もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ベルリン国立バレエ団「チャイコフスキー」

ベルリン国立バレエ団 2011年日本公演
「チャイコフスキー」 生と死のミステリー 全2幕 
2011年1月23日(日)午後3時~ @東京文化会館

台本・振付・演出: ボリス・エイフマン
音楽: チャイコフスキー
装置・衣装: ヴェチェスラフ・オクネフ
【出演】
チャイコフスキー: ウラジミール・マラーホフ
分身/ドロッセルマイヤー: ヴィスラウ・クノップ
フォン・メック夫人: ベアトリス・クノップ
チャイコフスキーの妻: ナディア・サイダコワ
王子(若者/ジョーカー): ディヌ・タマズラカル
少女: ヤーナ・サレンコ

指揮: ヴェロ・ペーン
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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このバレエについては、ゲネプロのチケットも頂いていたのですが、仕事で行けず、ちょっと悲しい思いをしました。

エイフマンが、バレエ「チャイコフスキー」を振付けたのは93年。その後2006年になって、エイフマンはこれをマラーホフのために改訂しています。どこをどう改訂したのか存じ上げませんが、マラーホフが踊ることを念頭においた以上、エイフマンの振付の「ドS度」(byまーご様:いつもバレエに関してもコメント下さる有難い方です)が上がったことは、間違いないと思います。マラーホフが、この改訂版「チャイコフスキー」を踊る舞台を観る事ができて幸せでした。場面が転換するごとに驚嘆していたら、あっという間に終わってしまいました。

あらためて書くこともないことですが、マラーホフのダンサーとしての才能は凄まじいと思います。以前マラーホフ版「シンデレラ」の感想を書いたとき(こちら)、優れたダンサーが優れた振付家であるとは限らないと書きましたが、マラーホフが現役ダンサーの中で「不世出」と呼ばれるに値するダンサーであることは疑いようがないことです。

マラーホフの隣で男性ダンサーが踊ると、身体能力そのものはもちろん表現力にも叙情性にも差があることが明白になってしまうので、非常に酷な結果となることが多い。その意味では、今回のヴィスラウ・クノップ(分身/ドロッセルマイヤー役)もまた「まだまだ感」を感じることはありました。しかし、彼は充分善戦していたと思います。こちらにもアッパレと申し上げたいと思います。

最後に群舞について。
新聞の批評では(紙媒体で読んだ記憶があるので日経だと思う)、群舞がずっとフォルテ、フォルテ、フォルテ!で押しまくるのはどうか、というものがありました。私は、エイフマンの群舞は、圧迫感や閉塞感のある状況や主人公が感じる強迫観念等を表すために使用されることも多いと感じていて、特にそのような場合にはフォルテで押すことが良く似合うと思っています。

考えてみれば、エイフマンの群舞は、枯れ木の賑わい的なものであることは想定し難く、むしろ効果音とか照明などとともに明確な目的をもって用いられているものなので、そういう意味では独特の存在感がある、ということは言えると思います。その点が鼻につく、という方もいらっしゃるのだと思いますので、最終的には好みの問題だと思います。
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by koharu-annex | 2011-05-09 17:50 | バレエ(その他)