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by koharu-annex

エトワール・ガラ2010 Aプログラム

*今、旅先で感想部分を書いているので、パンフレットが手元にありません。後日、パンフレットを見て、感想部分に加筆するかもしれません。

エトワール・ガラ2010 Aプログラム
2010年7月28日(水)午後7時~ @Bunkamura オーチャードホール

【第1部】

●「シルヴィア」第1幕より
振付: J.ノイマイヤー
音楽: L.ドリーブ
出演: シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

シルヴィア役のシルヴィア(笑。敢えて選択?)がワイルドでした。
むしろじゃじゃ馬、それが悪けりゃアマゾネスの風情ですね。
弓を尋常でない勢いで、ぐぉーっと引いて矢(これはマイムだけどね)を放つの。わ~、何をしとめるおつもり!?と、身構えしてしまいましたよ(笑)。
私はもう少しニンフの雰囲気を出したシルヴィアが好きですが、これもありかな、と。


●ローラン・プティの「カルメン」よりパ・ド・ドゥ
振付: R.プティ
音楽: G.ビゼー
出演: エレオノラ・アバニャート、マチュー・ガニオ

アバニャートさん、健闘していました。
マチューさんは良くも悪くも貴公子然としていているので、女に堕ちていくホセとしては若干物足りないと思う方が確実にいらっしゃるでしょうね。
まあ、今や貴重な存在であるダンスールノーブルを地で行く26歳の彼に、「女に堕ちていく」感まで求めるのは贅沢すぎる話でしょうけども。


●「天井桟敷の人々」よりスカルラッティ・パ・ド・ドゥ
振付: J.マルティネス
音楽: D.スカルラッティ
出演: ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オフォルト

今回のガラ公演で楽しみにしていたものの1つ、「天井桟敷」。
しかし、ガラ用に再構成されたものだったそうです。
そうすると全幕もののイメージからは離れてしまうわけで、ちょっと残念でした。


●「フェリーツェへの手紙」 《世界初演》
振付: J.ブベニチェク
音楽: H.I.F.フォン・ビーバー
出演: バロック・ヴァイオリン: 寺神戸亮、 ダンサー: イリ・ブベニチェク

ヴァイオリニストの寺神戸亮さんが、舞台上(上手手前)で客席の方を向いて演奏されました。
私の鑑賞経験では、こういうタイプの演目(演出?)の場合、演奏者が上手であればあるほど(そしてダンサーが下手であればあるほど)、踊りよりも演奏に観客の目が行ってしまう可能性があります。
踊りの舞台としては、(余計な)危険要素を抱えるわけですわね。
今回は演奏も素晴らしかったですが、負けず劣らずブベニチェクさんの踊りが素晴らしかったので、この危険は完全に杞憂に終わりました。

この作品は、確かカフカが婚約者(しかし結局結婚できず)と交わした手紙をモチーフにしたものだったと記憶していますが、ひりひりとした感情が伝わってくる、切ない作品に仕上がっていました。

ひりひりが最高潮に達した時のブベニチェクさんの踊りが凄まじくて、「ブベニチェク自身が振付けてるからここまで踊れるけど、他の人は踊れないだろうなあ・・・」と思いながら見てました。


●「人魚姫」第1幕より
振付: J.ノイマイヤー
音楽: L.アウアーバッハ
出演: シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

これもかなりひりひり系の作品。
バレエオタクの間ではとても有名な作品です。
振付師のノイマイヤーは現在68歳ですが(たぶん)、現役のコリオグラファーの中では傑出した1人だと思います。
ちなみに、山岸涼子さんの漫画「テレプシコーラ」第2部に出てくるN氏とは、彼のことです。

この作品、おとぎ話の人魚姫のストーリーをなぞるものではなく、作者のアンデルセンの苦悩を表出する道具として「異形の人魚姫」が登場するんですが、その異形の造形っぷりが、まず人の深層部分を突くんですよ・・・。

また、アッツォーニの「異形の人魚姫」への憑依ぶりが怖いの。
はー、いいもの見たけど怖かった。


●ローラン・プティの「アルルの女」よりパ・ド・ドゥ
振付: R.プティ
音楽: G.ビゼー
出演: エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ

こちらは、とある魔性の女(でも彼女は舞台上には一切現れない)に取り込まれて、狂って自殺する男の話。
ペッシュが、壊れ始めから最終的に精神が崩壊していく男の様を分かりやすく好演。

男の婚約者で、自分を視界にいれようともしない男とのむなしい結婚式の様子を演じたアバニャートも良かったデス。


【第2部】

●「三銃士」全1幕 《世界初演》
振付・衣装・舞台装置: P.ラコット
音楽: M.ルグラン
出演:
 ミレディー(謎の女): マリ=アニエス・ジロ
 リシュリュー(枢機卿): バンジャマン・ペッシュ
 コンスタンス(侍女): エフウゲーニャ・オプラスツォーワ
 ダルタニヤン: マチアス・エイマン 
 アンヌ王妃: ドロテ・ジルベール
 ルイ13世(国王): マチュー・ガニオ
 三銃士 アトス: イリ・ブベニチェク
      アラミス: ジョシュア・オファルト
      ポルトス: アレクサンドル・リアブコ
 枢機卿銃士: キャスパー・ヘス、鈴木彰紀、平牧仁、大石治人、三好祐輝、野口俊丞
 街の女: オステアー・紗良


このガラのために創作された作品。
皆さん、楽しそうに踊ってました。ありがたいですね。

三銃士の1人オファルト君は、他の2人に比べるとちょっと踊りが見劣りしちゃいますが、このメンバーだと仕方ないか・・・。

エイマンさんは、キャラ的に「ちょっと小生意気そう」なところが、役柄にプラスに働きましたね。

ガニオさんは、この作品の登場人物の中では国王がいいんでしょうけど、地味なんですよね・・・。
アンヌ王妃が浮気してるのでは?と疑心をもってる設定らしいんだけど、そういうところは出せてなかった印象ですね。
そもそもこの作品(振付)自体がそこまで考えて作りこまれてはいないので、ガニオさんにそこまで求める方が無理かもしれないですが。
ガニオさんは、Bプロでも少々思うところがあり、私の中で少し歯がゆい存在になりつつあります。
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by koharu-annex | 2010-08-08 00:42 | バレエ(座長公演)