もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

スペシャル・ドン・キホーテ

アメリカン・バレエ・シアター ジャパン・ツアー2011
「スペシャル・ドン・キホーテ」
2011年7月22日(金)午後6時30分~ @東京文化会館

私の好きなダンサー、エルマン・コルネホさんがケガのために来日できなくなって、キャスト変更がありました。
また、この日は出てくれたんだけど、アンヘル・コレーラさんが体調を崩されたようで、翌々日(24日)のバジル役を降板されるそうです。妙に涼しいので、お風邪でもひかれたのかしら。早く快復されることを祈っております。前回もアンヘルさんはケガで来日できなかったので(前回の記事はこちら)、日本のアンヘルファンの方は悲しんでらっしゃるでしょうね。

原振付: マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂: ケヴィン・マッケンジー、スーザン・ジョーンズ
音楽: ルートヴィヒ・ミンクス
編曲: ジャック・エヴァリー
原作: ミゲル・デ・セルバンテス

指揮: チャールズ・バーカー
管弦楽: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

出演: キトリ、バジル
【第1幕】 パロマ・ヘレーラ、ホセ・カレーニョ
【第2幕】 シオマラ・レイエス、アンヘル・コレーラ
【第3幕】 加治屋百合子、 ダニール・シムキン

【各幕共通】
メルセデス: ヴェロニカ・パールト   
エスパーダ: コリー・スターンズ
ジプシーのカップル: シモーン・メスマー、ジョセフ・フィリップス
森の精の女王: ヴェロニカ・パールト
キューピッド: サラ・レイン

ドン・キホーテ: ヴィクター・バービー
サンチョ・パンサ: アロン・スコット
ガマーシュ: クレイグ・サルステイン
ロレンツォ: アイザック・スタッパス

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、アメリカでの少々鬱々とした駐妻時代をABTに救ってもらったと思っているので、アメリカに住む前と180度変わって、このカンパニーのことはとても好きです。スター軍団と言われながら、いくつもの短所がすぐに思い浮かぶカンパニーですが、ABTに限っては、私は、その短所を全て受け入れる包容力さえ持ち合わせるに至っています。また、特にあの頃からいらっしゃるダンサーの方々には、非常に大きな愛着を持っています。

でも、感想は正直に書きます、ええ。

まず1幕。
パロマ・ヘレーラさん、前から仕草が少々がさつだったんですが、それは相変わらず(笑)。キトリでぎりぎりですよね。。。あと、昔から体が重いんですけど、更に重くなってた(笑)。技術も総じて高くなく、演技面においても単純な明るさと勝気さしか出せないタイプで、私に言わせれば、なんで評価が高いのか理解に苦しむダンサーの筆頭です。

彼女が出てくるなり、「あら~、さらに重くなってるねえ・・・ホセ君は片手リフトできるかしら~?」と心配になったのですが、案の定、リフトは2回とも失敗。特に1回目はひどかった。2回目もホセ君の努力むなしく上がりきらず。でも、これは両方とも、思い切り良く飛び上がりきれず、かつ体重を殆ど消せてないヘレーラさんの方の問題が大きいと思う。だけど、リフトできなかったとして、男性側が悪く思われがちなのがつらいところ。特にホセ君は、今季でABTを引退する(NYCでは既に引退公演を終えている)キャリアの長いダンサーであるため、要するに「年とった」と思われちゃうんだろうなあ~と気の毒に思う次第。

ホセ君は、所作・立ち居振る舞いを含め体の動きがとても上品な方なので、バジルよりも王子役が似合う方ですけれど、ヘレーラさんのハスッパと紙一重の「ちょっとしたがさつさ」を中和する役割を果たしていました。

メルセデスのナイフの踊りのABTバージョン、私は好きですね。小物に至るまでABTらしく派手で華やか。が、メルセデス役(2幕の森の精も)のヴェロニカさんが、相変わらずどこか「あとひと伸び欲しい」と思わせる中途半端な程度にとどまっていたことは残念でした。ただ、今回が初見であれば、そうは思わなかったとも思いますが(特にメルセデスに関しては)。

ガマーシュとロレンツォが素晴らしいですね。思いっきりアホやってくれてて、こういうのはABTは本当にもう世界一うまい!それにしても、アイザックさんがロレンツォとは。なんか年月の経過を感じました。

1幕のラスト、バジルとキトリが親父さんから逃げ出してわ~っと街が混乱する場面で終わるのですが、思いがけず、オケも一緒になって、大音響の中かなり混乱しちゃってました。あれは・・・楽器のいくつかが完全にずれたよね?

指揮者がシーンとダンサーによってかなりテンポを変える方でしたし、そもそもABTのドンキの音楽は、普通のドンキとかなり違っているので、演奏がかなり難しかったのだと思います。(普通のドンキの音楽とは異なることについては、東京フィルのブログにもその旨書かれていました。こちら

でもね、実はMetのABTの座付きのオケもひどいので(笑)、私はむしろ「ABTの舞台らしい!」とちょっと嬉しくなったのでした。ちょうど舞台上も混乱のシーンで、なんだか妙に合っていたし。

次に2幕。
シオマラちゃん、小柄だけど技術の高さは相変わらず。
アンヘルは、エルマンに代わって2幕のバジル役になったのですが(こちら)、アンヘル君はそもそも1幕だったのですよね。。。1幕のアンヘル君が見たかったなあ。

キューピッド役は、映画「ブラックスワン」の代役を務めたサラ・レーン(ジャパン・アーツの表示は「レイン」)さんですが、なーんと、シオマラちゃんの隣に並んだら・・・シオマラちゃんより小さい!?小柄だとは思っていましたが、シオマラちゃんよりも小さいくらいの小柄だったとは!ちょっとびっくり。

群舞?もちろん、ABTに「そろう」ってことを求めてはいけません!(笑)

ジプシーのカップルを踊ったジョセフ・フィリップスさんには、今後注目したい。

最後に3幕。
加治屋お嬢、細さは相変わらず。技術が一定レベル以上にそこそこ安定しているイメージだったのですが、この日はフェッテがあきませんでした。ほかの回転技でも軸のブレが目に付き、自立性も少し足りない。シムキン君に臨機応変にサポートしてもらえて随分助かったのではないでしょうか。

シムキン君は、男性に珍しいほどの柔軟性、高い技術、少年と見まごうようなキュートなお顔で、大人気のダンサーです。今回も柔らかい背中が気持ちよく、ジャンプも美しく、また回転も速く安定していて、盛んに拍手をもらっていました。

ただ、彼は体が小柄すぎるので、役柄とパートナーがかなり限定されてしまうところが気の毒なところですね。キャラクター・ダンサーの道でいくにしても、それでもソロ以外は同じ問題が出てきますからね・・・。
[PR]
by koharu-annex | 2011-07-24 01:24 | バレエ(ABT)