もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ロシア杯 雑感 その2

ロシア杯 11月19日~21日
女子 ショート&フリー その2

●アシュリー・ワグナー(19才) USA
SPは、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」より。
当初、この映画のサントラを女性スケーターの演目に使用するのに、「なぜにアマポーラが使われてないの?」と、つい疑問に思ってしまいました。
が、想像してみると、アマポーラはレイチェルさんのイメージの一部と完全にかぶるので、結論としては使用しないで良かったかな、と。

FPはマラゲーニャ。
NHK杯のときよりも良く動けていたし、また安定した印象です。
レイバックスピンの後半で、ハープの細かいメロディと合わせて手首を動かしていたのですけど、それがとても綺麗でした。

ただ、SP、FPを通してどこかインパクトに欠けるのは、無理せず無難にまとめ過ぎているからでしょうか・・・?

●安藤美姫(22才) 日本
SPは、ブロークン・ソローほか。
ロシア杯の後の報道によると、SPの楽曲を変更するとのことでしたから、この楽曲でのパフォーマンスを見るのはこれが最後となりますね。
中国杯のときの雑感でも書きましたが、この楽曲は身体表現を行うには難しいので、変更は吉と出るのではないでしょうか。

直前の練習の際に男子選手と衝突して腰に肉離れを起こすというアクシデントのせいで、腰にはばりばりのテーピング。
SPもFPも衣装の背中がぐっと開いているので、テーピングの様子が良く分かります。
格好は悪いかもしれませんが、むしろ誰にでも分かってもらえるという点で、競技においては良かったのではないかと思います。

腰をやられているときに、腰を反らせることがキツイことは、腰にケガをしたことがない方にも想像できると思います。
が、実は、物を掴むなどの日常の動作ではなく、舞踊的な動作として「腕」を動かすことも、腰をケガしているときはキツイのです。
未経験の方が想像するよりも、ずっとずっとキツイ。
私も腰にケガをした経験があるので、今回の安藤さんの演技を見ている最中、痛さを想像してしまって身体が固まってしまいました。

今回のSPの振付は、腕の振りが激しいですから、かなりキツかったと思います。
が、安藤さん、気丈によく動いていました。
もちろん、全般を通して緊張した表情でしたし、肩も上がっていて、動きの端々に「痛いんだろうなあ」と思わせるニュアンスが感じられましたが、あの状態であそこまで動かすことができれば上等でしょう。

また、慎重に動いていたせいか、中国杯のときのような早取りではなく、音楽をジャストで取っており、そこも良かったと思います。

FPは、グリーグのピアコンイ短調。
顔がくもっていたし、テーピングは相変わらずなので、まだかなり痛いのだと想像。
やはり体に力が入っていない様子で、その入らなさ加減が、「あー、分かる~。そうなるよね~」と感じられる部分もあり、見ていると自分の腰にもなにやら痛さを感じるような・・・。

最後のスピン、つらそうでしたね。
あれは痛いよ・・・。

本当に良く頑張りました。
ロシアの観客の方々から送られていた温かい声援と拍手、こちらも嬉しくなりました。

中国杯のときもそうでしたが、SPのときもFPのときも直前に、モロゾフさんが安藤さんの首の後ろのホック(?)や襟(?)を整えていますよね。
その際、ごくナチュラルに「彼女がされるがままになっていた」というか、当然のように「彼女がさせている」というか、まあ、どちらでもいいんですけど、長く信頼関係を培ってきた人間達にしか出せない空気を漂わせていた様子が、可愛くて微笑ましかったです。

●鈴木明子(25才) 日本
SPは、タンゴ・ジェラシー。
中国杯のときよりも、踊りの完成度は更に上がっていると思いました。
男性の踊り手が高橋さんなら、女性の踊り手は鈴木さんですよね。

高橋さんと同様、鈴木さんも、身体全体のコントロール能力が抜群です。
ステップやつなぎの部分のムーブメントの全てが、理想的な美しい・カッコ良い姿勢で行われている。
これは一時停止ボタンを次々に押してみるとよく分かるので、面白いのでやってみて下さい。
どの時点でも、「変なカッコ~笑」みないなことが、この2人には殆どないと思います。

パーツで言えば、鈴木さんの背中や首の使い方に注目してもらっても、奥深く楽しいかもしれません。
ちなみに、首をよく反らせるためには、実は背中を使えないといけない。
普通の人が首を反らせた場合、客観的に見ると、頭を後ろに持っていっただけ、ということが多い。
見た目に美しい「首の反り」のフォルムというのは、首根っこのずっと下の、肩甲骨の間くらいから曲げているのですわ。
(ちなみに、私は昔から背中が硬いんですけど、どうしても首をきれいに反らせたくて無理して曲げてしまった時期があって、今でもこの部分に軽いヘルニアがある。)

FPは、屋根の上のヴァイオリン弾き。
衣装を、中国杯のときと同じ白地でも、黒いトリミングのあるものに変えましたね。
コメントも頂いておりますが、白地にこだわっていらっしゃるということは、やはり花嫁衣裳を意識なさっているのかもしれないですね。

軽やかで幸福感があって、相変わらず、とても良いですね。
彼女の踊り心が高いから、ものすごくナチュラルにこなしているので気づかず見流してしまいがちだけれども、すごく凝った複雑な振付ですよね。
これをここまで踊れるのは、文字通り、アッパレ。

安藤さんほど往年の固定ファンが多くない印象ですが、観客の方から温かい拍手と手拍子を頂けていたのが、嬉しかったです。
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by koharu-annex | 2010-11-25 01:25 | 2010-2011 フィギュアスケート