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by koharu-annex

英国ロイヤル・バレエ団 「リーズの結婚」

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英国ロイヤル・バレエ団 2010年日本公演 「リーズの結婚」(ラ・フィユ・マルガルテ)
2010年6月19日(土)午後6時 @東京文化会館

振付: フレデリック・アシュトン
音楽: フェルディナン・エロール
編曲: ジョン・ランチベリー

【出演】
シモーヌ(裕福な農家の未亡人): アラステア・マリオット
リーズ(その娘): マリアネラ・ヌニュス
コーラス(若い農夫、リーズの恋人): ティアゴ・ソアレス
トーマス(金持ちのブドウ園主): クリストファー・サウンダース
アラン(その息子): ジョナサン・ハウエルズ

おんどり: ポール・ケイ
めんどり: リャーン・コープ、イオーナ・ルーツ、エマ=ジェーン・マグワイヤ、ロマニー・パシャク

リーズの友人: タラ=ブリギット・バフナニ、フランチェスカ・フィルピ、ナタリー・ハリソン、ローラ・マッカロク、クリスティン・マクナリー、ピエトラ・メロ=ピットマン、サイアン・マーフィー、サマンサ・レイン

村の公証人: ギャリー・エイヴィス
公証人の書記: ポール・ケイ


指揮: ダニエル・キャップス
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団

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この演目でなにが好きって、おんどり・めんどりの踊りです。
彼らが出てくるだけで、私の顔はにやけます。本物のにわとりの動きを、よくまあ、これだけ踊りの中に盛り込めたものです。
リーズやコーラスが舞台上に出ている場面でも、端っこで、他の「その他大勢の人達」の数人に、おんどりがケンカをふっかけたりしていて(縄張りに入ってくるなー!みたいな?)、マジで笑える。
正直、おんどり・めんどりが舞台上にいるときは、どんなに端っこであっても、凝視してます(私の中では、主役もそのときは脇役です)。
今回は後半で公証人もやっている、ポール・ケイさんが「おんどり」でしたが、楽しげに、でも気合入れて演じていて、私は大満足。

ヌニュスのリーズは良かったです。
おてんばで、ちょいとわがままで、感情の発露が素直で分かりやすくて(ぶーたれるところも、分かりやすくぶーたれる)、元気で可愛いリーズでした。

それに比べると、ソアレスのコーラスは、今ひとつですな。
この人は、ちょっと「俺ってハンサム」オーラがあるので、農夫ではなく華やかな役の方がずっと似合うでしょうね。正直、ぱっと見で、「こんな人、村にはいないよ。」って思っちゃう感じ。

しかも、この日、出だしの調子がかなり悪かったんですよね。
「オーラ出すなら、ちゃんと踊れよ!」と、思わず心の中で突っ込んじゃいましたよ。
後半に行くに従って、調子を上げていったので、微妙にアップ不足だったんじゃあ・・・という疑いも拭えず(-"-;)


それにしても。
この、ラ・フィユ・マルガルテ、「観て幸せになれる、世界一のバレエ」などと宣伝されます。
最終的にリーズに振られて大恥をかかされる、「頭の弱い」アランについても、「赤い傘がありさえすれば幸せ」なので、「リーズの家に置いてきてしまった赤い傘を、ラストに取り戻して幸せになる」ということを前提に、「登場者全員が幸せになるバレエ」などと言われます。

でも、それって、ウソですよね。
現在、これ観て、「ちょっとアランの扱いがひどくない?」と、心がチクッとしない人って、殆どいないのではありませんか?

このバレエの初演は、1789年のフランス、ボルドー。
1789年は、フランス革命の年です。
この時代、農村を舞台にした農夫や村娘達が主役の演劇的な舞踊において、金持ちの息子アランを「頭の弱い」奴に描いてからかうということは、許されるし面白かったのでしょう。

だけど、現代に生きている私は、「お気に入りの赤い傘があれば幸せになれる人なんだから、婚約をひどい形で破棄されようが、親や村の皆の前で大恥かかされようが、赤い傘が手元に戻りさえすれば大丈夫」なんていう感覚には、到底なれないわね。

具体的に言うと、私の友人には、発達障害の兄弟・息子を抱えた方が複数いるけど、彼女達をこのバレエに連れて行けるかっていったら、そりゃ無理よ。
だって、全編にわたって、アランは馬鹿にされ、ひどい扱いを受け続けるんですよ。「頭が弱い」というだけの理由で。

私は、大上段に構えて、「差別的だからこんなバレエ、やめてしまえ」とか、「アランの部分を改変しろ」などと言うつもりは毛頭ありません。
が、そろそろ、「誰でも観ると幸せになれるバレエ」などと、アホな宣伝の仕方をするのは、もう止めませんか?そして、アランについて、「赤い傘があればいつでも幸せ」などと、バレエ紹介本やパンフレット等に、大ボラ書くのも、もう止めませんか?
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by koharu-annex | 2010-07-04 23:20 | バレエ(英国ロイヤル)