もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

NHK杯 雑感 その3

NHK杯 女子ショートプログラム 2010年10月22日(金) @日本ガイシアリーナ(名古屋市)

解   説: 八木沼純子さん
アナウンサー: 刈屋富士雄さん

22日(金)夜の総合テレビを録画していたんですけど、なんと4人目からだった・・・そうなのか。。。不覚。
翌23日午後に放送したBSの録画の方は、全員の演技を放送したのかしら。

●アシュリー・ワグナー(19才) アメリカ
映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」より byモリコーネ

八木沼さんも刈谷さんもとても褒めてらしたけど・・・
私、この方の「力み」が気になります。

この方の力みってね、緊張して力が入っている類とか、言っちゃえば一過性のものじゃなくて、体の癖として、芯の方に無駄な力が入ってる感じなんですよね。
これは良くない。
八木沼さんは、「表現の幅の広さを感じる」とかおっしゃってましたけど、私の経験からすると、この手の力みのある方というのは、身体表現者としては根本的に不器用なんですよね。
だから、むしろ表現の幅は狭いことが多いのですよ。
そうでないことを祈りますが・・・。

●村上佳菜子さん(15才) 日本
ジャンピング・ジャック

はじける笑顔、はじける若さ、という言葉がこれ以上似合う少女は、今いませんね(笑)。
他の人が着たらドン引きされるようなアホっぽい衣装も、な~んと可愛らしく似合うことでしょう。
初っ端でにた~っと笑っちゃうところとか、プレゼント受け取ろうとして帰るときに転んじゃうところとか、この人には、注目をひく何かがついているし、何より「ポップな華」(案外珍しいですよね)のある方ですね。

あとね、前も言ったけど、彼女、やっぱり、踊りがうまいです。
体中で弾けるように踊れる人です。
上半身だけ、あるいは、下半身だけ、で踊っている部分が全くと言って良いほど、ない。
これは、踊りがうまい証拠です(分からない人は、ヨナちゃんと比べてみよう。)

いやいや、見てて気持ちが良かったです。

●エレーネ・ゲデバニシビリ(20才) グルジア
「シカゴ」(2002年アメリカ映画)よりセル・ブロック・タンゴ

当初、髪の色に目が釘付け。前は違った・・・よね?
豊満で色気があるので、シカゴの選択は悪くないかもしれませんが、もうすこし「悪」だったり「自堕落」な感じがあると良いですね。
(やっぱり、前に書いたとおり(こちら)、シカゴはヨナちゃんの演目だな・・・。他の人では、何かもう一つ物足りない。)

●キャロライン・ザン(17才) アメリカ
リベルタンゴ byピアソラ

ありゃま、ずいぶん貫禄がましたというか、ふくよかにおなりで。
肩~背中の肉のつき方はどうしたことでしょう。これって、肩甲骨近辺のストレッチを全部放棄していないと、こうならないでしょ。事実、腕を後ろに回すときに苦しそうです。

体力もなくて、音楽に遅れるほどスピードも出ていなかったし、・・・どこかお怪我をなさったか、ずっと体調が悪いとか、特殊なご事情がおありですか?

●レイチェル・フラット(18才) アメリカ
サマータイムほか byジョージ・ガーシュイン
Oh, But on the Third Day byウィントン・マルサリス

私はレイチェルさんの、知的で包容力がありながらお茶目なところもある感じが、とても好きです。
まあ、身体表現者としてはもう少し体絞れよ、とも思いますが、そうすると彼女の良いところ(主にこの場合は包容力)が減りそうで、ダメだしする気は起こらないなあ(笑)。
古き良き時代のアメリカ、という路線で行くのがいいですね(表現の幅は狭いけど仕方なし)。

●キーラ・コルピ(22才) フィンランド
虹の彼方に 映画「オズの魔法使い」より

うーん、この楽曲は、彼女には幼すぎるんじゃないだろうか。
オズの魔法使いの主人公ドロシーは、あどけない少女だからね。
コルビさんの大人っぽく美しい感じが、あまり生かされていない(というかむしろ減殺している)気がする。
もしかすると、いえいえドロシーではなく白の魔女ですって話かもしれないけど(白の魔女として見た場合、彼女の姿は本当に素敵ですね)、映画ではドロシーが歌ってるからな~・・・うーん。

●カロリーナ・コストナー(23才) イタリア
ガリシア・フラメンコ

冒頭から最期まで通して、フラメンコを模した腕の動きがとても素敵でしたね。
少しヨタつくところも何度かあったのですけど、フラメンコの腰の動きを模した振り付けがあって、コストナーさんの向こう側にフラメンコの長いスカートがひるがえってなびいているのが見えるようでした。
大柄な彼女に良く似合う、スケール感のある素敵な演目だったと思います。
もっと滑り込んで、完璧に振り付けをこなせば、とっても素敵になるでしょうね。

●浅田真央(20才) 日本
映画「ロマノフ王朝の最期」より byアルフレッド・シュニトケ

DOIのとき、体の外延が1センチ緩んでいるのがいかにもオフシーズン・・・という趣旨のことを書いたのですが(こちら)、ついこないだのJOやCOIのときも、「うん、まだシーズン始まったばかりだからね」という感じだったのに、あっという間、というよりも異常なほど早く、体が細くなりました。ハードな練習を続けているのでしょうけど、ちょっと心配なほどです。

音楽、アイスダンスのイリニフ/カツァラボフ組(ロシア)のショートダンスと同じく、映画「ロマノフ王朝の最期」からピックアップしているのですね(こちら参照)。
イリニフ/カツァラボフ組もショートダンスの後半はタンゴだったのですが、ハイテンポのものでした。真央さんの方が哀愁が感じられる素敵なメロディでしたが、テンポはイリニフ/カツァラボフ組のタンゴの方が真央さんは得意だと思いますね。
特に、フリーが愛の夢という流れるような音楽なので、タンゴではアップテンポの方が印象がより変わって良かったかもしれません。

私が最も気になったのは、体に力が入っていない感じがしたことです。
熱がある人のようにふわふわした感じがするというか、体の重心をどこでどう取ったら良いか、本人が分かっていない感じです(ジャンプのときだけに限りません。全体です)。
ジャンプが現在の最重要課題なので、そこに不安があるという精神的なものの可能性が大きく、それなら逆に心配はないと思いますが。

先日(25日)、NHK総合「プロフェッショナル~仕事の流儀~ 世界のプリマ 最後の闘いの日々~バレリーナ・吉田都」を見た際(こちら参照)、都さんが、「時間がない。」「ステップが体に入ってない。」「ステップを考えているようじゃダメなのに。」、と焦る様子が映されていたんです。
何度も踊ってきて、十八番と呼ばれたシンデレラ役を、ロンドンでの最終公演に向けて練習していた際の言葉です。
都さんは、この理由を説明するのに、「120%の準備が出来ないと舞台には立てない」、と断言されたんです。

私、これを聞いて、瞬時に真央さんのことを思ったんですよね。
真央ちゃんもNHK杯の前は、そういう気持ちだったかもしれない、だから本音のところでは120%に仕上げれていない以上、出たくはなかったのかもしれない、と。

とはいえ、真央さんは、プロの舞台を見せるダンサーではなくスポーツ競技の選手ですから、試合カンを衰えさせない意味でも、ある程度試合には出た方が良い、という面もあると思います。
なので、私の結論は、このスケーターの一段上への成長を信じて、これからしばらく目の前に繰り広げられる「胸が苦しくなること」に負けてしまわないよう、ファンも単なる鑑賞者もストレス耐性を高めていきましょう、というものです。

そして、その際、真央さんに対する気持ちの上での距離感を、冷静に一定に保つことが、どちらにとっても幸せなことなのではないかと思います。
どんな事があっても距離感が一定で変わらない友人というのは、嬉しいものです。このことは、人間関係一般にも言えることで、おそらくスター選手などのいわゆる「人気者」とその応援者との距離感についても、同じことが言えるのではないでしょうか。
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by koharu-annex | 2010-10-28 21:54 | 2010-2011 フィギュアスケート