もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

中国杯 男子雑感

●1位/町田樹(22歳)日本
SPはF.U.Y.A.、FSは火の鳥。

今季の町田さんは、シーズンの早い段階から、かなり高いレベルにまで作品を仕上げていますよね。
SPもFSも、音楽がきっちり体に入っています。振付の咀嚼具合は、通常は完成に至っていると言ってもよいほどで、全くもって素晴らしいです。シーズンが進むと、完成のはるか先にある「完熟」まで行くのではないかと、正直ベースでとってもワクワクしてます。
しかも、それがSP・FSの2本ともです。これは、全日本終わったあたりで、町田祭りをしなきゃならんのじゃないかと、そんなことまで考えています。

以前から「よく動ける」人でしたが、決して、器用な人ではないのですよね。
今季のSPとFSの動きを取って見ても、振付をあそこまで咀嚼しているにも関わらず、不器用さを感じさせます。具体的には、動きと動きの間の身のこなしや身体コントロールの高低、音とムーブメントの合わせ方が天性によるものかむしろ努力によるものかという点(同じタイミングであったとしても微妙に印象が違う)、ポジショニングの美しさや決まり具合の点、等々。
既に「完成」に近い町田さんのパフォーマンスに、未だどこかあか抜けない印象が残るのは、この不器用さがそこここに潜んでいるからだと思います。

しかし、少なくともSPにおいては、この不器用さやあか抜けなさが残っていることが吉と出た感じです。ドヤ顔が歌舞伎や大衆芸能の見得のようにも見えるため、その点も含めて、少々泥臭い作品としてこの演目を完成させているように感じます。

FSでは、バレエ作品がオリジナルであることを念頭に置くと、ムーブメントに今一歩の洗練さを望みたいところですが、私は今の「町田色」の火の鳥も充分に魅力的だと思っています。火の鳥が王子に驚いて動揺しておののくような様子、不器用に羽ばたいて事態を改善しようとするかのような様子、なんだかとっても味わい深いです。

●2位/高橋大輔(26歳)日本
SPはロックンロールメドレー、FSは道化師。

SPは、初見であります。ほーーーーー!こういう感じなのね。この踊りの動きの滑らかさは、本当に他の選手とはレベルが違います。まさに別格です。町田さんの後だからじゃないですよ~、誰の後に見ても、私、必ずそう思います(笑)。

ただね、今回、スピードや踊りとしての動きのキレは良くない印象。特にFSは、ええっと、お腹でも下しちゃいましたか?って感じ。何かあったんでしょうね。。。靴が原因という情報もきいたけど・・・それだけとは思えないなあ。だって、SPと比べても、身体に力が入ってないというか、心ここにあらずというか、明らかに空虚な感じがしたもの。今回のFSの高橋さんの中に、カニオ(道化師の主人公)はいなかったね。影が見えたことはあったとしても。

まあ、彼のことだから何とかするでしょう。NHK杯を楽しみに待っています。

●3位/セルゲイ・ボロンフ(25歳)ロシア
SPのテレビ放送はなし、FSはロミオとジュリエット(byニーノ・ロータ)
ロミオにしてはカジュアルな衣装だなあと思いながら見ていたのですが、この衣装(とそれが妙に似合ってしまう大人な印象)も相まって、分別が付き過ぎてロミオ特有の「熱」を出すのが少し難しいように感じました。

●4位/アダム・リッポン(22歳)US
SPは「誰も寝てはならぬ」、FSはMr.インクレディブル

くりくりヘアーだった髪型を心機一転、短髪に。コーチが変わったことも影響しているのでしょうか。
昔、アメリカでバレエを見に行ったら、前月までは普通の髪型だったのに、突然、短髪になっていたダンサーがいらっしゃったのですよ。どうしたのかと思ったら、お父様が軍人で、ご本人も軍隊に入る決意をされ、ダンサーとしては今日が最後の舞台であること、観客の皆様にご挨拶する趣旨で敢えて軍隊用の短髪で出演した、とプレイビルに書いてあったんです。リッポン君の短髪を見て、久しぶりに思い出してしまいました・・・。

さて、リッポン君のSPトゥーランドットですが、衣装や振付からすると、オペラのストーリーやキャラを演じるのではなく、楽曲の雰囲気を借りるタイプなのでしょうね。
リッポン君の個性や、本来持っているムーブメントのタイプから、彼には抒情的な響きが良く似合いますが、今回のアレンジはその路線に沿ったものだと思いました。ただ、パフォーマンスとしては、まだまだ振付を追っかけている印象で、抒情性がストレートに伝わるところまでには至っていないと思います。

FSは衝突事故の直後の演技ということで、序盤は明らかに動揺が見られました。思いのほか早く立ち直りましたが。
私はこの映画は未見なのですが、衣装・振付・音楽から推測するに、楽曲の雰囲気だけを借りていたSPとは異なり、こちらは少々キャラ立ちさせたり、またはストーリー展開させているように見えます。どこまでお芝居的に演技する予定なのかは分かりませんが。いずれにしても、今回は非常にやりにくい状況でしたので、本来の演技からは遠かったと思います。次回に期待です。

●5位/ケビン・レイノルズ(22歳)カナダ
SPは昨季から持ち越しのチェンバーメイド・スイングでしたが、ジャンプの調子が悪く、乗り切れないまま終わってしまいました。

私は、彼の表現の地力は小さくないと思っているのです。ところが、特に昨年あたりから、ジャンプの調子が悪いと、もう何もかもが悪くなってしまうと言うか、気が抜けたような演技になってしまうのです・・・。みるみる気落ちしていく様子が手に取るように分かると言うか。もちろん、シングルの選手にとってジャンプは極めて重要な要素なのでしょうけれども、他の良いところまでジャンプの調子に引きずられてしまうと、何だかとてももったいないような気がします。

FSはテレビ放送なし。

●6位/王一/中国
テレビ放送なし。

●7位/関金林/中国
テレビ放送なし。

●棄権/ブライアン・ジュベール(28歳)フランス
SPは昨季から持ち越しのジェネシスほか。
ジャンプにこだわりのあるジュベールさんだけに、ジャンプの失敗は気落ちする材料になってしまうのでしょうが、今回は最初から身体のキレがあまりなかったように思います。スピードが今一つで、身体が重そうでした。
FS棄権となってしまったのは残念でしたが、次のフランス杯に期待しましょう。

●棄権/宋楠/中国
SPはテレビ放送なし。宋楠くん、昨季見たとき、随分のびしろがありそうだったから今季も見たかったのだけどなあ(中国杯なんだから、せめてSPで1人くらい中国人スケーターを放送してくれてもいいのに)。

FS直前の6分間練習でリッポン君と衝突し、顔面打撲で棄権となってしまいました。気の毒なアクシデントでした。。。お怪我は大丈夫かしら。ご快復をお祈りしております。
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by koharu-annex | 2012-11-10 23:31 | 2012-2013 フィギュアスケート