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もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

アメリカ大会男子SP

BS朝日で拝見したのですが、アーミン君(7位)、テン君(6位)、ラザノさん(9位)の演技が放映されませんでした。10人中7人が放映されたわけですが、選択の基準が分かりません。3人だけ省くのなら、順位ですっぱり切ってくれた方が、あきらめもつくってものです。

●村上さん(20歳)日本/The feeling begins(奇跡の始まり)
冒頭、いかにも緊張してる様子でこっちまで息苦しくなりかけたけど、上に頭を振る時に大きく口をあける癖(?)を見て、緊張しててもこれは出るんだ、と思わず微笑んでしまいました。楽曲については、DOIの雑感に書いたことを自分の備忘録として転記。

「その男ゾルバ」で有名なギリシャの文豪カザンザキス原作の映画「最後の誘惑」(マーティン・スコセッシ監督)のサントラ「パッション」(byピーター・ガブリエル)の中の楽曲。先日カザンザキスの作品を調べなきゃいけないことがあって、そのときの記憶がまだうっすら残っているので、ちょっと嬉しい。

ダヴィンチ・コードですっかり有名になったマグダラのマリアとキリストの結婚を扱ったもので、映画はお決まりの上映拒否に遭いました。カザンザキスもこの原作を含めた一連の新たなキリスト像作品のおかげで、ノーベル賞は受賞できなかったわ、死後、教会での埋葬を拒否されるわ、散々な目に。故郷クレタ島が彼の遺体を迎え入れてくれ、丘の上で眠っているそうです。

さて、村上さんの演技は映画とは特に関係なさそうでしたが、ちょっとエキゾチックな雰囲気の楽曲によくあった振付だったと思います。


緊張も手伝っているのでしょうが、もう少しこなれてくると良いなあと思いました。信ちゃんと同じタイプなのかな、なんというか「踊り」ってものに対する感度が高いタイプではなくて、緊張すると振り付け通りに身体を動かすだけで精いっぱいになっちゃう印象ですね。背中を押してくれる乗りの良い楽曲の方が、もっと楽に演技できるのはではないかな、と思ってしまいました。

●ドーンブッシュさん(20歳)US/運命
こちらも緊張されていましたが、村上さんに比べて明らかに乗りのよい楽曲に助けられた印象を受けました。ベートーベンの第5番をアレンジした楽曲で、メロディを良く知っているから観客も迷わず乗れる。もちろん本人も音楽に乗ることによって、スピーディーで快活な動きになっていた印象です。

原曲に比べてよりテンポをよくした音楽に合わせて、アクセントをつけた振付が随所に仕込まれていました。が、シーズン序盤だからということもあるのでしょうが、曲に乗って快活に動き過ぎた結果、自分でうまく制御できない状態に陥り、身体のコントロール力が少し足りない部分が前に出てきちゃって、結局、元の振付をこなしきれなかったと思われる部分が見受けられたのが残念でした。

●アモディオ君(21歳)フランス/サマータイムほか
暑くてけだるい夏に聴くのと、秋になって聴くのとでは、サマータイムって身体への沁み入り具合が全然違いますよねえ。夏にあったTHE ICEのときは、一瞬で音楽が骨髄に入ってきた感じ。また、THE ICEの時の方が、くだけた色気のある衣装で良かったと思いますが、試合では難しいのかな。

ジャンプのミスがあって成績は残念でしたが、ステップは素敵に踊れていたし、問題点はやはりステップ終盤からの体力かなあ、と相変わらずの感想で終わるのでした。

●バンデルペレンさん(29歳)ベルギー/シルク・ド・ソレイユより「キダム」
この年齢でこのジャンプはすごいですよね。
ループのしばらく後の蜘蛛のような決めポーズが好きです。

が、ジャンプが続く前半は、頭にはもうジャンプのことしかない、という感じが全身から出ていました。とはいえ、ジャンプが得意で、最大(かつ唯一?←実況の森下さんと解説の佐野さんの掛け合いから推察)の得点源で失敗したくないのであれば、それは仕方ないのかなとも思います。

●コンテスティさん(28歳)イタリア/ハンガリー行進曲(ベルリオーズ)、泥棒カササギ(ロッシーニ)、序曲1812年(チャイコ)
コンテスティさんの楽曲って楽しげで演者の背中を押してくれそうなものが多いですが、ご本人の技術が不安定で、たいていパフォーマンスとして完成されずに終わってしまうのが残念ですね。

●ブレジナさん(21歳)チェコ/鼓童
BS朝日で放映されたスケーターの中では、ブレジナさんと小塚さんの2人が抜きんでてよく動いていたように感じました。

もう少しスピード感とかテンポ感があれば、楽曲との相乗効果で演目としてはさらに盛り上がるのに、と思うところがありました。が、ステップやスピンでもリズムを外さなかったのは立派ではないでしょうか。

●小塚さん(22歳)/Inner Urge
4回転の前の動き、ちょっとかっこ良い!と思ったら、「ウォーレンウォーレイ(ジャンプ)」っていう技なのですね。解説の佐野さんの説明で知りました。←名称についてコメント欄でご指摘頂いたので、修正しました。ありがとうございます!後ほど個別にお返事させて頂きますね~

身体の動きが多彩になっていて驚き。冒頭の身体のひねりも今までの小塚さんに見られない身体の動かし方で良かったですよね。いずれも「表現手段」とまでは現段階ではまだ言えないのかもしれませんが、徐々にこなれていって身体のムーブメントとして沁みついていけば、飛躍的に表現力の向上が見られるのでは?と嬉しくなりました。
by koharu-annex | 2011-10-22 23:31 | 2011-2012 フィギュアスケート