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もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ベルリン国立バレエ団「シンデレラ」

ベルリン国立バレエ団 2011年日本公演
「シンデレラ」 全2幕  2011年1月16日(日)午後3時 @東京文化会館

振付・演出: ウラジミール・マラーホフ
音楽: プロコフィエフ
装置・衣装: ヨルディ・ロイク
【出演】
シンデレラ: ポリーナ・セミオノワ
ゲスト・ダンサー/王子: ミハイル・カニスキン
甘いモノ好きのバレリーナ: ライナー・クレンシュテッター
アル中のバレリーナ: フェデリコ・スパリッタ
元プリマ/仙女: ベアトリス・クノップ
芸術監督: バーバラ・シュローダー
バレエ・マスター: トマス・カールボルグ
衣装デザイナー: エルフィ・グンプレヒト
そのアシスタント: マルツェナ・ソバンスカ
春の妖精: マリア・ジャンボナ
お付きの騎士: アレクサンドル・コルン
夏の妖精: エリサ・カリッロ・カブレラ
お付きの騎士: アルシャク・ガルミヤン
秋の妖精:  ステファニー・グリーンワルド
お付きの騎士: ウラジスラフ・マリノフ
冬の妖精: セブネム・ギュルゼッカー
お付きの騎士: アルトゥール・リル
舞踏会の人々: ヤーナ・バローヴァ、マリア・ボムポウリ、アニッサ・ブリュレ、ソラヤ・ブルノ、
          エロディー・エステーヴ、ヴェロニカ・フロディマ、針山愛美、ヨアンナ・ヤボロンスカ
          エリナー・ヤゴドニク、アナスタシア・クルコワ、ワレリア・マナコワ、
          ニコレッタ・マンニ、ナターリア・ミュノス、クリスティアーネ・ペガド、巣山葵、
          ヴェレーナ・サーム、クセニア・ウィースト

          マルチン・アロヨス、ゲヴォルク・アソヤン、タラス・ビレンコ、ミハエル・ファトゥラ、
          クリスティアン・クレール、マリアン・ラザール、エイメリック・モッセルアンズ、
          アレクセイ・オルレンコ、ハビエ・ペーニャ・バスケス、アレクサンドル・シュパク、
          ディヴィッド・シミック、ウリアン・タオイル、メフメト・ユマク
指揮: ヴェロ・ペーン
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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オケの金管・・・頑張ろうか・・。

このマラーホフ版「シンデレラ」は、シンデレラとしては変わったバージョンなのですが、予習していなかった方もいらっしゃったみたいですね。
幕が上がって、ガランとしたバレエのお稽古場があらわれた途端、小さく戸惑う方々の声が聞かれました。

1幕はこのバレエのお稽古場で展開するのだけど、これがつまらない。
マラーホフがやりたいことは分かるのだけど、起伏に欠け、半分ほどしかこちら側に伝わってこない。甘いもの好きのバレリーナも、アル中のバレリーナも、もっと良い演出ができるはず。
これで退屈するなというのが無理な話。
せっかくプロコフィエフの音楽が、細かく展開していく場面に沿って作られているのに、これを生かしきれないのは、全くもって「もったいない」。

その中で、春の妖精のジャンボナさんと、冬の妖精のギュルゼッカーさんの踊りは良くて、観れて嬉しかったな。

2幕で書き留めておきたい点は、時計。
シンデレラの舞台では珍しいことだと思いますが、パーティー会場の時計が、最初から正面に掲げられています。
パーティー開始の時には、その時計は9時を指しています。
舞踏会のシーンの音楽には、12時の魔法が解ける際の大きな「カッコン、カッコン♪」という音だけでなく、それよりもはるか前に2回、地味~に時計の音が仕込まれています。

その地味な時計の音を、マラーホフは2回とも拾って、踊りに小さく反映させるだけでなく、正面の時計の針も1時間ずつ動かしていきます。
観客は12時で魔法が切れることを当然分かっているので、これはちょっとドキドキする(笑)。
シンデレラの能天気な浮かれ具合が気になってくるわけですわね。

まー、それ以外は、このマラーホフ版「シンデレラ」は特筆すべきところがないというか、ぶっちゃけ、改訂の余地、大有りでしょう。
マラーホフは不世出のダンサーの1人であることは確かですが、どんな世界でも、「良い選手が良い監督とは限らない」のと同様、「良いダンサーが良い振付家とは限らない」ってことですわね。

だいたい、この「シンデレラ」は、マラーホフがポリーナのために作った作品ですが、正直、「もうええっちゅーねん」という感じですよ。
ポリーナのこと特別だと思ってるから!ってことしか伝わってこないんだもん。こんなん全幕で見せられても、鼻白んじゃうだけですわ。
ベルリンのダンサー達も、内心、こつまらないと思ってるんじゃないかしら。

ところで、この日は政財界や芸能界の方々が多く観客席にいらしてて、オーディエンスが華やかでした。
マラーホフも観客席に席を用意なさっていて、招待客の皆様とご挨拶なさってましたね。

私の席の近くで、神田うのさんが観劇してらしたのですが、うのさんがインターミッションで席を立たれた際、うのさんが席に置かれていた毛皮のショールを覗き込む方が! (タグのブランドを確認していたように見えましたが真相は不明)
これは・・・マナー違反と言うか、あまりにも下品でしょ。
ほんと、トホホ。
by koharu-annex | 2011-02-13 00:37 | バレエ(その他)