もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

アメリカ大会女子SP

●ジョエル・フォートさん(25歳)US/シルク・ド・ソレイユより「オー」
柔軟性に欠けるために表現手段に乏しく、魅力を半減させているような気が。
あと、髪型はもう少し「魅せる」ことも狙ったが良いのでは?見栄えは点数には反映されないのかもしれないけど、いろんな意味で損してる気がする。

●キャロライン・ジャンさん(18歳)US/夜明けの翼
スピード感のあるしっかりとした滑りの中で、柔軟性を生かした多彩な動きが次々と、かつ易々と繰り出されていて、とても魅力的です。
が、肉感的であるがゆえに、動きが「もっさり」見えることがあります。
まあ、彼女の肉感さにはお母さん的な柔らかさもあって、優しさを印象付けてもいるから、マイナスばかりではないかもしれませんが・・・。

昨シーズンから極端に丸くなったわけですが、そうならざるを得ない事情があるのかもしれず(体力的な問題とか、何かしらのご病気があるとか・・・)、怪我につながらなければ今のままでも良い、というのが結論なのかもしれません。
ただ、音楽性も身体能力も高くて、めったにない柔軟性もあって表現手段も豊富とくれば、痩せれば更に表現の幅が広がるのでは?という思いが、どうしても湧いてきちゃいますね。

●ヨシ・ヘルゲソンさん(18歳)スウェーデン/映画「黄金の腕」より
音楽、曲調もそうだけど、なんといってもテンポが彼女の動きの特徴を生かす、絶妙なものだと思いました。テンポって、彼女くらい大柄になると、とっても大事だと思う。
また、大柄の彼女の身体を生かすそうとする振付(しかもこれが曲に合ってる)が、随所に見られました。

彼女のパフォーマンス自体はかな~り発展途上ですが、振付が目指す方向に正確に向かっているように感じました。完成されれば、ダイナミックでスケール感のある演目に仕上がるのではないでしょうか。

●今井さん(18歳)日本/メンデルスゾーン無言歌ニ長調作品109番
初めて「彼女にピッタリ!」と断言できる演目を見た気がします。
昨年のジプシー・ダンスと韃靼人の踊りは、彼女に対する周囲の期待の大きさはひしひしと伝わってくるものでしたが、彼女の個性に合っているとはとても思えなかった。

今井さんは、どこかに少し陰があって、くぐもった何かを持つ印象があるので、ピアノではなくチェロの響きが前に出るこの楽曲は、ピッタリです。
また、曲調も彼女のムーブメントの特徴にとっても合っていました。
ムーブメントといえば、今井さんは、腕の動きに特徴的な美しさがありますね。バストトップの衣装は、彼女のこの美しさを存分に見せつけていました。

西洋人には殆ど見られない、たおやかな中にウェットな色気のある人です。
今回の振付に多用されていた、ひらひらと動くひじから先の動きにも、なんというか「水分」を感じました。
加えて、木村多江さんとまでは言いませんが薄幸美人なイメージも無きにしも非ずなので、バレエ「オンディーヌ」(水の精)や、ツェムリンスキーの人魚姫(交響詩)なんかも似合うかもしれませんね。

●バレンティーナ・マルケイさん(25歳)イタリア/マンボ・メドレー
日焼けしたイメージにしたかったのかもしれませんが、チークを入れる場所や濃さが微妙に・・・
それともあれは本当の日焼けなのかしらん?
いずれにしても、美人さんなのにもったいない。
パフォーマンスも、ジャンプの失敗で乗りきれなかった印象です。

●ビクトリア・ヘルゲソン(23歳)スウェーデン/マイ・ファニー・バレンタイン
プラチナブロンドに、バレンタインを意識した真っ赤な衣装が素敵ですね。特に背中の、いくつものキラキラハートをキラキラ網目に配置したデザイン可愛い。
ジャストな時期に見ると、この衣装の素敵度は上がるでしょうねえ。

パフォーマンスは、スピード感があってよく動いているんですけど、なんか一味足りない印象でした。

●エレーネ・ゲデバニシビリ(21歳)グルジア/タンゴ・ジェラシー
身体も絞って髪の色も変えて・・・やってくれそうな雰囲気が出ていたのですが。

超有名曲なので、本人も乗って踊れば観客も味方につけられる楽曲だと思うんですよ。
そういう意味では、ジャンプの失敗が・・・という話になるのでしょうが、でも、私は、そもそもの振付が音楽を生かしたものとは思えなかったんですよね(昨年のあっこ姉さんの振付と比べると、その差は明らか)。
振付の良し悪しはご本人の責任ではないでしょうから、その点はちょっと気の毒ですね。

●クセニア・マカロワ(18歳)ロシア/ヤン・ティルセンの曲(←曲名聞きとれず)
アメリで有名なヤン・ティルセンさんの楽曲って、執拗に主題(と言っちゃっていいのかしら?)が繰り返される一見単調な作りのくせに、妙に胸の表層のちょっと下をわさわささせるじゃないですか。
こういう楽曲って曲者で、表現者が「情感ダダ漏れタイプ」じゃないと、多くの場合こなしきれないと思います。

クセニアさんは、本来は「ダダ漏れタイプ」じゃないと思いますけど、この楽曲において情感を表に出す必要性は十二分に分かっているようで、そっちに向けて頑張っていました。なので、やりたいことは本当によく分かるんですが、いかんせん結果が伴わない感じです。

クセニアさんは、昨シーズンも後半あり得ない早さまでテンポが加速する楽曲をもってきていたので、私の中では、「そりゃ高過ぎだろ」と思わせる壁を敢えてこしらえて向かって行くファイター、というイメージです。

●アリッサ・シズニー(24歳)US/エディット・ピアフ「バラ色の人生」
バックスタイルが美しい衣装ですね。またピンクがよく似合いますねえ~

コンテスティさんと同じ「バラ色の人生」でも、随分イメージが違いますね(笑)。
いつも思うんですけど、フィギュアスケートの使用曲って、どうしてこう重なるんでしょうね~?

よく知られているように、エディット・ピアフさんの「バラ色の人生」は、昔の恋人のポートレートを見ながら、彼と、彼との幸せだった日々を回想している歌です。
私の勝手なイメージは、年齢を重ねて、目尻の皺とホウレイ線、頭に幾ばくかの白髪を蓄えたフランス人マダムが、大きな宝石がついた指輪をはめた指でタバコをふかしながら、「私も若かったわ」と思いながらセピア色の写真を眺めている・・・というもの。
(べた過ぎですわね~。でも、デジタル写真隆盛になって、そんな風景はあと20年もすれば現実感が全くなくなるんでしょうね。)

シズニーさんって、とっても良い意味で「存在が半透明」なので、彼女の演技は、マダムが紫煙の向こう側に(2割増しで美化して)見ている、無知なんだけど若くて美しくて幸せいっぱいの自分のようでした。
重量感なく見事にくるくると回る彼女は、まさに回想シーンの幻。
何度も見返したほど、美しかったです。

●カロリーナ・コストナー(24歳)イタリア/ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第2番」
非常に動きにキレがありました。
しかも動きがいつもより大きい(特に上半身)。関節の稼働域をめいいっぱい使ってる感じで、いつもが7~8割くらいの使用だとすると、ぐっと9割以上にまで持っていって決めてる感じです。すごく肩甲骨の稼働を感じました(笑)。
これらのムーブメント、このショスタコーヴィチの音楽にとても合っていましたよね。

また、特にシズニーさんの後だと個性の対比が際立ちますが、他の人が着たら浮いちゃいそうなほどビビッドなピスタチオグリーンの衣装もまた、コストナーさんの個性を強調していました。
そして、その強調されていつもより強めに感じられた個性が、この楽曲にマッチしているようにも思えました。

コストナーさんは大柄で、どうしても身体に一定のイメージを伴いますから、表現の幅という意味では一見狭めに思えます。が、昨年滑ったドビュッシーの牧神~を思い起こすと、コストナーさんの表現の幅が思いのほか広いことを感じるのでした。
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by koharu-annex | 2011-10-25 02:37 | 2011-2012 フィギュアスケート