もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カーニバルオンアイス2010 雑感

●羽生さん
「ツィゴイネルワイゼン」 サラサーテ
襟元のフリルとかリボンとか・・・こういう衣装が珍しく似合う日本男子ですね。

まだ華奢な少年体型が残っているせいもあるのでしょうけど、ジャンプで倒れたりした際に、一部の10代の少年しか持ち得ない「はかないきらめき」みたいなものがシャリンと音を立てるようです。

こういうのって無くなっちゃうんですよね・・・そう、「男性の人生において、ごく年若い男子である時の一瞬にしか存在しない美がある」という現実を実感するのは、ある程度の年数を生きた後です(笑)。
いつか詳しく記事に書くかもしれませんが(いつ!?←自分突っ込み)、世阿弥も、この点はっきり言い切ってる。もちろん、三島も言い切ってる(笑)。

念のため言ってしまうと、この「美」というのは誰しもが持っているのかもしれませんが、多くの人にその「美」を感じさせることができる人というのは、数が限られている。
羽生さんは、その限られた人物の1人だと思います。
そして、「今の」羽生君は、まさにその「美」の真っ只中にある。
この意味で、実に、鑑賞時期にある方と言えると思います。

その「美」が無くなった頃には、体力もつき、また、彼の「躍り心」にもっと磨きがかかっているでしょうから、今度は彼の舞踊について鑑賞時期が来るでしょう。

●キャシー・リード&クリス・リードさん
「So She Dances」 byジョシュ・グローバン
・・・相変わらず、姉ちゃんの尻に敷かれてるんだろうな・・・クリス。
頑張れ、「額縁」(byキャシー)。


●安藤さん
「Why do people fall in love?」 リンダ・エダー

若いバレリーナと絶頂期を迎えつつあるバレリーナの身体、顕著に違う身体の箇所の1つに、背中があります。それは、上半身の動き(素人目にも顕著なのは腕の動きです)を使った表現をするために、鍛え上げられたものです。

安藤さんの背中、絶頂期を迎えつつあるバレリーナの背中に近くなってきています。
小手先だけでなく、地道に訓練してきたのが良く分かります。

肩に爆弾を抱えているから余計そうなのでしょうけど、彼女は、腕を肩で動かすのではなく、遠くにある広背筋を使って動かすようにしていますね。こうすると、肩に余計なチカラが入らないので、非常に美しい。彼女にとっては一石二鳥ですよね。

一般に、手首を綺麗に見せるためには、ヒジ、ヒジを綺麗に見せるためには肩と背中、肩を下げて綺麗に見せるためには背中、という風に、綺麗に見せたいところの奥にある箇所に気をつけなくてはならないのですけど、そこがきちんと意識されている感じです。
私は、こういう本質的なところがちゃんとできている表現者が、本当に好きです。

昨シーズンに比べても数段のレベルアップではないでしょうか。
また、彼女はいつもそうですが、昨日の試合用のFPよりもEXの方が、ずっと表現が豊かになっていますね。

●プルさま
「灰色の途」セルジュ・ラマ
ここまで情感のこもったフルコーラスが入った音楽に負けていないのは、立派ですよね。
昨夜よりも丁寧に滑っていらして、私は今日のプル様のが好きですね。

若くとんがった振付家に、斬新な演目を振付けてもらいたいもんだ。

●サーシャ・コーエンさん
「映画『キャバレー』より 『私の愛するあなた』」 byライザ・ミネリ
私はサーシャさんの身体や、そこから繰り出される技のタイプが、非常に好みなんですよね。
久しぶりに見れて、とても嬉しかったです。
これだけで、この録画、永久保存決定です。

●小塚さん
「free fallin'」 ジョン・メイヤー
私は、小塚さんには、こういう現代的で少し都会的な雰囲気の方が、クラシックよりも似合っていると思いますね。

顔の表情を頑張っているらしいですが、私が、この手の曲に最も必要だと思っているのは、顔の表情よりもむしろ、ちょっとした「雰囲気」です(顔はクールな表情さえできればそれで良い、とさえ言える)。

ちょっとした「雰囲気」を出すには、少しスノッブなしぐさやタメが必要なので、そこを照れずに出来るようになることの方が、演目の完成度という意味では近道ではないでしょうかね。

で、それができたら、最後の仕上げは、瞬間的な「悲しい表情」かもしれません。
この手の曲に、ほんのちょっとの(←ここがポイント)哀愁という味付けができると、魅力倍増ですから。(理想は背中で哀愁を一瞬見せることだが)

●ジョアニー・ロシェットさん
「Die Another Day」 byマドンナ
昨日に引き続き、今日も素晴らしかった!
いやいや、こんなに踊れる人だったんですね。
今シーズン、これだけにしか出ないなんて、何だか本当にもったいないですね。

●川口悠子&アレクサンドル・スミルノフさん
「ツァラトゥストラはかく語りき」 リチャード・シュトラウス
この音楽を聴くと、反射的に、映画「2001年宇宙の旅」が・・・。
しかし、あの映画に負けない壮大さと力強さでした。
シンクロ率も昨シーズンより、ずっと上がっているような気がします。

●ジェフリー・バトルさん
「Sunglasses at Night」 byコリー・ハート
ジェフリーさんがクラシック演目を選択することを否定するつもりはありませんが、こっち系のがずっと合っている気がしますね~

この曲をあそこまで仕上げることが出来る人って、なかなかいないと思いますよ。
猫背の怪しいサングラス男、非常に良かったデス。

●荒川さん
「アヴェ マリア」
少し痩せすぎでは・・・
本田さんのように貫禄が出て、「現役引退するとな~」感が出るのが怖いのかもしれませんが、これはちょっと心配です。

●高橋さん
「映画『アメリ』より」 ヤン・ティルセン
このプログラムは、ご本人がおっしゃっているとおり、とても勉強になるでしょうね。
まだ深められる印象です。深めたら・・・ズタボロ・ホセ君を是非(笑、こちら参照)。

動きがスローで少ないので戸惑っているのでしょうけど、そういうときこそ、ちゃんと肩甲骨を使うべきでしょうね。ちょいと背中がダラーンと見えることがある。

「Latin mix」
アメリをこなしきれていない、ストレス発散ってところでしょうか(笑)。

●浅田さん
「バラード第1番」 ショパン
始まりを見たとき、6月のお披露目の時と比べて雰囲気が変わっていたので、「あ、バレエ観た?」と思いました(椿姫ね。こちら参照)。

ただね、これは、本当に惜しいです。仕上がりが。
真央ちゃんに、誰か言ってあげて。
「流れるような曲だからこそ、どこも同じように踊るだけだと、ボーっと踊っているようにしか見えないんだ」って。
この手の曲だからこそ、メリハリとタメが必要なんだって。
アクセントを付けようとしている箇所があるのは分かるけど、まだまだ全然弱い。
1つ1つの技とポーズに、あと一呼吸の伸びとタメが無いと、まさに「やり損」。
もったいなさ過ぎです。

「愛の夢」
彼女の真骨頂ですね。
あれだけの悲しい思いをしながら、持ってきましたよ、アンコールとして。さすが!です。
JOでは身体が萎縮しきっていましたが、今回は身体に伸びがあって、あぁ、こういうのがやりたかったんだ、と思いましたね。
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by koharu-annex | 2010-10-03 23:42 | 2010-2011 フィギュアスケート