もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

カルメン!

9月8日追記: コメントを下さった皆様から、高橋さんが過去に大恋愛(?)をご経験されて彼女のことを思って試合どころじゃなかったことを、この夏テレビでお話されていたと教えて頂きました。あぁ、なるほど、そうじゃなきゃあの雰囲気は出ないわよね~と非常に納得した次第です。そうすると・・・真央ちゃんも恋愛してもらわねば、ですかね(笑)。


カルメ~ン♪

カルメ~~ン♪


と聞いて、皆様、何を思い浮かべるでしょう。

ワタクシは、真っ先に、ピンクレディの歌を思い浮かべるのですわ。ええ、今でも(こちら参照)。


さて、このカルメン。

原作は、19世紀のフランスの作家メリメの小説です。

私は、とりあえずオペラの原作を押さえる目的で、中学か高校のときにこの小説を読みました。

その第1回読書の感想としては。
ホセにひどい仕打ちをやりつくしたカルメンが、ブチ切れたホセに刺された後、最期に良心のカケラでも見せるのかと思いきや、死に際に吐いた憎まれ口というか捨て台詞(あたしは自由なカルメンなんだよ!的な…←うろ覚え)に衝撃を受け、



なんだこのくそ女は



という印象しか残らなかったな(苦笑)。
私も若かった。自分が理解できない人間は許せない、という典型的な思春期でしたわ。あはは。

ついでに言っちゃうと、ドン・ホセについては



なんでこんなにアホなんだ、こいつは



という印象でございましたわね。
男子はかっこよくて、賢くて、強くなくちゃ許せない、という典型的な・・・以下略。

という次第で、この「カルメン」という物語、ワタクシの思春期的には、「くそ女とアホ男の破滅」という一言で総括できるものですが(笑)、魅力あふれる作品世界と人物造形ゆえに、あらゆる媒体に翻案されております。

ビゼーのあまりにも有名なオペラを筆頭に、映画、バレエ、ミュージカル、お芝居等々・・・もちろんフィギュアスケートでも頻繁に使用されるモチーフですよね。

バレエでは、全幕でストーリーをちゃんと追ったものもあれば、ホセとカルメンの蜜月時代にだけ焦点を当てた一場ものや小品まで、たくさんの作品があります。
カルメンも、魅力的で美しく(時にキュートで可愛い)ものから性格悪そうな悪女まで様々ですし、ホセについても、情けないアホ丸出し男から、そりゃカルメンも惚れるわな、という完璧な色男まで様々なバージョンがあります。

フィギュアスケートの女子シングルにおいては、私の世代ではビット様の演技が印象的ですけれども、昨今は、ジュニアの選手またはシニアに移行した直後の可愛い盛りのお嬢さんが演じることが多いようですね。
原作と大きく乖離していますが、ビゼーの音楽の力を借りて、10代の少女に良く似合う「ほんのりとだけコケティッシュ」な振付で仕上げたものが多くて可愛らしい、という印象を持っています。
フィギュアスケートにおいては、その役を完全に演じるのではなく、とあるモチーフが持つイメージを部分的に取り出して雰囲気作りにだけ使用する、という手法が割と頻繁に使われていますが、その手法としては大成功の部類に入るのではないでしょうか。

ところが、ですよ。
男子シングルの「カルメン」(=ホセのモチーフ)は、小つまらないものが多いですわね。
女子の場合と同じように、モチーフの部分的なイメージを雰囲気作りにだけ使用しているとはいえ、あまりに皆様「普通にカッコイイ」バージョンが多すぎる、というか。

せっかくホセのモチーフを使うのに、右へならえ的に、どの方も「普通にカッコイイ」とか「単なる色男」じゃもったいない、と思うのです。なぜなら、そもそも「カルメン」はホセの物語だから。

主人公は、カルメンではないのです。
カルメンというクソ女にロックオンされてしまったおかげで、メロメロに惚れて骨抜きにされてしまい、婚約者を捨て、公務員の職を捨て、盗賊になり下がって、最後は殺人を2件犯して、死刑囚。
・・・アホです。あ、違う。真っ当な人生を歩んでいける環境が整っていたにもかかわらず、1人のファム・ファタール(客観的にはクソ女)のために、絵に描いたように転落しズタボロになってしまう、1人の男。彼こそがこの物語の主人公なのでありますよ。客観的には単なるアホでも(←しつこい)。

というわけで、ワタクシ、「ズタボロ」のホセ君を、スケーターの誰かにやって欲しい、とずっと以前から思っていたのです。

で、先日、高橋さんが「アメリ」を滑るのをみて、彼しかない、と思いました。


どうだろう、高橋君。(←なぜか君付け)

女に惚れて、ズタボロになってくれまいか。
ぼろぼろになって落ちていく君も、きっと素晴らしく色っぽいと思うぞ。

いやもちろん、高橋君が、実生活で女にズタボロにされることなんて、求めてないっす。
高橋君には幸せになってもらいたいし、何より、堅実で真っ当な生活を営んでくれていないと、表現に差しさわりがあるし。

ズタボロに落ちていく役柄なんて、そんな冒険、そんじょそこらのぺいぺいには絶対にできない。
でも、高橋君は違う。あなたは何だってやれるよ。
その表現力と躍り心をもってすれば、怖いものなしだよ。
ズタボロに落ちていくアホなのに、色っぽくて哀愁漂う、そんなホセは、あなたにしか出来ないと思うのよ。

とか言いながら・・・(いや、本気で願っているのだが)
あなたのような表現の幅が大きい人には、「いまさらカルメン」、な感じですわよね。

ホント、使い古されて、小つまらないわよね、男子のカルメン。
(女子も若干、飽きがきている人が多いと思うケド)


*昨日、シェリー酒に関するパーティー(「シェリーと創作料理の夕べ」@帝国ホテル)があって、「カルメン」の舞台であるアンダルシアに想いを馳せたことをきっかけに、酔っ払った勢いで書いた記事です。誤字をちょっと直して、遠慮なくアップさせて頂きました。はっはっは。

>高橋さんのファンの方へ
酔っ払いの戯言、と言い訳するつもりはありません、です。
ワタクシ、心底、「ズタボロ」ホセ君を高橋さんに演じて欲しいと思っているのです。ご容赦ください。
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by koharu-annex | 2010-09-07 22:40 | フィギュアスケート男子