もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

フランス杯 男子FS

皆様、そういや昨年も、東京ワールドのために選手の皆様が日本を意識した演目を選んでいる、というお話を頂いていたのでした。すっかり失念していました。大変申し訳ありません。言い訳としては、東京ワールドが実現していたら私の記憶にも定着していたのかもしれないと。はっはっは。
・・・すみません。

ホントここ数年で一気に記憶力が落ちて・・・ぼろぼろと落ちていくんですわ、いろんな記憶が(苦笑)。嫌なこともいっぱい忘れているようで、そういう意味では楽になっているとも言えるんですけど、こういうとき申し訳なくて悲しいですわ。は~。

●ロマン・ポンサール フランス/バレエ「ロミオとジュリエットより」
音楽の編集が面白い。
冒頭は、バレエではラストの墓場のシーンの音楽。ここから始めるか!と注意をひかれて、音楽ばっかり聴いてました(すまん、ポンサールさん…)。

中盤は、ジュリエットが毒をあおるシーンの音楽から始まる。
後半は、ティボルトが殺されてキャピレット夫人が転げまわって嘆き悲しむシーンの音楽。
ラストは、ミルヒーのテーマ(笑)(モンタギュー家とキャピュレット家)のアレンジ。

●マヨロフさん(20歳)スウェーデン/フラメンコ・ボレロ
パパがコーチで、ママが振付師。両親そろって息子に高いハードル設定し過ぎじゃあないだろか。しかもSP、FS2本とも。息子がつぶれちゃ元も子もないと思うが。
カメラアングルが悪くて、最初のポーズ(バレエとそっくり)が全身で見えなかったのが残念。あとはカナダ杯のときの感想と同じ。
ボレロのこのアレンジ、私は好きだな~。声が邪魔だけど。
黒のシースルーの衣装に、シルバーやゴールドのアクセサリーを利かせているのも個性的ですね(嫌いな人も多いだろうケド)。

振付に、バレエの振付家である故モーリス・ベジャール氏の「ボレロ」を彷彿とさせる動きが随所に盛り込まれていました。これは知ってる人にしか妙味が感じられないもので、バレエ「ボレロ」を観たことない人は「変な動き」としか思えないと思います(苦笑)。

体力が最後まで持たなくて、振付を十分にこなせていなかったのは残念ですが、これは仕方ないですよね。ハードル高過ぎです。

●信ちゃん(24歳)日本/シェルブールの雨傘ジャズアレンジ
中国杯のときと衣装を変えてきましたね。アイスブルーでまとめられた大きな薔薇は「フランスの花売り男」(こちらのネット報道参照)をイメージしているのでしょうが、これは好き嫌いが分かれるかな。ついでにいうと、ジャケット仕立の必要はあるんだろうか・・・。
ただ、意外なことに、右の肩と袖口に施された模様のおかげで、右腕が長く見えます。両腕につけるとtoo much だけど、腕が長くない信ちゃんタイプには、ポイントをこの2箇所に置くのは思いのほか良いのかもしれないですね。

中国杯のときに詳しく書いたんだけど(こちら)、「シェルブールの雨傘」は、ジャズアレンジしなければ、信ちゃんに合ってる気がします。原曲をそのまま使用している冒頭部分は、雰囲気もテンポも彼にあっていました。特に今回の信ちゃん、冒頭から素で悲しげでしたからね…。

シェルブールの雨傘って、切ない映画じゃないですか。男にとっても女にとっても切ない(女にとっての方がより切ないかなあ)。
信ちゃんってそれなりに山あり谷ありなせいもあるのでしょうが、不安定さや揺らぎのような雰囲気、周囲に少し翻弄されるような雰囲気、そしてそれらゆえの哀愁を持っていますよね。それがこの映画音楽の切なさに共鳴するところがあるのだと思います。

それにしても、いかにも身体がおかしくなった滑りでした。佐野のおっちゃんは、ジャンプを上でまとめることに狂いが生じたくらいの程度にゆうたはりましたけど、ここは実況アナウンサーの「身体に何かがあった・・・心配」という、確かな目があってよかった。アナまで気づかなかったら、完全、KYの実況だったよ・・・

薔薇の周りに施されたきらきらのストーン達(これらもアイスブルー)が、途中から信ちゃんの涙のように見えてきて、切なかったですわ。ボロボロの状態を見せながらも痛みをこらえて滑りきったこと、そしてその滑りのどこにも投げやりさが見られなかったことには、「頑張りました」マークを押して差し上げたい。

男なら泣くなよ~とおっしゃる方が沢山いらっしゃるのは百も承知ですが。あの感情過多の信ちゃんがですよ。号泣しなかったんですよ!!すごい成長じゃないですか。・・・あ、これ、墓穴?

とにかく、ですよ。信ちゃんはあせらずにちゃんと怪我を治して欲しいです、はい。

●レイノルズ君
コメント下さった方から、急性胃腸炎で棄権、というお話を伺いました。
何かにあたったのでしょうか、それとも・・・昨日のSPの成績が今ひとつ伸びなかったのがボディーブローのように響いたのでしょうか。
どうぞお大事になさって下さい。一日でも早いご快復を祈念しております。

●アモディオ君(21歳)フランス/ベサメ・ムーチョほか
冒頭、気合の入った表情をしてましたね~。野性的な目力の彼がこの衣装をまとうと、ネコ科の動物の化身みたいに見えますね。衣装はトラ柄ですが、私のイメージは南米のジャガーかな。音楽も南米系だしアマゾンを象徴するかのような鳥の声も入っていたし。

さて、アモディオ君のダンス、元気良くて色気もあってキレもあって、決して嫌いじゃないんですが、どうも物足りないんですよねえ。

根本的な原因は体力不足なんですけど、そこから派生する個別の理由、すなわち、全体の構成に偏りがありすぎること(ステップに命かけすぎ)、静止する箇所で流れをぶつ切りにしてしまうことが多いこと、上半身だけあるいは下半身だけが激しく動く場合が多く、全身で踊る場面が案外少ないこと等々もあるわけで。

そのあたりをおくとしても、アメリカ大会よりかは少し良くなったとはいえ、まだまだ感がありますね。
フランスでの世界選手権が最終目標だそうなので、楽しみに待っていましょう。

●リッポンさん(21歳)US/G線上のアリア、トッカータとフーガ
カナダ杯では、後半、体力が持たなかったようで、彼には珍しく動作が荒くなったところが見受けられました。が、今回はずいぶん良くなった印象です。もちろん、彼は本来はもっと美しく多彩な動きが出来る人なので、まだ発展途上なのだとは思いますが。ただ、完成系に近づくためには、ジャンプの精度を上げないと難しいかも、ですね。

衣装が少々太って見えてしまうので、ムーブメントの美しさを少々減殺しているかもしれません。そこはちょっと損かな。

それにしても、佐野のおっちゃん。
以前から感じてたんですが、この方、少し放言癖がありますよね。
リッポン君がジャンプの構成を演技途中で急遽変更して得点を稼いだことを捉えて、「ちゃんと演技中でも計算が出来ているってことです。これは見習わないといけない人もいるかもしれませんね。」ですって(苦笑)。

●ブレジナさん(21歳)/映画「アンタッチャブル」より(モリコーネ作曲)
やっぱりアンタッチャブルの音楽って良いよなあ。
ブレジナさんは、今季、アンタッチャブルを選択している方の中でも、音楽の緊張感によく合った動きをなさっていると思います。

ただ、中盤のスローパート、アメリカ大会のときもそうだったのですが、このゆったりとしたテンポの振付は、少し不得手なのかも。一気に動きが悪くなるというか(テンポがゆったりしている理由によるものではない)、どうしたらいいか分からないから、とりあえず振付どおりに動かしておくか~みたいな、間が持たない苦手意識が前に出てる感じが。

後半のアップテンポの中で、最後の2つのスピンの失速がちょっと目立ってしまったのは残念でした。

●ソウ・ナン(21歳)中国/フランツ・リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」
衣装については中国杯で書いたから省略。

前半のスローなテンポの部分では、SP(=全力でラジオ体操)では見られなかった柔らかい動きをしていました。が、彼の身体能力の高さに照らすと、ムーブメントとそもそもの振付がつまんな過ぎると思う。

ソウさんは、肩甲骨の稼動域が狭いようで、肩はほぼ固定されているし、多くの場合腕も身体の前の狭い範囲でしか動かしていない。また、何代目かのぶんぶん丸よろしく、ほぼ直線に伸ばした形状で腕を動かすので、どうしてもムーブメントが味気ない。
ただ、男性の場合、この程度の稼動域でやっている人や、腕の形状もほぼこんな感じという人は、案外いらっしゃると思うのですよ。そういうタイプでありながら「踊りが上手だな」と思わせる人って、体からリズム感が溢れるように見える人ってのがその1つのタイプとしてあるんだけど、ソウさんにはこれはないね。

リズム感はどうしようもないので動作を改良するしかないわけですが、その箇所は、肩甲骨・腕というよりも、首と胴体でしょうかねぇ、と思ってます。ソウさん、見るからに胴体部分(背中、体側、胸、お腹)が硬くて、殆ど伸びないし、使ってないんだもん。高橋さんほどとは決して言いませんが、ムーブメントの時に胴体から動けるように、そしてそれに首の動きをつけられるように、まずは胴体部分のストレッチからやったらどうかと(って失礼過ぎ?)。

あと、何度も指摘して申し訳ないけど、振付の問題は大きいと思う。
ソウさんの振付ってね、最初にジャンプなどの技術的要素の順番と足(ステップ)をがーっと決めて、がーっと練習して、その後、「そこ余裕ありそうだから、腕動かせ」って後付けしたみたいな感じなんですよ。
後付けした振付って、多くの場合、一貫した思想(っていうと大げさだけど、ある種のタイプみたいなものといえばいいかな)がなく、バラバラ感がある。ソウさんのはまさにそうで、身体全体の一体感もないし、演目全体の統一感もない。

結果、中国ペアの素晴らしさは捨て置いて、「やっぱ中国ってちょっとダサい」と思わせる圧倒的な負のパワーがある。
ソウさんの身体能力って見るからに高くて、踊り心が無くてもある程度まで持っていける動きの良さがあるので、非常に気の毒だと思う次第。

●チャンさん(20歳)/アランフェス協奏曲
カナダ杯のときに悪い意味で度肝を抜かれた、この謎のおズボン(なぜかパンツと呼びたくない)。
目が慣れてきたのか、今季の謎衣装をある程度見た後だからか、「ま、このままでもいいんじゃん?」と思えてしまった・・・

カナダ杯のときよりも調子が悪かったようですし顔の表情も何だか暗い。
ただ、ソウさんの後で見たから余計そう感じたのだと思いますが、チャンさん、上半身の動きが昨シーズンと比べてずっとよくなってますよね。無駄な力が入ってないのに、伸びがあって音楽にも乗れている。前は社交ダンスのホールドのような姿勢が崩れなくて変な硬さもあったのですが、今シーズンは良い意味で「緩み」が見られます。

また、振付も、あからさまじゃないんだけど、そこはかとないスペイン風で統一されていて、自然で無理のない流れで動作が連続しています。
ま、転倒があったりしたので、流れが切れることもありましたが、そこはそれ。
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by koharu-annex | 2011-11-23 18:29 | 2011-2012 フィギュアスケート