もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カーニバルオンアイス 2012

スケアメの録画が見たくてたまらないけど、やはり順番通りカーニバルオンアイスから。

●あっこ姉さん/キルビル
複数のフィギュアスケーターが滑っている、聴きなじみのある音楽を使用されていますが、この人らしいスパイスが効いた演技でした。特に、時折見せる低い姿勢でのムーブメントがかっこ良いです。

今季のSPだそうですが、冒頭の3-3とか試合を想定した滑りにはしていなかったようなので、GPSで見ることを楽しみにしています。

●リード姉弟/Seven Brides for Seven Brothers
うわ~、序盤に衣装の裾フリルがブレードに引っ掛かって、フリルが破れてぶら下がってしまうアクシデント。危ないし、見栄えも悪くなるし、気の毒なことこの上なし。

こういうアクシデントって、舞台でも2回ほど見たことあるんですが、これスタート直後に起こると後が長くてつらいですね。そういえば、アルゼンチンタンゴの大会のテレビ放送でも、衣装のレース(フリルではない)にあのタンゴ特有の細いヒールが引っ掛かり、いつもの高速足さばきができなくなったのを見たこともあったなあ。

衣装によって気を付けるべきポイントがあるのだとは思いますが、やはり「運」もあると思われます。あまり気にせず次回頑張ってほしいです。

●キャンデロロさん/サタデーナイトフィーバー
お尻にタッチさせられた女性は、今頃お元気でお過ごしでしょうか(笑)。

まるまるしてきたお体も愛嬌がありますね。往年のファンの中には、この体つきやちょっと薄くなってきた頭頂部に、少し寂しさを覚える方もいらっしゃるのかもしれないけど。

若い10代くらいのファンの方々は、「なんでこんなおっさんに盛り上がるの?」って思うんだろうなあ。キャンデロロさんの絶頂期は長野五輪で、私は例の友ほか友人複数で長野に乗り込んでいたわけですが(フィギュアのチケットは取れなかったんだけど)、あの当時の盛り上がりを口で説明しても、過不足なく伝えるのはちょっと無理だな。それくらい凄い人気でした、ロロさん。

●キミー・マイズナーさん
私は彼女のことを殆ど知らなかったのですが、2006年のワールドで優勝した後、怪我などの理由からスケートから離れていて、今季から復活しようと頑張っていらっしゃるのだとか。

どの選手にもご苦労があり、皆さんそれぞれ順風満帆のスケート人生を送っているわけではありませんが。それでも、フィギュアスケーターが氷上に立たない時期を長く過ごすということは、復活に向けて最も努力と忍耐が必要であると思われます。

アメリカ女子は層が厚いと聞きますが、その中で上っているけるよう、頑張ってほしいなあ。

●カート・ブラウニングさん/Nyah
ミッションインポッシブルⅡのサントラからですね。
MIⅡって良くも悪くも「ジョン・ウー」で、香港映画っぽいいきなりのスローモーションとか、メロドラマっぽい音楽の使い方が印象的。このNyahも非常に印象的なシーンでした(必然性があるかどうかはさておき)。

フラメンコというのは、男女を問わず、年齢を重ねたダンサーにしか出せない領域が広く深く存在するダンスの1つだと思います。(能はその領域の方が広い。逆にバレエは「重ねた年齢」にもよるけど、そういう領域は相対的に少ない。)
たとえば著名なフラメンコダンサー小島章司さんは、かなりのご年齢なのだけども(ちなみに小島さんは「スパニッシュダンス」という言葉を使うと、「それは『もどき』を指す言葉。フラメンコとちゃんと言いなさい。」と訂正されます)、小島さんの年齢でしか出せない踊りが確実にある。

さて、カートさん。
怠ることなく鍛錬を続けてきた「踊る」身体も、薄くなって刈り込んだ頭も、一つ一つのムーブメントも、何もかもが「カート味」になってます。
噛めば噛むほど味が出る、ほんにあなたはスルメのような・・・とは漫画か何かのセリフですが、余計な水分とともに煩悩のようなものが長い年月の間にすっかり蒸発し、味が濃くなっていますね。

もちろん、年齢を重ねると「できない動き」というものが出てきます。しかし、できない動きがあるが故に、「できる動き」にそれ以上の何か(味だったり、情感だったり)を込めることができる。
人生って、良くできているなあ、と思います。

関係ないけど、森泉さんに意見を求めて無理にコメント言わせる必要はなかったね。

●成美ちゃん・トラン君/ランナウェイ・ベイビー
今季のEXだそうですが、この2人にぴったりの楽曲を選んでいますね。

五輪シーズンに向けて頑張っていらっしゃるので、どうにか国籍問題をクリアして頂きたいものです。政治が安定していると、こういうところまで配慮する余裕も出てくるのでしょうが、政治があまりにも不安定であるため、官僚の「前例がない」から一向に進まない。考えると少しブルーになります・・・。

●小塚君・バトルさん・カートさん/ギターコンチェルト
この演技に小塚君の課題が凝縮されていると思いました。
もちろん、小塚君は、この演技に際して非常に緊張もしていたし、気分も高揚して「普通じゃない」状態だったと思います。加えて、3人(+ギタリスト)が氷上に乗るというイレギュラーな形態で、位置取りや動きを合わせることに、通常ではありえないくらいの気を使わないといけないでしょう。その分、ムーブメントそのものへの集中度がどうしても落ちてしまう。それも分かってる。
しかも、スケーターの2人はバトルさんとカートさん、そしてギタリストは布袋さんで、尊敬する人ばかりで、「絶対失敗しちゃいけない」というか「成功させたい」という気持ちも大きいでしょうから、妙な冒険はできない。

でも、逆に言うと、そういうところが全部分かっちゃうところが、つらいところ。
なんで分かっちゃうかというと、動きが萎縮してるから。
伸びきらないのさ。溜めきれないのさ。
バトルさんとカートさんという名手2人と一緒に滑ってるから、よけい目立っちゃうのね。この2人は、音楽に乗せて心を解放すること、そしてその心の解放具合にムーブメントを連動させることが実にうまいですから。

もちろん、小塚君は現役選手ですから未だ「生食OK」のイカで、バトルさんが「一夜干し」、カートさんは完全に「スルメ」、という違いは非常に大きい。
実際、こういうショー的な形態への「慣れ」の問題もあると思います。例えば、カートさんもバトルさんも、3人の位置取りや動きを合わせることに一定の気をまわしているはずです。しかし、「目の端であとの2人を確認する」作業を行っているのが、小塚君は鑑賞者サイドからも頻繁に認められるのに対し、あとの2人はあまり目につかない。これは、こういう場面への慣れの程度が影響している部分も大いにある。

ただ、「気にしなくちゃいけないこと」があると、動きがあっという間に委縮してしまう小塚君のこの傾向は、少しずつ克服していった方が良いと思います。今回の演技は、このことを再確認する意味においては非常に意義深かったと思います。

小塚君のような傾向があると、次の振付を追ってばかりいる、あるいは振付を淡々とこなし続けているだけのように感じられ、堂々とした演技に見えないし、なんといっても伸びやかさに欠けます。「次はああ動かないといけないから」と考えて、現在のムーブメントの溜めが少なく、結果、3人の中で若干動きが小さく早めなのに対し、バトルさんとカートさんの滑りは非常に伸びやかで、音と合わせることを目的に動いているように見えます。音が伸びていく最後の瞬間まで振付のムーブメントを伸ばそうとするのね。

小塚君にはバトルさんやカートさんのような伸びやかさと、その表裏一体となる「音楽を感じて、音楽に最後まで合わせる」スキルを手にして頂きたい、また音取りは「遅め」でちょうど良い音楽がこの世には沢山あることを知って頂きたいと切に願います。

それにしても、布袋さん、頭大きいなあ。遠目に見るとコロッケさんかと思っただよ。

●高橋さん/ブエノスアイレスの春
先に滑ったヤグディンさんのタンゴは「男1人」でしたが、高橋さんの方は相手の女性が見えるタンゴですね。

EXナンバーということもありますが、艶のあるパフォーマンスでした。何度も相手の女性を抱き寄せるようなニュアンスの振付や、身もだえするようなムーブメントが仕込まれており、宮本さんも憎いのお。こんなの見せられたら、やっぱり「ズタボロなホセ君」(こちら参照)を高橋さんにやって欲しくなりますわねえ。

こんなに色気のあるスケーターは他には思い浮かびませんわよ。それが日本人ってところに、世の変遷を感じます(あぁ、また年寄りじみたことを言ってしまった)。

●チャンさん/ティルキングダムカム
Coldplayって良い曲が多いけど、何故だか記憶に残りがたいんですよね。この楽曲もすっかり忘れてて、チャンさんの演技を見て、最初聴いた際に「forever and ever なんかよりも、till kingdom come の方がちょっと知的な印象があるのかな?文語的とか?・・・ネイティブの友達に訊いてみないと。」と思ったことを思い出しました。もちろん訊いてません・・・どうなんでしょうか?

楽曲の影響も大きいと思うのですが、チャンさんも何気に悩んでいるんだろうなあ・・・などと思ってしまいました。

●真央ちゃん/メアリー・ポピンズ
原作のメアリー・ポピンズって、結構きちんと厳しいナニーで(笑)、優しい・可愛いばかりじゃないのですが、この真央ポピンズは可愛く楽しい演目に仕上げてますね。ふわりと優しく広がるたっぷりとしたスカートといい、レースやリボン使いといい、佐藤さんのおっしゃる通り、子供達がスケートをやってみたいと思わせる効果抜群。

今季の真央ちゃんにも魔法の言葉を。
スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!!

●プル様/The Prophet
現役続行なので当たり前だと言われればそうなんですけど、身体をちゃんとメンテナンスして怠らず鍛錬されていますよね。

ザ・プル様の振付といい、それを圧倒的な迫力と動きでこなしていく様子と言い、「王者はチャンさん」という通説がある中でも、「王者」という言葉が似合う人はプル様なのだということを感じさせます。
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by Koharu-annex | 2012-10-22 16:46 | 2012-2013 フィギュアスケート