もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ジャパンオープン2010 雑感

テレビ東京放送 2010年10月2日(土)午後7時~

スペシャルゲストの谷村美月さんの着ているジレが、マタギの衣装(?)にしか見えないこととか、木下工務店の五木ひろしさんとコロッケさんのコラボCMが結構ツボだったとか、そんなことはさておき。

●荒川さん
動き出した瞬間、「六条の御息所」と思いました(マジです。「源氏物語」との文字を見る前からです。)。
夕顔は・・・若干、無理があると思うが。
・・・正直に言うと、「若干」じゃなくて「かなり」。

●ジェフリー・バトルさん
「グレン・グールド・メドレー」 byグレン・グールド
北米チームは、ピアノ曲が多いデスね。
グールドの、例の「声」が入っていないかと期待したんですが、無かったな~。

●ミハル・ブレジナさん
「巴里のアメリカ人 サウンドトラック」 ジョージ・ガーシュウィン
若い彼に多くを望みすぎなのかもしれませんが、冒頭から折に触れて出てくるマイムの際、緊張して表情が固いのが残念ですね。
もうちょっとだけおどけた明るい感じが出ると、ぐっと引き込むことができるでしょうに。
なんかね、ジェフリー・バトルさんの笑顔と茶目っ気をプラスしたい感じ?

●小塚さん
「ピアノ協奏曲第1番」 リスト
ねえねえ、私、小塚さんのことを詳しく知ってるわけではないのだけど、この曲は、彼の個性に合っているの?
私はあってるようには思えないんだけど、もし、合っているんだとしたら、もう少し、上半身の振付をもっとこの曲に合って、なおかつ彼をもっと素敵に見せるものにすべきじゃないの?
少なくとも、この曲の場合は、もう少し優雅にすべきだと思うが。
(彼が手首から先を「遊ばせる」癖を持っているせいもあるけど、主原因はそこじゃないと思う。あとね、彼に優雅系の動きが向いているのかは、要検討では?彼には、もっと現代っ子っぽい感じの方が良いと思うけど?)

上半身の動きに気を遣った振付であることは分かるんだけど、いかんせん、全体的にダサい感じがするのね~。
ジェフリー・バトルさんやアダム・リッポンさんのピアノ曲の振付に比べると、振付そのものの差が明らか過ぎる気が・・・。
小塚さんの上半身の動きを見るとポテンシャルあると思うので、ちょっと可哀想だと思った次第。

●アダム・リッポンさん
「ピアノ協奏曲第2番」 ラフマニノフ
こんな超有名曲でやってくるとは~。
メロディをどうつなげてくるんだろう~?と編曲が気になるともに・・・リッポンさんの髪の色が、気になって仕方なかったわ。
あれはメッシュに染めているよね?白い雪をうっすらかぶったみたいで・・・全く関係ないけど、バレエ「くるみ割り・・・」の舞台では、昔、雪の精達は皆クリクリの白いカツラをつけていたんだけど、それを思い出しました。

いやいや、後半若干バテた?と感じるところもありましたが、ラフマが鬱から抜け出すきっかけとなった、壮大な面もありつつ叙情あふれるこの曲に、ほぼ負けていない踊りっぷりで(ジャンプもすごかったけど)、私は好みでしたね。

●エフゲニー・プルシェンコさん
「ニジンスキーに捧ぐ」 byエドウィン・マルトン
この演目をパソコンの画面以外で見るのは、実は初めて。
バレエ見には、このプロは深くて楽しい。ニジンスキーの特徴的な振付や残された写真をモチーフにした動きが随所に盛り込まれているので、隠されたお宝を次々と見つけていくような楽しみがある。

あとね。曲。かなり凝っていることはyoutubeレベルでも理解していましたが、今回、テレビの音響で聞いていると、後半にシューベルトの「魔王」のピアノ伴奏部分が組み込まれていることが分かって・・・びびりました(笑)。
この点、確かに、わずか10年ほどの活躍期間の後、狂気に蝕まれていくニジンスキーと魔王に襲われる子供を重ねるのは、納得の解釈。

プル様は・・・細かく丁寧に表現していくことや、表現そのものの完成度を高めることは、もう放棄していますね。
以前、「雰囲気で勝負する人」の評価~応援目線か評論目線か という記事を書きましたが、現状では、プル様は、その中で指摘した「昔高い技術を持っていた人」に該当すると思います。

私はプル様のことがキャラを含めて非常に好きなので、今もこれからも応援していきますが、表現を評論者目線で語る場合には、残念ながらマイナス面も指摘せざるを得ないと思います。

●高橋さん
「Tango ブエノスアイレスの冬」 アストル・ピアソラ
4回転成功、おめでとうございます。

何度も言うけど、本当に踊りがうまい人です、この方。
あの踊り方は習ってそうなれるレベルのものではないです。
天賦の才能があって且つ本人も努力しているので、「氷上の踊り」という範疇では、そんじょそこらの人が追いつくことは不可能だと思いますね。

あと、演目が始まった途端、その音楽が指向する「自分じゃない何者か」にすぐ豹変できる、これまた天賦の才能があるので、見ているものを妙に納得させるところがあります。

が、後半、体力(あるいはその配分)の問題でしょうけど、音楽に負けてしまいましたね。

●ユリア・セベスチェンさん
「ラウル・ディ・ブラシオ メドレー」 ラウル・ディ・ブラシオ
衣装が結構好きでした。

●安藤さん
「ピアノ協奏曲イ短調」 グリーグ
本当に・・・美しくなられましたね。。。
彼女は、雑音をある程度シャットアウトできる外国という環境が合ったのでしょうね。
また、(男女の噂はさておき)モロゾフさんとも相性が良かったのでしょう。
もともとは精神的にあまり安定性が高くないようにお見受けしておりましたが、今は幸せオーラが出て安定感すらあります。

数年前と比べて、姿勢が顕著に良くなっていますね。
私は、この点も外国暮らしの恩恵ではないかと考えています。
日本人は猫背が多いため、よっぽどひどくない限り日本では自分の猫背が気にならないけど、外国では自分の猫背が妙に気になる・・・というご経験、案外多くの方がなさっているのではないでしょうか
もちろん、まだ彼女は少し猫背ではありますが、ここまで改善されることは珍しいのではないでしょうかね。

猫背が随分改善されているおかげで、彼女が長年改善に取り組んできた腕の動きが、昨年あたりから顕著により美しく見えるようになりました。
年若かった時に比べて、クラシックのピアノ曲が似合うようになったのは、ここが大きいと思います。

肩の爆弾を抱えながら、よくぞここまで・・・(涙)。ビバ!でございます。
(惜しむらくは、アゴの位置ね。適正位置よりも若干上か下なことがあり、ちと泥臭い空気が出る)

●シンシア・ファヌフさん
「ラプソディ」 ラフマ
一般論として、バレエ見にとって、バレエ音楽をスケートに使われると、ものすごく苦労することがあります。
それは、音楽を聴くとバレエの映像が思い浮かぶほど記憶に定着している曲である場合、スケートを純粋に見るためには、次々と浮かんでくる映像を、かなり理性を働かせて瞬間技で消去していかなくてはならないからです。

ラフマのラプソディは、イギリスの有名なコリオグラファーのフレデリック・アシュトンが、エリザベス女王のお誕生日か何かを祝ってバレエ作品を振付けています。
極めて音楽的な作品で、伴奏部分、メロディ部分などについて、ダンサーが分担して踊ります。

そのメロディ部分の踊り手の名手中の名手が、元ロイヤルバレエ団プリンシパルの吉田都さん。
私は、何度も何度も都さんのラプソディを見ているので、この音楽が流れると必然的に都さんの踊りが目の前に浮かびます。
それはそれは、メロディと一体化した素晴らしい踊りで・・・もう他の振付など考えられないくらいで。
これは理性でどうにかなるレベルではなく。

ということで、他の振付は何を見ても、物足りないのであります。
ファヌフさん、大変申し訳ない。
ガタイがでかい、ということしか残らなかったよ・・・すまぬ。

●サラ・マイヤーさん
「映画『コレラの時代の愛』より」 アントニオ・ピント
これも衣装が好きだったな。

少し体が重そうでキレがなかったですが、これは荷物が届かなくて当日まで練習が一切できなかったことがあるのでしょうかね?
普段を存じ上げないのでは判断できませんが。

●浅田真央さん
「愛の夢」 リスト
衣装のバスト部分が若干下過ぎるのではないか?ということも含め、私の好み的には、上半身部分のデザインの全面的な改善を求めたいデス。

演技については、修正中のジャンプがうまくいかず、途中から心の中の悲しさがあふれ出してしまいましたね。
彼女の名誉のために申し上げると、彼女自身は何度も心を立て直そうと、また演技を少しでも良いものにしようと笑顔を作り、ジャンプ以外の部分で「愛の夢」を表現するために、必死に頑張っていました。
本当に、彼女はそういうところは真摯で健気で、一切何も投げ出さず、フィニッシュのポーズまで丁寧でした。
これは称えるべきことだと思います。

が、ジャンプというのは彼女にとって本当に大切なものなのでしょうね。
後半に向かうに従い、体が萎縮していき・・・・・・以下略(おそらくご覧になった皆様にはお分かりでしょうから)。

皆様から今シーズンはジャンプ修正シーズンであるので長い目で・・・という趣旨のコメントをいくつか頂いておりまして、この事態は、ファンの皆様からすれば、ある程度予想されたことだったかもしれませんね。
が、終わった後、日本人スケーターの皆様と座っていらした時、うっすら涙を溜めていたようで、ご本人は想定外のショックだったかもしれません。

ただ、私はあまり心配していません。
むしろ、本当の真剣勝負の試合前に、この経験をしておいて良かったのではないかとも思います。
彼女は、これを糧として、修正中のジャンプがうまくいかない間も、何らかの方策を立ててくることでしょう。
仮に、何らかの方策が立てられない場合は、ジャンプが修正されるまで待てばよいだけの話です。


●ロシェットさん
「サムソンとデリラ」 サン=サーンス
昨シーズンと同じナンバーであり、また、今シーズンはこのジャパン・オープンしか出ないということでピッタリ標準をあわせてきた、ということもあるのでしょうけど。
出場者の中で1番の出来だったのではないでしょうか。

彼女はガタイがでかく、決して繊細な表現をするタイプじゃないんですが、表現が何というか・・・深いんですよね。
アジア人ではなく欧米の女性らしい、女性らしさがある上、静かな哀しみも湛えることができる。
ジーンと胸を打つものがあります。
異国情緒があってドラマチックでありながら上品さと品格のある、この音楽に良く合っていました。
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by koharu-annex | 2010-10-03 01:42 | 2010-2011 フィギュアスケート