もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

フランス杯 女子SP

●エリザベータ・トクタミシェワ(14歳)ロシア/タンゴ
おそろしい・・・ローティーンの成長のスピードって本当に恐ろしい・・・
まず、カナダ杯のときの感想を見返してみると・・・
随分大人っぽいけど、素敵な衣装で似合ってます。この年齢でありながら、着せられた感が感じられないのは、彼女の個性でしょうね。

COIの時(記事はこちら)の方が、出来そのものは良かったように感じました。単に初見だから印象が強烈だっただけかもしれませんが。。。
COIの時に彼女のパフォーマンスから感じた「孤独」とか「哀しさ」は、今回のパフォーマンスでは若干薄まっていました。試合だからでしょうかね。順調に演技が運んでいる嬉しさみたいなものが、特に後半になるにつけ表に出てました(笑)。

身体が華奢でまだ出来上がっていませんから、誰をもうならせるような表現という意味では、まだまだだと思いますが、なんといっても身体能力が高いので表現手段が豊富であることは明らか。誰が観ても感じるであろう大きなポテンシャルを持ってらっしゃるので、これからが楽しみです。

色気が出てくる年齢になってから、音を遅取りして、メリハリと緩急を大げさなほどつけると、そりゃもう素敵になるでしょうねえ。
カナダ杯で優勝したことが大きな自信になったのでしょうね。
カナダ杯のときは「まだ上げ初めし前髪の」(by藤村「初恋」)って感じが強かったのに、こりゃまたどうしたことでしょう。もう堂々としています。

その堂々さを支えている気持ちの余裕とか精神の安定が、パフォーマンスの充実を生み、COIのときにあった「孤独」「哀しさ」が戻ってきていました。しかーも、メリハリ・緩急が進化してて、そのため一部かっこよく音が遅取りになりつつある。もちろん、完璧ではなく場面場面で差がありますが。

でも。
皆さまが、おそろしや、おそろしや、おっしゃるのがよく分かりますわ。
まさに、「恐ろしい子…!」(by月影先生「ガラスの仮面」)。

●村上かなこ(17歳)日本/バイオリン・ミューズ
中国杯のときよりは、ずっと良いですけど・・・うーん、やっぱり音楽の表層に合わせるくらいで、限界ですかね・・・。
彼女はもともと踊り心があって、非常に踊りが上手ですから、苦手な楽曲でもちゃんと踊れていましたよ。正直、あれだけの動きができる人ってなかなかいないと思います。
でも・・・なんですよね。あまりに個性が違いすぎて、音楽の中に入りこんだ表現ができず、上滑りで終わってしまっている印象です。

かなこちゃん(陣営というべき?)は、今季の演目の目指すところを「大人っぽい」と言ってるけど、これらは「大人っぽい」演目の中の、とある一類型でしかない。しかも、それがベタ過ぎるだけでなく、同じく山田コーチの門下生である伊藤みどりさんが選手時代に「表現力が課題」とか言われて個性に逆行して「させられていた」(と当時の私には見えた)しっとり系の演目の方向性と一致しているように見えて、なんだんかな~な印象を持っています。

「大人っぽい」類型には様々あるので、その中で、もっと本人の個性の延長線上にある「大人っぽい」演目を吟味すれば良いのでは・・・と思ってしまう次第。
だいたい去年の演目との対比で考えれば、かなこちゃんの今季のSPやFPほど抒情性や哀愁がたっぷり含まれなくても、メロディアスな楽曲を使用するだけで(それが明るい曲調であったとしても)、充分「大人っぽい」と思ってもらえると思いますが?

私が最も惜しいな~と思うのは、彼女の「今限定の魅力」を生かそうとしていないことです。
かなこちゃんって、「瑞々しいはつらつさ」とか、「弾ける若さ」とか、「健康優良児的な元気印」とか、「野性的なほどの明るさ」とか、そういうものがテンコ盛りの乙女でしょ?
これらは、若いからってティーンネイジャーが全員持ってるものじゃなく、圧倒的な個性というべきものですよ。しかも、かなこちゃんが今の年代にあるからこそ、光り輝いている個性です。あと何年もつかは分からないけど、彼女が年齢を重ねるとカラーが少し変わってくると思います。そういう意味では、彼女の上記の個性はここ数シーズンしか存在しない「今限定の魅力」ということになります。

それを全くピックアップしないで、SP・FPの両者とも前述したような意味不明の「大人っぽさ」を追求させて、本人を課題に押しつぶされそうなほどパニクらせたり、アップアップさせるだけなんて、なんてモッタイナイ。
羽生君の「今限定」の鈴の音シャランと同じく、かなこちゃんの「今限定」の水玉ヨーヨーとスーパーボールを足して2で割ったような弾け具合も、同じように大切に扱われて欲しい、と思うワタクシであります。

●アリッサ・シズニー(24歳)US/バラ色の人生
ええっと、採点表(こちら)みてびびったんですけど。
Transition / Linking Footwork(つなぎ、ですかね?)に、4.00つけてるジャッジが1人。
4.00って、出場選手中最も低くて。これ、あり得ない数字じゃないですかね。これ、ジャッジのケアレスミスで、本当は「8.00」とかつけるつもりっだったんじゃあ・・・。

今季は「バラ色の人生」を使う人が多いけど、シズニーさんのパフォーマンスは、この音楽の誕生秘話やピアフさんの人生をもう一度振り返りたくなるような、不思議なパワーがあります。
ムーンリバーのときも感じたのですが、彼女は、楽曲の精が抜け出してきたような音楽表現を行う才能がありますね。このような音楽表現を行うためには、自分の個性を後ろに抑えて、むしろ音楽を前に立てる必要があると思うのですが、そういうことができる人がフィギュアスケーターの中には割と少ないだけに、逆にそこが個性になっています。

●カロリーナ・コストナー(24歳)イタリア/ピアノ三重奏曲第2番byショスタコーヴィチ
まさに「見せ場!」のストレートラインステップで、まさかの転倒。
NHK杯の町田さんやベルネルさんも、思いがけないところで転倒がありましたが・・・リンクには、時々小さないたずら悪魔が現れますね。
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by Koharu-annex | 2011-11-19 23:01 | 2011-2012 フィギュアスケート