もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

フランス杯 男子雑感

旦那がこの前文だけしか読んでいないことが、先般、判明しました。

日曜も仕事してる旦那~、お疲れ様~!
帰りに牛乳買ってきて~!!


●総合1位 チャンさん(22歳)/カナダ/SP=エレジー(振付:ジェフリー・バトル)、FS=ビバルディ 「四季」より

強い。
強すぎるな、チャンさん。
既にGPFの演技を見ているので、この大会でのチャンさんの身体のキレが良く分かるなあ。

FSの「四季」は超メジャー曲なのでご存知の方も多いと思いますが、この楽曲にはソネット(詩)がついています。チャンさんのFS終盤(3F+2Tコンビジャンプ終了後のスピン辺りから)には「冬」第1楽章が使用されていますが、そこのソネット中には概要、「雪で辺り一面銀世界、冷たい風の中で小走りになっちゃうんだけど、あまりに寒くて歯がガチガチ鳴る」という趣旨の記載があります(←本物はもっと詩的です。念のため)。

このソネットを音で表現するために(=聴いてそれを体感できるように)いろんな工夫がなされています。バス(通奏低音)に積み重なるように、ビオラ、第二バイオリン、第一バイオリン、そしてソロバイオリンへと、ジャ・ジャ・ジャ・ジャ♪(←分かりにくい表現だな。すみません)という音の連続が付け加えられていく部分で、雪がどんどん降り積もっていく様子が表されている。いかにも足を踏みしめて小走りになってるフレーズももちろんあるし、高音のバイオリンで16分音符の同じ音が連続で弾かれるフレーズでは歯がガチガチ鳴っていることが表されている。

足を踏みしめている・・・を表現している音のところで、チャンさんが複数回軽いジャンプ(画面では良く見えないんだけど両脚を相互に打ち付ける仕草が含まれているような気がする)をするところは、とても好きです。


●総合2位 羽生君(18歳)/日本/SP=パリの散歩道(振付:ジェフリー・バトル)、FS=ニーノ・ロータ 映画『ロミオとジュリエット』より(振付:デビッド・ウィルソン)

SPは良かったですが(PB更新)、FSが・・・。不運も重なりましたね、あの冒頭の4回転は既にできてしまっていた氷の溝だか穴だかに足を取られてしまった感じ。瞬間的に真央ちゃんのバンクーバーを思い出してしまいました。

数あるロミジュリの音楽の中でも、私はこのニーノ・ロータのものが1番、野暮チンだと思ってる。メロドラマっぽいというか。羽生君にはもっさりし過ぎてて、羽生君の鋭いパッションと共鳴できない印象。この曲、敢えて誰に似合うかと言えば、ジェイソン・ブラウン君だと思う(理由はジェイソンさんのところを読んでもらえば分かって頂けるかと)。

また、このFSの振付ね、ウィルソンさんの創造性にちょいと疑問を持っちゃうんですよ。振付師として羽生君の魅力を引き出したい、と思っているのは分かるんですけれど、羽生君独特の熱い香りを引き出すことに成功していないばかりか、全て空回りした挙句、観客と羽生君の間に薄い膜まで作ってしまった感じ。もったいないこと、この上なし。


●総合3位 ジェイソン・ブラウン(18歳)/米国/SP=The Question of U(振付:ローヒーン・ワード)、FS=リバーダンスより『Reel Around the Sun』(振付:ローヒーン・ワード)

SPはアメリカ大会でも2位につけているので、得意にしている演目と言っていいかな。今回も自信をもって臨んでいる様子が見て取れました。FSは、アメリカ大会でジャンプミスが複数あって順位を落としたこともあって、SPよりも慎重で「課題を克服しよう」という意識が見て取れました。結果、見事ミスを最小限に抑えて台乗り。気持ちの強さが感じられます。

シニア1年目というのに、身体を大きく使い、動きに勢いとスピードがあり、それでいて所作とムーブメントがとても丁寧で綺麗(この綺麗さは男子選手の中ではトップクラスだと思う)。スピンの回転軸がしっかりしていて、スピード感がある上、柔軟性があるのでポジショニングが極めて美しい。しかも筋肉がしなやか。フリーで入っているバレエジャンプの滞空時間の長さは、バレエで言う上体の引き上げが上手にできている証左。

SPは、特に音楽との調和にも優れている。(FSはアメリカ大会の時も書いたけど、あの音楽では、もっとリズミカルな高速ステップが欲しいと思う。ただ、アメリカ大会の時よりかはそれを感じる場面もあったので、元の振付はかなり意識がされているのかもしれない)。

4回転を回避することもあり、フィギュアスケートの選手としてはトップクラスとは言い難いかもしれませんが、舞踊的な面からみれば現段階でも確実にトップクラスに入る人だと思います。今は柔軟性ばかりが印象に残りますが(実際、高い柔軟性という資質だけで踊っている部分も多いと思う)、今後筋力がもっとついて更にストレッチや引き上げのレベルが高くなってくると、今よりももっと踊りが上手になると思います。

と、ここまで書いておきながら、なんですが。
この方がここまでポテンシャルがありながら損しているところは、全般的に「野暮ったい」ってことです。髪型や衣装が「ちょっとダサめ」は既にアメリカ大会でも書いたけど、ムーブメントそのものも保守的というか前時代的というか・・・なので、髪型や衣装との相乗効果として最終的に「野暮ったい」という印象に落ちついてしまうのかな。

衣装・髪型・動き等の「外見」も含めた表現面での感性も上がってくると期待したいけど、ただ、「野暮ったさ」ってある種の安心感も生むので、敢えてそっち系で渋く攻めてみる(あ、守っているのかも)ってのもアリかもしれない。表現の幅は狭くなるけどね(例えばカントリー系とか、ヒストリカル系とかね)。いずれにしても、今後、彼がどういう方向に向かうか楽しみです。


●総合4位 閻涵(17歳)/中国/SP=マイナーワルツ/ヴァイパーズ・ドラッグ(振付:ローリー・ニコル)、FS=グルメ・ワルツ・タルタール/美しき青きドナウ(振付:ローリー・ニコル)

SP、圧巻だった中国杯(こちら)に比べると小さなミスがありましたが、演目の楽しさと、この人らしいちょっと斜に構えた雰囲気で上から目線で軽く流すようにこなすパフォーマンスは、とても魅力的です。

FS、青きドナウをバックにしてすら漂うこのアナーキーな雰囲気(笑)。ローリーさんが楽しんで振付けた様子が目に浮かぶようです。ミスがあって気持ちも途切れたようで、後半は動きが殆ど止まってしまったように見えたけど、彼は紛れもなく「踊る男達」の1人(いわゆるダンサブルな踊りではないけれどね)。今後が楽しみな選手です。


●総合5位 ブレジナ君(23歳)/チェコ/SP=山の魔王の宮殿にて byエピカ(振付:パスカーレ・カメレンゴ)、FS=映画『シャーロック・ホームズ』より(振付:パスカーレ・カメレンゴ)

チェコは、男子シングルの五輪出場枠が2枠だから、彼はほぼ確定なのでしょうね。なのである程度、調整に余裕はあるのかもしれませんが・・・今季は、ジャンプを跳ぶ前に微妙な躊躇や不安によると思われる、妙な空白時間を感じることが多いような気がする。

カナダ杯の時に、「ブレジナさんは、演目の体力的なハードルを全体的に少し下げた方がいんじゃないかな。ここ数シーズンずっと、4回転を失敗しても失敗しなくても、体力的にかなり手前で限界がきてしまう印象です。」って書いたんだけど、今回は更にそう思いました。最初から体力オーバーのプログラム、つまり絶好調じゃないと完遂が無理なプログラムを組んでいる印象。ジャンプを失敗して体力を削がれるとその後の破綻がお約束になってしまってる。これって、プログラムそのものが彼を追い詰めるという、悪循環になってるんじゃないかと思う。ありていに言うと、もう少し余裕が欲しい。


●総合6位 宋楠/中国/SP=ギターコンチェルト(振付:ローリー・ニコル)、FS=映画『ミッション』より(振付:ローリー・ニコル)

中国杯に続いて2戦目もハンヤン君と同じ大会。ちとこれは不利に出たような。

終始、沈んだようなお顔。ジャンプの調子が悪いのは、この若手の活躍が心理的影響を及ぼしているのも一因ではないかと。エース交代の雰囲気って人を興奮させるものがあり、いやがおうにも世間が勝手に盛り上がるもので。だからこそ、それが確定であっても、未来予想であっても、単なる期待であっても、当事者にとっては残酷。

ところで、SP・FSの双方で、テレ朝実況の阿呆アナが「178センチの長身です。」って文章を一言も違えず複数回繰り出したのには、心底、辟易(私ほとんど実況って無視してるけど、気付いただけで4回あった)。なんであんなに無能なの?それしか手持ちの情報がないのなら黙っとくべき。それとも「何かしゃべっとかないと不安で心が潰れちゃう病」?それなら悪いこと言わないから事務方に転部すべし。

サッカーや野球ってアナ自身が異常に詳しいってことがよくあるけど、フィギュアってたいていダメね。もう中継にアナウンサーって不要なんじゃないの?元スケート選手の解説者2人男女ペアとかでやってはどうかしらね?


●総合7位 アモディオ君(23歳)/フランス/SP=ラ・クンパルシータ、FS=Under The Moon/Happy/バラ色の人生

モロゾフさんから離れて臨む今シーズン。中国杯に引き続き結果が出ないのは、ご本人が一番悔しいでしょうね。どなたか彼のジャンプを改善してくれる良いコーチはいないのかしら。FSではジャンプを複数回転倒したことにより体力が随分奪われてしまったようで、ステップも精彩を欠き・・・このままでは彼の魅力がどんどん減っていくようで、見るのが少々つらい。


●総合8位 マヨロフ君(22歳)/スウェーデン/SP=Khorobushko、FS=Archangel

アメリカ大会に引き続き、低調に終わってしまいました。
彼もジャンプを何とか修正できないものかしらね。
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by Koharu-annex | 2013-12-15 19:46 | 2013-2014 フィギュアスケート