もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

フランス杯 女子雑感

●1位/アシュリー・ワグナー(21歳)/US
SPはレッド・ヴァイオリン、FSはサムソンとデリラ。

私、彼女を数年前、初めて見た時に、「常に身体のどこかに力みを感じる。こういう人は表現の幅が狭い。」という趣旨のことを書いた記憶があるのです。

で、この手のタイプって、基本、強気で一本調子になりがちなわけですが。アシュリーさん、昨季から、一本調子であることについて開き直っている感があります。「これが私の長所なの!」と、より強硬に一本調子を極めていると申しましょうか。
選手生命の短いフィギュアスケート選手において、個性の見極めとそれを生かす演目・音楽選択は必須、というのは私も以前から賛成するところであるけれども、こういう開き直りの道があったかと、ちょっと目ウロコ。

このアシュリーさんの「強気で一本調子」なコンフィデントさが魅力と言われれば、そうなのかもしれません。実際、彼女のこの雰囲気がたまらなく好きという方もいらっしゃるのだろうと容易に想像できるのですが。これは・・・私は、そのうち飽きがくるなあ、たぶん。
私は、彼女の若いアメリカ女子らしい明るさが好きなので、どっちかっていうとカウガールとかやって欲しいんだけどなあ。この路線で突き進まれると、絶対にないよなあ。。。

さて、FSのサムソンとデリラですが、これを極めるなら、もう少し「色気」とか「妖艶さ」が分かり易くあった方が良いと思う。

●2位/エリザベータ・トゥクタミシェワ(15歳)/ロシア
SPはタンゴ(アディオス・ノニーノほかbyピアソラ)、FSは黒い瞳。

実況はSPの楽曲について映画「ある愛の詩」と紹介していましたが、昨季の使用楽曲(アディオス・ノニーノほか)に変更していましたね。「ある愛の詩」は、スケートカナダであまりふるわなかったからかしら?

昨季より少しふっくらなさったので、ジャンプのバランスが微妙に崩れているのかもしれません。が、踊り的に見ると、ふっくらなさった分、妙な貫禄が生まれています。ええ、年齢に不釣り合いなほどの(笑)。
また、昨季よりも体力がついたのでしょう、FSの最後まで踊りの緩急が冴えており、演技に余裕がありました。昨季は途中で息切れが始まって、本来の表現の地力を演技終了まで持続させることができていなかった印象でしたが。

ただ、ふっくらなさったがゆえに、少し姿勢が悪いという欠点も、前より顕わになってます。
バレエのような姿勢は、フィギュアスケートの技術との折り合いが悪いこともあるように見えますので(人それぞれで異なりますが)、そのような姿勢を求めはしませんが、首のライン(そのためには肩や背中も意識する必要があるのだが)をもっと大事にすると良いのにな、とは思います。

●3位/ユリア・リプリニツカヤ(14歳)/ロシア
SPは剣の舞、FSはくるみ割り人形。

高く上がる足、良く動く身体、柔軟性と身体の軽さは相変わらず抜群です。が、今のままだと単なる曲芸(特にSPの剣の舞って曲芸になり易い楽曲だし…)。表現という意味では、意識改革が必要ですかね。

FSは中国杯でも失速してしまいましたが、鬼門になっちゃってますかね。スピン以外の技術でミスを連発。SPで1位に立っちゃうことも、その結果FSではラストに滑ることになってしまうことも、彼女にはプレッシャーが大き過ぎるんでしょうね。難しいなあ。

●4位/クリスティーナ・ガオ(18歳)/US
SPはClose Without Touching、FSはリベルタンゴほか。
相変わらず髪型が残念過ぎる。

技術的な要素の出来は置いておいて、スケートアメリカの時よりもずっと、音楽を表現する意識があったように見受けられました。ただ、彼女は、本来的に踊り心があるタイプではなく、ムーブメントやポジショニングのセンスもあるわけではない。これらはFSでの彼女の身体の使い方を見てもらうと分かりやすいと思う。彼女は柔軟性がなくて身体が動かせないんじゃなくて、身体を稼働域いっぱいに動かして「素敵で美しい動き」をすることを知らないんだと思う。自分の身体の可能性を生かし切れていないと申しましょうか・・・。

なので、音楽表現をより適切に行えるようになるためには、かなりの量のバレエレッスンを真剣に受けた方が良いのではないでしょうか。このままだと早晩、表現面の壁にぶつかって伸び悩みそうです。

●5位/マエ・ベレニス・メイテ(18歳)/フランス
SPはフィーリンググッド、FSは映画「ルーブルの怪人」より

SP、スケートアメリカの時よりもずっと身体のキレがよかった。ジャンプの調子もこれまで見た彼女の中で最も良く、大柄な身体が更に一回り大きく感じました。こういうムーブメントが出来るんだ~と新鮮なほどでしたよ。

FSの冒頭、エジプトの遺跡のレリーフが動き出したようでした!
ジャンプの転倒こそあったものの、振付のこなし具合はスケートアメリカの時よりも格段によくなりました。個性的な振付が多数含まれている上、なんといっても「古代エジプト」という世界観を出さないといけないので、まだ完成形とは言えないかもしれませんが、今でも十分素敵です。

来年、この衣装で「アイーダ」とかだったら笑っちゃうけど、それも楽しそうだな~

●6位/ポリーナ・コロベニコワ(16歳)/ロシア
SPはロミオとジュリエット、FSは白鳥の湖。

SPの衣装、ジュリエットらしくて素敵ですが、スカート部分は、もう少しヒダを寄せるか、もう一枚重ねた方がいいかな。薄い布を少ししか使ってないので、ちとビンボ臭い。あと、メイクはもう少し何とかしようか。
若々しい中に、パステルカラーのような色気のある方です。まずまず滑らかな滑りの上に、柔らかいながらもくるくると若々しい動きが重なり、とても素敵なジュリエットでした。

FSは、白鳥の湖の怖い所が出ちゃいましたね。
白鳥の湖の中でも「超メジャー」な楽曲ばかりのチョイス。超メジャーな楽曲というのは、とても派手でございましてね。下手な演技だと、音楽が鳴り響くだけに、演技と音楽が大きくかい離しちゃう。下手すると、音楽のせいで演技が実体より小粒に見えてしまうという、バレエ音楽の中で最も恐ろしい楽曲。それが、白鳥の湖。
今回のポリーナさんの演技は、まさにその罠に落ちてしまった感じです。

●7位/エレーナ・グレボワ(23歳)/エストニア
SPはTales and legends、FSはブラック・マジック・ウーマン。

SP、レオタードに巻きスカートを巻いたバレエの練習着のような衣装。この衣装も手伝って注目しちゃったのですが、上半身は良く動いているのに、足が動いておらずスケートが滑ってないのが、私にも分かってしまいました・・・。

FSも個性的な衣装でしたが、この衣装や使用楽曲を統合するような統一した世界観を示すところまでには至らず。最後はちょっと疲れちゃいましたかね・・・。

●8位/ジェナ・マコーケル(26歳)/イギリス
SPはイマジンド・オーシャンズ(幻想の海)、FSは花はどこへ行った。

身体(特にお尻)が重いなあ。

SP、デコラティブな真っ赤な衣装だったのですが、この楽曲には少し不釣り合いな気が。海だから青にしろ、なんて野暮は言いませんが、やはり世界観作りには衣装も大切なのではないかと。

使用楽曲(FSの楽曲は有名な反戦歌)はいずれも、そこらへんのジャリンコじゃあ手に負えない大人な楽曲なので、マコーケルさんのような大人でないと、とても御しきれないと思いました。そういう意味では、差別化を図るナイスな選択だと思います。

●9位/ヨシ・ヘルゲソン(19歳)/スウェーデン
SPはシルク・ド・ソレイユ「ミスティア」ほか、FSは映画「バーレスク」より。
順位こそ落ちていますが、身体のキレは中国杯より良いと思いました。

●10位/レナ・マロッコ(17歳)/フランス
SPはNo Hay Problema、FSはロックンロールセレクション。
SPは楽曲も衣装も昨年からの持ち越しですかね。

昨季も同じことを書いた気がしますが、今季も書く。彼女のコケティッシュな魅力を引き出したいだけなんでしょうけど、振付が下品に転び過ぎ(特にSP)。気の毒です、まだ17歳なのに。
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by koharu-annex | 2012-11-23 00:02 | 2012-2013 フィギュアスケート