最初のはコンビネーション)したのは面目躍如でしょうか。これで勢いづいて、中盤から始まる緊張感ある音楽を背景にしたホームズ君を見せて欲しい、と期待が高まります。

このFSには、つなぎやステップの中に、壁にある何かを掴んだり、スコープを覗いたり、ピストルを構えたり、手帳を見つめたり、手許で何かをパカッと開いてパタンと閉めたり、しーっと口元に指をあてたり、腕を組んで考え込んだり、ポケットから何かを取り出してはしまったり等々の、ホームズ探偵がやりそうな、様々なマイム的な動き(中には通常の腕の振りと見分けがつきにくいものも含め)が、わざとらしくない形で組み込まれています。よくある、立ち止まって行うマイムではなあく、あくまで流れの中に組み込まれています。なので、それがスムーズに自然に決まるととても楽しい。ただ、「あ、今、なんかやった!」と気付いて巻き戻すので、時間がかかってしょうがないわ(笑)。

でも、FSでも、いかんせん体力が持ちません。もう最後は疲れ果てている印象(GPSの時からずっとそう)。ラストのポーズ、おそらくホームズさんが「証拠はこれです!」って片手に何かを掲げてと叫んでいるところだと思うんだけど、1度もバシッと決まったことがないの。残念極まりなし。


●トマシュ・ベルネル 総合11位
SP=映画『脱出』より「Dueling Banjos」(振付:ローリー・ニコル)
FS=オブリビオン、ラ・クンパルシータ、アディオス・ノニーノ、リベルタンゴ(振付:ローリー・ニコル)

今季GPSには出場されていないので、今季演目はいずれも初見。しかし、SPは録画に残っていませんでした(涙)。FSはタンゴですが、タンゴらしい振付やイメージは、最後のリベルタンゴでのステップにほんのちょっと入っていたもの以外、殆ど入っていなかったように思います。そこまで余裕が無かったかな。

とはいえ、トリノ18位、バンクーバー19位からすると、ちょっとジャンプアップした順位で終わったソチでした。


<中国> 1枠
●ハンヤン(えんかん)(17歳) 総合7位
SP=マイナーワルツ/ヴァイパーズ・ドラッグ(振付:ローリー・ニコル)
FS=グルメ・ワルツ・タルタール/美しき青きドナウ(振付:ローリー・ニコル)

今季は中国杯で優勝、フランス杯で4位、GPFでは6位でした。
演技の出来としてはまさに順位通りでした。やはりまだ若いので、自国以外の大会や、大きな大会になればなるほど動きが小さくなるよう。今回の五輪もそういう傾向の中にありました。

彼のSPは、今季の各選手の演目の中でも、3本の指に入るお気に入りです。が、ハンヤン君、緊張されてましたね。彼の萎縮具合を簡単に見分ける方法は、SP途中でやる「ちっちゃなバイバイ」マイムが、楽しげに余裕を持ってやれてるかどうか(笑)。今回は硬かったわ~

もちろん、私でも分かるほど、冒頭のスケートのスピードも速かったし、最初の3Aの幅なんか物凄かった(カメラアングルも良かったのでしょうけど)。でも、ステップのところは、動きが縮こまっていた印象。魅力的な振付なのに、おそらくその良さの半分も、初見の視聴者の皆様には伝わらなかったのじゃないかな。それがとても残念です。

FS、ジャンプの小さなミスがいくつかあったせいか、途中で音楽とずれた箇所が複数あったんですが、それでも最終的にはまとめ上げまして、最後は満足されたお顔でしたね。ローリーさんが振り付けた、正統派クラシック(青きドナウ)の仮面の下に、ブラックで不気味な影を見せる、極めて彼にマッチした個性的な振付け、わけてもステップの途中で見せる不気味な影の「奇妙さ」を前面に出す上半身の素敵な振付を、全て彼がこなしきれなかったのはちと残念。でも、この若さでこの世界を持ち、それに向けた表現に肉薄した彼に、拍手を送りたい。


<ドイツ> 1枠
●ぺテル・リーバース(25歳) 総合8位
SP=Clocks by 2cellos・ランラン
FS=リヴ・フォーエバー、スメルズ・ライク・ティーン・スピリット

今季GPSには中国杯ロシア杯に出場されていて、いずれも7位。そしていずれの演技の印象も、慎重にこなそうという意識が見え過ぎて抒情性に欠ける、というものでした。

特にお若い選手ではありませんが、五輪は初出場。団体戦SP(6位)に引き続き、個人戦でも慎重に演技をまとめていました。何よりGPSよりも明らかに勢いがありました。激戦の中、意外にも(失礼…)入賞をもぎ取り、ちょっとオドロキ(また失礼…)。

舞踊面からいえば、柔軟性のなさはさておき(これくらいの男子選手は沢山いる)、両肩がいつも上がっているのがちと気になる。あと、音楽と合わせようと意識している気持ちは十二分に分かるのですが、ギリギリ添う程度に留まっているのも(テンポに合わせてるだけで終わってる感が…)、残念ポイント。

SP、団体戦では冒頭が4‐2でしたが、個人戦では4‐3を決め、勢いに乗りました。スピード感も見違えるほどあったように感じました。スピンはいずれも、悪い意味で見入ってしまうほど凄く遅かったけど、SPでは5位!もちろんパーソナルベスト更新。本人比で会心の出来だったと思います。

FS、最終グループで、しかもチャンさんの直後の滑走順となってしまい、緊張されたと思うのですが、良く動けていたのではないでしょうか。もちろん、SP同様、音楽表現が浅いのは残念ですが。


次回、日本からです。



[PR]
by Koharu-annex | 2014-02-26 20:44 | 2013-2014 フィギュアスケート