もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

中国杯 女子SP

●チョウ・カキン(16歳)中国
ラストの音楽がちょっと中途半端な印象が・・・。
フィギュアスケートの音楽って、時々、こういうマズイ編集が見受けられますよね。

GPSは今回のみ出場ということもあるのかもしれませんが、振付に忠実にとても丁寧に滑っていましたね。
ただ、こういうタイプの丁寧な滑りって、舞踊的な表現からは少々距離が出てくることがあり、良くも悪くも印象が飛び抜けない、ということがありますね。

●シュ・シュウエイ(17歳)中国/くるみ割り人形
衣装が・・・肌色の部分の色合いをもう少し考えた方が・・・少し白過ぎるような。ファンデーションも白い。アイラインを含めメイクはもっとナチュラルな方がよいと思います。

楽曲は「くるみ割り人形」ですが、金平糖の精のPDDのところの音楽一本ですね。なんとも潔い。
彼女の年齢より大人っぽいイメージに似合っているともいえますが、「くるみ割り人形」は色彩豊かな楽曲がてんこ盛りなので、それらを全く使用しないのは何とももったいない気がします。彼女のメイクと同様、悪い方向で一本調子に陥ったかな、と。

●コウ・ヒョウワ(17歳)中国/映画「シェルブールの雨傘」より
おお、信ちゃんのFSの楽曲と重なりますか。
柔軟性のあるポジショニングが美しく、見てて気持ちいいですね。

昨年の中国杯の彼女の演技に対する私のコメントを以下に引きます。
柔軟性のある体と、柔らかい腕の動きは、誰からも好感を持たれるのではないでしょうか。
加えて、私は、彼女の手首から先の、形の綺麗なひらひらとした動きがとりわけ好きですね。

彼女の柔軟性ですが、バレエや器械体操などの西洋タイプの柔軟性というよりも、中国雑技団タイプの柔軟性だと思いました。
シルク・ド・ソレイユなどで、2つのタイプの柔軟性を同じ舞台で見比べることがあると、とてもよく分かるのですが、同じ柔軟性といっても印象が異なるのですよね。
おそらく細かい部分で、筋肉や関節の動き方が違うのだと思いますが・・・。
ヒョウワさんの動きの端々に雑技団タイプの柔軟性があるように見受けられて、面白いなあ、と思いました。

今はスピードがまだまだで体力もなく、振り付けをこなすだけでいっぱいいっぱい。
髪型などのルックス面や音楽の選択に熟慮された様子が全くないので、首脳陣サイドの「とりあえずまずは経験させてみよう」みたいな空気を感じてしまいましたが、違いますかね?
が、技術と体力の底上げがあると、表現の幅がぐっと広がるでしょうから、ノビシロはかなりあるようにお見受けしました。

髪型などのルックス面も、楽曲も、今回はちゃんと考えてもらった形跡を感じるので、良かったね~と言いたい(笑)。メイクも綺麗にしてもらっているし、美人さんになりましたね。

ポジショニングや動作が、昨シーズンに比べて大きく洗練されました。そのせいだと思いますが、柔軟性はあるものの(ただ昨シーズンよりは若干落ちた気もする。年齢のせいかな)、「中国雑技団」なイメージほぼなくなったと言ってもいいのではないでしょうか。

へえええ。と思いましたね。
競技フィギュアスケーターの年齢のかなりの割合は10代ですから、こういうスケーターの成長を毎年見ることができるんですね。感慨深い。

●アデリナ・ソトニコワ(15歳)ロシア/ラヴェル「ボレロ」
わお。潔い、かつ周囲の期待が分かる衣装ですね。
腰から両脚の側面に沿って付けられた魚のヒレのようなデザイン、好き嫌いが出るでしょうが、私は好きだな。ムーブメントの残像のように残るので、彼女のようにポジションも動作も正確で美しい人にとっては、その印象をより強く残せて有利なのでは?と思います。
鮮やかなロイヤルブルーという色も含めて個性的ですが、無駄に威圧的、ともいえるほどの威厳というか、既にカリスマ性すら感じられる人には、とても合っていると思います。

楽曲の編曲が、可愛らしく印象的です。が、冒頭から音の早取りが見られ、緊張が感じられました。可愛らしいアレンジとはいえ、ボレロという曲は、ジャストで音取りしないとリズムがあらわな楽曲だけにずれた印象を残す恐れがあります。(ちなみに、この曲で遅取りしてカッコいいのは極めて優れたダンサーだけで、たぶん世界で3人くらいだと思う。)

それにしても身体能力が高いですね。おそらくバレエのレッスンをかなり積まれていると思いますが、姿勢も動作も何もかも美しい。しかも、それが「正確」である印象です。もちろんまだ子供らしさも残っていますが、身体の素質も訓練具合もレベルが違うと感じました。これからが本当に楽しみ。成績は残念でしたが(本人も非常に悲しそうでした)、このボレロの完成形、見たいなあ。

●クリスティーナ・ガオ(17歳)US/ルチア・ミカレリィ「to love you more」
東アジア人に時折見られる、薄い胴体と、前に少し巻いた肩。特に後者は、プロのバレエダンサーでもそのままの方がいらっしゃるので、要するに、矯正が難しいのだと思います。しかし、この肩はちょっと損でして、形式的には猫背というか、姿勢や動作の印象が悪くなっちゃうんですよね・・・

なので、私としてはこの肩の見かけ上の欠点をフォローする衣装を選んだほうが良いと思うのですが、今回のガオさんの衣装は肩が丸見えで・・・これはガオさんの細く華奢で長い腕も強調しますが、肩の欠点も強調してしまうので、ちょっと損かなあ、と。

耳馴染みのある有名曲のアレンジで、思わず見ながら歌っちゃいました。
ぐーんと伸びるフレーズが頻繁にあるので、その部分でスケートがもっとぐーんと伸びるとか、スピード感が感じられるとか、そういう部分がもっとあればなあ、と思いました。後半は疲れちゃいましたかね。メロディの快感を生かし切れてない印象です。

●バレンティナ・マルケイ(25歳)イタリア/マンボ・メドレー
アメリカ杯より、ずいぶん良かったと思います。チークも薄くなってたし(笑)。
ラテンの楽しさを表すような仕草がふんだんに盛り込まれていて、本人が乗ってると楽しく見ることができます。

●クセニア・マカロワ(18歳)ロシア/ヤン・ティルセン
アメリカ杯の時と、感想は同じです(こちら参照)。

●村上かなこ(16歳)日本/ザ・バイオリン・ミューズ(川井郁子)
コーチとの気合いの入れ方が可愛い(笑)。
衣装が大人っぽくて背伸び感があるので、不安げな表情がますます際立ってしまいましたね。

この楽曲は、昨年の羽生君の白鳥と同じCDに入っているのですが、川井さんのこのCDの楽曲っていずれも羽生君にはベストマッチなんだけど、かなこちゃんのイメージではないですよね。もちろん、それは分かった上での選曲であって、敢えてハードル高くして頑張って超えろという趣旨であることは承知の上で言いますが。
このハードル設定って意味あるんだろうか。設定するハードルは、技術面だけでいんじゃない?

彼女は苦手意識を全身から出しながら、よく動いていましたよ。もともと踊り心が高い方ですからね。あれだけバリバリ苦手オーラ出しながら、あんなに音に合ったかつ舞踊感のある動きが出来たことは、立派なもんです。

だけどさ、そもそもその人の個性に合わない楽曲を、個性を殺して表現できるまでになるには、相当な地力がいるじゃないですか。もちろん、かなこちゃんにその地力がないとは言わない(むしろある可能性の方が高い)。でも、彼女のような、「豚もおだてりゃ木に登る」じゃないけど、少々お調子者のケがあって、しかもいわゆる「甘えた」(←コーチとのやりとりから想像)で喜怒哀楽がはっきり出過ぎちゃう人には、常におだてられる楽曲を使用する方が良いと思う(去年のSP楽曲風ばかりとは言わないが)。

つまり、試合用の楽曲については本人に壁の存在を強く意識させず、本人が乗れる範囲の楽曲を使用して、地味に幅を広げる程度に留めておくと(冒険はEXで)。他方で、彼女は若いですから、技術面についてはガンガン進歩させた方が良いと思う。どうでしょう?

ところで、当初、タラソワさんに振り付けてもらったものを温存したそうですが、タラソワさんのものは振付の動作という、まあ技術面に入るものが難しかったのでしょうかね?それとも、曲調そのものも難しかったのかしらね?知りたい。。。

●長洲未来(18歳)US/フリアン・プラサ「Danzarin」(タンゴ)
カナダ杯より、動きに断然キレがあって、動きも滑らかで(肉の障壁があまり感じられなかった。あくまでカナダ杯との比較だけど)、良かったのではないでしょうか。

ただ、やはりスピード感は、昨年より若干落ちた気がしますね・・・。

●カロリーナ・コストナー(24歳)イタリア/ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第2番」
アメリカ杯の時と比べて、細部に気を使っていた印象です。
また、アメリカ杯のときは稼働域めいいっぱいに使っている印象でしたが、これは動きが大きく見える反面、ちょっとガサツというか荒い印象もあったんですよね。それを修正して、いつもの稼働域に戻した印象もあります。

それにしても、ショスタコーヴィチのこの音楽が、ますますコストナーさんの身体になじんできたようで、貫録を感じました。
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by koharu-annex | 2011-11-05 23:17 | 2011-2012 フィギュアスケート