もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2011 Aプロ

シルヴィ・ギエム・オン・スーテジ2011 Aプロ
2011年10月26日(水)午後6時30分~ @東京文化会館

指揮: アレクサンダー・イングラム
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

<第一部>
●「白の組曲」
音楽: ラロ
振付: セルジュ・リファール
出演
シエスト: 乾友子、高木綾、渡辺理恵
テーム・ヴァリエ(パ・ド・トロワ):  奈良春夏、木村和夫、柄本弾
セレナード: 小出領子
プレスト(パ・ド・サンク): 岸本夏未、高橋竜太、小笠原亮、長瀬直義、宮本祐宜
シガレット: 田中結子
マズルカ: 後藤晴雄
アダージュ(パ・ド・ドゥ): 上野水香、柄本弾
フルート: 西村真由美

オケがもう少し上手だったらなあ。。。幕が上がる前の前奏曲でオケの「あらら」さ加減が分かって、テンション下がりました・・・。曲が進むにつれて徐々に良くなったものの。

白の組曲はパリオペラ座のシーズンオープニングとして有名なので、東京バレエ団の皆さんの踊りを見ながら、「いつかオペラ座のオープニングに行きたいなあ。何着て行こうかなあ。寒いかなあ。天気によるよなあ。」などと余計なことばかり考えてしまいました。スミマセン。

●「マノン」より寝室のPDD
音楽: マスネ
振付: マクミラン
出演: シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル

信念の人であり今や孤高な印象もあるギエム女史。沼地のPDDではなく、寝室のPDDというのは、もうさすがに苦しいか、と思わせるものがありました。マノン全幕だったらまた違っていたのでしょうけど、PDDだけだと、もろその場になじんでいないと違和感が出てくることがあるので。

寝室のPDDでは、女を武器にした女性特有の「媚び」に現実味のあるダンサーじゃないと、あのPDD特有の色気と隠微さが出ないような気がします。ギエムさんは、既にいち抜けた感じですね。

●「スプリング・アンド・フォール」よりPDD
音楽: ドボルザーク
振付: ノイマイヤー
出演: 高岸直樹、吉岡美佳

<第二部>
●「田園の出来事」
音楽: ショパン
振付: アシュトン
出演 
ナターリア(夫人): シルヴィ・ギエム
ベリヤエフ(息子の家庭教師): マッシモ・ムッル
クイルギン(夫): アンソニー・ダウエル
ラキティン(夫の友人): 後藤晴雄
ヴェラ(養女): 小出領子
コーリャ(息子): 松下裕次
カーチャ(メイド): 奈良春夏
マドヴェイ(従僕): 永田雄大

ピアノ: ケイト・シップウェイ
舞台セット・衣裳: ナショナル・バレエ・オブ・カナダ(← 東京バレエ団のブログのこちらの記事より)

この日のオケは少し不安定だったので、シップウェイさんのピアノは救いでした。

まず目に飛び込んでくるのは、舞台美術の見事さ。
舞台中央は広々とした居間(一幕である関係から書斎や子供部屋も一部兼ねてる)で、中央奥には大きく入口が取ってあり、その向こうに庭と入口までのアプローチがある設定で、奥行きを感じさせます。下手には寝室に続くドアがあり、上手には別室が一部見えています。

これらのセットが建具も含めて全体的に、白、渋い金色、青系の三色でまとめられ、美しく装飾されています。とても上品で、帝政ロシア貴族の夏の別荘という設定にまさにぴったり。非常に美しかったです。

白・金・青の三色は、全員の衣装でも繰り返されています(金は黄色で)。全ての衣装が、デザイン性に優れ単調さのない凝ったもので、しかも役柄とのマッチングもよく考えられています。素材も安っぽくなく、上品さも兼ね備わっていて、全てが美しく整っていました(こちらこちらなど参照)。

ダウエルさんのクイルギンは、妻の気持ちの揺れにも何もかもに気付いていながら、あえてボケボケを演じている感があります。役者やのう~。踊れなくなってもこうして舞台に立ってるダウエルさんを見られるのは、本当に幸せです。

家庭教師役は、いかにも「若さ」を感じるダンサー、はっきり言っちゃうともっと若いダンサーが演じた方が、役柄とはピッタリだと思います。が、年齢差のある禁断の恋が生じた瞬間、互いの気持ちを確認できた瞬間、短い心の交流を経て別れに向かう瞬間、状況が刻々と変わり物語が進んでいく各場面での主人公2人を、ムッルさんとギエムさんのペアで見ることができたのは嬉しいことでした。

ギエムさんのナターリア夫人、とても良かったです。芯の強さと情熱を持ちながらも、年齢を重ね、かつ品行方正なイメージを出せる今のギエムさんには、とても似合っています。1幕ものとはいえ、ギエムさんのトゥーシューズでの演劇的な作品を、久しぶりに堪能することができて満足な夜でした。
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by koharu-annex | 2011-11-03 12:36 | バレエ(座長公演)