もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

中国杯 女子雑感

●1位/浅田真央(22歳)日本
SPはアイ・ガット・リズム。
SPの衣装にびっくりしたのですが、これは2005年の彼女自身の衣装とヘアスタイル(同じ蛍光オレンジだけどより少女っぽいデザイン。髪型はポニーテールで髪飾りも同様の蛍光オレンジ)へのオマージュなのですね。
でも、私の好み的には、この衣装は変えてもらった方が嬉しいです、はい。

初めて恋人ができたティーンネイジャー(←勝手に決めてるが。)女子の、恋のうきうき感を歌ったガーシュウィンの不朽の名作。

そういえば、初めての恋って、「切ない」じゃなくて、「うきうき」するんですわよ、奥様。もう随分前に忘れちまってましたわ、おほほほほ。
・・・てなことが、真央ちゃんの踊りを見て浮かびました。練習の時の方が動きが良いような気はしましたが、まるでEXのように肩に力を入れずに、文字通り軽やかに様々なステップを踏んでいく様子に、何故だか心底ほっとしたワタクシでございます。

もちろん、彼女の年齢やこれまでの彼女のこなしてきた演目のキャリアからして、もっと艶だったりショパン的なニュアンスのある演目を望む気持ちを持つ方がいらっしゃるのは、当然だとも思います。また、この演目の中身は言ってしまえばティーンネイジャーの恋のうきうき感のみなので、例えばかなこちゃんのような、弾ける若さが前面に出て、「他は何も考えてない」感じを印象づけられる方のほうが、妙に似合うだろうことも理解できます。

まあ、そういう違和感めいたものを持ってしまった場合は、ちょいと年上のお姉さん(今の真央ちゃん)が、少し傷ついた妹(昔の真央ちゃん)に、「ほら、恋って、人生って、こんなに楽しいんだよ。」と教えてあげているところを想像したらどうでしょう?私は、そんな風にも見えたんですよね。

FSは白鳥の湖。
ジャパンオープンの時よりも、音楽に合ってきましたし、後半にパワーとスピードが出てきたと思います。
ただ、ステップ・シークエンスはレベル3だったので、レベル4と評価されるくらいまで持ってきてくれるでしょう!と期待しています。NHK杯が楽しみだなあ!

●2位/ユリア・リプニツカヤ(14歳)ロシア
SPは剣の舞、FSはくるみ割り人形。
なぜだか理由は分かりませんが、小学生くらいまで生きてるといつの間にか知ってることになる「剣の舞」ですが、今回のアレンジは割と大人っぽいと思いました。
女子FSは旦那と録画を見たのですが、ユリアさんの音楽が鳴ると同時に旦那が「お、金平糖か~」。
くるみ好きの旦那、良くできました。はい、金平糖の精のPDDの音楽ですね。くるみ割り人形の中でも比較的大人っぽい曲のチョイスと言えるでしょうか。

素晴らしい柔軟性とポジショニング。
ですが、幼い方特有と言っていいのかもしれません、「ええっと、音楽ちゃんと聴いてますか~?」と言いたくなる仕上がり。また、身体能力が高い選手のもろ刃の剣といいましょうか、あらゆる動きを同等にちゃきちゃきとこなせるだけに、音楽に沿ったムーブメントを心掛けないと無機質になってしまう落とし穴が。

FSの方が腕の動きは良かったと思うのですが、ジャンプの失敗で振付と音楽がずれちゃいましたかね?遅れを取り戻そうと、音楽を無視してばーっと動いてしまったようにも見えました。音楽を無視すると、もう踊りとか表現とは言えなくなるからなあ。

一般論として、才能にあふれた年若い少年少女達の演技を見ることに、楽しみが存在することは確かです。
しかし、私はやはり身体表現が好きなので、当該少年少女達がまだ「表現」に手をかけていないレベルだと、正直に言ってしまうと興がそがれてしまいます。そのため、ワタクシ、今の彼女のパフォーマンスには、申し訳ありませんが殆ど心を動かされません。

当然のことなのでしょうが、彼女の意識の中心は技術的なことにあると思います。実際、スピンやスパイラル時に見せる柔軟性は、現在の選手の中で右に出る者がいないと思わせますし、私には良く分かりませんがジャンプの技術もすこぶる高いとのこと(安藤さんやみどりさんの14歳当時と比べてどうか、という点は聞こえてきませんので、私にはレベルが判断できませんが)。
そのせいか、特にSPでまず最初に感じられたことは、まさに子供らしいとも言えるほどの鼻っ柱の強さで、「すごいでしょ、ね、すごいでしょ?!」という意識(笑)。こういう意識は、表現という意味からは邪魔になることが多い。

とはいえ、このポテンシャルの高さは凄まじい。
ユリアちゃんも、少し上のタクタミちゃんやソトニコワちゃんのように(彼女らも表現的にはまだまだだが)、そのうち「表現」の方に目が行く日がきっと来るでしょう。
その時を楽しみに待っています。2シーズンくらい先かな~

●3位/キーラ・コルピ(24歳)フィンランド
SPは、亜麻色の髪の乙女。
なんて美しい衣装なんでしょう!!毎年、彼女の衣装は本当に素晴らしいけれども、今年も期待を裏切らない美しさです。金色のキラキラが、髪の色とマッチしていて、素敵すぎ。

「亜麻色」って、難しい色なんですよね。単純に金髪を指すこともあれば、グレーがかった色を指すこともあり、茶色がかった色や栗色を指すこともある。私が、亜麻色に混乱があることを知ったのは、このドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」をピアノで習った際ですね。「亜麻色ってきれいな言葉だけど、いったい何色?」と思って辞書や色辞典を調べたら、バラバラだった。その後、漫画「パタリロ!」のマライヒの髪の色が「亜麻色」ってことになってて(記憶違いならごめんなさい)、漫画のカラーページは金髪で統一されていたのですが、アニメだと栗色だったりしたので、やはり混乱しているんだな~と。

本題に戻ると、今回のコルピさんの演目に限っては、「亜麻色」=ずばりコルピさんの金髪で!・・・ってことが言いたかった(笑)。
今回のコルピさんはジャンプの失敗があり、音楽に遅れてしまったのが残念でした。

FSは、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」より。
これまた素敵な衣装です。

単純に切ないというだけでない、救われない映画なんですけど、モリコーネの音楽はどこまでも心に響きます。
彼女はデボラを演じるというよりかは、楽曲の雰囲気を借りたのでしょうね。デボラなら、アマポーラから入って欲しかった私の願望ありきの結論ですが。

ただ、「大人の心」を持っていないと御しきれない深みのある音楽です。特にステップ・シークエンスのところと、コレオ・シークエンスのところは、そういう音楽。その音楽を御しきっただけでなく、見事に味方につけ、美のカリスマのようなオーラで場を圧して演技するコルピさんは、やはり、単に綺麗なだけな人ではないのでした。

●4位/長洲未来(19歳)US
SPはダウンヒル・スペシャル(byペニー・グッドマン)。
大人っぽくなって、ムーブメントの印象が大きくなりました。大人の色気が出てきた彼女に、この衣装は似合いますね。

手足が長く、日本人特有の華奢さがあまりないためか、ゆったりとした動きを余裕をもって上手にこなします。その大きかったり、余裕があったり、ゆったりしているムーブメントの中に垣間見える柔軟性と、抜群の音楽性の高さ。
スウィング・ジャズの名手の音楽に乗って、まるで古き良き時代のミュージカル映画か舞台の中の、往年の名女優のような貫禄と余裕のある動きです。彼女は血筋的には日本人100%だそうですが、私が感じる彼女のムーブメントの印象としては、同じUSのレイチェル・フラットさんのように、いかにもアメリカ女性的なカテゴリに入ります。

「そこはもっと細かく音を拾って、もっとスウィング感を効かせて踊って!」と思う方もいらっしゃると思うけれども、上で述べたような「往年の名女優」はちゃかちゃかとは動かないから、私はむしろ、ゆったり貫禄を持ったムーブメントの長所をこのまま伸ばして欲しいと願う次第。

FSは、交響曲第3番ハ短調(サン=サーンス)。
うーん。クラシックだと、「ゆったりとした貫禄」ではなく、少し重さを感じてしまうかなあ(苦笑)。

●5位/李子君(15歳)中国
SPは黒い瞳、FSは眠れる森の美女。
シニアのデビュー戦だそうですが、FSを棄権されたコウ・ヒョウワさんに何となく似ている気もする、愛らしい顔立ち。少しだけ開き始めた牡丹の花のつぼみのような、将来の「華」を確信させるものがあります。特にFSのピンクの衣装では、音楽も手伝ってアイドル的な可愛らしさも。

FSではバレエの振付を模したような動きがありました。本人にも、音楽をちゃんと聴いて、これらの振付をきちんと踊りたいと頑張る意識がみられました。しかしながら、いかんせんまだ身体のコントロール力が足りなくて、振付をこなしきれない印象です。

●6位/アメリー・ラコステ(23歳)カナダ
SPは、映画「最後の誘惑」より「奇跡の始まり」。
ギリシャの文豪カザンザキス原作の映画。上映当時はキリスト教団体から激しい反対運動があったことでも有名。大方の推測がつくように、マグダラのマリア系+ユダ福音書系っていうか(「系」って・・・)。

なので、この映画のサントラがスケートに使われることって時々あるけど、毎回、ちょっと心配になったりもするのでした。
ラコステさんの演じる女性はマグダラのマリアなんでしょうか?そうだとすると、踊り子のような振付からして、「罪の女」時代のマリアさんなんでしょうか・・・?

FSは、ラプソディ・イン・ブルーほか。
ジャンプの調子が悪く何度も転倒してしまったせいか、体力を消耗してしまった印象です。


●7位/ヨシ・ヘルゲソン(19歳)スウェーデン
SPはシルク・ド・ソレイユ「ミスティア」ほか。
衣装とメイクがシルク~ぽいといえばそうかな。彼女のような大柄な選手が着こなすと、迫力が出て、有無も言わさず「何だかとっても似合ってる!」と思わせるパワーがあるような。

衣装の強さにパフォーマンスが追いついていけなかったのは残念でした(ラストのポーズは彼女にしか似合わない素敵なものでしたが)。

FSは映画「バーレスク」より。
大柄な方がセクシーな衣装で転倒すると、なんだか2割増しくらいで痛々しくなるなあ。。。
彼女の体型を見ると、つい、第2のコストナーさんを目指して欲しいなあ、と思ってしまいます。頑張れ。

●8位/張穎/中国
テレビ放送なし。

●9位/ソフィア・ビリュコワ(18歳)ロシア
SPはテレビ放送なし、FSはトゥーランドット。
FSは、昨シーズンから衣装も演目も持ち越し。ジャンプの調子がイマイチで、後半、少し疲れましたかね。明らかにスピードが落ちてしまった印象です。

●棄権/コウ・ヒョウワ(18歳)中国
SPはセーヌ・ダムール。
ジャンプの調子が悪くて乗り切れないまま。FSの前に棄権なさったようです。
GPSは今大会限りとのこと、また来季にお会いできますように。
[PR]
by koharu-annex | 2012-11-06 00:35 | 2012-2013 フィギュアスケート