もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

中国杯 男子SP

●ゴ・カリョウ(26歳)中国/ビセンテ・アミーゴ 「港の詩人」Poeta en el Puerto
目に見えてスピードがなく重いですね。のっそり系の動きなので、音楽のテンポは合ってたかもしれませんが。

特に後半なんですが、振付が適当なような・・・(苦笑)。
時々思い出したようにカスタネットの音に合わせるような振りを脚に入れてくる(でも音楽とはずれてる)ほかは、体いっぱい動かす動きを入れときゃいいだろ的というか、舞踊的には「どうでもいい」感漂っているところが、観てて少し悲しい。

●ソウ・ナン(21歳)中国/映画「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」より  
衣装は謎過ぎますが、よく身体は動いてたのではないでしょうか。音楽に合わせようという意識はあると思うのですが、振付を追っかけてる印象の方が強い。まだこれからですかね。

あと、振付そのものがもう少し洗練されてくるとよいかも。本人のポテンシャルの高さを考えると、ちょっと損してるかな、と。

ところで、この曲ってフィギュアスケートで本当によく使用されますけど、映画はめちゃくちゃ暗くて絶望的で後味悪過ぎるのではないかと・・・。もちろん皆さん、映画の登場人物や世界観を表現するつもりなんか一切なく、ただ単にドラマチックに聞こえる楽曲を使用したいだけだってことは分かってるんだけど・・・。でも、私は、自分の使う楽曲のルーツは気にならないのかなあって、いつも思っちゃう。

●リチャード・ドーンブッシュ(20歳)US/デイヴィド・ギャレット「The Fifth」
振付てんこ盛り過ぎて、本人がついていけていません。
振付ってバレエでも何でも最初はてんこ盛りになりがちだけど、本人の技量を見ながら、ある程度見切りをつけて、マイナスしていく作業も必要では?

●ケビン・レイノルズ(21歳)カナダ/パロヴ・ステラー 「チャンバーメイド・スイング」
前から肩が上がりがちな人だったんですけどね、今回は顕著だなあ。
良く動けるし、音楽性も良い。だけど、細部がいつもちょっと荒いですよね。ジャンプが調子悪くて、だんだん気持ちが落ちちゃったのかもしれないけど、振付の細部を丁寧にこなすだけで随分印象が違うと思うんですけど。。。

もともと軽妙な動きをする方なので、音楽は合ってましたよね。

●羽生ゆづる(16歳)日本/スクリャービン「12の練習曲作品8 悲愴」
この衣装が似合ってるだけで、日本男児としては表彰ものでしょ。
この人は指先まで覆っている衣装が多いですが、それが良いですよね。腕の動きも手先の動きもとても綺麗なので、それを強調できるgoodな選択。

うねるように、しなるように身体が動きます。これまでの選手とスピード感も全く違う。素晴らしいです。
また、この人はね、高いバイオリンの音とか、ピアノの音とか、抒情的な響きが良く似合いますね。日本男児としては極めて貴重な存在です。

テン君ほどじゃないですが、この人も若いですからね、これまでは、音楽的に「静」な部分であっても、内なる思いから勢いを出し過ぎちゃうことがありました(そしてそれは後半の体力不足につながる)。しかし、今回は緩急をちゃんと意識して「静」なところは落ち着いて、「動」なときは思い切って動いていました。私の好み的にはもっとついてた方が良いけど(笑)。最後の渾身の3つの動きは、気持ちも入ってて、強い印象を残しました。

●ジェレミー・アボット(26歳)US/ベニー・グッドマン「素敵なあなた」、映画『Swing Kids』より
昨シーズン、演劇的な演目に開眼したように見えたアボット君です。アボット君は、本来的にはこういうコミカルというか明るいけど軽いという感じの人ではないでしょうから、余計、何かを演技しているように見られました。

しかも、アボット君は、根がまじめで優等生でちょっと内気でストイックな印象があるので、演技している「明るい若者」の裏にちょっとした哀しさが出て、これが映画と少し重なりましたね。もちろん、映画の登場人物や世界観(これは失敗していると言われていたけど)をそのまま出そうとしているわけではないでしょうが。

実況や解説の方もおっしゃっていましたが、衣装のサスペンダーを使った振付がこなれていましたね。まじめなアボット君が、一生懸命練習した姿が浮かんできて、ほほえましいです。

●アルツール・ガチンスキー(18歳)ロシア/セント・ルイス・ブルース
最後は音楽の終了より遅れたんですかね、それともわざとですかね。
前者であっても、後者にみえる不敵なガチンスキー君であります。

彼は、良くも悪くも、「熱さ」がないのが長所かもしれません。特にテン君や羽生君に比べると、彼の冷め具合はより顕著かなと。ただ、この「冷めてる」ってのも、若さですよね(笑)。

しかも「冷めてる」という印象でありながら、演技に根拠レスに余裕があって、受ける印象は「上から目線」。ガチンスキー君の手にかかると、有名なこの曲もなんだか人を小馬鹿にしているように聞こえるのでした(笑)。

どこまでも不敵なガチンスキー君ですが、鑑賞者に対し、「器用に軽々とこなしている」と有無を言わさず印象付けることができる、ある種の押しの強さは、表現者として大きな強みです。
昨年までは荒削りな部分が前面にでる動作も多々あったのですが、これはだいぶ改善されてましたし、パフォーマンス全体が非常によくまとまっていました。振付も含めて、一つの作品として完成度が高い印象です。

ミーシンコーチも一緒になって、キスクラでクマのぬいぐるみとじゃれてましたが、私はまたもや「これは彼らの本性と思っていんだろうか・・・?」と疑念を抱いてて、そんな自分に笑ってしまいました。

●織田信成(24歳)日本/キング・カーティス「Memphis Soul Stew」
絵の具をぶちまけたような、というか画家のパレットのような衣装が、最初は「なんじゃこりゃ?」と思いつつも、だんだん自然に見えてきたのはなぜ?
もともと首が長い方ではないので、襟がなくて襟ぐりが広いデザインが良いのかもしれません。同じ意味で、もともと腕が長い方ではないので、袖が七分丈なのが・・・以下略。

柔らかい股関節と足首は健在で、これは見てて快感なほど。また、ジャンプに興味のない私も、彼のジャンプの回転の早さは気持ち良いです。調子が上がったら四回転が見たいですね。

本人が事前にインタビューに答えていた「明るい曲」というのが気になっていたのですが、無駄に「明るい」曲じゃなくて良かったです。今回はまだ怪我の復帰からの様子見のようですし、振付を頭で追いながら滑っている印象でしたが、こなれてくると大人の雰囲気も出せるのでは?と期待しています。

彼は本来「大人っぽい」人ではないですが、今回若手の後に滑っているのを見てみると、経験者ゆえの貫録みたいなものが見受けられました。なので、絶対的な「大人」雰囲気は出せなくとも、相対的な彼なりの「大人」雰囲気が出せそうで期待してます。決して簡単な音楽ではなく、むしろ難しい音楽ですが、大人な雰囲気が出てくると印象が全く異なってくると思います。

レイノルズさんと同様、若干、肩がもともと上がっているんですけど、今回はよりそれが顕著だったような気がします。ただ、レイノルズさんと異なるところは、この人は胸がぐんと開いているのですよね。これは好き嫌いが分かれるでしょうが(開いた胸は上がっている肩とあわせてサルっぽいと思う人がいるかもしれない)、私は日本人に多い猫背よりかは、この肋骨がグーンと開いた胸の方が断然好きですね。
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by koharu-annex | 2011-11-05 18:33 | 2011-2012 フィギュアスケート