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by koharu-annex

ランビエールが観たがった「ジゼル」

Koharu@マウイ旅行中です。9月20日、末尾に感想を加筆しました。


東京バレエ団 「ジゼル」(全2幕)
2010年9月8日(水)午後7時~ @ゆうぽうとホール

振付: レオニード・ラヴロフスキー
    (ボリショイ劇場版/ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー、マリウス・プティパの原振付による)
改訂振付(パ・ド・ユイット): ウラジーミル・ワシーリエフ
音楽: アドルフ・アダン 

【主な配役】
ジゼル: アリーナ・コジョカル
アルブレヒト: ヨハン・コボー
ヒラリオン: 後藤晴雄

<第1幕>
バチルド姫: 吉岡美佳
公爵: 木村和夫
ウィルフリード: 柄本弾
ジゼルの母: 橘静子
ペザントの踊り: 高村順子-宮本祐宣  乾友子-長瀬直義、
           佐伯知香-松下裕次  吉川留衣-平野玲
ジゼルの友人: 西村真由美、高木綾、奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子

<第2幕>
ミルタ: 田中結子
ドゥ・ウィリ: 西村真由美、吉川留衣

指揮: 井田勝大
演奏: 東京ニューシティ管弦楽団

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今回の公演、来日中のスケーターのランビエールさんも観たがっていたそうなんですけど、日程上無理だったらしく、ゲネプロを見学されたそうです。(いつもコメントを下さっている方から教えて頂きました。ありがとうございます!)

この舞台を鑑賞するに当たって、私、ちょこっとばかり緊張していたのです。

というのは、ロンドンで新婚生活を何年か送って帰国した友人夫妻が観に来ていたから。(ちなみに、6月のロイヤルバレエ団の東京公演は、ロンドンと比較すると馬鹿くさくなるほど高額なチケットに怒りを覚えて、観に行かなかったそうです・・・)

友人夫妻のお目当ては、もちろん、この日の主役2人。日本のバレエ団をバックに踊る、ロイヤル・バレエ団のコジョカル&コボーの両プリンシパルです。
友人夫妻に「主役のロイヤルだけじゃ、やっぱりね・・・」などと言われないように、東京バレエ団の皆さんに是非とも頑張って欲しい~と思うあまり、ワタクシ、なぜか緊張してしまったのでありました。

ということで、まずは、その友人の感想からご紹介(私の友人は、奥様ではなく旦那の方です)。

「ボク、一応ネクタイと上着持ってきたんだけど、日本はS席でもものすごく服装がカジュアルなんだね~」
「ロイヤルオペラハウスで、特にオペラなんかだと、カジュアルなんて有り得ないけどね~」


欧米の劇場では、オーケストラシートやボックス席に暗黙のドレスコードがありますよね。それを基準にしてしまうと、日本の劇場におけるお客さんの服装は、確かに驚きのカジュアルさでしょうな。
座席によって差異がわるわけでもなく、マチネ(昼)とソワレ(夜)でも差異がないことも、欧米目線でみると珍しいでしょうね。
 
「ところで、インターミッションでアイスクリーム売ってるの?」
「ロイヤルオペラハウスでは、毎回、すごく美味しいアイスクリームが売られてて、それがとっても楽しみだったんだけどね~」


んなもん、ないよ!
特に今回の劇場はゆうぽうとホールなので、そーゆー素敵なことは一切期待できませんのよ。

友人が日本でバレエを見るのはこれが初めて。運が悪かったですね。
ゆうぽうとホールは、もともと簡易保険加入者に向けた福祉施設の一部である多目的ホールです。ロビーやホワイエは狭く質素で、クロークすらなく、荷物が多いときはコインロッカー(!)を使用することになります。
 
初めての劇場体験が東京文化会館か新国立劇場ならば・・・アイスクリームは常にはないけど、もう少し印象が良かったと思います。(いずれもオペラの公演中です。まあ、東京バレエ団が新国を使うことはあり得ませんが。)

「コジョカルってさ、やっぱ、顔が可愛いよね~!」 

・・・

「2幕の群舞、あれは、日本人の真面目な気質がそうしてるのかな。それとも日本人というだけで体型がだいたい似通っているからかな。すごく揃ってて、ヨーロッパのバレエ団よりすごいと思った。ドゥ・ウィリなんか双子じゃないかと思ったよ!」

やった!!
ベスト・オブ・ベストじゃなかったかもしれないけど、初めて見る人の度肝を抜くレベルは充分に超えていた素晴らしい群舞でした。
一時期に比べるとレベルが下がったなどという声をちらほらと聞く、東京バレエ団の群舞。でも、少なくとも「バヤデール」や「ジゼル」などの白の群舞は、私は、今でも日本で一番だと思う(アクロバティックな群舞は新国が一番かな)。

友人には、日本人だからあそこまで揃うのではなく、このバレエ団が日本の中でも群舞にチカラを入れているトップクラスのバレエ団だからなんだ、とちゃんと伝えておきましたよ。
なお、「日本でトップレベルの群舞であるならば、世界でもトップレベル」であることは間違いなく、その理由は友人の分析にも一理アリ、です。


私の感想については、後日、加筆ってことで!


コジョカルさんは、音楽性がないというか、音楽の拍子をきちんと取るのではなく、音楽をそのメロディのフレーズ単位で把握して動く人ですね。
今回、この音楽の把握の仕方が裏目に出た箇所が、1幕で散見されました。

たとえば、村の友達(群舞)と一緒に踊るワルツ。
群舞はきっちりワルツのカウントを取って、三拍子を外さないように踊ります。舞台上の指揮棒のようです(笑)。
ジゼルは、群舞とともに踊りながらも群舞に埋もれず、オフバランスなどの技を見せつつタメて踊ったり、アクセントを付けて踊ります。
この踊り方は主役だけに許された特権で、この場面ではどのダンサーもそのような踊り方をします。

コジョカルさんは、トップダンサーの中でもとりわけバランスを取る身体能力が高い部類に入りますから、ぎりぎりまでアチチュードなどの姿勢を取って(=オフバランス)、その能力を観客に見せようとしました。

しかし、だからといって、音楽にあそこまで遅れるのは良くないと思いましたね。あれはズレ過ぎです。
コジョカルさんは、音楽をフレーズで把握しているから、フレーズの中で振付が追いつけばよいという感覚なんでしょうけど、そこがまさに問題。

主役に許されたタメを作る踊り方といっても、それは拍子について、ある程度きちんとカウントした中で許される範囲でないと、単に遅れているようにしか見えないことがある。
ワルツは、ほぼ誰にでもカウントできますから、あそこまでずれてしまうと、ちょいと気持ち悪いほど。

もし、群舞と一緒に踊るのでないソロの場面ならば、指揮者の方で音楽を異常にタメるとか、テンポをゆっくりにすることができますが、群舞と一緒の場面ではそれは不可能ですからね。
その点、もう少し考慮が必要かな、と。



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by koharu-annex | 2010-09-12 01:20 | バレエ(東京バレエ)