もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

アメリカ杯 雑感 その1

アメリカ杯 11月12日~14日
女子 ショート&フリー

遅れを取り戻すために、黙々と書く。

●ヨシ・ヘルゲソン(17才) スウェーデン
SPは、「サラバンド」。
ヘンデルのハープシコード組曲の第2番。
ピアノで演奏されることもあるのですけど、ヨシさんのは・・・器楽曲でしたかね?
まあ、いいや。見直す時間がナッシング。

大柄で背が高く、ダイナミックなところがある彼女に、この音楽のスケール感は合っていますよね。
スピードがありましたし(安定して出ているわけではないけれど)、動きにキレもありました。
ただ、その反面として、ちょっと動作が荒いのが残念ですね。

FPは、「パラディオ」ほか。
この曲ってよく耳にするけど、なんだろう?と思ってググッてみたら、ヤフーの知恵袋にこんなやりとりが。ありがたや~。
割と新しい楽曲だったのですね。

中国杯のときは、ベトベン「運命」ほかだったんですが、音楽を変えたのですね。
「運命」のときは、振付が音楽と合っていないというか殆ど乖離した印象でした。
一般的に大柄な方のハンデとして、スピードやキレがない場合に、のっそり・まったりとした印象を無駄に残してしまうことが挙げられますが、「運命」のときのヨシさんはまさにそうでした。

今回の音楽は、彼女の長所を引き出すようなタイプで、個性にとても合っていました。
そのせいか、スピードに乗ってよく動けていました。
レイチェルさんのパフォーマンスとスタンディングオベーションの後に、ここまで滑ることが出来たのは立派だと思いました。

●カロリーナ・コストナー(23才) イタリア
SPは、ガリシア・フラメンコ。
NHK杯のときも私は肯定的に書いているのですが(こちら)、振り付けを完全に自分のものにした感じで、キメが素晴らしく、完成度が高くなっていました。

キリっとすべきところを押さえていて、更にフラメンコ感が増し、フラメンコのスカートが翻る幻が何度も見えるよう。
赤い髪かざりも含め、彼女にとても似合う衣装も、これに一役買っていると思います。

FPは、牧神の午後への前奏曲。
スピードや雰囲気は良く出てて、これはスルメ系(噛めば噛むほど味が出る)のプログラムかも・・・と思ったりもしたのですが。
後半のジャンプの失敗で、流れが何度も切れてしまったのが残念でしたね。

●レイチェル・フラット(18才) USA
SPはサマータイムほか、FPは10番街の殺人より。
NHK杯のときよりも、スピード、ムーブメント、マイムや演劇的な表情などが、全てレベルアップしていた印象です。
NHK杯のときも書きましたが(こちらこちら)、彼女には「古き良き時代のアメリカ」というイメージがとても似合っているし、私はそんな彼女の雰囲気やパフォーマンスが好きです。

ただし、レイチェルさんのパフォーマンスに関する、解説の荒川さんによる「たくさんの表情を持っている」という評は、誤解を招くと思います。

荒川さんってよくこの「表情」という言葉で評価をするんですけど、ちゃんと聞いてると、身体の表情について言及しているのではなく、「顔」の表情を褒めているに過ぎないんですよね。

確かに、例えば「仏頂面のお姫様」を想像すると分かるように、身体表現でも顔の表情は無視できないですよ。
でも、やっぱり第一に褒めるべきは、同じ「表情」という言葉を使用するとしても、「身体」のムーブメントによりかもし出される表情であるべきだと思うし、実際、身体表現を評して「表情豊か」などという場合、そういう意味で使われることが多いと思う。

レイチェルさんは、比較的、顔の表情をつけるタイプですよ。
だけど、レイチェルさんのパフォーマンスにおける表現の幅というのは、現時点では、固定された1つのカテゴリ(私の言い方で言うと「古き良き時代のアメリカ」)しかない。
そのカテゴリにおける演目の完成度を高めるべく、彼女がいろんなムーブメントを入れて、それを完璧に踊りきっていることも確かですが、それでも、彼女の身体表現について「いろんな表情」があるとは言い難い、というのが私の感覚です。

●村上佳菜子(16才) 日本
SPはジャンピング・ジャック。
冒頭から顔に緊張が現れていましたが、全体を通して動きの弾け具合も、顔の表情の明るさも、NHK杯のときの方が格段に上だと思いました。
なので、ちょっとハラハラしたのですが、運動量が多い振り付けをちゃん踊れてて良かったです。

FPはマスク・オブ・ゾロ。
NHK杯のときよりも、ゾロのちょっとした重厚感あるかっこ良さが出てて、良かったのではないでしょうか。
ゾロの剣さばきが見えるようでしたよ!
お姫様の部分はまだまだだけどね(笑)。

彼女は他の同年齢のスケーターに比べて、高い運動量とスピードが落ちませんから、体力があるのでしょうね。
それは素晴らしいことです。

コメントを下さる方々から、彼女のジャンプに関して体のクセがあることや、年齢的に体型変化に差し掛かったときのジャンプの変化に心配があること、その他マスコミ報道の問題点についても、教えて頂いております。
確かに、彼女は、ジャンプがダメだと露骨に踊りもダメになっているので(NHK杯のFP)、この先ジャンプに懸念が生じた場合に、調子を崩す可能性はある程度高いと思います。

が、本来持ってる「ダンスが好き」という性質で、演目全体としての出来栄えについてフォローができるようになれれば良いな、と思います(この良い例は高橋選手ですね)。

ま、実は、この点掘り下げて言うと、「ダンスが好き」というのと「表現が好き」というのは、微妙にずれる部分があってですね・・・(高橋選手は、「ダンス好き」の「表現好き」です)。
私の懸念はジャンプよりもむしろそこでして。
佳菜子ちゃんが、ぶっちゃけ、「ダンスは好きだけど、表現って好きじゃない」と言い出さないかと、そこが心配です。
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by koharu-annex | 2010-11-20 12:59 | 2010-2011 フィギュアスケート