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もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ロシア杯 女子雑感

●1位/キーラ・コルピ(24歳)/フィンランド
SPは亜麻色の髪の乙女、FSは映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」より。

SPのラストですが。中国杯の時と同様、音楽に遅れてしまい、最後の動作(夢見るような乙女な雰囲気で合わせた両手を片頬に当てる)を慌てて付け足したような印象になってしまったのは、至極残念。
難癖レベルの話ですが、ミニ丈の衣装なのにイブニングドレスの印象を与えることができるコルピさんの成熟した女性の雰囲気には、「亜麻色の髪の乙女」は少しばかり物足りない楽曲かもしれませんね。

私が数年見てきたGPSにおけるコルピさんの演技の中で、今回のSP・FSは2つとも最も調子が良いものだったと思います。
調子が良いだけに、彼女の肩甲骨の稼働域が、もともと少々狭いことが分かってしまうわけですが、彼女の素晴らしいところは、その点を腕の動きでカバーできているところですね。肩甲骨の稼働域が狭い人は、必然的に腕の動きも悪い人が多いのですが、彼女は稼働域の狭さの中で、美しく腕を動かす術を会得しています。だから、決して腕が棒のように見えませんし、あまつさえ、上品に見せてしまうことすらあります。

●2位/グレイシー・ゴールド(17歳)/US
SPはヘルナンドの隠れ家、FSはライフ・イズ・ビューティフル。
カナダ杯の7位から躍進。カナダ杯のときはジャンプのミスが続いたのですが、今回は調子を上げてきましたね。

SPでは、身体のコントロール力がまだ十分ではないものの、音楽をちゃんと聴いて、要所要所のケレン味のある振付を、きちんと音に合わせてこなしていました。JOの時は、ひどく動き急いでいたのですが、あれは極度の緊張によるものだったのかなあ。

FSの楽曲は、私の感覚ではやはり男性向け(特に信ちゃん向け)ですが、そこは置いておいて。
いろんな曲をつなぎ過ぎでは?、というのが率直な感想。ラストもなんだか唐突で・・・。もう少し素敵な編集はできなかったのかしらん。
ただ、FSは振付のこなし方がまだまだな感じなので、もしかすると、長いFSでは必ずこの状態になると見越して、コロコロと変わる音楽でアクセントをつけたり、表現を後押ししようとしているのかもしれないなあ、などと思ってしまいました。

●3位/アグネス・ザワツキー(18歳)/US
SPは映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」より、FSはラプソディ・イン・ブルー。

ザワツキーさんのSPの楽曲、アラブ風のエスニックな香りのする楽曲を選びたかったのならば、わざわざ映画「SATC 2」(!)から持ってこなくてもいいのに・・・と思ってしまう私です。以前からザワツキーさんって、年齢の割にセクシュアルな楽曲や衣装を選択しがちですよね。まあ、そこが、少数派ではあるけれども必ず一定割合存在する、ある種のタイプのティーンズらしさとも言えるのかもしれませんが。本人ではなく周りが、彼女のちょいとエロの香りのする色っぽさを強調しようと選択しているのであれば、少々お気の毒だなと思う次第。

大柄な身体を持つ方の多くに存在する「のっそり感」が見受けられることが多いので、特に、ポジショニングの洗練度を上げていく必要があるように思います。でないと「どんくさい感」が出てしまいますから。

●4位/村上かなこ(18歳)/日本
SPはプレイヤー・フォー・テイラー、FSはタンゴ(ピアソラ)。
お、SP衣装替えしてきましたね。こっちの方が似合ってるかな。こういう流線形をしっかりデザインしたものって、かなこちゃんの動きの良さを強調するような気がします。

彼女の踊りのセンスは、素晴らしいと思います。今回出場した彼女と同年代の選手の演技を、録画で続けて拝見したのですが、かなこちゃんの踊り心の良さはちょっと群を抜いていると思いますね。

ただ、昨シーズンから継続して取り組んでいる、曰く「大人っぽい」路線には、私はやっぱり違和感があります。もちろん、こういう楽曲選択と目標設定も、彼女の表現向上に役立つことは確かですよ。彼女ほど踊り心がある人ならば、どんなことからも何かしら吸収しますから(しかも普通の選手よりもずっと多く)。

ただ、こういう「少し背伸び」というレベルではなく、本来の個性とは離れたタイプの楽曲って、純粋な表現面でもかなり気を使わなければならないし気持ちも萎縮しちゃう可能性があるので、技術の向上との両立が難しいと思います。彼女はまだ技術的要素の取りこぼしが多いですから、楽曲表現の面で無理をさせるのは得策ではないような気がします。

●5位/アデリナ・ソトニコワ(16歳)/ロシア
SPはスペイン奇想曲、FSは映画「バーレスク」より。

SPのタラソワさんの振付、とても素敵だと思うのですが、これを全て完璧にこなすのは至難の業かも・・・と思いながら見ていました。ソトニコワちゃんは、良い線行っていると思うのですが、やはりジャンプの調子がまだ戻っていない(成長した身体に慣れてない?)ので、きついかな~。スケートアメリカの時と同様、アクセントやメリハリをつけようとしているのは分かるし、今の段階ではそれで十分とも言えるのですが、振付がテンコ盛りなだけに中途半端な印象を与える面もあるかな、と。振付のバランスってなかなか難しいですね。

FSはジャンプのミスが続いて体力が持たなかったのか、後半はかなり消耗し、身体が重くて音楽に乗るのが難しいほどでした。

●6位/アリーナ・レオノワ(21歳)/ロシア
SPは映画「スラムドッグ$ミリオネア」よりIndian Hip Hop、FSは海の詩人(ポエタ)。
SPはスケートアメリカよりもずっと身体が動いていて、ああ、こういうことがやりたかったのね、と納得したのですが、FSで撃沈。難しいなあ、2本そろえるって。

SPで感じたのですが、レオノワさん、モロゾフ色がどんどん濃くなっていて、特にステップの際などのふとしたムーブメントがアモディオ君と似てきた気がする・・・。良いんだか悪いんだか。

●7位/ポリーナ・コロベニコワ/ロシア
テレビ放送なし。

●8位/ビクトリア・ヘルゲション(24歳)/スウェーデン
SPはポインシアナ、FSはテレビ放送なし。

●9位/ヴァレンチナ・マルケイ/イタリア
テレビ放送なし。

●10位/キャロライン・ザン/US
テレビ放送なし。
by koharu-annex | 2012-11-17 18:34 | 2012-2013 フィギュアスケート