もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ロシア杯 雑感 その4

ロシア杯 11月19日~21日
男子 ショート&フリー その2

仕事を持ち帰ってテレビをつけたら、BSのハイビジョン特集で、「人生をタンゴに刻んで~世界選手権に挑むダンサーたち~」という番組をやってました。

日本人女性(パートナーはアルゼンチン男性のようです)が優勝した、この8月にブエノスアイレスで開かれたタンゴの世界選手権を取材したものでした。

おお、アルゼンチンは8月は冬だったね、などと思いながら、久しぶりにアルゼンチンタンゴを見られて楽しかったけど、ダンスシーンがちょっと少なめだったのが残念。

見ながら思い出したのは、名バレエダンサーだったフリオ・ボッカのこと。
私は彼のバレエダンサーとしての引退公演を、NYCのMetで観ているんだけど(こちら参照)、向こうの新聞だったか雑誌だったかの記事によると、彼は引退後はアルゼンチンタンゴダンサーとしてやっていく、みたいなことが書いてあった記憶が・・・。
確か、現役のバレエダンサーだった頃から、ABTのオフシーズンにはアルゼンチンタンゴのカンパニーを率いて公演とかやってたと思うのだけど、その後、どうなったのかな?


●パトリック・チャン(19才) カナダ
SPはテイク・ファイブ、FPはファントム。
はぁ・・・。

アメリカ杯の雑感で、高橋さんに関して、概要、以下のことを書いたじゃないですか。
(1)舞踊面では抜群。
(2)だから、演技構成点が他の選手に比し抜群に高いのは理解できるし当然。
(3)でも、演技構成点と技術点のバランスが現状で良いのかは疑問。

ここから先について、私の説明が足りなかったのですが。
実のところワタクシの心の内ではですね、織田さんがジャンプを飛びすぎるというどアホなミスをしなければ優勝できたことを知って、(3)についてはですね、

ま、本来なら、今回技術が駄目だった高橋さんより、技術がちゃんとしてた織田さんが勝てるはずだったんなら、バランスはひどく悪いわけじゃないんだな~

ということで、決着がついていたんですよ。

しかし。
チャンさんを見て、次なる疑問が。
以前こちらに書いたように、チャンさんって舞踊面での魅力は極めて薄いんですよね。

この点、はっきり言わせてもらえれば、高橋君がトップレベルのダンスカンパニーでも主役をはれるレベルだとすれば、チャンさんはその辺の素人向けダンス教室で「上手ね~」といわれてる程度の生徒さん、というくらいのレベルの差があります。

たぶん、今私が通ってるスポーツクラブでも、ある一定程度以上に上手な方に頼めば、下半身のスケート部分は足踏みになっちゃうけど、チャンさんの踊りをそっくり真似て、チャンさんと同じ程度のインプレッションを残すレベルで踊ることができる人は複数いらっしゃると思いますよ。
(また関係ないところで出して申し訳ないけど、キムヨナちゃんの踊りもその程度だと思う。)

もちろん、チャンさんにある「下級貴族」な雰囲気や、ヨナちゃんにある「硬質なセクシーさ」という情感まで真似て表現できるか、という問題は次にあります。

が、肝心の舞踊面が素人レベルである以上、この雰囲気や情感というのは、演目の要求する要素と高いレベルでマッチングするか、自分自身の世界観の外界への表出としてほぼ100に近いレベルで生かしきれないと、評価に値しない、というのが私の意見。
(脱線するけど、私がダンサー系ではないけれども独特の世界観をいつも表出できるシュルタイスさん等のスケーターに対して高い評価を行うのは、私のこの意見によっています。)

だから、ヨナちゃんの007は彼女の「硬質なセクシーさ」を100%生かしきった演目として、評価に値すると思っているけれども(私は過去にも名SPだと評価してる。こちら)、「下級貴族」な雰囲気という演目の要求する一部の要素にしか合致しないチャンさんのファントムは、私の感覚ではかなり評価が低くなってしまいます。

したがって、どうしてチャンさんの「オペラ座・・・」の演技構成点が、81.96などという高橋さん以外では見たこともないような点数になるのか、私には全く理解不能です。
スケーティング技術はさておいても、他にも評価項目があるのに、そしてその「他の評価項目」は舞踊意的な魅力と非常に親和性が高いものであるのに、どうしてこんなことになるの?

これじゃ、あんなに一生懸命踊ってる高橋さんが、アホみたいじゃないですか。
まさに踊り損ですよ。

私はね、例えばベルネルさんのSP(雨に唄えば)は、動きが比較的少ないし、舞踊面に関してすごく高い技術が要求されているわけではないですから、時々皆さんがコメントに書いて下さる「省エネプログラム」という範疇に入るかもしれないと思っています。
が、私は別記事で2回書いたように、このSPについては、演目の世界観の表現や、傘が見えるような細かな演技が秀逸なので、評価してます。
だから、「省エネプログラム」を全て否定しているわけじゃない。

でも、基本はやっぱり、「動いてなんぼ、動けてなんぼ」だと思います。
だから、形式的な一般論になりますが、「省エネプログラム」をやり遂げた場合に比べて、その真逆をいく「燃費の悪いプログラム」をやり遂げた場合に、より高い演技構成点が与えられるべきだと思いますよ。

もちろん、「省エネプログラム」でも、ベルネルさんのように世界観の構築に成功しているような場合は、上乗せされて当然です。また、「燃費の悪いプログラム」に評価に値しないものが存在することも事実ですので、その場合に演技構成点を抑えることも当然です。

後者の例。
悪い例に出して申し訳ないけど、例えばこちらの記事で書いた町田さん。
町田さんのプログラムって、振付が必要以上にギュウギュウなんですよ。

高橋さんのプログラムも「燃費の悪いプログラム」なわけですが、彼は「燃費の悪いプログラム」をやり遂げるだけの踊り心がある。ところが、まだ踊りのレベルが拙い町田さんの場合は、「燃費の悪いプログラム」を未消化なまま披露するしかなかった。いくら元の振付に高度なものが詰まっていても、実際のパフォーマンスがこういう出来では、評価できない。

なので、いくら動いても演技構成点に結びつくのは難しいと思うし、実際結びついていなかったのは仕方ないと思います。

私の感覚は、以上のようなものです。

だから。

凡庸かつ簡単な振付を、凡庸なレベルでこなしているに過ぎず、特に独特の世界観を構築するわけでもなければ、演目と演者の個性がぴたりと合致して妙なる味を出しているわけでもない、チャンさんの演技が、演技構成点でどーしてあんな高得点を叩き出せるのか、どーしても解せない!!

やっぱり、政治色にしか思えないなあ。

政治色じゃないなら・・・

フィギュアスケートにおける「表現」に関する考え方は、私の感覚とは著しくかけ離れており、「世界があまりに違いすぎる」としか言いようが無い。
もちろん、私は、自分の感覚がフィギュアスケート鑑賞者の中でもかなり亜流だともともと自覚しているのだけど、この「あまりに違いすぎる」というは、かなりツライな~、と思う次第。
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by koharu-annex | 2010-11-26 01:15 | 2010-2011 フィギュアスケート