もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ジャパンオープン2012

●ミハル・ブレジナ/アンタッチャブル
昨季から持ち越したのですね。
確かに、とても良い演目にもかかわらず完璧にこなせたことは無かったような。大きな問題は、この演目のハードさに体力がついていかない点だったように記憶していますが、今回のパフォーマンスも、その点は同じですわねえ・・・。

●小塚崇彦/ロンド・カプリチオーソ
・・・あのさ、どうでもいいことだけども、「ロンド・カプリチオーソ」だけだとメンデルスゾーンのピアノ曲かと思っちゃうのよね。サン=サーンスのバイオリン曲なら、「『序奏と』ロンド・カプリチオーソ」って、ちゃんと「序奏と」を付けてくれないとな~。心の準備ってものが。

さて、小塚君。
まず目に入るのは衣装。コメント下さった方が「ティッシュが増強されている」とおっしゃっていたのですが、まさに!また、首~肩にかけての金飾りは、若干多すぎると言うか、端的にいうとヘビー過ぎるかなあと。
でもまあ、衣装なんてのは、小塚君が気持ちよく滑るのに支障がなければいいですよ、ええ。

事前インタビューで、概要、「自分をアピールするのは得意じゃないので、日本人の秘めたる美というか、うまく雰囲気を作って、周りの人を引きずりこむ」という話をされていますが。
私、そんな大上段に構える必要はなく、というかそれ以前の問題として、やるべきことは「心の解放」だと思うぞ。
心の解放具合が足りないことは、カーニバルオンアイスを見ればもっと明らかなので、この点はカーニバルオンアイスの雑感で。

●パトリック・チャン/ラ・ボエム
プッチーニの名曲オペラ「ラ・ボエーム」は信ちゃんに良いなあと思っていたのですが、チャンさんが先にボヘミアンになりましたか。
スケート自体は伸びやかに感じられましたが、転倒があまりに多くてグダグダになってしまいました。

19世紀パリに暮らすボヘミアンの愛と青春、そして死。
そんな雰囲気を出そうと努力しているのはよく分かりました。今季、どんな作品に仕上げてくるのか、楽しみです。

●エフゲニー・プルシェンコ/ロンド・カプリチオーソ
えええ?ロンド・カプリチオーソ?ロミジュリ(by宮本さん)じゃなかったの?!
メンデルスゾーンを期待したけど、やっぱりサン=サーンス。小塚君ともろかぶりかあ。

おお、曲が同じサン=サーンスの瀕死の白鳥に変わったぞ。
それでこの衣装なのね!

ありゃ、また音楽が変わったぞ。これは・・・サン=サーンスの死の舞踏?!
それで、黒部分が多いのね!
瀕死の白鳥つっても、黒部分が多すぎるんじゃあ・・・と思ってたのよ。納得。

白鳥を模した動きが入っていたため、曲順から単純に考えると、「ぶいぶい言わせてた白鳥が落ちぶれて瀕死になり、最期にあがいてみたものの力尽きる。」みたいな悲しい感じになっちゃうけど・・・これは素敵な演目になると思いました。ロミジュリも見たかったけど、この完成版も楽しみです。

●高橋大輔/道化師
おお、イタリアオペラ。そういう意味では、チャンさんとのガチンコ対決ですわね。
あの名作「道」もイタリア映画でしたし、イタリアの道化師ってだけで高橋さんには縁起の良い感じがしますが、どうでしょう。

暗く哀しく重い曲調ですが、高橋さん、負ける要素が何一つありません。
ラストの悲劇的な破滅に至るまで、全体を通して、道化師の内面の苦しさ・哀しさ、そして葛藤に徹する内容。この重さをFSという長さの間継続できるのは、高橋さんしかいないと思います。そんじょそこらの選手じゃ、途中で破綻しちゃうと思いますね。

一部小さなミスがありましたが、ジャンプのなんと軽やかなことでしょう。ジャンプがあまりに軽やかで振付の中になじんでいるため、よくフィギュアスケートで見受けられるような、「演技がジャンプに引っ張られる」ことが全くありませんでした。そこも素晴らしかったです。

それにしても、先日の安藤さんの今季GPS欠場ニュースを拝見したワタクシとしては、モロゾフさんの映像が流れると、ちょっと心穏やかじゃないわ~。

●エレーネ・ゲデバニシビリ/ドン・キホーテ
肩のテーピングが痛々しい。が、上半身の動きは良かったと思いますよ~
転倒もあって最後は体力がもちませんでしたが、ドンキホーテの中から楽しく乗りの良い曲が沢山選択されていますし、万全の身体で臨めばゲデ子ちゃんらしい明るく楽しい仕上がりになるのではないでしょうか。

●鈴木明子/シルク・ド・ソレイユの「О」
これまでご本人もインタビューで難しいと話されていましたが、まさにチャレンジングな楽曲(編集)だと思います。表現の地力が強いあっこ姉さんならではの選択。

水辺の鳥をイメージしているとのことで、元ネタの「О」とは想定している世界観が違うのですね。オリジナルの「ぴちょーん・・・ぴちょーん」とした世界観(通じないだろうな、これじゃ。苦笑)、私は結構好きですが、今回の「水辺の鳥」バージョンも非常に良いですね。

クジャクの羽根のような紋様が入った衣装も、とても素敵でした。若いじゃりんこには決して着こなせない衣装。
この衣装も相まって、冒頭、他の小鳥の声に気付いて顔を上げて辺りを伺う様子が、まるで不思議の世界の早朝の水辺を見ているようでしたよ!
朝陽の薄い煌めきの中に、見たこともないような世にも美しい鳥が羽を広げ、一日が始まって行く様子。辺りの森の様子まで見えるようです。その森の色合いが、淡かったり、キラキラしたり、時に薄グレーな風にみぞれが混じったり・・・そんなところまで見せることができる。
やっぱり、ただもんじゃないです、あっこ姉さん(笑)。

ジャンプでの数度の転倒は残念でしたが、これからが本当に楽しみです。私、既に大好きです、このプログラム。

●アグネス・ザワツキー/ラプソディ・イン・ブルー
昨季からの持ち越しですが・・・何もかもが残念でした・・・。

●アリョーナ・レオノワ/海の詩人
海の詩人はポエタの中の曲ってことで、ポエタといえば、スペイン国立バレエ団。
来年、スペイン国立バレエ団が来日するんですよね(こちら参照)。旦那が大好きなので一緒に行きたいなあと思っているのですが、どうなるかな。

まだ大雑把にしか振付や世界観を理解していない感じですね。
ただ、もしかすると、想定されているそもそもの振付や世界観が今一つあやふやなのかもしれません。
ベタ過ぎるほどの「ザ・スペイン」衣装と髪飾り。にもかかわらず、振付や世界観は、ちょっと「ベタ」とは違う感じがするというか、迷いがあるような気がする。
これはモロゾフさん振付ですかね?うーん、だから中途半端なのか?(もしかしてものすごく失礼?)

●浅田真央/白鳥の湖
既にコメントで何度か触れたところですが、記事しか読まない方も沢山いらっしゃるので一応。
白一色(+金銀)じゃなく、グレーの射し色があるところが見事です!
真っ黒はないけど、グレーあり。これこそ、オデット(こちら参照)。
衣装もタラソワさんだそうですが、本当に「さすが」としか言いようがない。本質をきっちり分かっていらっしゃるなあ~と感動した次第。

ただ、この衣装、立ってるところを拝見した限りにおいては、首周りから胸にかけて少し寂しい印象をあたえるかも、とも思いました。バレエの衣装では、鳥の胸の部分の柔らかい羽毛のような細かな羽を、胸の上部にあしらうことがあるのですが、それがあっても良いかな、とも考えたのですが。

動き出したら、これはこのままの方がデザイン的には統一されているし、動きと合わさるとむしろ胸の羽毛は無い方が良く、これがベストな気がしてきました。
身ごろの中心の装飾が、前後の両方とも、すっきりとしたラインながらも深く切れ込んでいるのが美しいです。氷上の白と同化してしまうことを見事に防いでいますね。

腕が長いので、手首のところに施された装飾が良く映えます。流線形のすっきりした髪飾りも、衣装の装飾と良く合っています。これらの腕の装飾と髪飾りは、バレエの装飾とは一線を画すものですが、それも逆に良いと感じました。

真央ちゃん、少しふっくらしましたかね?健康的でとても美しくなられました。
鳥の羽ばたきのような振付が、そこここに含まれています。まだまだこなれた感じはしませんし、少し音楽に遅れてしまったところがありましたが、これはピタリと合ったら相当に見応えがあると思います。

私の好み的に言うと。
序盤(2幕の情景Ⅰの音楽)では、少し軽やかさを抑え気味に、もっと重くしっとり、指先まで緊張感を湛えて、ためて動いた方がいい。

中盤(2幕の情景Ⅱ、王子とのPDD)は、緊張していた心が少しずつほぐれてくるように、今の軽やかな動きに戻して、と。さらに、欲を言えば「小首を肩の方にかしげる」振付(2回ある)の時に、もう少し照れや躊躇、恥じらいみたいなものを感じさせるとグッドよ~

後半、3幕の王子のバリエーションの音楽から始まる部分は、黒鳥部分のクライマックスにつながるところ。黒鳥が王子を見ているような余裕の表情で堂々としていればよく、基本このままでOKだと思います。

最期のクライマックス(黒鳥のバリエーションとコーダ)は、滑り込んで迫力と強さを出すだけですわね。今はまだ黒鳥よりも白鳥イメージの方が濃厚なので。

●アシュリー・ワグナー/サムソンとデリラ
おおぅ、またサン=サーンス。なんか大はやりだな~、サン=サーンス。

彼女に、良くも悪くも、常に存在する「力み」。これに合致した演目だと思います。
怪力サムソンと、サムソンを陥れて復讐する妖婦デリラ。
いずれも「力み」がプラスに働くキャラクター。楽曲も、じゃかじゃかじゃんじゃん!!みたいな感じで(笑)、単純というか、力で押す表現一辺倒でもさして違和感がない。

終盤、スピードが落ちるかなと思ったのですが、なんとか逃げ切り、ラストは復讐に成功しながら般若のようなお顔になったデリラ。見事でした。
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by Koharu-annex | 2012-10-17 16:26 | 2012-2013 フィギュアスケート