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もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ロシア杯 女子FS

師走ってなんでこんなに忙しいんでしょうね~
そして忙しいと分かり易く風邪ひきますね~(笑)
そしてそして、なんで仕事って一気にいろいろくるんでしょうね~(泣)

昨日、友人から今年最後の食事会の日程調整メールが来たんですが、空いてる日がもう2日しかないことに愕然としました。ははは・・・。私は家でだらだら無為に過ごすのが好きな無精者なので、タイトな日程というのは、それだけで精神的負担が大きい。昨年ほどではないとはいえ、今年も師走はきついっす。

さて!ちょっと時が経過してしまいましたが。
NHK杯に続き、ロシア杯でもシングルは日本人がアベックV(←古臭い言い方で申し訳ない。)
何のかんのいって、こういうことってやっぱり嬉しい。

●クリスティーナ・ガオ(17歳)US/リベルタンゴ
最初からもう不安いっぱいな表情で、気の毒になるほどでした。
去年の彼女を明確に覚えているわけではないのですが、成長期でいかにもくーんと背だけ先に伸びてしまった体型ですよね。体型変化に身体のコントロールの具合が全くついていけてない、こういう時期って、どうすれば良いのでしょう・・・。

ご本人が身体のコントロールだけで暗中模索な状態であるにもかかわらず、そこへ強さと悲哀がないと完成されないタンゴを選択するというのは、きついなあ~と思いつつも。
これって、完成させることはほぼ期待していなくて、タンゴの雰囲気をこの年齢のうちに経験させておこう、という意図なのかな。先を見据えて。

●アメリー・ラコステ(22歳)カナダ/Don't cry for me, Argentina
カナダ杯と同じ感想なので、転記。
昨年はキーラ・コルピさんやクセーニャ・マカロワさんが「エビータ」でしたが、今年はラコステさんですか。しかも、Don't Cry for Me, Argentinaのピアノ演奏一本でいく潔さ。

このピアノが非常に抒情的な編曲で、原曲よりもずっと装飾的でした。この演奏に演技が合ってくると良いのですけど、本来の振付が少々音楽を無視していますね。
また、こういう楽曲でやると良く分かるけど、ムーブメントがやはりガサツです。昨年に比べて随分改善されたとはいえ、この楽曲でやるなら更なる向上が必要かな、と。
●レイチェル・フラット(19歳)US/火の鳥
カナダ大会の時のバレエ「火の鳥」風に作りこんだ髪型とメイクを、やめたのですね(アイラインに名残が残っているけど)。
新境地を開こうという意気込みが好ましかったので、私はちと残念ですが、「あの髪型は…」というコメントも頂いていたので、コメント下さった方と同じ意見を持つ人がフラットさんの周りにも多かったのかなとご推察する次第。

カナダ大会のときよりも身体が絞れてきて、本来の動きも戻りつつある感じです。が、そうはいっても、柔軟性は去年に比べて随分悪くなったように思えるし、キープ力も落ちている気がします。また、減ったとはいえ肉という障壁があるので身体のキレはどうしても今ひとつですし、そうすると技術的な面でいっぱいいっぱいになっちゃって表現面はおざなりになってしまうという、よくあるパターンで。

ただ、カナダ杯のときは後半がもう体力不足でへろへろだった印象でしたが、今回は最後までスピードが落ちなかったですし、そういう意味ではハラハラせず安心して見ていられました。

●アグネス・ザワツキー(17歳)US/ラプソディ・イン・ブルー
いつもセクシー路線ですが、この年齢で(しかもこの楽曲で)ここまでの衣装を着る必要があるのか、私には謎です。が、本人がこれでテンション上がるんなら良いのでしょうね。弊害が無いことを祈りますが。

セクシーさがあるからという意味ではなく、振付そのものにも、ご本人のムーブメントやポジショニング(最終的なポジションに至るまでの過程、くらいの意味で使っています)にも、今ひとつ洗練さが欠けるように感じます。
関節の稼動域が広く、スピンの回転軸なんかも綺麗でぶれがないなど身体能力も悪くなさそうなので、このままだともったいないかな~と思ったり。

●今井遥(18歳)日本/マイ・フェア・レディ
アメリカ杯のときにこのジャズアレンジについてはかなり書いたので(こちら)、繰り返しませんが。

アメリカ杯のときよりかは滑りこまれた印象ですが、楽曲のせいで、明治・大正時代のミルクホールやダンスホールの女性のような「無理してる感」が漂いますよね・・・。いかにも気取ったスノッブな雰囲気のあるジャズじゃなかっただけ良かったのかもしれませんが。でも、別の楽曲だったら、このロシア杯では無理としても、前のアメリカ杯では表彰台に上れたかもしれないと思うと、ちょっとトホホな気分になっちゃうのでした。

●キーラ・コルピ(23歳)フィンランド/アイ・ガット・リズム
美人だし衣装もヘアスタイルも素敵だから、目の保養になります。
だけど、ジャンプの調子が相変わらず本調子ではなく、ご本人がハッピーでなさそうなのであまり後味が良くないですわね。。。10代半ば~後半の成長期のときもそうですが、シングル女子って、身体の成長が止まって数年経ち逆に身体の限界も見えてくる20代前半でもひと山ある感じですよね。

ラスト、NHK杯と同様、スピンと音楽の終わりが合わなくて、慌てて締めた印象になったのは、またもや残念なのでした。

●ソフィア・ビリュコワ(17歳)ロシア/トゥーランドット
SPに引き続き、素敵な衣装です。モデルのような体型ですから一層引き立ちますね。
GPSには今回だけの出場ということですが、これだけの人がいらっしゃるって、層が厚いなあ。なぜ、あまり注目されていないのか不思議なくらいです。

もともとクール系のようにお見受けしますが、そうはいってもまだ少し華やかさが足りないかなあ。その足りない原因は、要素をこなしたり振付追っかけてるので実は結構ぎりぎり、というところもあると思う。もう少し余裕が出てくると表現にも手が回ってきて、そうすると外に表出されるものも増え、自然と華も増えてくるのかな、と。

●アデリナ・ソトニコワ(15歳)ロシア/愛の夢
ロシア杯のポスターなどに写っている昨年の彼女の姿を確認すると、やはり、一回り身体が成長したなあと思いますね。ガオさんのように分かり易く「縦」ではなく、むしろ「横」ですかね。昨年の写真は、顔も小さく、身体も華奢で細い感じがしますものね。
そのせいか、若干、重くてスピード感に欠けると感じられるところがあります。後半少し息切れするのも、シニアのフリーの時間増加だけでなく、体重が増えたことも原因なのでは?と思ったりして。

解説の方は必ず「浅田真央と同じ曲です」っておっしゃるけど(笑)、真央ちゃんの方が原曲に近い感じがします。ソトニコワさんの方は、後半のアレンジがなんとなくだけどタラソワさんの好み(勝手に想像だけど「ちょっと装飾過多」(笑))のように思えます。愛の夢って、そもそも甘さを伴う軽やかさがあった方が良い上に、この後半の装飾的なアレンジの部分は、音楽のテンポにきっちり身体がついていけていないと、音楽と離れてしまった印象がより強くなっちゃう。今の彼女には、なかなか苦しいところですよね。

昨年、真央ちゃんが、技術面やSS面が発展途上段階で客観的にはベストじゃない、というパフォーマンスでありながら、音楽との調和は素晴らしいという現象があったのですよね。昨シーズンの四大陸のときの感想を転記します。
愛の夢って・・・リストのピアノ曲の中では、「軽い」じゃないですか。
元は歌曲でノリが良いというだけでなく、幸福感のただ中で恋愛を夢見る乙女が、ひとり空想にふけりながらたゆたっているような、ピンク系を主とした淡い色彩だけに彩られてる。
逆にいうと、その世界は単一で、陰影や深みに乏しい。
まー、こういっては実も蓋もないですが、愛だの夢だのからは遠く離れてしまった年増の私なんぞは、リストが女性に大変にもてたという有名な事実と照らし合わせて、「そりゃ、こんな曲つくったら、女にはもてるわな~」と、思わず鼻をならしちゃいそうになるところがある。(いや、好きなんですけどね。ちなみにうちの旦那もこの曲が大好きで、真央ちゃんも好きなので、非常に喜んでいる)

もちろん、ロマンチックな幸福感のみに充たされたいわば単純な楽曲で、しかもそこに厳然と「恋愛の素敵さ」の香りがするという、ある種の「軽さ」があるからこそ、幅広く多くの人に愛されて、ここまでポピュラーになっているのだと思いますが。

さてさて、そんな「愛の夢」を、真央ちゃんは今回、安定して滑っていました。
彼女に安定性が戻ってくると・・・、あら、不思議。楽曲に少し、深い色が差したような気がするのですよ。

以前、「『演劇的な演目』か、『音楽的な演目』か、という視点」という記事を書きましたが、その記事で「音楽的な演目」には、

表現者が音楽に新たに別の旋律を加え、あたかも二重奏の様相を呈する。

類型がある、ということを書いたのですが、今回の真央ちゃんのパフォーマンスは、まさにこういう感じだと思いました。
ということで、ソトニコワちゃんにもこの手のパフォーマンスを期待しちゃうんだが。ただ、一点指摘しておきたいことが。この後半の装飾的なアレンジが、既に原曲の愛の夢に一味(あ~、もっと一味半くらい?)加えちゃってるんですよね。しかも、衣装も装飾的でしょ。振付も、完成版にはもっと細かな動作が盛り込まれていると想像できる所が随所にあります。

そうすると、ソトニコワさんのような存在感がある程度以上に大きい人には、全体として装飾過多という気がしないでもない。まあ、それがザ・タラソワ・カラーでしょ、と言われればそれまでですが(笑)。

ところで、タクタミちゃんが観客席にミーシンさんと座っている映像が流れましたが。
タクタミちゃんって、女優の高橋由美子さんに似てませんか?(年齢はえらく違うけど。笑)
意地悪な役柄がとても上手な女優さんなので(直近ではドラマ蝶々さん@NHK)・・・このときのタクタミちゃんもちょっとそう見えてしまいました・・・。

●アリーナ・レオノワ(21歳)ロシア/弦楽のためのアダージョほか
髪型がマダムっぽくて着物に似合いそうです(笑)。が、すこし大きくし過ぎましたかね。脚が短く見えちゃう感じが・・・

今回は、前半からちょっと力んじゃった印象ですね。力んじゃうと、若干の体力不足や集中力不足を招いちゃうのかなあ・・・。そんな感じでした。でも、優勝したいでしょうからね・・・SP2位でそのチャンスが目の前にあるので、力むなってのが無理なのかもしれません。

●浅田真央(21歳)日本/愛の夢
ふーん、ソトニコワさんの後に見ると。
やはり、真央ちゃんのこの、ふわりとした軽やかさwith細かな金粉、という魅力はこの楽曲にとても合っていますね。冒頭の、ぱぁっと笑顔で顔を上げ、腕をふわりと振り上げるところで、既に「おお、これぴったり」と思わせますし、さらに身体を回転させるところで、ぐーっと観る者を引き込む引力があります。そして、軽やかに音楽と寄り添いながら、しっかり二重奏になっている。どうしてもソトニコワさんとの比較になってしまう今大会ですが、比較するとこれらの長所がより際立つのは確かなわけで・・・申し訳ない、ソトニコワさん。

今回はNHK杯の時と比べて出来は悪かったし、 舞踊的な面から見れば、まだまだ改善の余地はあると思うのだけれども、とりあえずその点の細かな指摘はせずに、もうお風呂に入って寝ます。お休みなさい。
by koharu-annex | 2011-12-08 00:35 | 2011-2012 フィギュアスケート