もしかしてトホホ(http://blog.livedoor.jp/takurere1025/)の別館です。表現系に特化して更新します。


by koharu-annex

とにかく超絶なミルタ!な「ジゼル」

パリ・オペラ座バレエ団日本公演「ジゼル
2010年3月21日(日)午後1時30分 @東京文化会館

音楽: アドルフ・アダン
振付: ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー(1841)
改訂振付: マリウス・プティパ(1887)、パトリス・バール、ユージン・ポリャコフ(1991)
装置・衣装: アレクサンドル・ブノワ

演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団
指揮: コーエン・ケッセル

【出演】
ジセル: オレリー・デュポン
アルブレヒト: ニコラ・ル・リッシュ

ヒラリオン: ジョシュア・オファルト
ウィルフード: ジャン=クロストフ・ゲリ
ベルタ(ジゼルの母): ヴィヴィアン・デクチュール
クールランド大公: ヤン・サイズ
バチルド姫: ベアトリス・マルテル
ペザントPDD: メラニー・ユレル、エマニュエル・ティボー

ミルタ: マリ=アニエス・ジロー
ドゥ・ウィリー: マリ=ソレーヌ・ブレ、サラ=コーラ・ダヤノヴァ


随分前のことで記憶が抜け落ちてて大変でござる。

ジゼルを踊れてこそ一流のエトワールといわれるオペラ座(パンフレットより。そうだったのか…)。
ずっと昔(オレリーがエトワールになってまだ数年しか経っていない頃だと思う)、ダンスマガジンで、「まだ『ジゼル』は断りたい。『オーロラ』なら自分にあってるからやりたい。」とオレリーが話していたとする記事を読んだことがあったんですよね。
そのオレリーが、地元でジゼルを踊って評判を取ったと聞いた日にゃ、行かねばなりますまい。オレリーのジゼルへ!

で、結局、強烈に印象に残ったのは、ジローのミルタなわけだな。
はっは。人生ってそんなものですね、と。

それにしても、オレリーとリッシュは、二泊三日の強行スケジュールで来日して下さったそうです。
有難いです。しかも、2人ともそんな様子は微塵も見せず。素晴らしいです。

【舞台美術・演出】
1幕の舞台にセッティングされている坂道に、少々不満が。
ジゼルの1幕では、坂道が用意されます。アルブレヒトや大公の行列などはこの坂を下って、ジゼルの村にやってきます。これにより、上に位置する貴族階級の人が、下に位置する庶民の世界にきたということを、視覚から感覚的に理解できるようになっています。

今回の「坂道」は、下手に用意されていました。つまり、向かって左が高くなっていて、そこから中央に向かって下りてくる坂道。

変わっているのは、この坂道、下手(左)の高い位置から、上手(右)に向かって、カーブして道が延びているんです。問題は、その延びた道に起伏があること。一回下がって、上って、また下りる。山道に小さなコブがあると思ってもらえば分かり易いかしら。

そのコブをダンサー達が上り下りするたび、ドッタドッタ音がするんですわ。
何度か、ちょっとうるさいなぁ・・・と思いました。
特に、ジゼルが錯乱死した直後に、貴族達が引き返していく時にこの音が響いたときは、イラっとしました(もちろん、ダンサー達がなるべく音を出さないように気をつけていたのは分かりましたが)。
日本公演だけなんだろうか、あの変な坂は。

2幕のサイコロ遊びをする人々(博徒?)が、比較的長く舞台上に居た感じでした。
夜中の墓場ですから、ちょっと違和感を覚えた観客もいたみたいですね。
私も以前から「なんで奴らはここに?」と思っているので、いつかリサーチしてみたいところです。

【ダンサー】
とにかく、2幕のジローのパ・ド・ブーレ(以下「パドブレ」)がすごい!
動きがすごく細かくセーブされているのか、変な揺れが下半身に全く無い。加えて、上半身に全く上下動がないように見える。なんだこりゃーーーー!!!

と思い、私、下にレールを探しました。

ギャグじゃありません。私、もう10年くらい前だと思うんですけど、日本のバレエ団の舞台で、ウィリの1人が、レールに引かれて、アラベスクのポーズを微動だにさせないで出てくる、という演出を見たことがあるんです。ちなみにその舞台では、ワイヤーでつられて出てくるウィリもいて、まさにウィリがゴーストのように空中を飛んでいたのでした。保守派は怒るんだろうケド、あれはあれでとてもスペクタクルな良い舞台でした。

しかし、ジローの下にレールはありませんでした。あれ、自力でやってるんだ! あらためて驚愕。
しかも、どんな時も音がしない。音なしのミルタって、本当に迫力あるというか、怖いのー! 

という次第で、ジローがあまりに凄いので、申し訳ないけどオレリーのパドブレがぎこちなく見えてしょうがない。
まあ、ぎこちなさという点は、「ウィリの新入り」であるジゼルに、ある意味ピッタリとも言えますが。
最後のシーンで、かなり大きな音が出ちゃって、あら~残念・・・という感じでした。
もちろん、ジローがいなけりゃ、音なんて普段こんなに耳につかないと思うんですけど。
(1幕の坂道の件もあったので、余計、音に敏感になってたのかしらん?)

リッシュは、アントルシャがとても美しかったです。
押しも押されぬスター、リッシュ。強行日程に心配したけど、安定した彼の踊りが見れて非常に満足でした。
あぁ、ちなみに、彼の演じるアルブレヒト(1幕)は、跳び蹴りくらわしたいくらいヒドイ男でした。ジゼルは、完全に「お遊び」対象でした。
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by koharu-annex | 2010-05-05 23:22 | バレエ(パリオペラ座)