もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ロシア杯 雑感 その5

ロシア杯 11月19日~21日
男子 ショート&フリー その3

前回、チャンさんの演技構成点は高すぎるんじゃないか、ということを書いたら、皆様からいろんなコメントを頂きました。
詳しく教えてくださるコメントが多くて、大変感謝しております。できれば受講料をお支払いしたいくらいですわ!

鍵付でコメント下さった方が複数いらっしゃったので、皆様には流れが分かりにくいかもしれませんが、ワタクシ、コメントを拝読していて「あー、やっぱ書いとけば良かった。」と思ったことがあったのでした。

あまりに長くなりすぎるので省略しちゃったんですけど、前回の文末後には続きがあったのです。
今回は、それを書いておこうと。

実は、ずっと気になりながら言及しなかったことがあります。
それは、舞踊の中には、


下半身特化型


とでも呼ぶべき類型があることです。

例えば、アイリッシュダンスの一類型や、メキシコの民族舞踊の一類型には、「足技、とりわけ膝から下だけ」で踊るというものがあります。両手を後ろに組んで、純粋に足技であることを強調したりもします。
ショー形式の場合に、上半身に若干の振付がつくこともありますが、言ってしまえばラジオ体操レベルの動きと大差なく、舞踊的な意味は殆どありません。

もちろん、上半身を上に引き上げることで下半身の負担を減らす、ということを基本としている舞踊は多いし、実際、上の2つの舞踊では姿勢がまっすぐなので、上半身で上に引き上げているなあ、ということを感じます。
ですから、意識的・無意識的に上半身で引き上げている、という意味では、「上半身も使っている」ことになるかもしれません。が、それも鑑賞者にとってみれば、舞踊的な意味はありません。

「下半身」ときいて多くの人がぱっと思いつくのは、タップダンスではないでしょうか。
現在タップダンスには多様なものがあって、もはや全身を使った舞踊に入る類型も多いと思いますが、発生的には足技の踊りですから。
ただ、純粋に足技に重きを置いているタップダンスの場合でも、上半身や腕をつかって反動をつけることも多いので、上の2つの舞踊よりもずっと上半身を使っているといえるかもしれませんね。

下半身特化型の舞踊が、その舞踊に詳しくない観客をも喜ばせる大きなポイントは、「スピード」と「音」だと思います。
目にもとまらぬ高速ステップや、床を踏み鳴らすリズムの音は、とても魅力的です。
集団でパフォーマンスする際など、高速の動きと音が揃えば揃うほど、興奮度も高まろうというもの。

しかし、その足技の細かな技術や、高難度か否かという違いについては、素人の鑑賞者には分かりません。
分かるのは、動きや音のスピードが、「速いかどうか」、「スムーズかどうか」、集団の場合は「揃っているかどうか」、というものだと思います。

さて。
私の喉に刺さっている小さな小骨は、フィギュアスケートって、「下半身特化型」の舞踊とパラレルな部分があるのではないか?ということです。
もし、そうであるならば、たとえ上半身がラジオ体操レベルであっても、高い評価をもらうことはあり得ることです。

ただ、そのスケーターのレベルが、仮に陸上での「下半身特化型」の舞踊ならば、素人でも理解できるであろう、かなり高度なレベルのものであっても、氷上という特殊性のために、専門家あるいはある程度詳しいファンにしか理解してもらえない可能性は大きいですよね。

というのは、フィギュアスケートでは、誰が見ても分かる「ステップの高速さ」には氷上ゆえの限界があり、加えて誰にでも分かる「音」というものがありませんから。
ここに素人レベルの鑑賞者と専門家による評価との間に、乖離が生じる原因があるのではないか、と。

もちろん、その乖離を解消するために、「下半身特化型」の足技の技術の高さをそのままに、上半身もレベルの高い振付をこなせれば言うこと無しなんでしょうが、それは陸上での「下半身特化型」の踊りでも、とても難しいことです。
実際、上半身の舞踊をつけると、下半身のレベルは落とさざるを得ない場合が多いのではないでしょうかね。

そうすると、ですよ。
高橋さんのように全身で踊ってる選手がおり、実際に高橋さんは演技構成点で高得点を挙げていますけれども。

そもそも論として、フィギュアスケートは「下半身特化型」の類型として評価されるべき、という価値基準があるのであれば。
高橋さんよりも足技がずっとずっと優れているのであれば、上半身がラジオ体操でもカカシでも、高橋さんよりも評価が高い、というのは至極納得できる話なんです。

もちろん、足技のレベルが高橋さんよりも「ほんの少しだけ」高いというレベルの場合は・・・全身で踊ってる高橋さんの方がエライのではないか?というのが私の感覚ですが。

鍵コメでコメント下さった方には、このような「下半身特化型」の価値基準に近いのではないか?、と思われるコメントを残して下さった方が複数いらっしゃいました。
加えて、チャンさんは、この「足技」に極めて優れた方、ということも複数の方が指摘して下さってました。

ということで。
結論としては、「足技」が分かるようにならなければ、チャンさんについては理解できない、ということのようですわね。

・・・長い道のりだわ~。

というか、無理な気がする。
私、全くスケートの経験がないので(小学校5年生くらいのときに1回やって、恐怖でそれ以来やってない)

無理だとすれば・・・チャンさんのことを無視するしかないかなあ~とも思ったりもするのでした。
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by koharu-annex | 2010-12-01 19:50 | 2010-2011 フィギュアスケート