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もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

ヒジの動きに注目してみる

サッカーの話じゃありません(笑)。

それにしてもW杯、決勝T進出、めでたいデスね。
皆さまそれぞれ、お気に入りの選手がいらっしゃると思いますが、私は松井さんです。W杯前の親善試合の頃は全く使ってもらえなくて、ワタクシ、悲しく歯がゆい想いをしていたのでした。決勝Tでも、ご活躍を祈念しております。

さて、信ちゃんの記事の続きを書く前に、一般論をできるだけ片付けておきましょう、ということで。
今回は、腕による表現について。

腕の表現って身体表現には必要不可欠なので、多くのジャンルの舞踊に「腕の型」があります。
「腕の型」を適正に行うためには、腕だけでなく、腕と連動する胸・首・肩・背中が適正なポジション&動きをしなくちゃいけない。そのため、ちゃんとした腕の型をマスターするためには、その連動したものも含めて覚えていく必要があるため、どうしても一定期間の修練がいるわけですわね。

ところが、そういう舞踊の専門的な訓練をそれほどやらなくても、あるいは全くやってなくても、先天的に「躍り心」がある人(踊りに対するセンスが全方位的に高い、くらいの意味で使っています)って、「腕の型」に近い、とても良い腕の動きができることが多い。

何が一番違うのかしら・・・とずっと考えていたのですが、現在のところ、ワタクシの答えは、「ひじ」。

ひじを横に張ることができて、かつ腕を動かすときにも「ひじ」を横に張った型のまま、動かすことができると、腕の動きはとても「舞踊的」に見える。
普通の人は、物を持って腕を曲げる時くらいしか「ひじ」を使わないため、横に張った「型」って殆ど日常で見かけない。だから、「ひじ」を横に張って動かすという動作は、地味だけど、とても「舞踊的」に感じるんだと思う。

そもそも、「ひじ」を意識した腕の動きって、なぜだか、とても綺麗な形になりやすいんです。
また、「ひじ」で腕を動かすと、肩が無駄に上がらない。肩が無駄に上下しなければ、上半身の動きがすっきりと美しくなる。加えて、手首の表情も、実はひじの形と位置がきちんとしていると、とても美しく見える。

要するに、「ひじ」は腕のカナメなのですわ。

ピンとこなかったら、ちょいと実験してみて下さいまし。
まず、鏡の前で、前でも横でもいいですから、腕を肩の高さまで「普通に」上げて下さい。
このとき、殆どの人は、主に肩、補助的に手首、にチカラを入れて腕を上げているはずです。
次に、肩のチカラを完全に抜いて、「ひじ」にチカラを入れて「ひじ」から動かすように、腕を上げてみて下さい。
最初のときより、腕に表情が出ませんか?

フィギュアスケート選手の中では、高橋選手と鈴木選手がこの「ひじ」使いが上手だと思う。
ただ、将来的には、村上佳菜子ちゃんが、この2人よりももっと上手になるだろうと思います。

佳菜子ちゃんは、肩甲骨の稼働域も広くてよく動くんですが、彼女の「ひじ」は本っ当~~~に素晴らしいです。あそこまで「ひじ」を動かせる方は、滅多にいないと思う。
適正位置よりもいつも若干上がり気味なんですが(笑)、下がっているよりも100倍良いです。
下がっている人は将来も上げられない可能性があるけど、上がりすぎている分には下げる方向への修正はいくらでもできますから。
それに、「ひじ」が上がっていると、若さやはつらつさが出ます。実際、バレエでも、若い娘の役のときは「ひじ」が上がり気味の振付で、奥様以上の年齢になると「ひじ」を上げない落ち着いた雰囲気の振付になります。

逆に、「ひじ」の動きの悪さが、惜しさを倍増させている選手は、ヨナちゃんです。
彼女の欠点としてよく挙げられる「手首から先がダラ~ンとしている」は、私は「ひじ」に根本的な原因の1つがあると思っています。そういうとき、彼女の「ひじ」は適正位置にありませんから。もう少し「ひじ」の位置と動きを意識すると、連動して手首の形も良くなると思う次第。

ヨナちゃんが「ひじ」を訓練した方が良い理由はもう1つあって、それは、以前指摘したように肩と肩甲骨の稼働域が狭いという、致命的欠点があるからです。

「ひじ」をちゃんと使えない人は、腕を主に肩で動かします。
ヨナちゃんも肩で動かしているんですが、肩甲骨の稼働域が狭いために、腕の動きのバリエーションという意味ではものすごく手前に限界があるんです。
「ひじ」の適正な動きをきちんとモノにすれば、肩甲骨の稼働域が今のままでも、多少は腕に表情がつくはずです。

ただ、ヨナちゃんがえらいのは、「肩があまり上がってない」ということです。

腕を主に肩で動かすと肩に力が入ることから、普通、肩が上がり気味になってしまうことが多い。
肩にチカラが入って上がり気味になるのは、ずばり、舞踊的におブサイクです。
一般的に、腕を肩だけで動かしている選手は、腕に「ひじ」による表情がないことから「腕をぶんぶん振り回しているだけ。」と見えてしまう上に、肩が上がってさらにおブサイク、という悪循環を生んでいます。

ヨナちゃんは、肩を意識して下げているので、この悪循環は避けられていると思う。
ぶんぶん~のところは、彼女の振付のスローさからあまり目立たない。これはラッキーですね(笑)。
逆に言うと、アップテンポでこの悪循環は出やすい。安藤さんと信ちゃんは、時々だけどその悪循環が見られます。
by koharu-annex | 2010-06-26 20:56 | 考察(フィギュアスケート含む)